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2015年9月27日 (日)

ITU世界選手権Chicago レースレポート#1 〜Swimは世界基準に届く

<シカゴ大会のコース
レース全体の様子は、公式動画がよくわかるだろう→https://www.youtube.com/watch?t=2&v=a62a-QTogVM 写真は1:20、スタート2-30分前、福岡からの応援団と一緒に。
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公式コース図と、SUUNTOのGPS画像を並べる。特徴は:
  • スイム: 折り返し後、1kmほど岸壁に沿って真っ直ぐ
  • バイク: 地下道がほぼ半分(コース図の黄色点線)、ただし青天井の半地下含み(GPSの軌跡がある部分)完全な地下道は川沿いに下に向かう部分
  • ラン: 華やかな公園の折り返し周回路。大噴水を4周したらゴール
予想通り、横浜大会に似ている。シカゴのほうが広く、走りやすく、水も綺麗。
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航空写真の黄緑ラインがGPSの軌跡。スイムの始めと、バイクの地下付近(中では電波通らない)以外、かなり正確。噴水4周回での軌跡がここまで重なることは国内では無いと思うし、ゴール後のエイドをウロウロしてたのの捕捉ぶりは、GPS衛星から狙撃されかねない精度。。
 
GPSも米軍技術で、アインシュタイン博士の理論を人工衛星を飛ばして実現するとは当時そーとー大胆な気がする。まあ米軍さんはこうゆうことを世界規模で仕組み化したうえで民生転用してくるので、東の果ての下々の者までその性能にあずかることができる。コンピューターとインターネットも、ある意味では原爆の副産物だ。核実験の代替品と、核戦争中の連絡手段と。。んなわけで米国本土でのGPS精度は日本より明らかに高い。まあ日本でも、やろうと思えばいつでもできる、てところだろうけど。
なお2年前のKONAでは、当時Garmin310が古いせいか、ハワイという地域のGPS能力か、あるいは太陽フレアか、はたまた当時のストライキが設備運営に影響したのか? 不正確だった。
 
というわけで、国内ではズレまくるSwimの軌跡が、かなり鮮明に出ている。少し岸側にズレてはいるけど、せいぜい数m程度での地図とのすり合わせの問題で、軌跡自体はかなり正確。ラップタイムは一部で変だが、地図上での距離と時間を基準にすればOK。
(なお時折、国内でのスイムGPS軌跡をみて、まっすぐ泳げていない、とボヤく方をみかけるけど、単なるGPS精度の問題のような気もする)
 
<データ>
Swim21:52(24位/125名中=上位2割に入った!)
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(↑T1後のBikeスタート時点。赤字は6位以内、黄帯は3位以内)
 
順位からみると、表彰台組とバイクスタートを比べて、1位と1:38遅れ、2-3位とは16−25秒先。十分に世界を狙える位置にあると判断する!
 
GPS数値は、中らずといえども遠からず、といったところだろう。
折り返しまでの公称375m区間でのペース(100m)は、160m@1:13、もしくは、230m@1:18。(SUUNTOでの範囲指定と、距離&時間からの手計算の2通りやってみた)
 
折り返し後の1125m区間では1360m@1:26−7。
区間を分けると、150m@1:31, 230m@1:15, 540m@1:13, 160m@1:25
中盤800mは速く出過ぎかな。でもペース変動を、ある程度は捉えていると思う。
 
折り返しまでの400mを1:10ちょいペースで泳げるようになれば、さらに別の展開ができるだろう。
 
<レース展開>
M40-44の約130名は2ウェーブに分かれる。少し遠慮して2列目からスタート。結果的には最前列から出れる実力を持っていた。少々の手先、足先の接触はあるものの、バトル無くスーッと前へ進みながら、互いの泳力を見極め、位置取りが決まってゆく。
 
最近始めた4キックで、キックは呼吸する右1+左3。いつもよりも前泳者に長い時間を付いていられる。でもおそらく100mあたりで前から離される。まだまだ泳力不足。横から上がってくる1名に付け、2キックに変えて体力セーブ。400m近くのブイまで早かった。調子悪くない。
 
折返すと、だんだんと楽になってくる。いやいや安心してはダメだ、前泳者が落ち始めるとこうゆうことが起きるから。どうしようかな、と考えながら、推定 600mあたりで前に出ようと外側に出る。
このたるんでた区間は、GPSでの最遅、150m@1:31区間とデータ的にも一致する。
 
そして前に出ると、きちんとヘッドアップして前を見ざるをえない。この時気付いた、前泳者と5−10m離れている。「中切れ」状態だ。4キックに変えて追いつこうと試みるが、追いつかない。
 
この間、追いついた相手としばらく横並び、僕が右呼吸で左側、右の相手は左呼吸で、たまにお見合い、ちょっとおもしろい。向こうもニヤリと笑ってる(気がする)。
 
諦めて少しペースを落とすと、外側から一人上がってきたので、その後ろに付く。立て続けに上がってくるのは、さすがに世界選手権。
 
そのままスイムアップ。僕の真後ろで3秒後に上がったパナマ人PAVONI, RONAN さんが2位表彰台に入っている。世界基準でもトップレベルを最低限クリアする泳力レベルといえるかな。もしかして目があったあの人?
 
トランジションでのタイム短縮は、丸儲けだ。
ラン距離が長いのは事前情報で聞いている。トランジットの100mもRunゴール前の100mも同じ100m、Runのつもりで走る。ただでさえ着脱の速いゼロディの ウェットスーツVFLEX、内側のヒジ先、ヒザ先にワセリンを塗った効果もあり、いつもは手間取るウェット脱ぎも速い。
T1はカテゴリ5位、一気に6人抜いてBikeスタートは18位。2−3位の2人より早く、十分戦えるレベルだ。バイクに入ってその差を逆転され、すごい速度差で追い抜かれるのは、すぐ後のことだったに違いない。
 
<教訓:前方確認>
Swimでは誰かの後ろに付いている間でも、中切れしてないか、そのまた前泳者の位置をたまに確認しておくべきだ。
 
3m離れた時に、がんばって追い付けるかどうかで、ゴールでの30秒くらい差は簡単に付く。それが2度起きれば1分差に開く。そのために必要なのは、「前方確認をしてから3m差を詰める」ということであり、1500mタイム計測で1分縮めることではない。
これまで知識としてあっても、実行できるだけのレース現場がなかったと思う。泳力が高レベルで揃ったレースほど重要になる技術でもある。
 
レースは、自分のレベルが上がるほど、周りと一緒に作る展開という要素が大きくなる。優勝争いは最たるものだけど、その手前、お互いが十分なスキルを持つことで実現するレース展開というものはある。世界選手権ならではの楽しさ。
 
・・・

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