« 2015年5月 | トップページ | 2015年7月 »

2015年6月の8件の記事

2015年6月27日 (土)

「考えるトライアスロン」とは 〜JTUレース卒業(仮)に寄せて

4度目の館山で、初めて富士山を見た。
去年は雨、前2回は眺めの無い宿。
もっと小さいと思っていた。
20150627_1855
明日は僕のJTUシリーズ最終戦にして、いわゆるディフェンディングチャンピオンとして臨む館山大会。
 
ちょうど、2010/7/11蒲郡大会でのデビューから5年。
これを以って、JTUランキング参戦も終わりにしようと思っている。
チャンピオンジャージは2011-14の4枚でコレクション終了だ。
 
僕には、トップ選手のように綺麗に速く泳ぎ走る能力は、全く無い。
無いものは幾ら頑張っても無駄。ゼロの掛け算てやつだ。
 
そんな自分がもしも勝てるとするのなら、それはどのような状況か? と鈍足駄馬なりに考えて、ここまでやってきた。
だからハッタリくんは、「考えるトライアスロン」であり、「頑張るトライアスロン」ではないのだ。
 
「考える」とは、単なる頭の中の話ではない。
幾つかの鮮烈なレースが、日本のあちこちにあった。
その記憶は身体に刻み込まれ、それをたどりながら、どうすれば勝てたのか?と考え、練習で試し、レースを迎える中で、「考え」として形になっていったもの。
 
館山大会もそんな場の1つだ。
初回は2012アジア選手権、残り3kmまで先頭を走り、それまでとは戦いのレベルが明確に上がったことを感じた。https://masujiro.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/2012-9cda.html その年は村上伊良湖と総合2位が3度。もう1つ上に、と願い、翌年に叶えた。
 
こうゆうのは、毎月のようにレースが続くシリーズ・ランキングならではの体験に違いない。
そしてそれを僕は、十分にやり尽くしてきたとも思う。
 
ここからはレース数を絞って、集中していきたい。
お台場の日本選手権も出てみたいしね!
 
最後かもしれない館山、楽しもう。

にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ

 

2015年6月24日 (水)

水泳には「質重視の練習会」を (7月まで東京圏にて開催中)

<水泳練習会の効果>
トライアスロン3種目とも技術は大事。中でも水泳は技術種目。にもかかわらず「鏡で自分の姿を見れない」という問題がある。そこで、鏡=他人に泳ぎを見てもらう、映像に撮る、等を時折混ぜるといい。
 
練習は一人でする派の僕も、水泳の技術についてはその限界が判っていて、年に1-2度くらい水中撮影会に出掛けている。
 
定期レッスンに通える資金力ある方はそのまま業界の景気拡大に貢献頂くとしてw、ローコスト化を追求する僕のようなタイプには、この「ふだん公共プール+たまに練習会」という方式がコストパフォーマンス最強だろう。一人練習でも、1.5km21分とか3.86km55分とかで泳げるのなら、それでいいだろうけど。
 
<やってます>
そんな場にと、先月から、東京・代々木で水曜夜に90分間の練習会を始めた。はじめ2回はFacebookでいきなり当日昼と前日に告知して、それでも数名の参加を頂く。3回目は本日6/24, 19:00-20:30開催。詳細は文末参照。
 
なにより大事なのは「水中撮影会」。
鏡を見ずに服を着たり、女性ならメイクしたり、てことは普通しないけど、その状態で何kmも海を泳いでるのがトライアスリートだ。まず鏡=自分の泳ぐ姿を見よう。
これは7/11-12のいずれか、もしくは両方で、相模原市の貸切プールにて企画中。
 
これら、もともとは、時折プールでアドバイスいただく水泳コーチさんが、「貸切レーンを有効活用しませんか」、とお誘い頂いたことから、ちょっと企画してみたもの。やってみると、上記の「たまに練習会スタイル」に合うなと思って、少し拡大してみた。
 
<僕の成果>
実際やってみた成果。
  1. 公営プールでは使えない足ひれを付けて泳いで、いつもより速い50mプール35秒巡航してみたら、①今のストロークでは水を十分に押せていない、②軽い軸ブレ=抵抗要因にも気付く、③これくらいのキックが打てるだけで35−40秒域で巡航可能、などの大きな発見があった
  2. 現役時に50キック34秒というJTU強化委員先生の、全然練習してないのに強く速いキックを間近に見て、骨盤意識でキック練習をしようと思い直した
  3. ストロークも伊東コーチのアドバイスで修正
  4. また、いろいろなレベルの人の泳ぎを水中で見て、思ったことを話すことで、「教えることによる気付き効果」もある。
足ひれ=フィンは、貸切でないと100%不可だろうけど(か海か)、使うと効果あります。
 
<練習会>
    • 会場: 代々木競技場50mプール http://www.jpnsport.go.jp/yoyogi/sisetu//tabid/78/Default.aspx
    • 時間: 水曜19時~20時30分(6/24, 7/1, 7/8, 残り3回)
    • 料金: 1,000円
    • 内容: 50m1コース貸切、前に小ちゃくて速い子供が数名、その少し後で、基本同じメニューを、自己判断で休みながら。
    • コーチ: 私が水中で見て、気付いたことを伝えるようにします。子供チームを見ている伊東コーチからもけっこうアドバイス頂いたりしています。
    • 対象: 私が見れるレベルとして、メイン対象を、私(=1.5km24分台が多い)よりはスイム苦手なトライアスリート&それに準じる方、とします。速い方も歓迎です。(速い方割引を付けていいくらい、笑)
    • 定員: 数名
ご希望の方、下記コメント欄から、メールアドレス記載の上で(私にしか表示されません)お伝えください。本日は17時まで受付、遅れてもOKです。私をネットでしか知らない方もお気軽に。過去参加者の殆どは、リアル初対面の方々です。
 
7月前半までの期間限定企画イベント、それ以降は未定。技術向上にお役立てを。
 
<オマケ情報>
「浮力のある水着」を、僕は練習で時々使ってます。ウェットスーツの感覚に近くなり、ボディポジションの矯正にも効果あり。人体は、一度体験した感覚は覚えているものだから。フィンと同じ理屈だ。ただ市販されているものはやたらと高いので、僕はネットで探し、5mm厚の「Zone3」製のを使ってたけど、今は見当たらない。1.5mm厚のものなら、4,000円前後で売ってます。
そしてクラゲ除けクリーム→
6月の大会では、南紀白浜とか、あちこちクラゲ発生が報告されている。備えよう。
 
にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ

2015年6月21日 (日)

蒲郡大会2015、5年前のデビュー戦への「原点回帰」(ある意味では、苦笑)

レースNo.5という最上位級シードを頂いた蒲郡オレンジトライアスロン2015、5年前のデビュー戦の記録を5秒だけ上回る。

2:20:26/総合41位(完走563名)年代別4位。 Swim24:59/30位 Bike1:13:53/43位(34位通過)Run41:34(55位)

2010年は、「初挑戦のトライアスロン2:20:31総合32位!」で書いた通り、 2:20:31/総合32位(スタート448名)、年代別11位(スタート120名)。Swim26:24/36位 Bike1:13:04/68位(通過45位) Run41:03(29位)

「原点」へと5年ぶりに立ち戻った形。まあ当時とは各種目ともコースが少し違うけど、大差ないだろうし、順位でなら客観的に比較できる。

11637978_430901250416079_12144799_211650599_430901240416080_10167151_2 撮影:後藤さん

バイクは雨のクルクルコース。90°89回+180°16回=ターン合計角度は9,450°にもなる(なんて計算ふつうしない)。さらに大型車両が路面を荒らす工業地帯だけに、水溜り、鉄製マンホール、粗い小石ゾーン、といろいろなものを除けねばならない。とはいえ水溜りは避けようがないものも多く、小石対策には溜まりがちな道端をさけるくらいだ。そして、それらを避けようとする人にも備えるべきだ。実際には変な動きをする人は見なかったけど、保険として必要。

クラウチさんはじめ落車相次ぎ、ロング50代の強豪スズキさんもパンク後退。そんな中、バイクは安全運転に終始する。そこまでは、まあいい。

ランに入って脚が動かない。走り出しは、スネの筋肉が緊張して軽い筋肉痛のような感じ。3-4kmで収まったが、そこから全体に重い。普通に会話できるような呼吸感。後半は腕振りでカバーしようとするが、今までのようには脚がついてこない。

上の写真を見ると、左は「腰が落ちた」状態。右はマトモそうだが、モモあたりの筋肉量の低下を感じる。

結果、ラン練習わずか5週間で臨んだ5年前の41:03より遅い41:34、順位もしっかり落としている。

<穴の空いたバケツ>

今年は全体的にバイク練習量が足りない。実走は4月以降、ほぼレースでしかしてないし。愛南で高すぎると感じたステムをやや低めに交換した(=初期バージョンへの戻し)のはレース前日、それに伴いサドル位置、DHバーとブルホーンの各角度、とやっつけで調整したりで、レース中に、あるべき設定はどうかな? とかいろいろシミュレーションしてみたり。もともと僕は細かなポジション調整を繰り返しながらバイクの調子を上げてゆくので、その土台が無い状態になっている。

宮古以降は、ランもレースペースに乗せる回数がかなり減っている。この状態でレースを入れても、身体は遅くなる方向に向かうものだ。

かくして、「練習とは穴の空いたバケツに水を入れ続けること」という山崎敏正先生だったかの教えを人体実験によって実証したといえる。それが、ここ最近のトレーニング理論面での成果か、苦笑。

今回の男子総合6位表彰台には、年上のM45-49のランキング王者を争う二人が上がっている。年齢自体は問題ではない。ただし、付き合い方は変えてゆくべきだろう。

借り物競走>

毎回恒例の忘れ物は今回、ゼッケンベルトと、バイクシューズの中敷き片方。ベルトは初期のように安全ピン留めで、余計なモノがなくてもトライアスロンは出来ることを実証してみようと思ったのだが、クラウチさんにお借りできた。中敷きは、両方揃って外せばチャラかなとも思ったのだが、実家ほぼ隣の姪っ子の22cmスニーカーの中敷きを片方借りたら、違和感無く終了。

あと表彰台を逃して早々に帰宅したものの、ウェットスーツを会場に忘れて、戻ったらちょうど表彰式。なんか大ホールの舞台でものすごく立派だ! みなさんおめでとー!

・・・

それにしても、よくもまあ僕は去年までこんなものをあんなレベルで争っていたもんだと思う!

にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ

2015年6月20日 (土)

電車で自転車かついで大会出場する僕の方法

<デビュー5周年>

明日は蒲郡オレンジトライアスロン。27回目という伝統の人気大会であり、5年前にハッタリ選手がデビューした大会としても一部では知られている(このブログにそう書いてるから)。当時、「トライアスロンちょっと興味あり」という程度だったけど、実家からクルマで15分という気楽さから、申し込んでみたのだった。

もしもこの場所、その時期にこの大会がなければ、また申込時点で空席がなかったならば、僕はトライアスロンをすることなく今に至っているという可能性さえ、実はわりとある。この出場後の振り返りで、長良で表彰台を目指そうと思い、本当に上がったことで、ランキングを目指して波崎村上と人生初のスポーツ遠征に出たのであった。そうゆう勢いて大事だ。

今年のポイント制度ではメジャー4大会の1つ、ランキング上位者が勢揃いだ。ま僕は愛南よりは上げようて程度。今年のターゲットは9月一点集中。

 

<自転車遠征術>
そんなデビュー5周年となる大会に向け、金曜夜に自転車担いで実家入り。
電車に自転車を持ち込んで移動することを、輪行=りんこう、と呼ぶ。ギョウと読んでしまうと密教の修行のようだが実際、苦行、な要素もあるな。。
Dvc00039
その最大のリスクは、疲労によるレースへの悪影響だ。そこで、前日移動なら、宅急便で宿へ出来る限りの荷物を送っておく。自転車からシートポスト(=重たいISMサドルも一緒に)やDi2バッテリーを外して荷物に入れることも多い。これだけで自転車を担ぐ負荷感は軽くなる。
ただし、移動が楽な実家へ2日以上前に入る場合には、全部背負っていくこともある。今回はこれ。

 


レース後の追記: 2日前の夜移動で、別送なしの全部背負は、ギリギリ疲労残ります。やはり、自転車以外は別送お勧め。

 

