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2016年4月の6件の記事

2016年4月26日 (火)

トライアスロン・スイムの2タイプ 〜「後半勝負のストローク」Vol2.

←← 前回書いた「ストロークの後半勝負」は、初心者レベルの基本に過ぎないものだけど、そこへの反応に改めて、トライアスリートのキャッチ偏重は根強いなと思った。

プールの競泳では、キャッチも大事な技術だが、結局のところ泳速はフィニッシュで作られることは広く理解されていると思う。3m近い水深と高機能な波消しロープによって人工的に作られた静水環境なので、水面スレスレの繊細な技術が有効な面もある。海の集団でそれはない。それでもプールで超速い人は水の操作術をわかっているので、それくらいの環境変化には即適応できる。

<2タイプ>
海での集団泳では、大きく2つのタイプの状況がある。
  1. 密集と接触の中でポジション争いをする「バトル型」スイム
  2. 落ち着いた集団内で水流に乗る「省エネ」スイム
それぞれ適した泳法も分かれる:
  1. キャッチの瞬発力で高回転させる「乱流×バトル専門スプリント」泳法
  2. 深くて後半勝負の、大きな高効率ストローク
自転車でいえば、1型の技法は鎌倉の切り通しとかベルギーの「ユイの壁」のような短い激坂を勢いで超えるための強いダンシング、2型はDHポジション巡航そのもの。1型で箱根の山は超ることはない。
 
ここで、「1型」のバトル状況が出現するのは、ITUエリートレース(=つまりは五輪予選)での序盤、特にスタート直後とブイ周辺だろう。本来は。 特にITUルールでは、ここでの秒差が最終結果を大きく分ける重要局面。接触プレーに慣れた水球出身者が、プール泳力以上の結果を出せるのもこれだろう。とはいえあくまでも、局面と時間の限定された特殊技術だ。
 
基本は「2型」の省エネスイム。激しいイメージのあるエリートレースでも、1型スイムの投入は最小限に抑えて、2型で体力を温存したほうが有利に決まってる。
 
ちなみに僕が過去2度出たショート日本選手権のブロック予選では、本戦通過者がギリギリ出たレベルのスイム「最終列車」集団にいて、体力レベルのかなり高い密集集団に揉まれた記憶があるけど、例えばリカバリーの腕がぶつかっても、その瞬間に力を抜いてくれたり、推進力を落とすような接触はしない。バトってるように見えても、実は周りと協力して前集団を追うチームプレーの要素が強い。
 
もう1つ、「1型」が出現する場面がありうる。「スイム苦手な市民トライアスリートがかたまる集団」だ。こちらはスイムゴールまでエンドレスに続く可能性がある。ボディコントロール力の問題もあり、潰し合いなリアルバトルも起きたりして?
 
華やかなエリートレースのイメージのせいか、現実に出場してのバトルの記憶のせいか、「1型の特殊泳法」が、浸透し過ぎているのかもしれない。それが先のブログを書いた背景。そして、その反応から改めてそう思った。
 
<結論>
1型泳法の技術が高ければ、スタート直後100mくらいのうちに適切な集団を探し、付いて、2型に移行して楽に巡航しやすい。もしも、有酸素能力が超高くて、ハイレベルな密集内で、しかも十数分間で終わるスイムパートなら、その技術を磨くべきだ。
でもそうゆうのはごく少数で、たいていは2型の泳法だけで十分だと思う。特に、時間が長くて、スタートダッシュだけ決めればよい場合には。結局、トライアスロンのOWSスイムとは、2型の省エネ泳法に尽きる。
 
現実的には、「スイム苦手な密集に囲まれる」という最悪状況から脱出したい場合に、10秒間限定のエネルギー源 「クレアチンリン酸系回路」を利用した1型高回転ダッシュで「壁」を乗り越えてから、2型の短距離モードで適切な集団の後に入り、2型省エネモードに切り替える。
 
その上で、プールとの技法の違いは、
  • 大きな水流に乗っかり、
  • 前泳者の作る乱流の影響を受け流し、
  • 頭を上げて周りを見て、
  • 両側呼吸もできる
ということだと思う。
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<どこでもできる練習法>
それら技術を確認するには、自分と「だいたい同じくらい」の泳力の方の少し後ろから、
  1. 高回転×短ストロークのダッシュで追いつき
  2. 直後で、長ストロークの高効率で休憩スイム
という練習なら、結構どこでも出来るはず。
 
相手との泳力差によって、時間差、休憩時間などを調整すればよい。追い越し可で、相手が少し遅ければ、最後に抜いてあげる。もしも相手が競泳時代のアンディ・ポッツに国際レースで勝ったこともあるような元オリンピック選手のような場合には、直後に出て、1mでも長く付けるよう努力してみようか(経験談)。こう言う練習なら、たとえ10mでも、十分すぎる効果がある。
 
