真夏の耐久スポーツ4 〜「熱中症ビジネス」に騙されない? 補給製品の選び方
*** おしらせ ***
最高1日訪問者4,000&ページ閲覧6,000超えを記録した人気シリーズを、独自カテゴリ「耐久スポーツの暑さ対策」として https://masujiro.cocolog-nifty.com/blog/cat23897989/index.html へ整理してます。昔の記事2つオマケつき。先日NHK「ためしてガッテン」でも暑さ対策やってたけど、メディアでに出てくるのはマジョリティー=はっきり言えば「運動不足の高齢者」=向けばかりなのが日本のマスコミだ。アスリート向けの知識なら、アスリート同士で補いあうべきだ。このブログもその1つだ。
提言:「体系的な知識」を持てば、業者のトラップを見抜ける。
- かきはじめの汗は塩分濃度が低く、少しくらいの発汗なら、普通の食事と、そして体内のNa貯蔵量(後述)とで十分賄える。よって、麦茶でも飲んでおけばOK
- 発汗が進み、Na流出が増えてゆくと、スポーツドリンクのメリットが出てくる。ちなみにアクエリアスほか大手の「ジュース会社」系のものはミネラル濃度が薄め、製薬会社によるポカリは2割ほど濃い。意外と健闘するのが「ソルティライチ」だ
- 通常、レースのコース上にはここまでしか置いていない。発汗が進んだ場合には、塩のタブレットや、塩そのもので補完しよう
- 発汗が進むと、汗の濃度が高まり、同時に、飲むべき濃度も上がる。正常時には不味い「OS-1」が美味しく感じるようになったら、OS-1が最適だということだ
- 極限状態では、「小型容器に携行した25%濃度の雪塩」が「甘く感じた」という報告例あり
※なお、ここで商品名に付記する「%」は塩分濃度。Na=ナトリウム濃度は「塩分の約4割」に相当する。商品パッケージにはNa量が表示されるので、「2.5倍」すれば判りやすい。 (以前の記述と図で混乱があるかも、最新のが正しいということで)
「フルマラソン完走後に足が攣ってどうしようもなくなったときに、救護室でOS-1を二本もらって飲んだら、ものの数分で足攣りが収まりビックリ」
「同じ50代の男女二名が、31℃90%という高温多湿下で20km走を実施。
同じ時間、同じ距離、同じタイミングで補給したのに、男性だけひどい熱中症に、女性は平気。男性は肌の露出が多く、途中で赤い自販機でジュースやスポーツドリンクをたくさん飲み、結果、汗が大量に流れ続けていた。女性は肌を覆い、水を掛け、飲んだ水の量も少なめ」
「そのリベンジ戦で、男性は25%濃度の塩水を携行し、ちびちちびり飲みながらで、無事帰還に成功」
- 体内貯蔵のナトリウムの量と分布については、今のJT社の方が1998年にコラムを書いている→ http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-88-12.html 体重を70キログラムとすると、体内には85グラムのナトリウムが含まれ、そのうち「細胞外液」に約45%に当たる36.8グラムがあるそうだ。おそらく、ここが貯蔵の主なタンクとなるんだろう。だから数g程度なら持ちこたえれるのだろうが、アイアンマンのように2-30gもの流出がありうる場合は、とても無理なんだろう
- スポーツドリンクの成分比較:http://kanri.nkdesk.com/otc/os1.php
- 「経口補水液」とは、適切な濃度の糖分がある方が吸収が早い、という性質を利用したもの。ただし、この吸収速度の問題は、本シリーズでは取り上げていない。「塩分量」の方が、このテーマではより重要だと判断するから。ご参考→ 「小腸でナトリウムイオンとブドウ糖が吸収される際、これに伴って水も吸収される仕組み(共輸送系)が発見され、糖と食塩を同時に与えれば、通常の水分吸収を担う大腸ではなく、小腸から水分と栄養分を補給できることが分かり、これが経口補水液の発明につながった。」wikipediaより
※お知らせ: 次回の代々木プール練習会は7/26(日)午前、初の日曜都心開催です。
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良い記事をありがとうございます。
私自身は琵琶湖やコナで痙攣等になったことがないので今まで考えたこともありませんでした。
でも、皆生や佐渡でよく痙攣をおこしている人を見かけるのでやはり多いんでしょうね。
インドのピンク色の岩塩は甘みがあってよい味があるのですが、あれはどう思われますか。
あれが良ければ、ミネラルが多くものすごく安く済むと思いますが。
投稿: 中原敏一 | 2015年8月 1日 (土) 12:07