<輪行バッグ>
輪行バッグは前輪だけ外すタイプ。TTバイクでは、オーストリッチの大きめの(たしか超速FIVE)、TTハンドルそのままでOK。駅で3分で収納できるので圧倒的に便利だ。できればもう一手間かけ、チェーンに古新聞をかぶせ、さらにテープ止めまで出来れば完璧。これでも合計5分。これだけでバッグを綺麗に保つことができると思う。僕のは既にグチャグチャ。

 

DHバー抜きのロードバイクなら、TIOGAコクーンの方がコンパクトで便利。(ただし写真のようにサドルを露出した状態はJRルールでは禁止されており、輪行袋の中に全て収めてチャック締めすることになっている。こうした対応のためにも6角レンチは携行しよう)

 

これら、後輪つけたままのタイプはかさばるけど、東海道新幹線「こだま」なら問題ない。3列席の最後尾の荷物置きスペースにそのまま収まるし、その空間が空いている確率が高い(旅行者、出張者が少ないから=逆に、のぞみ・ひかりは大型荷物の収納スペースが少な過ぎる。これ国内短期出張者しか想定していないよね)。

 

そこが空いてなければ、自由席7号車−グリーン8号車の間の広い通路の壁によりかけて、パチンとはまる紐で手すりに留める。ただ最近の車両では喫煙ブースが出来て、通路が狭くなり、少し気を使う必要がある。

 

前輪は、クッションの厚いホイールバッグに入れることが多い。これは予想以上に便利で、段ボール輸送の場合にも安心だ。移動中は、輪行バッグの中に入れてもよいが、それで中でバラバラ動かれるよりは、別に手に持った方が安心。ただし、乗換などで忘れないように!

 

なお、後輪まで外す輪行バッグの方が主流だろう。実はこれも持っているけど、ほとんど使ってない。在来線の特急(新潟〜村上間など)、少し混雑した都心の電車、などに持ち込みやすいメリットはある。ただ僕の経験では、後輪付きでもなんとかなっている。後輪を外してると時間がかかり、手も汚れるデメリットが大きい。(軍手つかえ)

 

<ルート>
小田原まで小田急で行くことで、都心駅での構内移動を避ける。下りの「こだま」乗客の多くは小田原で降りるから、車内が急に空くこともある。熱海以降はさらに空く。

 

こうして、空いたルートの、空いた時間帯に移動する限りは、乗客にも嫌らがれることはないし、駅員さんから注意されることもない。
 

なお言うまでもないことだと思うけど、「ご迷惑をお掛けします、恐れいります」という気持ちと態度でね。「持ち込むのは客の当然の権利だ」的なのは遠慮しましょう。

 

小田急の唯一の注意点は平日の通勤ラッシュで、成城学園で17時を過ぎると車内に入りずらいこともあり、18時過ぎたら不可能。入れない時には鈍行を使う。新百合ヶ丘あたりまで行けば急行に乗換できるだろう。
相模大野を過ぎると車内は急に空く。冷房は都内の混雑向けに設定されてるので、冷え込んでくる。長袖は必須。

 

できれば、風邪感染防止のマスクもしてゆくべきだが、いつも忘れている。まあ、それで風邪ひいたことは今まで一度も無い気がするが。

 

<事前準備>
移動中の余計な負担を避けることも大事で、前日までに、SUICAを少なくとも帰路分まで十分チャージしておく、倹約家のワタシは大黒屋で小田急株主優待乗車券を2枚買い(株そのものを買う手もあるが)、売ってれば新幹線回数券も買っておく。 小田原では、海側の駅ビル2階に金券ショップがある。これで8−900円くらい浮かせる。

 

お弁当とか買うのも面倒なので、米を2合くらい、ラップした味噌と一緒に持ってくことも多い。さらに片道数百円浮かせ、計2,000円の節約。これも30レース重なると6万円。

 

<忘れ物対策>
これ重要。傘を置き忘れるのと、ヘルメットやホイールを忘れるのとは、行動としては大差ないからね。
そこで、「今日の荷物は4つ」など、家を出る前に個数を声出し確認する。
降りる前に「1234つ、OK」とカウントする。(そう声に出すことで、周りの人達が自転車を移動するためのスペースを空けてくれる効果もある〜それをアナタが望むかどうかは別として)

 

ここには「長良川ヘルメット事件」の貴重な教訓が活かされている。デビュー2戦目、初めて表彰台に乗った長良川大会は、実家から電車と自走で2時間くらいで、初めてのレース会場への輪行。その行き、いきなりヘルメットを網棚に忘れるという洗礼を受けたのであった。とりあえず会場に行けばなんとかなるだろうと行ってみたら、会場の臨時ショップで買えて、無事出場できた。で年代2位入賞の副賞が当日限り商品券1,500円、それで代金の一部を相殺してもらい、帰路に元のヘルメットも無事回収できて、割とオトクであった。

 

ちなみに、翌2011年の長良川では初の総合入賞を果たし、副賞商品券でTYRの大型バッグをいただいて、以後遠征で使い続けている。2013年の商品券は、別途購入したJAPAN代表ウェアの代金相殺にあてた。長良川は良い大会だった。今は前日受付必須になってしまったので、もう出ることはないと思うけど。

2015年6月16日 (火)

(こっちは安くてリバウンドしない)減量講座'15 〜RIZAPはつまり「芸能人気分」を売っている

今回は珍しく、トライアスロンもランニングもしない一般人向けに書いてみる。Facebookで先行して書いたら、過去最高に迫るいいね!がついた話だ。
 
<100億円>
話題の「ライザップ」、親会社の健康CPのIR資料によれば、事業開始3年で売上高100億円見込だそうだ。最低価格35万円で会員数2.9万人突破。新規顧客からの売上の多くはこれからなので、やはり平均客単価は50万くらいかな。
その手法は、
  1. 糖質カットを軸とした食事制限で体重を削りつつ
  2. ボディビル的な筋力トレーニングで(目立つ部分の)筋肉を増やす
というもののようだ。
ただし、筋肉が欲しければ、普通にボディビルでいい。脂肪を落としたければ、今から書く方法で十分。
 
それでもカバーできない要素が、「芸能人のような」=見せるための身体を、「短期間で作る」という点だと思う。本来的には、役に合わせ激太りしたり急痩せしたりで知られるロバート・デ・ニーロのような芸能人向けのサービス。彼らにとって撮影開始までのボディメイクは絶対義務、その支援にコミットするサービスなら、数十万円でもリーズナブルだ。そこに彼ら独自の価値があるのだろう。ここが出発点。
 