水面が荒れていれば、荒れたなりにやり過ぎしながら、水をつかむ必要がある。どうゆう調整をかければいいのか、この練習でシミュレーションする。ある超絶トップスイマーさんに聞いたら、表面部分を避けたストロークをしているといっていた。
 
<おしらせ:練習会>
こんな思考をもとに、技術に集中してやってます。「スイム苦手/遅いんですけど、練習会でれますか?」という問い合わせをたまに頂く。苦手とは改善余地が大きいということ。最下位には自分以外全員を逆転するチャンスがあるので す!その恵まれた立場を活かしましょう笑。Facebookフォローください。
 
 
←熊本地震の後で買った2つ

2016年4月24日 (日)

ストロークは後半勝負 〜驚くほどできてない水泳の超基本を解説しよう

水泳のストロークの大基本は、水圧を高め続けること。これは水の物理的な性質に由来するもので、個々人の個性とかは全く関係ない普遍原理だ。水は押せば逃げる。ただし、逃げる前により強く押せば、反発力を返してくる。厳密には「渦による抵抗力」の複雑な作用によるが、つまりはそうゆうこと。その究極は高飛び込みで、急激な力に対して液体は固体のように作用し、飛び込み角がちょっと狂うと重大事故にもなりかねない。(なので飛び込み用プールは下から泡=気体を混ぜて緩和させる)

だから、ストロークは水に対し、絶えず新たな加速度を与え続けねばならない。トップスイマーほど、あたかも壁を押しているかのような強烈な加速度を与え続けているわけだ。

ここで、「ストロークのパワー」=「a.フォーム」×「b.速さ (or加速度)」 と分解することができる。

1.まず、ストロークの「a.速さ」に注目するとわかりやすい。
  • 初期=キャッチが、最も遅く
  • 終期=フィニッシュが、最も速い
のであればよい。と簡単に書いているけど、最後まで速度を上げ続ける(=落とさない、のではなく!)のは、簡単ではない。
2.そのために「b.フォーム」は:
  • 初期=キャッチは(肩を軸とした)円運動で構わない
  • 終期=フィニッシュは後ろに向けた「壁」のように垂直に水を押す
となる→ Thum_01フェルプス先生模範演技、ちょい古いが基本は同じ)
肩を中心とした円運動ストロークでも、加速さえできていれば、十分に力は伝わる。
さらに、より直線的に水を押すことにより、水に伝わる力はさらに増大する。
ここでの目的は、力を徐々に上げてゆくこと。序盤は緩いほうが、終盤に向かって加速させることができるよね。
しかし、これらは驚くほど実行されていない。
 
多くのトライアスリートのスイムは、ストロークは等速、むしろ後半に失速する場合すら多い。さらにフォーム面では、手を身体側にひねって水を逃したり、 回る水車のように空に向けて沈もうとしたりする。
つまり速く泳ぐための法則をガン無視しているわけで、遅くなるべくして遅くなっているとさえ言えるだろう。ここから脱出できれば、「初回限定の先発投手」 の抱えていた借金は突如として貯金と化すことだろう!

このあたり、4月から2度開催した撮影会からの発見。「三浦広司コーチの泳法理論を資料化し、座学で伝え、プールで実践し、その成果を撮影して見せて自分で考えてもらい、そこにフィードバックして…」と(手間のかかる)過程を一段づつ上がってきたことで、よりクリアに見えてきた。

 

<原因>
できない理由は、順に:
  1. 序盤で力を使い果たし、
  2. 後半にかけて強くなる水圧に負ける。
1.は、「キャッチ重視」の罠にはまっていると思う。日本のスイミングスクールの選手コースではキャッチ感覚を鍛えるためにスカーリングなどを重視している。その文化が、市民トライアスリートにも伝播しているのではないだろうか。もちろんキャッチは上手いに越したことはないのだけど、現実に、パフォーマンスに対する寄与度は低いはずだ。(その理由は上述の通り=てゆうかタイトルご参照)
同時に、「ハイエルボー」の呪いもあるかも。現実に必要なハイエルボー度合いはたいしたことはなく、ストローク前半は真っすぐの腕を回しているだけの上級スイマーは結構多い=特にトップトライアスリートの場合には。その実態以上に凄い技術であるかのような誤解がないだろうか?
 
