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2015年10月 4日 (日)

ITU世界選手権Chicago レース#2 〜「世界への関門はBike」その意味を数字で説明しよう

世界レベルでのトライアスロンで日本人が互角に戦うための関門はBike。国内レースのバイクパートなら圧勝できるレベルが必要です、と→ 『 ニールプライドBAYAMO2013 「本気でKONAを目指す方へ」  』に書いたのは2年前のこと。(人気記事の1つ、TTバイク選定の参考にされる方が多い、と有名バイクショップの方にも言われた)

2年経って、また同じ言葉を繰り返す、笑。

<レース過程>

寒さも予想される中、アームウォーマーだけウェットスーツに着込んでおいた。別府フミ選手がスキルシマノを退団された際の余りものを、湘南ワタナベレーシングで頂いた縁起モノ。いいでしょう笑。2012館山アジア選手権以来のレース投入だ。

Bike左側から、左ペダルに固定したシューズを左足で踏んづけながら乗車。すぐ前はジャンプして右ペダルとサドルに同時に乗っかるフライングマウントを駆使する。エリートレース上がりかな? すぐに数m差を付けられる。エリートではこの差により入れる集団が変わりかねず、致命的ミスとなりうるが、エイジでは気にしない。

乗車方法がなんであれ、僕以外の男子選手は、シューズに足を入れた後の加速がすばらしく、あっという間に消えてゆく。こちら写真はおそらくそのあたり、速いなー、と前を見てる。

12028749_890500170985564_3572075190Posted by (公社)日本トライアスロン連合 JTU on 2015年9月19日

時折、後ろからゴーーーとディスクホイールの振動音がやってきて、くるな、と思うやいなや結構な速度差で抜かれ、抜かれた、と思ったらもう離されている。そうゆう抜かれ方を3分置きくらいで次々と。ほとんど1人づつ、たまたま2人重なった雰囲気のはあるが、集団ではない。3分後の後続ウェーブからの追い抜きも多いだろう。

こういう経験、海外レースならでは。せっかくなので、離れてから視界に入っているうちに、ペダリングのタイミングを合わせてみたり。長い脚のわりには短めのクランクで、浅めのヒザの曲げで、90回転/分くらいしてる感じ。自分の回転数表示はDHポジションでは見えないので、テキトーな数字だけど。ほーなるほど、と思うまもなく、すぐに視界から消えてゆく。追い抜けるのは、女性か高齢カテゴリのみ。

国内レースでしつこく問題になるバイクのドラフティングは、彼らレベルの走力があれば、自分がされることは、まずないだろう。

斬新な地下通路コースは、直線基調だけど、方向転換は立体的で、坂を上り下りしながら90°や180°ターンをする。地下迷路っぽくもあり、1周めは方向感覚が全く掴めなかった。DHバーに巻き付けたGarmin310の距離表示は、目から近すぎて見えず、あっと気づけば前半終了。

Bike前半終了時点の順位はこちら:
20150928_32158

右端はBike1周目のタイム。この数字が意味するものは明白で、

  • 優勝者は25分台
  • 2-3位は26分台
  • 4−6位が27分台
このように、Bike力が総合結果に大きく影響するのがトライアスロンだ。

僕は12名に抜かれて30位。3分近くに1人づつ抜かれた形だ。1位と僕とは3分差、100m毎にほぼ1秒差、もしくは10m差だ。もしくは、1割の速度差。こっちが平均38kmhなら相手は42kmh。

後半、上位は無いな、という悟り?が入る。さらに悪い事に、回転を上げるのか、トルク上げるのか、方針が定まらない。これら心的な問題を引きづったままでなんとなく過ぎ、Bike終了。

周回タイムはさらに1分25秒落ち、8人に抜かれて38位、 タイム落ちて順位減少が抑えられたのは、もう抜かれるような速い相手は先に行ってしまったからだ。。

20150928_32407

上位組は2週目でもタイム一定か、むしろ伸ばしている。強い人たちってそうだ。2周目ラップは1位と4:23、速度差15%にもなる。スローサイクリングだ。2-3位と4分ちょっと差。

Bike Finishタイムは、1位Harmsさんは後続と2:43差をつけたぶっちぎり、バイク通過の2-3位が6秒差、14秒空けて5人が5秒間にかたまる。1秒10mを超える平均速度なので、きっちりドラフティングルールを守る距離で進行し、計測ライン通過が固まった形かと思う。バイクマーシャルも多かったし。KONAで観られるような光景かな。とはいえ追い抜きのタイミングでの加速効果があり、こうゆう合法集団は有利。

2周目ラップの順も、最終ゴールでの順位とほぼ一致するのは、先に書いた通りだ。

<3つの考察>

1つめ。2年前と同じことを考える。世界レベルで戦うなら、バイクは根本から見直す必要がある。

まずはリミッターを外すことから、ではないだろうか。

僕の場合、国内レースの感覚から、「これくらいの練習をしとけばこれくらいの成績が」という練習の相場観のようなものが出来ていて、脳と身体に染みこんでいるはずだ。それは安定した成績を生む一方で、ある種の安心感、コンフォートゾーン化している面もあるかもしれない。

今後、このレベルを再び目指す時に、それを捨てることが、まず必要なのかもしれない。

レース中に感じたポジション設定の問題などは、その過程の中で、自ずと見出されるものだろう。

2つめ。一方で、スイムを上位で上がることのメリットも実感する。特にバイクに弱みがあるトライアスリートにとって、バイク強者にスイム先行されてしまえばゲーム終了だが、追い付かれるなら、まだ勝機が残る。

とはいえ、今回の4−6位は、2-3位に対してスイム先行し、バイクもほぼ同時ゴールしながら最後のラン勝負では、バイク強者に負けた。つまり、バイク力はラン力を含む。それが3つめだ。

2度あることは3度ある。間違いなく。そのために、三度目の正直という言葉が存在する。笑

・・・おしらせ・・・

今読んでる本→←「筋膜」活用という凄い発見あり!また書きます

次に読む予定→

ウェアは2ピースが絶対良いです(僕のはルールによるので)ゼロディが安いのは多分いまのうち

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

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