でも日本にデニーロは3万人もいない。では一般人がなぜ? と考えると、「主演映画に向けて身体を作り替える芸能人のような気分」を体験することに、数十万円分もの価値を見出しているのではないだろうか? だから芸能人をCMに使うのは理に叶っている。
 
仮に、デニーロ的なもの(あるいは「あしたのジョー」的なもの)に300万人が憧れているとして、その分が潜在市場であり、その1%を既に会員化したと考えることができる。その1割を開拓できれば、彼らはあと10倍成長できることになるが、さて・・・
 
そうして作った「見せるための身体」を、誰に見せて、その金額に見合う価値がどのように正当化されるのかは、まあ、本人が財布とか見せたい相手との関係性とかと相談して決める自由というもの、そこに立ち入る気はない。というかトライアスリートにとって返り討ちに遭う予感すら(笑)
 
ただ、トライアスリート目線では、「見せるための筋肉づくり」とは「使えないオモリを積む」行為でもある。僕らがあの広告に憧れるということはない。そもそもの価値/目的が全く違うわけで、同じ身体を鍛えているようで、似て非なるものだ。
 
<減量への道>
僕らのような耐久アスリートにとって、減量自体はものすごく簡単なこと。ただ、体脂肪自体は大事な身体の構成要素だと僕は考えているので、普段は脂肪を軽く乗せるようにしている(てことにしとく)。それは「いつでも出来ると思うことは、いつまでも出来ない」というアレとは違うぞ!(てことにしとく)
 
このあたりの詳細は、過去の「減量講座」シリーズ などご参照
 
減量という簡単なことに35万円もの価値ないはずと考えれば、RIZAPが「本当に売っているもの」は別の何かにある。それは多分に「気分への消費」で、自転車とかだって幾らかは共通するだろう。
 
<一般人の場合>
運動習慣がない一般人の減量なら、まず、ここから始めよう。
  1. 座らない
  2. 座る→ 立つ→ 歩く→ 速歩き、と強度を上げる
  3. 夕食の糖質・脂質を抑える
「座る」という動作(不動作)は、脂肪蓄積マシーンに身体をセットするようなものだ。それを裏付ける最新の医学研究なども次々と発表されている。
 
「都会の通勤ラッシュが嫌だ」という人は多い。時間的拘束としてはそのとおりマイナス だけど、その間の車内で空きスペースへと身体をよじりながら立ち続ける動作には、けっこうな脂肪燃焼効果がある。田舎のクルマ通勤なら、この間ずーーと「脂肪蓄積装置」上なので、対照的だ。この点に限れば、平均的な田舎暮らしは、身体に悪い。
 
そして駅に降りたら、エスカレーターでなく階段を駆け上がるべきだし、目的地が遠ければ喜んで速歩きだ。これらが習慣化され、さらに、夕食で糖と脂を減らせば、体重はコントロール可能なものになる。
 
糖質カットには劇的な減量効果がある。ただし、かわりにタンパク・脂質を十分に取る方式(=最近流行っている)ならともかく、カロリー全体を抑えるのは、生活全体のクオリティーを著しく下げるので、ぼくは勧めない。大脳には良質なブドウ糖が必要だ。ただし、夜ならすぐ寝てしまえばOK。
 
なお35歳過ぎまでの僕は、これらだけで体重56kg前後を20代からキープしていた。自転車始めて増え始め、それ以前のズボンはくとモモやお尻がはちきれそうで危険だ。(1度やられて腰にシャツ巻いてストリップ状態で過ごしたことがある)
 
<アスリートなら朝トレーニング>
運動習慣ができると、全身の筋肉量が増え、基礎代謝が増える上に、大きくなった筋肉をより長時間より高強度で使えるようになるので、さらにエネルギー消費力が上がる。それに伴って食欲が増え、胃腸の消化能力も上がるけれど、それら全体では「体重コントロール能力」が上がるということだ。
 
それに一番いいのが、朝食前の持久系トレーニング。これができれば、前夜の晩御飯でお腹いっぱいに脂や糖を食べまくってもOK。それらを使い切ることが出来るから。
 
朝は、身体のエネルギーが睡眠中に自然に枯渇気味になっており、脂肪活用度が上がりやすい。日中の空腹は脳の働きにマイナスだが、寝てればOKだ。
 
そして体脂肪をエネルギー源としてトレーニングし、栄養たっぷりの朝食をお腹いっぱいに食べて、身体に栄養を浸透させる。トレーニング後にはしっかり食べるのが義務。超回復には、(普段は悪者扱いされる)インシュリンの分泌が必要で、甘いモノ好きな方はこのタイミングに集中させると良いと思う(=僕の独自理論ですけども)。逆に、運動前にはインシュリンはダメ、絶対。
こうして、日中はエネルギーに充たされて活動できる。
 
夜トレーニングでは、そのあとで酒のむと、筋肉の成長が妨げられてしまうけど(でも飲むけども)、朝トレーニングならその心配なく、夜あんしんして酒飲めるというメリットもある。ただ、翌朝おきにくいだけだ。
 
<最新のクエン酸利用法>
そんな朝の脂肪燃焼を加速させるのが、最近トライアスロン界の一部で大流行する「クエン酸」法だ。朝、水とともに、3gほどのクエン酸(体重60kgの場合)を摂り、30−60分間の運動をする。
 
ここは以前『宮古'15敗戦記3 〜長距離バイクの「エネルギー戦略」の後半で書いた通り、量の管理が必要だが、逆にいえば、2倍摂っても効果が下がるわけではない。そのための計量の方法は、正しい順に、
  1. 精密なハカリで0コンマ何グラムまで測る
  2. カプセルに詰めて、個数で管理。3gは、1号カプセル7個、00号で3個
  3. その時の量をスプーンに戻して、3gの量がどれくらいか、目測で覚えておく
となり、僕は精密ハカリ持って無いので、2を一度やって、次から3。明らかに正確ではないが、誤差2倍以内という現実的目標はクリアしているはずだ。 
 
なお石橋剛さん(いわば市民サイエンティストでもあるトライアスリート)の本来の研究は「レース中の脂肪活用」であり、その真の目的は「グリコーゲン節約法」であって、減量法ではない。しかし目的がズレども、その作用プロセスは共通するはずで、実際それによる成果は短期間にもかかわらず幾つも報告されている。
 