※念のため、私の過去ブログではこれらを推奨している場合もあるのですが、私は常に進化しているのであり、最新の見解をご参照ください。
2.そして序盤で筋力を使うことで、後半には筋力が残っていない。ここには、「腕+肩の筋力に頼ったストローク」の弱点も加わる。腕肩の小さな筋肉だけでは、大きな筋肉を使う泳ぎに勝てるはずがない。

 

<対策>
それらの裏返しが、そのまま対策になる。
  1. ストロークの入力=パワーポイントを遅らせる
  2. 体幹=胴体側の筋力、体重移動など、より大きなパワーをストロークに持ち込んで、水圧に勝つ
「表面の動作」をそのまま真似しようとしても、その裏側にある「真の動作」の仕組みを理解していないと、似て非なるものに陥りがちなので注意が必要だ。(見たまま出来てしまう人は、天才と呼ばれる)
三浦コーチの泳法理論は、こうした水の物理法則、人体の構造の理解の上にたって、そして世界トップの舞台を戦った最高の身体感覚に裏付けられて、設計されている。それをより広く伝えるのが僕の役割。そのために、新たな概念、これまでとは違う言葉が、必要だと思っている。 「体幹パワーを活用したクロール」と言っているのもそう。今回のテーマでは、
  • 「ハイエルボー・キャッチ」より、「後半勝負のストローク」を
  • 「フラットスイム」より、「体幹エンジン」を
だと、強調していきたい。

 

<参考:練習道具>
こうしたパワー感を理解するのには、「ハードパドル」が使える。パドルは単なる筋力アップの道具ではないのです。(なおソフトタイプ or アクアミットは現在、推奨してません)
最も推奨するのが、ゼロディ社の「ハンド・パドル」Mサイズ。左右非対称で、親指部分の機能性が他を圧倒しており、競泳トップレベルの選手が溺愛しております。(僕のが取られちゃいました笑) 3,000円くらいだっけ? あんまり売ってませんが、私は秘密ルートを持ってるので、試してみたい/買いたい方、お問い合わせを。
ただ使えないプールが多いので、その場合、尖った形のプルブイを掴むことで、ある程度、代用できます。(丸い形のでは難しい)

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2016年4月18日 (月)

これが世界の強豪エイジ! 宮古'16総合2位ヒューム選手は週14時間練習の40歳医師

<お盆?>

国内トライアスロン界が一年で最も盛り上がるのは10月の日本選手権(51.5km)&アイアンマン世界選手権(226km)ウィーク。同じ週末に重なることが多く、土曜がクリスマスで(この競技にとってのイエス様のような存在だし)、日曜お正月(お台場だけに)的な。その次に盛り上げるのが4月の宮古島大会ではないだろうか。申込3,231名から参加1,700名が決まるクリスマスからじわじわはじまる国内最大規模のお祭り。こっちは日本のトライアスロン人気の「ご先祖様」のようなものだから、お盆と認定しよう。暑いし。

今年の僕はパンフレットにだけ登場して→13022279_10209144921999197_14554479 気楽なネット観戦。40代選手の表彰台の行方を一部友人にネット解説しながら。

<経過>

2016年大会の結果は、超おおざっぱに書くと、

現役国内プロ > 海外勢 > 国内超ベテラン > 沖縄勢 > 国内ベテラン

て勢力関係かな?

戸原さんが二連覇(or '15デュアスロン & '16トライアスロン二冠)へ独走。海外の3名が続く。

去年深夜ギリギリに苦悶の完走を果たしたベテラン松丸さんが5位、見事な復活を遂げた。次いでM45-49カテゴリのお二人が強さを見せ、48歳の谷さんが6位、おそらく翌年の招待選手対象に滑りこむ。去年に長いブランクを経て復活した強豪エイジ松田さんの8位も素晴らしい。

これら展開は、以前書いた「トライアスロンSwimパートは「初回限定の先発投手」 〜本当の重要度&練習頻度を考えよう」 に沿っている。「バイクで上げ、ランで逃げ切る」のが長距離トライアスロン。バイク終了時点での位置は、野球でいえば「6回終了し、7回から最強クローザーが相手」という状況で、ランからの大逆転は難しい。

ちなみに谷さんのバイクフレームはたぶんTNI "Fighter" 19万円なり(=安いという意味ですm(__)m一般人のみなさん)。車体が幾らしようが結局エンジンだ!

さらに沖縄の30代3名が絡む。おもしろいのはみな内地からの移住組なこと。常連の地元エネルギー企業ヤマモトさんも関西&東北大出身だったのは始めて知った。

そして総合10位表彰台への最後1枠は、M40-44森田・西内さんvs.地元30代の桑原さんの争い。いずれも長距離レースの走り方を知っている元プロだ。この結果次第で、少し離された秦(=かぼすくん)・星さんの両方がM40-44年代別表彰台に乗れるか、片方だけかが決まる。そんなランの開始。みんな知っている僕としてはかなりおもしろい!

バイク終了時にかぼす君に5分差を付けられていた☆さんは、折り返しの計測地点で背後にまで追い着き、盛り上げる。1kmあたり15秒詰めたわけだ。丁度折り返しでネット中継に登場しており、雰囲気は対照的。かぼす君は力強さは感じないけど、余裕ありそうなリラックスした走りとも取れる。☆さんは気迫に溢れるが、既に30km過ぎのような余裕度でもあった。

そして30km計測地点では、桑原さんが森田さんを逆転する勢いで猛追し、M40-表彰台はかぼすvs.☆対決の勝者に絞られると予測。数分後の通過データで、かぼす君☆さんを突き放す。陥落の☆さんだが、その気迫はネットの短い画面からも、タイム推移からも、十分に伝わってきた。

桑原さんのラン逆転は、高難度だと思う。特に上位ほどランで崩れないし、しかも相手は森田さん。かぼす君は環境の変化で十分な練習ができなくなってしまったようだけど、ペース配分などの経験でギリギリの成果を得た形だ。そして去年ワタシが獲得した「表彰台を逃した中で最速王」の座は☆選手に移管されましたとさ。めでたしめでたし??

