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2015年7月30日 (木)

【保存版】トライアスロン用ウェットスーツのメンテナンス法

3つ前に書いた通り、3年を過ぎたウェットスーツは買い替えを検討すると良いが、実際の寿命、すなわち伸縮性や経時劣化は、メンテナンスによって変わる。

ただ、ネット検索で出てくるウェットの手入れ方法は、ほとんどサーフィン用のものだ。かつて江ノ島・片瀬海岸のボディーボーダーであった過去を持つワタシから見ても、サーフィンがトライアスロンと比べてそこまでメジャーだとも思えず、それだけトライアスリートがウェットの扱いに無頓着なんだろうか?

091027154620(2009秋「少女時代」ロケ@江ノ島)

しかし、無頓着で許されるのは明らかにサーファーの方だ。彼らの主目的は春秋のそこそこの低水温の中でサーフィンし続けるための保温性。とはいえ、もっと寒いと密閉した内側に空気が入るドライスーツを使うので、それほどシビアでもない。少々キツくなっても、サーフィン動作にはそれほど影響しないだろうし、浮力を得るのはボードからでいい。またスキマから水が入っても、サーフィンし続けれる程度に暖かさを保てればいいわけで、始めから硬化を見越して緩めに作る手もあるだろう。

実際、「水でじゃぶじゃぶっと洗えばOK!」的なブログも目にしたことがあるような。。

一方、トライアスリートでは、全身を動かし続けるので、ウェットスーツへの要求水準は高く、メンテナンスもよりシビアであるべきだ。しかし、そのための情報が見当たらない。

と思っていたら、最近、ゼロディ社のFacebookが適切な説明をしていた。冒頭に書いた情報不足とは、つまりはメーカー・代理店・ショップの側の発信不足だ。客が無関心だから教えない、てところだろうか。まあ商売として効率的ではあるが。。でもそこをちゃんと教えてくれる相手なら信頼できるよね。同社の許可を得て、ちょっと編集しつつ、掲載しよう。

<レース後のメンテナンス>

  1. 使用後できるだけ早く(できればレース会場で):真水ですすぎ洗い。ウエットスーツは塩、塩素が大敵
  2. 帰宅後: 洗剤(ウエットスーツ専用、もしくは洋服用=できれば液体)を使い、桶や浴槽で手洗い。塩、汚れ、首や足首のワセリンなどを流す (洗濯機など厳禁)
  3. すすいだ後、ウエットスーツソフトナー、もしくは洋服用柔軟剤を使う 
  4. できれば、ウエットスーツ用シリコンスプレーで、トリートメント。ネオプレーン素材の劣化を鈍らせる効果がある。原理は自動車タイヤのつや出しスプレーと同じで、浸透性の高いシリコンがネオプレーン素材のシナリを維持し、着用時の爪による傷を防いだり、柔らかさを維持する
  5. 直射日光の当たらない日影の風通しの良い所で、裏を表にし、ハンガーに掛けて、1日乾かす (脱水機厳禁)
  6. 表を表にし、冷暗所でハンガー保管。人間の肩の厚みをタオルなどで作ったソフトな表面のハンガーを作るとよい (使わないタオル=トライアスリートは何枚もあるに違いないw=をハンガー肩部分に括り付け、輪ゴムや紐で止めるといい)
  7. 陽があたるところなら、出来れば紳士服カバーの様な物で覆う(紫外線を遮断したい)
<注意点>
  • 水洗いだけでは洗浄効果は非常に低く、劣化を進ませてしまう。ネオプレン加工の生地は、洋服と同様、洗剤を使うことで生き返る
  • 洗剤は洋服用の液体で、柔軟剤も200円くらいで売ってる衣料用のでOK
  • とはいえ、ウエットスーツ用洗剤の方が油脂除去能力が高く、柔軟剤も専用品の方が良さを実感できると思う(高いけど)
  • 裏を表にしたまま保管したり、たたんたまま置いてしまうと、表側のネオプレーン素材に「折り皺」ができ、割け、破れの原因になりやすくなる上に、その部分のゴム生地内の気泡が壊れて浮力を失う
  • ハンガーは、ウエットスーツの重みでハンガー肩部分に重さが集中しないように注意

<キズ対応>

  • 洗濯時に、傷や縫い目のほつれなどが無い事も確認
  • ウエット脱着時に出来た傷は、出来るだけウエットスーツ専門業者で修理 (市販のボンドは酸化による硬化が進む為、二次故障が起こりやすくなる。ウエットスーツ工場での修理は、二剤を混ぜ合わせたボンドを使用するため、ほとんど硬化しない)

(元情報はZ3R0D日本代理店7月Facebook投稿 「ウエットスーツのお手入れ方法」 [レース後のウエットスーツのお手入れ] 【 洗ったウエットスーツのその後のお手入れ】など、よろしければご確認を)

・・・・・・・・

トライアスリートがウェットスーツの扱いに無頓着なのはきっと、より高額な自転車にカネとココロを奪われているせいだろう。そして、自転車の練習には熱心だが(この暑いのに長距離錬なんかしちゃったりして)、スイム錬が疎かな面もあるだろう。

でも、これは言っておかねばなるまい。

トライアスロンは、スイムをあきらめたらそこで試合終了・・・かもよ?

仮にバイクがものすごく強いとして、そこで得られる貯金が、スイムの借金を上回ることが最低条件。「バイクとランの両方で取り戻します」という戦術は、バイク終了時点で対等に並ぶ事ができていて、始めて成立するものだ。ランスタートは文字通りの「新たなスタート」であり、ここでハンデを負ったレースなんて負けて当然だ。

ここはエラそうに書かせていただくが、僕は(エイジレースとはいえ)トップレベルの争いを毎年5−6レースくらい続けて、そうゆうレース展開を身体で感じてきたんでね。

「いえいえワタシは完走できれば満足です」 という方も、スイムを上位で終える=バイクを上位でスタートできれば、見える景色が全く変わる。これは保証するよ!

 

大雑把に言って、スイムとバイクを比べた時に、バイクの重要度がより高いのは事実だけど、本質的にはそう違うものではない。3種目揃ってのトライアスロンだ。

バイクには100万以上を費やし(=僕のはそんなにしません)、何十万もするカーボンホイールを練習からジャブジャブ使う(=壊れてもすぐ買い換えるから平気 、て行動ですので念のため)のなら、その数%で買い換えれるウェットスーツにも、もう少しおカネとココロを配ってあげていいと思うよ。

<おしらせ> ゼロディ社のが今なら3万円台から在庫処分か24%オフ→ 前に紹介したウェット水着はあっという間に完売、こちらは各サイズ限定1つくらい。ただ、サイズ合わせは慎重に! サイズチャートはこちらだけど、試着&試泳するのがベストだ。 

クラゲ除けクリームは8月以降必須!顔だけ塗ればなんとかなる。

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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