本来のレース前の摂取では、レース3時間前に朝食を終え、レース1時間前にクエン酸を飲む。このときはカプセルを事前に用意しておく。
 
ただ朝練ではその時間はないので、いきなりクエン酸で走り始めてOK。胃酸の分泌を促す作用があるので、事前に豆乳とか口にする方もいるようだ。僕は朝一でコーヒーを飲む習慣があるので、牛乳多く入れて飲んで、そのあとでクエン酸投入。
 
クエン酸は自然界の基本的物質の1つで、掃除で洗剤として使われるくらい安価なのも良い。1kg780円送料無料、1回3gで333回、所要コストは年間で780円ちょっとだ。1kgは多いので、ガラス瓶に一部を移して使う。ただ夏の湿気には注意が必要そう。(冷蔵庫いれようかな?) 余ったり湿気でダメにしたら洗剤に転用すればOK!
 さらに「カプセルディスポベンリーナ」など、ジョウロのようなカプセル投入器?を併用される方もいるようだ。僕はテキトーです。またカプセル利用の計量法は、人気ブロガーRUMIOKAN氏による「クエン酸、カプセル号数と個数の目安」 ご参照 ↓
Kuensan_3
 
※ 酸は歯を痛めるので、直接飲んだら確実にすすぎましょう。緑茶とかいいかな? カプセルで飲めばその対策にもなる。
 
<トレーニング>
完全な空腹=低血糖になってしまうと、トレーニング効果が出ず、一定以上の血糖値は必要だ。そこでいつでも飲み食いできるよう、朝は近所 or 家の中に限っている。家から5分のトレイルを走るか、ローラーか。クエン酸が脂肪燃焼スイッチを入れ、さらにコーヒーのカフェインまで効いて、ぐわーーーんと内側から炎上しはじめる。
Img_2888
とはいえ、高強度トレーニングには、米などの糖質が必要なので、高強度錬のあいまの日の朝練がメインだ。
 
なお昨今、低糖質食が流行っていて、それはそれで超長距離では合理的な方法だとは思う。こちら「GO WILD 野生の体を取り戻せ! ―科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス」は読んでて科学的発見も多く、おもしろい本だ。でも、僕のスピード域では「遅すぎるエネルギー源」だと思っている。米こそスピードの源だ。僕と同等以上のトライアスリートでは、同じ考えの方しか知らない。
 
<クエン酸の効果>
宮古前、64−5kgの体重をなんとかしようと少し取り入れたら、あっという間に2kg減らせた。その後オフモードに逆行してサボってて戻ってるが。。
 

2015年6月14日 (日)

愛南’15 東京から総額4万円の高コスパ遠征法と、自転車輸送について

<Youは何しに愛南へ?>
ええトライアスロンをしに。
 
まあ現地では、報道やらトライアスリートやら、「なぜ愛南にまで?」と聞かれ続けた。それは「Facebook借り物競争」的にトモダチの輪を頼った結果の、人生初四国体験なのであった。
 
3月半ば、ちょうど年間レース計画を立てている時、JetStarがセールで破格値を出しているのを、たしかFacebook広告か何かで知った。セール期間内の行き先で、大会はないか?とチェックしたところ、その1つに、成田〜松山2,900円からの愛媛・愛南大会が浮上。日程的にもOK. しかし、松山空港からのアクセスが、ペーパードライバーの僕にとってはダメで、公共バスで5時間くらいかかる。
 
そこで、「安いけど空港から遠いよねー」とFacebookに冗談半分で書いたら、Facebook上でしか繋がっていなかった、松山のトライアスリート、ヤマウチさんから、クルマ空いてるので、よろしければ一緒にどうぞとお誘い頂き、移動問題が解決したのであった。
 
こうゆうのはFacebook上でトライアスリートと繋がることの最大の長所。人間関係含めた相手の人となりがお互いにわかるから、こんなことも出来てしまう。
 
<飛行機>
JetStarは機内持込手荷物が計7kg以内。過去3回くらいノーチェック、今回帰路で始めて計量された。6kgで問題なし。超えそうなら重めの服を出して着まくり、ポケットにも詰め込めば、その分だけ荷物から体重へと変身するので、幾らかは調整可能だ。
 
それ以上は宅急便。空港で重量オーバーを指摘された後で、空港内のヤマトに預けた方が安かったりする。事前に送っておけば、リュック1つで飛行機に乗れるから楽。
 
JetStarは出資するJALとの共同運行便も多く、同じ座席なのに価格差はかなりある。その本体はこの荷物の扱いだろう。超過時の高めの価格で売上を伸ばしつつ、全体の荷物量を減らすことで、他の荷物の受託を稼ぎ、また機体回転率も高めるのだろう。
 
トライアスロンの遠征なら、自転車をヤマト便で別送し、その箱に出来る限り積むのがLCC=格安航空の利用法だ。JALかANAかを使うなら、無料受託の最大サイズに詰め込むべきだろう。それでも空港までの輸送も必要で、ABCなど空港向け運送会社を使うとヤマト便とほぼ同額かかってしまう。(クルマで乗り付けるなら別)
 
なお、マイレージは国内ならせいぜい数百円分。仕事で乗りまくって無い限り、無視するのが得策だろう。
 
成田までは、東京駅から予約して900円のバスで1時間。普通に思われるほど遠くもないと思うよ。もろもろ含め片道4,500円いかない。正規価格でも6,000ちょっとなので大差ない。
 
そう、その値段は五十歩百歩。それはJetStar側にとっても同じこと、巧いマーケティング手法だと思う。空席に空気を載せて飛ばすくらいなら、3,000円でも人を載せた方がいい。しかも客は「破格値だ!」とFacebookやブログで大騒ぎするから(このように)、高額のメディア広告を打たなくても、「Jet-Starは安い」というイメージをばらまいて、将来の売上を作ることができる。
この手法は、エブリデイ・ロー・プライスだけのLCCより、爆裂伝播の効果が高い。また100円とかの極端なのより、体験できる人数が多いから、クチコミ効果も増える。(このように)
 
<ヤマト便>
というわけで、LCCとヤマト便はセットだ。
 
梱包は、バイクショップで、クロスバイク完成車が入っていたという段ボールをいただき、 今年の宮古から使っている。幅20㎝×長さ136cm×高さ74cm=計230㎝てとこかな。
これで橋続きの本土なら1回3,000円ちょっと。所要日数は、帰りはなんと翌日ついた。
 