ところでこうゆう途中経過、もっと中継データが多ければ、みんなが勝手解説をSNSとかに持ち寄って、もっと盛り上がれそうだよねー笑。技術的にも、もっといろいろできそうなもんだ。タイム速報だけでも、「指定した選手がタイム計測ラインを通過すると通知されて、その少し後の定点カメラで姿を見れる」とか、「上位選手の位置関係が折れ線グラフでわかる」とか。さらにGPSまで絡めればすごい(けどシステム構築にカネかかりそう)

単純にタイム計測ラインや定点カメラを増やすだけなら、たいしたコストを積まずにできそう。あとはこっちが勝手に解説するので(出てなければね!)

かくして総合10位内に40代は4名。その筆頭が総合2位サム・ヒューム選手40歳、オーストラリアの招待選手だ。

<これが世界の強豪エイジ!>

ところで当ブログ読者のみなさまはここの筆者が検索魔であることにお気づきであろう笑。そして今回もまた例外ではないのであった! その調査結果を紹介しよう:

オーストラリアのウェブ媒体らしき2015年インタビュー記事: AGE GROUP FEATURE – SAM HUME

swimstyle-magazineとやらのFacebook2010年ノート: In Focus - "the Iron Doctor" - Dr. Sam Hume

彼はメルボルンの感染症の専門医さん。複数の病院を掛け持ちするフリーランスみたいな勤務形態かな? 娘さん二人がかわいい。そしてトライアスロンでは、2015年のアイアンマン・メルボルンで8:39でエイジ総合1位(KONAは不出場ぽい)。(なお今年はメルボルンが開催されないこともあって宮古に呼ばれたようだ) KONAでは2008年に総合27位(=プロの半分くらいに勝っていると思う!)、エイジ2位入賞歴もある。本物の強豪エイジだ。
 
興味深いのは、トレーニングの内容。2015年記事によれば:
  • ふだんトレーニングは週13−14時間
  • 平日は1回45−75分だけど、できる限り朝夕2回
  • 週末にはバイク3時間と90分ラン
  • 十分ではないけど、1年間しつこく続けるのが、結果につながっていると思う

ただ勝負レース前の強化週はたっぷりで:

  • スイム12km(1時間×3回) 〜これはふだんとそう変わらない、週3回
  • バイク300-400km(ポイント練習が180-200kmロングライド)、週4-5回
  • ラン65-80km(ポイント錬2時間00〜15分走)、週4-5回

テキトーに推計してみると:

  • ふだん週: 週末ポイント錬5h+平日1h×6コマ+スイム2h=13h
  • 強化週: ポイント錬(Bike6h+Run2h)+それ以外(Bike1.5h*3+Run1h*4)+Swim3h=20h(より少し多いかな?)

くらいの練習コマの配分だろうか。

・・・

こうゆう「山頂の高さ」みたいなものが、大事なんだろうと思う。

世界強豪エイジの情報漁りはたまにやることがある。層が厚いだけにおもしろい作業だ。そしてこの情報を、長短の世界選手権で対戦した際の(圧倒的な実力差による)身体感覚とを突き合わせて考えるのは、とてもおもしろい。(だからブログで共有したい)

いまのところ僕は、ワールドクラスで戦うためのトレーニングとは、

  1. 「瞬間の強さ」が大前提
  2. それらが折り重なった「結果としての積算練習量」ならば、ある程度の意味はあるが
  3. 単純な足し算ではない

のだと思っている。その重要度は、1つめが過半数を占めるくらいな感じ。
 
たとえば今年1月に書いた:
 
も、これら情報と考察を踏まえたものだ。
 
宮古島トライアスロンで「招待選手の外国勢」は名物なんだけど、紹介のされ方は、それ止まりで、「黒船の異人さん」扱いのような気がしなくもない。ただそれは僕らの受け止め方、接し方の問題であって、こうゆう人達と一緒にレースでき、間近に見れる機会が現実にあるのもまた事実だ。そして、その差を詰めるきっかけともなりうるものだと思っている。
 
 
<災害に備えましょう>

2016年4月15日 (金)

「ウォークブレイク」Vol.4 〜宮古島トライアスロンSwim-Bike-Run各コースに応用すると

2月終わりの東京マラソン直前、当ブログマラソン&ロングRunパートへ、世界の常識?「ウォークブレイク」の勧め 〜 名著『ギャロウェイのランニングブック』より」 で紹介した「ウォークブレイク」は、ランニング界も含めた広い世間(のごくごく一部)で熱い注目を集めた。ブロガーとして嬉しい限りだ。ただ、伺った成果はランニング単体に限られ、長距離トライアスロンでの実践事例はこの週末の全日本トライアスロン宮古島大会2016が最初となるだろう。そこで今回は、Swim-Bike-Run、3種目での応用例を書いてみよう。(え?ランだけじゃないの?)

