シカゴ大会BS放映みどころ〜 トライアスロンRun10km28分台!その技術を解説しよう(少しね)
10/8 20:00よりNHK-BSにて、トライアスロンITUワールドカップ最終戦シカゴ大会のエリート部門が放送される→ http://www1.nhk.or.jp/sports2/etc/index.html#onair ※翌日の自転車世界のサガンも注目!
僕が出たのはエイジ部門は対象外だが、男子の最後の噴水裏を走るのが映るかも。(エイジ=陸上と水泳と自転車競技でのマスターズ。組み合わせた競技で名前が変わるのは、アメリカ人がハワイでそう名づけてしまったからかな) 写真右を走る影↓
Chicago4日目、9/19(土)13時過ぎ、僕のレースが終わる。
ホテルに戻ってシャワーを浴び、15時過ぎにバイクなど回収、ホテルでウェットスーツなど洗い、床置きエアコンの風を最強に設定、送風口に敷いたバスタオルの上へ。落ち着いてからエキスポ会場へ。選手用の無料チケットで肉とドーナツとビールを貰う。肉がカモメに襲撃されるが、湘南のトンビのような窃盗技術はシカゴのカモメどもにはなくギリギリセーフで無事に食べることができた。やれやれ、と観戦へ。
レースはちょうどBikeなかほど。コースの末端で、展開を最も見渡すことができた。
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退屈になりがちなITU系のBikeだけど、今回は派手な展開が続き、第二集団が第一集団へ追いつき、そこからの2名アタック、さらに2名追走、合流して4名逃げが成功。
この攻めの走りは、TVでも見る価値があると思う。ダイジェストで十分には伝わらないだろうけど。
この逃げグループ4名は、54名ほどにまで膨らんだメイン集団に33−37秒差を付けたが、ランでは伸びず、最高でアメリカ選手の20位。さすがに脚を使いきったかな。それでも日本人選手でRun1位選手より1分速い。それに、地元開催で見せ場を作るのはプロ選手として十分な仕事だ。
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Runに入ったタイミングで、僕は大きな日の丸をフェンスに掛けるグループへと移動した。そしたらそれがエリート日本代表チームだった。
左にはU23男子代表の谷口&小林選手。1年前には箱根駅伝メンバー入りをぎりぎりまで争っていたトップランナー小林選手が、トップ選手たちの動きを解説してくれた。(というか質問しまくって答えさせた的な)
ロンドン'12銀のハビエル・ゴメスは筋肉質のトライアスリート特有の、新興のマリオ・モーラは細身のスピードランナー的、 対照的なフォーム感だ。ゴメスはロボットのようにシャキーンシャキーンと音たててそうで、モーラはぴょんぴょん。
共通するのは、どちらもピッチが速い。体幹を一切ブラさずに走るので、あたりまえのように見えてしまうのだが。
そして、脚を運ぶ位置が高い。これは、速さの「原因」か「結果」なのかは謎だけど(=こうゆう場合はたいてい両方の相互作用だと思う)、物理現象として観察すると:
- 蹴り上げた足が後方で高くハネ上がり
- その勢いを回転させて
- ヒザが勢い良く前へと運ばれるので
- 脚の振り下ろしも、開始位置が高い
- 高さによる重力エネルギー、移動距離の長さによる加速の両面で、着地時点での力が大きい
と考えられる。
この「脚の運びの位置」は、後続の遅い選手ほど、低くなってゆく。彼らと同じバイク第一集団に居た複数の日本人選手は、比べると、足を引きずるように走っているよう見えてしまう。(もちろんそれでも十分に速いのだが)
これが彼らの「ランニング・エコノミー」=技術だろう、と左隣でU23代表の小林選手が解説。鶏か卵かは問題で、速いから脚が上がるのかも、とも。
なぜ、エコノミー=効率性の問題なのかというと、普通、脚を高くピッチを上げる、とは短距離の走り方だから。それを10km続けられるのは、その「反発のさせ方」になんらかの効率性があると考えられるからだ。
右隣には、リオ五輪代表候補、当時で次点の加藤選手、次々点の高橋選手。こちらは
「クリちゃんがんばってるー」 (=クリサント選手、髪型もクリクリしてるメキシコ人)
「ハスは王子様よねー」 (=ギリシャ彫刻風の金髪長身フランス選手)
とまたカラフルな雰囲気。この観察眼により世界上位を争っているのだ、笑。
こうゆうトップ選手との距離の近さが、ITU世界選手権などのグローバル大会に出る、1つの楽しさでもある。もちろん保証されたものではなく、近くに居る、というだけなんだけど。
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レースは、ゴメスとモーラの一騎打ちが延々続き、ゴール勝負となりそうだ。加藤&高橋選手が、「最後ゴールスプリントかなー、見たいよねー、でもゴールていつも人多くて、いつも見れないんだよねー」と。
なるほど、ゴールはそうゆうものか。ならばどれくらい混んでるのか見てみよう。と、走って移動することにした。まあせいぜい1kmくらいかな。
すると選手が追いついてきた。人垣の隙間から、モーラがゴメスに2-3mくらい先行したのが見えた。僕の走る歩道は広く、人はコース沿いに固まってて、結構な速さで走ることができる。しばらく並走して見ていられた。少し近道して、写真の噴水で再び合流。
ワールドカップ今季最終戦、オリンピックに次ぐレベルでの世界トップの争いに、一緒に参加できてる気分。これが世界トップのトライアスリートの走りだ。楽しい。気持ちいい。
ゴール直前は、さすがに人が多く、見ることが出来なかったけど、十分。Runパート10kmをモーラのは28:59, ゴメス29:06。記録はこちら、展開を知るにはExcelダウンロードしてT2通過時刻たして並び替え(最初から出してくれればいいのにw)。トライアスロンはタイムを問題とする競技ではなく、距離も厳密なわけでもないのだけど、まあ凄いわ。
トライアスロンは、やっぱり、おもしろい。
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* 来年のITU最終戦は "October 29-30: Miyazaki, Japan" ですよー!
** 「Born to Run」のマクドゥーガル新作「人類が失った"野生"のスキルをめぐる冒険」も、おもしろい。前作はインパクト鮮烈で、読後、ラン錬をオフロード中心に変えた。今回の発見は「筋膜」。後で解説→ ケア商品なんてあるんだねー
*** ゼロディの長距離系の2ピースウェアがこの値段なのも、おもしろい。こうゆう値段は続かないもんだ→ デザイン的にも独特の美しさがあり、「ユニクロ的なカブり」の心配が薄いは魅力だ!w
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