写真は帰宅後の開封の過程。
Img_2963Img_2964Img_2965
幅を抑えるために:
  • ペダル
  • リアディレイラー(シートステーにテープどめ)
高さを抑えるために:
  • シートポスト
長さを抑えるのに:
  • ハンドル: ステムの先から(右の参照)
  • 前輪(ホイールバッグに入れて。左写真の右)
と外す。
 
つまり、後輪は外さない。他との接触を避けるために、上からホイールバッグを被せる。(左写真の左) その前に、チェーンには新聞紙を巻いてテープ止めし、汚れないようにしておく。そしてスキマに、ウェットスーツ、シューズ、等々の大きなものから順に詰めてゆく。
 
宮古島大会も、まったく同じ。船便が入る分、日数がかかるので、事前確認をしておく必要がある。宮古で1週間ちょっとかな?
 
なお、右写真のトップチューブ「XLAB」とあるのは、スプレー式のパンク修理剤「マルニ クイックショット」。外側に巻いてあるのは、宮古の参加賞のSPECIALIZEDツール缶に入っていた小物整理用の袋。ちょうど巻きつけられる大きさだったので流用。念のためXLABのマジックテープを巻きつけている。
 
そのケースの右に差し込んでいる黄色は、鼻呼吸を楽にする「NEW TURBINE」(タービン)を挟み、バイク中に付けれるようにする。(今回は気楽なサイクリング展開のため使わなかった)
(←普通の日本人ならMサイズで十分)
 
<計算>
つまり、交通費+送料合わせて往復合計1.5万円に収めることすら可能だ。正規料金でも計2万円。大会参加費1.8万円、前日泊は知人宅で、当日パーティー後の宿泊は朝食付き5,000円。ここまでで4万円。実際には、帰りの飛行機が少し高かったり、行きで特急乗ったりで、プラス5,000円くらい。
 
通常、さらにレンタカーも要る。松山市街から愛南へは、当日早朝の移動で2時間。日中だともう少しかかるだろうけど、それほど遠くもない。
また泊まれる知人宅はそうそう無い思うので前日泊も加えれば、5−6万くらいになるかな。
 
僕は年間6−7戦を回ることが多いので、こんな数千円の積み重ねを大事にしている、苦笑。
 
<海外大会の場合>
なおJAL国際線の場合、203㎝2個まで無料なので、この箱の長さを30㎝ほどカットして貼り直し、もう1箱調達すればいい。もちろんこの場合は後輪を外す。ただし、空港まで2個送るわけで、往復1万円ちょいかかるだろう。
 
9月のにほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ世界選手権派遣はこの方法、シーズン終了後に資源ゴミで廃棄予定。

2015年6月13日 (土)

愛南大会は、国内ショート最高レベルの魅力度だと思う

日本の自然の美しさ楽しさを知るために、トライアスロン大会への参加は、最高の方法の1つだ。美しい自然の中を、自分の体一つで進む。そこには、海に入り、道具を使って長い距離を高速移動し、最後には脚で体重を受け止め一歩づつ進む、という多様性がある。
あるいは超大昔、魚が上陸し、四足の陸生生物へ、さらに二本足歩行へ、と進化してきた過程のおさらいでもある。かどうかはともかく。
 
そしてある地域の魅力を伝えるのにも、大会開催は、最高の方法の1つだと思う。今日は、そんな運営側の話を書いてみよう。
1780043_893110870756360_582928259_2
(撮影:元同僚のトライアスリートShimonoさんご夫妻)
 
<愛南という地域>
愛南町は愛媛県の南西端。お遍路さんの通り道ではあったものの、四国はおろか普通の愛媛県民にとって、遠くてなかなか行かない辺境だそう。愛知県人にとっての伊良湖のようなものかな。
10年前の市町村合併後で人口2万、大会会場の旧西海町は合併時3,200人という小さな町。しかもこの10年間で高齢化と人口減少が続いている。中心となる旧城辺町/御荘町でもそれぞれ9000人ほど。かつては真珠養殖、夏みかん栽培、漁業などが儲かった時代もあったけど、今はダメ。さらに交通整備によるストロー効果で松山のような市街へ、また本州へと流出が続く。
 
そんななかで開催される定員360名の大会に、ボランティアさんは900名。バスで山を超えて集まってくる。小さな町にとって目一杯の盛大なお祭りだ。
 
2012年、高速が手前まで開通したことで、愛媛県民にとっての現実的な移動先として浮上した。そのPRイベントとして「愛媛南予いやし博」 が南部地域全体であり、その愛南町の中核イベントとして開催されたのが、この大会。気合が入っていて、大会への町の支出は毎年数百万~1千万円近いそうだ。
 
ちなみに2008年の選挙で今の清水雅文町長が当選した際、公約で新庁舎建設計画を撤回させたという伏線がある。旧町政でのハコモノ優先策が取られていたら、今頃オサイフに余裕がなく、存在しえなかった大会かもしれない。なお町役場によれば、学校の耐震化工事、町内全域のひかりインターネット整備などソフト面を優先させて、これから新庁舎建設に入るとのこと。
 
そこには長年の悲願があり、県内のTV放映もあって、本当に喜んで開催して頂いている雰囲気を感じられた 。
 
<おもてなし、いや「お接待」No.1大会>
先月の横浜では僕のことを知っている方々からの応援が嬉しかったわけだけど、ここでは、町の子供たちがコースのあちこちに並んで、全ての参加者に対し、嬉しそうに応援してくれる。
11425530_893554464045334_82103895_2
(撮影:Shimonoさんご夫妻)
この写真、エイドでの身の乗り出し方に、その気持ちが表れている。
 
1周3.3kmのRunコースのうち、応援のしようがないトンネルと急な下り坂(=応援要らない)以外は、本当に応援が途切れることがない。これは凄いこと。
天草大会の今年の中止を決めた市長は、理由の1つに「応援が少ない」ことを挙げていた。それには賛成しないけれど、でもこうして好例を体験すると、応援はそれ自体で価値になる。
 