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<Swim>
ええ使えますともスイムでも。正しい技法である限りは。
当ブログ歩くように、泳ぐ 〜「側転イメージ」の新泳法プロトタイプ動画公開で紹介した、三浦体幹パワークロールをOWSに応用させた「側転クロール」によって、集団内、とくに追い潮区間なら、休憩できるタイミングが生まれるだろう。深いストロークで水を引っ掛けながら、側転姿勢により集団の水流に乗っかるわけだ。これはフラット姿勢では難しい。詳しくは*練習会で、はい次いこう。 (*日程は随時Facebookチェックください)
 
<Bike>
バイクでの応用は簡単。
パワーメーターの理論に通じている方なら、「下りでのパワー発揮は、上りよりも非効率」だと既にご存知であることだろう。速度のある下りでは空気抵抗が強く、パワー発揮分が吸収されてしまうからだ。そこで上りは(少しだけ)がんばり、下りで(少しだけ)脚を休める。それが自転車TT(=タイムトライアル)界での基本。これは空気抵抗の性質から導かれる技法だ。
 
(風の影響を考えると、向かい風では空気抵抗の大きいため抑え気味に、追い風では攻め気味に、といえるかな?)
 
また筋繊維など生理的な性質からは、自転車のTTや長い登りで、「ペダリング3−4回に1度、力を抜く」という、ランスなども活用していた古典的な技法がある。「自転車レーステクニック」 by エドワード・ボリセヴィチなど参照。最新理論ではどうなのかは知らないけど、このわずかな脱力の間に筋繊維をリフレッシュできる可能性もあるだろう。(※いきなりレースでぶっつけで使わないこと=アタリマエだけど)
 
自転車TTは2-30分間、男子プロで平均時速50kmを超える高出力が普通だ。より長丁場で、またRunを控えたトライアスロンBikeで、そのまま使えるとも限らない。が、これらを参考に応用するならば、「下りでブレイクし、筋繊維をリフレッシュさせる」と考えられるかな。
 
宮古バイクコースで考えよう。
このように島の外周部を回るため、概ね平坦基調だが、高低差数十mほどの坂が大橋を含めて何度か入る。10−20秒間ほど力を抜くチャンス(=力を入れても効率の悪い箇所)があるわけだ。それを休憩にあてて筋肉をリフレッシュさせるのは、ウォークブレイクと同じ仕組みだ。長い下りなら、最もスピードが上がる=空気抵抗が強い箇所で、最も力を抜くといいだろう。
 
<Run>
内陸部を往復する宮古のランコース→ http://yj.pn/AjOs3j 高低差数十mの緩やかな坂が続く。
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始め2kmちょっとの下りから注意が必要。

ギャロウェイ先生は、マラソンなら序盤15分くらいはウォーミングアップと割り切り、ゆっくり走れという。トライアスロンではむしろ脚は過熱しきっているが、筋肉の使い方が変わるため、序盤を緩めるべきことは変わらない。

特に下りは、走技術が悪いと大きな着地ロスが生まれやすい。重力に任せてバンバンバン!とスピードを上げるのは、よっぽどの下りスペシャリストでない限りは、序盤ほど避けるべきで、終盤の勝負どころに貯めておいたほうがいい。(もしもその力が残っているのなら)

そこで、2kmあたりのエイドまでは意図して慎重に入るとよいだろう。底にあたる1つめのエイドが最初のブレイク。そこからの上り基調区間は、少なくとも3kmごとくらいにあるエイドでゆっくりとウォークブレイク。

後半25km地点以降から下り基調になるので、そこからが勝負の始まり。前半でしっかり歩いて我慢できていれば、そこから17kmに渡るゴボウ抜きタイムを楽しめるかもしれない。

これら本来は練習から用意しておくべきことだけど、まあここで書いたことくらいなら、ぶっつけ付け焼き刃な直前対応でもいけるではないかな? 参加のみなさん、「南の地獄」(笑)お楽しみを!
 
念のため、昨夏ブログ「夏の耐久スポーツ、水分補給と熱中症対策の「新常識」を知っているか?」もご確認を。慣れない暑さの中での飲み過ぎ注意。(レース外でも!笑)
ゆっくり歩くエイドでしっかり水かけて冷やせばOK!