景色も良い。コースの動画、39〜48秒あたり、右端に入る豊後水道は、ちゃんと脇見をすれば、しっかり見れる。登り区間なので、ゆっくり見れる。
街中の細い路地も、地元の高齢者と、おそらくバスで町内全域からやってきた子どもたちでいっぱいだ。動画1:50過ぎからは地味な印象を受けるだろうけど、実際には、暖かな雰囲気に溢れている。その「密度」は、他のどの大会にもない、国内最高レベルだと思う。宮古島ストロングマンも応援は暖かだが、こんな密度はない。
 
大会運営も、要所に運営のベテランを配置してるのがわかる。たとえばバイク周回コースでの、周回ミスの際の誘導手順を説明会でも説明していた。周回ミスというのは実際よくあることで、しかも分岐点を過ぎた瞬間に気付く事が多い。そこで急ブレーキ&逆走、ということをしたくもなる(同時期のセントレアの新コースでは多発していたらしい)。これは反則、失格になるし、なにより危険だ。
会場アナウンス=MCてゆうのか=もよく事前調査されていた。(根拠:僕のことを知っていたから笑) セントレアでは、スタート10秒前に興奮したMCが「フォー!」と叫んでフライングを誘発していたそうだが。。
 
小さな町の4回目らしからぬレベルの高さ。ここは、JTUが開催初期から入ってアドバイスしていること(2回めからランキング対象)、日本食研チームが番組スポンサーふくめ全面協力していること、なども影響しているだろう。
 
長く育ってほしい大会。
定員360名は今年はじめて、締切3日くらい前に満席になったけど、来年以降はもっと早く埋まるだろう。(僕がこうして紹介してるからね笑) エントリー競争の幸運を祈ろう。
 
<おしらせ>
スイム試泳時、10-15cmくらいの立派なクラゲがいた。6月はじめだというのに。
かれら目線からは、突然ウェットスーツで武装した巨人どもがバシャバシャ入ってきて恐怖に打ち震えていたことと思うし、もしかしたらその攻撃により命を落としたのかもしれない哀れなクラゲさん。でもその恐怖の中で僕らをチクリとするのはイヤだ。 クラゲ除けクリームで対策可能。正しく使えば確実に効果がある。ただ、いるとわかれば、レース会場では売り切れてしまう。今から準備しておこう。
  ココナッツオイルはAmazon2015上半期ベストセラーに。
 
にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ

2015年6月 8日 (月)

愛南トライアスロン’15第一話 再び表彰台を逃したレースレポート

 
"全てのゲームに勝つべきとは限らない"
 
by ハッタリくん, 2015
 
11426954_762385080545702_1053314649 写真:Yamauchi Mikiさん
、、失笑をこらえて進もうか。。第4回愛南町いやしの郷トライアスロン大会 に初参加。四国入りも人生初だ。
 
<レース前準備> 
横浜大会から3週、腰痛はほぼ消えたものの練習不足は続く。水泳では宮古後には巡航感覚で100m1’18まで伸びていたのが、ほぼ週1の練習で1’33まで急落したり。でもせっかくの遠征、しかも人生初四国。レースを楽しむために、直前1週でギリギリ誤摩化す準備を試みた。
 
レース直前の高負荷錬は、いつもは5日前まで(日曜レースで火曜まで)、でも今回は3日前に10km走、うち5kmは負荷の高い舗装アップダウンコース、しかも途中で駒澤駅伝部(の休養目的ゆっくり走)を追い、心拍170を超え1周1.7km@3’53/km。好調時より10-15秒遅い。そして2日前はクロスバイク移動10km後のローラー30分間高負荷。
 
これらの疲労はレース当日まで残った。でも練習不足の時には、少しだけアクセルを踏み過ぎていいと思う。緩み過ぎた身体でレース途中に壁にぶつかるより、少し重さを引き吊りながらでも最後まで動き続ける方が、その先につながると思うから。このあたり微妙な匙加減。
 
<レース>
今回ワタシは注目の強豪選手という扱いを戴いており、愛媛ローカルTVの南海放送さんにもマークされてて、直前のバイク設定では美人女子アナ+記者+カメラさんと3人がかりでのインタビューも受けた。※インタビュアーは男記者さんです。
 
せっかくの晴れ舞台だけど、競技成績で応えることは出来ない可能性は高い。
でもそれも1つのレースの形、それはそれで楽しもう、とスタートを迎える。
 
2013セントレアでは上田藍選手にも負けなかったワタシが、地元の女子アマ選手に負けた〜〜
 
<トライアスロンの水泳はスプリント大事>
スイム記録を、記録1-2ページの上位者を中心に見直してみた。メモリ増設で息を吹き返した27インチMacで2P見開き表示させ、裏紙にメモをとりながら。
 
上位40人中、ざっと36人が第一ウェーブからっぽい。第一ウェーブはシード選手12名と、2-30代の若めの選手。この中にスイマー出身の関西の大学トライアスロン部が多いようで、層が厚い。
 
第一ウェーブ内では、22'30までが14位、23'20-50あたりに17〜26位の10人集団、50秒おいて24'40からの20秒間に9人集団、24'54の僕は終始その中に居た模様。
ちなみに2分後スタートの第二ウェーブからは27−29位の3人先頭パックがあり、次が40位のノナカさん。ここからシード選手と戦うのは不利だ。
 
僕は、おそらく1周目は、24'40で上がったシモノさんかもう1-2人の後ろについていて、ぴったり付くことはできず2−3mくらい距離が空いていて、そこでアクセルを踏み込めずに2周目に少し下がり、スイム女子3-4位のホソカワ&マツモトさんの二人近くにまで10秒ちょっと後退した感じ。
 
僕の当日の実力では、多少レース展開を改善できたとしても、タイムで14秒、順位で6つ上げられた程度だ。
 
それは結局、スタートでのスプリント不足により、その集団しかつかまえれらなかった、ということだろう。最近のベストコンディションで臨めてたら、もう1つ上の集団への侵入の可能性=タイムで1分30秒の短縮もありえたかもしれないが。
 
<バイク、上りと下りだけ!
バイクコースは1周10km4周、前半4kmが斜度4%程度の登り、残りは全て下り、うち半分以上がテクニカルなカーブ連続。平野の少ない中国四国地方の大会に多いコース設定らしい。DHポジションは全面禁止され、ロードバイク=ドロップハンドルが明確に有利なコース。
 
1周目、下りに入り、飛ばす人たちとの速度差で、勝負にならないのがわかる。
TTバイクでの下りの練習は、特に最近はしていない。「練習でしていないことをレースでしてはいけない」のは大原則。例外リスクをあえて取りにいくべき状況にはない、と判断した。あるいは、そういう言い訳を探り当てた。
 
以降サイクリング(=気楽な自転車遠出を意味します)を開始。カーブ続きとはいえ下りの時速30km前半。1週目の最後あたりで女子の細川さんに抜かれ、そのまま差が開き続ける。女性にバイクで抜かるなんて2013アイアンマン世界選手権KONA以来だ。
 
2周目の登り前半、2年前の天草総合優勝を争った大分竹田の強豪ノナカさんが、スタートの時間差2分を追い付いてきた。スイム差から考えて、ほぼバイク1周で2分を詰めたということだ。いつもなら追いつき追い越すしかない相手なのに、がんばってねー!て気分でお見送り。今おもえば、せめてこの登りだけでも追えばよかったかとは思う。どうせ下りでサヨナラする(される、というべきか)としても。このあたり、緩み過ぎたか。
ノナカさんとはバイクで12分差が付く。2〜4周で10分、1周あたり3分以上に差が拡がったようで、僕のタイムの落ちが感じられる。(データはこれから確認)
 
3周目の最後の下り、TVカメラバイク(モーター付) を引き連れた石塚プロに追い付かれ、すごいスピード差で抜かれる。これが愛南大会の下りでの勝負スピードかー無理無理! タイム差は推定20分ほどか。なら同年代トップ3とも10分くらいは差がついてるだろうなあ、と考え、安全運転に徹しようと再確認。
 
心拍数は、スイムアップ直後の1周目の登り区間だけ心拍170台、2-4周回では150−160くらい。ほぼロングレースに近い。下りでは130から最低110あたりまで下がってると思う。
 
おかげで見ることがきた、最高150mほどの高さから見渡す海は、九州・大分方面に開く豊後水道だろうか。そこから入り組んだ急斜面のリアス式海岸が切れ上がる。
 
<ラン>
横浜同様 “Run Happy!” を決め込み、サングラスを外す。僕のことを知らない町の子供たちがコースのあちこちに並び、嬉しそうに応援してくれる。地元の小学生総出のようだ。高齢の方々も集まり、喜んでくれている。心の中ではハイタッチ、その気持ちを目線だけに込め、応援に応えながら走る。
 
アップダウンは多いが、伊良湖ほどではない。3ヶ月後の伊良湖ではもう1レベル上の速さで走ろうとか思ったりして、気持ちは「今ここ」には無かったってことだな。そしてトンネル前区間から見渡す海は、伊良湖のランコースと同じくらいに、そしてまた別の、美しさ。ここまで来たから見れる景色。
 
1周目の終わり、マーシャルの自転車が、次いでTVカメラのバイク(モーター付) が近づく。石塚さんが2周6.6kの差を付けてゴールへと向かう。コースの左端に寄って追越レーンを右に用意する。今度は速度差はあまりなく、しばらくTVカメラと石塚さんの中間に僕がいた、すいませんTVさん。お詫びのしるしにTV的に美味しい絵を提供しようと、抜かれ際、石塚選手の肩を叩き、おめでとう!と声をかけたら、軽く左手を上げて応えていただいた、すいません石塚プロ。
 
それ以外にランでは抜かれることはなく、ただ最後だけ、誰かが必死に追ってくる雰囲気があった。こうゆうのは数m離れていても、足音とか息遣いでわかる。せめてランは抜きっ放しで最後まで終えようと、ペースを上げる。過去この場面でよく使ってきたストライド伸ばしではなく、逆に、気持ちストライドを狭めた超ハイピッチ走法へ、2段階くらいのギアチェンジ=軽いギアに入れる感じで、ペースを上げる。これは新感覚。
 
観客から「速い」と声があがる。「こんな速いの無理!」と悲鳴を上げる女性がいたのは、同伴ゴールの待機場所だったので、自分の同伴ゴールの相手がこのスピードだと同伴できません、て意味かな? 
 
会場実況アナウンスでは、「速いです! 強豪のハッタ選手です!」的なアナウンス。ゴール後、そのまま実況担当さんにマイクを向けられ、「どうでしたか?」とライブインタビュー。「素晴らしい風景と応援を楽しみました」的に模範的に答えるのがすぐに面倒になり、マイクを奪って、「あいなんさいこー! ありがとー!」など吠えて締めた。
 
後で記録を見ると、4秒後と7秒後に、それぞれ同年代の2人がゴールしている。足音と息遣いの気配は本物だったわけだ。ただしスタートはシード選手の僕が2分速いので、彼ら=年代4位マツダイラさんと5位タカダさんが順位は上。でも前に誰か居る限り、しかも僕の存在を知っているのなら(タカダさんには後でご挨拶いただいた)、抜こう、倒そうと、気持ちを入れてこられてもおかしかない。
 
そんな、敬意を込めた闘いの気配を肌感覚で感じられるのは、レースだけにしかない興奮。トライアスロンの楽しみの本質は、こうゆうところにあると思う。
 
<そして>
最後の走りが続けば、またこれから巻き返せるだろう。宮古以降、(より正確にはそのバイクパート終了時以降)、「完走たのしー!」と言い過ぎな感もあるワタシだけども、40代ほぼ最強という自称名を捨てるつもりもない、笑
 
今回の遠征全体について、愛南大会について、また愛媛、四国という土地については、改めて書いていこう。て宮古レポートもミカンだけど。蜜柑でなくて未完です、てゆうのも愛媛は蜜柑の産地だからね! と失笑必至のオチ。めだたしめでたし。おひたしおひたし。
 
(つづく)
 
<オマケ:おかいもの案内>
レース前には宮古同様にクエン酸を1時間前に摂取。ただ今回はアレンジして直前2-30分前に脂肪とタンパク質を含むエネルギーバーをかじる実験を試みた。結果として余計だった感、正規の用法 通りで良い。
バイクはパンク対策に、マルニ「クイックショット」 を積んだ。ショートレースでチューブラータイヤの交換は無いし。
ちなみにAmazon品切れだった「にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ マガジン2015」 は在庫戻ってます。結構みんな読んでもらってる。たぶん続きも企画されるんじゃないかな?

« 2015年5月 | トップページ | 2015年7月 »

フォト

『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

Blogランキング

無料ブログはココログ

Google Analytics