参考書→

(今年のパンフレットに登場したらしい ↓ 欠席御免)

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2016年4月 9日 (土)

「ハセツネ30k問題」にみる異文化対立、そしてSNS時代の「炎上」対応3つのマイルールについて

「ハセツネ30k問題」とでも呼ぶべき論争が、先週から(世間のごく狭い一部で)盛り上がっている。トレイルランニング大会「日本山岳耐久レース」(長谷川恒男カップ)、通称ハセツネの予選30kmレースで必要装備を持たないことで男女優勝者2名(のみ)が失格し、ブログとFacebookとを絡めたSNS時代らしい熱い議論が続いている。

この背景には「登山文化とランナー文化の衝突」があると思う。

<文化の差>
ハセツネの主催は東京都山岳連盟。1993年、著名登山家の故長谷川恒男 遭難への追悼に彼の地元練習コースを走る、内輪の小さな集まり(といってもフル469人+ハーフ299人、トライアスロン基準では十分多いけど)が起点。初回参加者によると、一目でそれとわかる登山者とランナーが混在してたそう。今や国内トレラン界の最高峰レースとなり、マラソンブームを背景にランナーが大挙出場し、「ランニング文化」が数的には多数派。しかし運営は、少数者の間で濃い文化が共有されている「登山文化」だ。
 
両者は実のところ、同席しているだけで、未だに融合しきってはいない。登山文化は、死との共存がゆえに安全を絶対正義とする。ランナー文化は根底が競技で、速さが正義だ。すれ違いで登山者は歩くが、あたりまえのように走り続けるランナーは多い。ただしその縄張りは登山者のものだし、実際そうあるべき=歩くべきだが、分離したままだから問題が残る。メディアは一般客の多い鎌倉ハイキングコースを取り上げるが、登山家こそが憤っている印象もある。今回、 「トレランしない純登山系」の方はトレランの存在自体に厳しいなと感じた。(登山道を走るな、と思われてるのを気づいてますか?) 同じ現象は、流行りのスポーツ自転車にもある。
 
今回なら、登山家なら安全装備をないがしろにするのはありえないし、競争はオマケだから、ルールの明確性、その適用の公平性などは必ずしも重視しない。ランナー文化なら、ルールの表現や適用が曖昧であれば、速さを優先して行動することに、罪悪感がそれほどない(なかった)のかもしれない。
 
異文化が出逢えば、その過程で摩擦も生じるもの。そこで前を向いて議論することで、文化融合が起き、新たに「トレイル文化」が生まれるだろう。だから、議論を通じて意識が高まるのはよいことだ。本来は。
 
なんだけど、「絶対許せない!」とか、「絶対許せないなんて絶対許せない!」(=自己矛盾だよね笑)とか、単なる一時的な感情のムラムラを処理してスカッとしたいかのような、コミュニケーションの意図が全く見えない文字列も飛び交っている。これは、異文化コミュニティが衝突していると見れば、わからなくもない。
 
<炎上の正体>
こんな事態はネット社会で増えて「炎上」と呼ばれ、特に2016年の初めからいろんな分野で、連日続いている。これを「非寛容な時代」と呼んだりもするけど、直接の仕組みは別にある。昔から友達同士ではそんなことを話してたはずだ。そんな会話がスマホ&SNSを介して公開空間へそのまま持ち込まれただけ。実態は同じ、ただスマホによってレバレッジされてるだけ。
 
かってブログ時代の「炎上」は限られたマニア間だけのもの、今はスマホでみんなが参加し、普通の会話がいちいち表に出る。親しい友達でなくても、また他人相手でも、同じ意見なら気軽にコメントできるから、その量はさらに増える。同じ意見の盛り上がりに煽られて、電話で抗議もするようになる。それがネットの10年間の変化、たぶん。ただしこれらは「その場の感情の処理」に過ぎす、すぐ冷めるもの。
 
実際、ハセツネ30Kルールの問題点を大会事務局に問い合わせた方が、「即返信が来てびっくりする位でした。他にも問い合わせしてる人が居るんでしょうかね~?」と書かれている → http://ameblo.jp/u--k/entry-12147529439.html  議論が盛り上がるわりに、実は前向きな変化への 行 動 をしている人は(かなり)少ないのだとすれば、そもそもがその程度のことってことだ。
 
<批判される側の対応>
でも批判を受け取った側は、その数にびっくりして、謝罪やら打ち切りやら、萎縮の度合いを競っているかのようだ。でも数が多いのはアタリマエで、視聴率1%未満の超マイナー番組だって見てる人は万単位でいるわけで、そのうち1%が意見するだけで制作者はビビるだろう。
そうして引っ込めたものには、本来は取るべきだったリスクも含むのでは。真の問題は、運営側の批判耐性、もしくはリスクテイク能力の低さではなかろうか。
 
整理すると、両者には、優劣が構造的に拡大している。
  • 優=批判する側: 人類史上最高レベルで簡単に批判しやすい環境ができ、
  • 劣=批判される側: それを受け止めているのに、耐性=対応能力ができていない
先手は行動者、後手はそこにアラがあった時に限って攻撃する「後手有利パターン」だ。これは堅い構造だから、先手にとっては、十分な力の差が必要。(これを恐れて、発信を控えているケースは非常に多いはず)
 
当事者さんのブログも紹介→ http://ameblo.jp/ochibi0701/entry-12147596467.html 良い文章です。この記事は「立ち直った後」のものだけど、その過程では、結構なストレスがかかることがわかるだろう。
 
「不寛容な時代」とは、個人の性格・行動がキツくなってるのではなく(まあストレス社会でそうゆう面もあるのかもしれないが)、批判されうる側である発信者・行動者・運営者・・・側がこれら変化に対応できていないがための、過剰反応によるものだと思う。
 
こうしたSNS化は世界同時進行。ゆえに「炎上対応」は、今や世界的な企業経営課題になっている。実際ドーピング事件への世界大手スポーツ企業などの対応は、ランスの頃よりシャラポワの方が、圧倒的に手慣れた印象を受けた。予め想定してあったシナリオ通りに淡々と行動してる感じだ。
 
1つの仮説として書いておけば、「日本人は議論や対立が苦手なことにより、あるいは間違いを恐れる心理により、この対応が世界的にも下手なのでは?」と考えられないかな。
 
Dvc00040皇居二の丸庭園
 
でも、批判を恐れていては成長もない。そこに踏む込むべき理由は、
  1. 良質な批判とは「新たなや文化や価値観との遭遇」であり、融合した先の進化へのチャンス
  2. 単なる感情処理で批判するタイプは、多くの場合、付き合うべき相手ではない。無視して実害はないのに、無理して付き合うと疲弊するだけ
  3. 批判もされないような意見なんて、たいてい、毒にも薬にもならない
などによる。もちろん、改善すべき問題点は改善することは当然の前提としてね。
 
この1ー2の境目は微妙なもので、人それぞれに違う。政治家なら小選挙区の3割に投票させれば残り7割は敵でいいし、ミュージシャンなら1億人の99.9%を敵にまわしても残りがファンになれば大成功。主婦向けのCMタレントなら不倫はありえない。自分で決めるしかない。
そんな見極めの結果として大撤退するのならよいのだけど、炎上回避自体を自己目的にしてるような面も見えなくもない。
 
<再び、文化の差について>
ただ、一見タイプ2.の無益にみえる批判にも、なんらかの「文化の違い」は探ることができるはず。所属するコミュニティ内で当然とされる価値観ならば、ロジックで説明する必要がない。リアル人間関係の中でなら、ただ感情を吐き出すだけでいい。共感を得られるし、相手もそれでハッピーだ。ただ、みんなが見てるSNS情報空間に対しても、同じ言葉を当然のように投げ入れてしまう。ある種の集団心理だ。それが作用するコミュニティとは、「登山 vs. ランナー」ほど明確でなくとも、「主婦が不倫を糾弾する」とか、いろいろあるはず。
 
もしも、「自分の考え(=たとえば怒り)は当然でもないかもしれない」と客観視できていれば、その違いをロジックで説明しようと試みるのではないだろうか? そこでは、「自分とは違う価値観」への想像力が必要。
 
そしてそれは上記の構造から、まず批判を受け得る側にとっての必須スキルとなっている。ただ現状では、その想像が「怒らせる相手を減らす」ことに向けられている気がする。それによって、その相手との関係が、お互いにとって利益をもたらすものになるのであれば、それでいい。しかし、、(略
 
一方で、SNSには「やりすぎだ」というバランス回復も速い。どちらにも振れる諸刃の剣であり、毒でも薬でもあるもの。使いこなすほかない。
 
 
<一ブロガーとしての僕>
ここまで書いたことは、主張を明確にした文章を心がけているブロガーとしての僕にとって、切実なのです。
 
僕は、僕なりの価値観に基づき、それを共有する読み手に向けて、「良く効く薬」として書いている。実際、良く効く。ということは、相手と使い方によっては「毒」ともなりうるということ。また異なる価値観の相手にとって、なにかいやなものもあるかもしれない。
 
そんなリスクっぽいものとどう向き合うか? 
僕はこうゆう耐性が強い人間だけど(いろいろな意味でね)、3つの基準を持っている。
 
1. 大前提は、合目的である、ということ。
「目標達成のための僕なりのアプローチを、必要する相手に届ける」という目的に沿っているか、ということ。裏を返せば、「それを必要としない相手は存在しないのと同じ」ということ。存在しないものに何をどう批判されようが、それは「日本語にとてもよおく似てるけど決して日本語ではない何か」、に違いない。
2.「相手にコミュニケーションの意図」があるかどうかを見極めること。 
コミュニケーションを意図していない文字列など言語ではない。謎の漢字タトゥーを彫るガイジンさんにとって日本語はミステリアスなデザインでしかないわけで、それと同じことだ。むしろ路上の犬がワンワンと鳴いてる方が、よっぽどコミュニケーション性がある。
3. 成長の機会としてとらえること。
そんなリスク=つまり毒っぽいものの存在は、同時に薬にもなる。先に書いた通り、「批判される(可能性のある)側」は「する側」よりも、相当に高いスキルを要するわけだ。この立ち位置に身を置くことが、思考力、表現力とを、成長させる。
このブログはもともと自分のために書いているもの。「自分自身が読みたいと思える文章であること」が、ほぼ唯一の基準になっている。そこに他者の視線が入ることには、僕の思考を冷静で客観なものとする効果がある。だから、コミュニケーションの意図を持った指摘はとてもありがたい。どんなに厳しかろうともね。では、意図の見えないツッコミがあったらどうするか?というと、まあ、たぶんきっと長期的には前を向いたものに違いないと仮定しておくのがよいだろう。
 
 
<オフロード走ろう!>
 
なんにせよ、トレランはもっと普及発展すべきもの。日本人ランナーは舗装路を走り過ぎだと思うし。参考「駅伝マン〜日本を走ったイギリス人」→
 
このハセツネ30k事件を機に、人数的には圧倒的多数派となったランナー文化の方々が、登山文化を学ぶ良い機会になるといい。それが両文化の融合体としてのトレイル文化を育て、ひいては、日本人ランナーとトライアスリートを強くすると思う。

2016年4月 2日 (土)

歩くように、泳ぐ 〜「側転イメージ」の新泳法プロトタイプ動画公開

3月半ば、厄介な親知らず抜歯で大学病院に入院。写真は術後4日、左頬かな〜り腫れてる。20160319_1539こんなんで練習してもねーてのもあり、また術後は心拍130くらい(体感)から脈動が手術­跡を刺激するので、1ヶ月くらいマトモに練習してない。 最低ラインとして心拍は上げない。
 
という状況で水中撮影会を開催し、最後に僕のも撮ってもらった。テーマは、「歩くように泳ぐ」。
 
なぜ、歩く、なのか? それが人間が生まれたときから練習している、ホモ・サピエンス種にとって最も基本的な動作だからだ。この仕組みは、おいおい説明していこう。
具体的な狙いは:
  • 胴体側の、前後&左右での体重移動で、水に乗っている
  • 腕の軌道とかは一切気にしてない。胴体にダランとぶら下げてるだけ
  • キックに頼らずに腰を浮かす (フローティングスタートしてるので、勢いつけのため始めキックは打ってるが、後半は抜いている)
これらを、フィジカルの耐久性能が最近では最低レベルの状態で、どこまでできるかの確認だ。
潜水気味なのは、腕が水をつかめおらず、推進力不足で身体が沈んでいることもあるかな。その状態でも、抵抗を減らして泳ぐことはできる。
 
改善点は幾らでもあるのだけど、説明面倒なので(読む方もね!笑)、できれば4月後半にでも、少し練習した後のを撮って、動画で説明しよう。(撮影会もやります)
 
またこれは、以前に 『トライアスロンSwimに「伏し浮き」はいらない 〜「フラットなスイム」の終焉と、「側転」イメージの新泳法』 で書いた「側転イメージ」の具体化でもある。画像キャプチャーを載せておこう。1枚めで呼吸しているのがわかるかな?

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説明資料はこれから大改定していく。(練習会のたびに新たな発見があり、なかなか完成しない、、、嬉しい悩みではある)

参考までに、三浦コーチにお会いする前、体力任せで腕をグルグル回して疲弊してた泳ぎも載せておこう。こうゆうのは心拍150くらい必要。今回のは全く感覚が違い、せいぜい120前後だ。(手で実測してます)

 
<撮影器材>
 
オリンパスの防水カメラを、一脚+自由雲台=総額2千円の自撮り棒的なものに、セットする。カメラには三脚セット用のネジ穴が縦横に付いており、はめ込めば強力に固定できる。そこで、向きを調整する「自由雲台」の剛性&精度が重要になる。オリンパスの「STYLUS」の水中撮影モードを使用。ダイビングを想定して用意されたに違いない機能だ。液晶画面が180°開き、そのちょうつがいの強度もあるので、開いたまま水中で動かしても水圧に負けない。(25m10秒とかで泳ぐ場合は未検証)
 
あわせて、アイスホッケーのような可動式カメラスティックが完成する。プールサイドのコースなら、歩きながら画面を確認して(=ある程度の視力は必要だけど)25mまるごと水中撮影できる。なぜか人気のGo-Proではこうはいかない。
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正面からも撮れるし、コース幅が十分あれば真横から全身を撮ることもできる。
 
(本当は、取っ手とヒモの付いた側を持ちたかったが、陸上ではそうゆう使い方はしないので、出来ない仕組み。おかげで水圧は強くなってしまう。まあ安いし仕方なし)
 
もちろん陸上の撮影にも便利で、一脚での動画撮影はブレ防止効果が高い(棒を持つことで、動きながら撮る場合の揺れが激減する)。全国のあらゆるスポーツ&身体活動系の主催者は持っておくといい。

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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