練習量は「ゾーン別時間」で「シンプルに」管理する 〜2月トレーニング分析
- 全て3日移動平均
- 3本の実線は心拍域で「Bike+Run+筋トレ」合計の積上グラフ、Swim(水色2本線)は別
- Totalは「HR112以上+Swim」の合計
- PTE= "Peak Training Effect" はSUUNTO独自データで、心拍域のピークを反映(正確には「EPOC」値(運動後の余剰酸素消費量)により決定される模様=要するに、運動後にどれくらい「はあはあ」してるか)
2月はグラフの124日目、グラフの「谷間」でスイムだけ上がっているところから始まる。
前回の谷は104日目のノロ罹患。その後、おおまかに20日近く上げて、少し落として2月に入っている。そして約3週間にわたって、過去最高の「山」を積み上げ、3週後にどうにも身体が動かない1-2日があって「谷」を形成し、再びクライミングを開始して、3月に入った。
2月グラフの明らかな特徴は、オレンジ=心拍130〜147ゾーンの山の大きさ。その中心は、レースペースを意識したHR143〜147の高めいっぱいが中心なので、質としても悪くない。(一部、移動やウォーミングアップでの130〜135くらい域も含む)
典型的な例として、20km走などの前半は147以下に抑え、そのスピードを維持していると、心拍だけ150あたりに上がってゆく。それはグラフでは、オレンジと赤の比率として表れ、日によって3:1だったり、1:1だったりする。
赤色グラフはその結果として積み上がったものが中心で、初めからこのゾーンを狙ったわけではない。僕はHR152以下が乳酸を貯めずにエネルギー化できるゾーンなので、いずれにしても長距離巡航ペースの範囲内だ。
<多ければ良い、わけではない>
ここまでの説明とグラフを照らし合わせると、自然に量を積み上げた、良いトレーニングができているという印象を受けるだろう。ただ僕には、「多すぎるかも」という反省がある。特に、オレンジのラインが「上がりっぱなし」になっている期間の長さだ。
3日平均値なので、「2日上げて1日下げる」「1日大きく上げて2日大きく下げる」というパターンがが多く、これが続くとグラフは高めで一定に保たれる。その中でも休養はしっかり入れてはいるつもりだ。 それでも、もっと「谷」を入れて、その分、山を上げた方が、良かったかもしれない。
しっかり休養した後に、レースを想定した高負荷トレーニングをする。その回数は最も重要な指標の一つ。最近しつこく書いている「頻度重視」には、これも含まれる。
「月間走行距離」を重視したトレーニング法だと、疲労を残したまま、心拍130レベルとかで30km走とか繰り返すのが、一番数字を伸ばしやすい。でも僕はこの方法を否定する。
ただ、ここから先はグラフには表れにくいところ。個々に考える必要がある。
<各種目>
2月のRun距離は過去最高を更新し306km。多ければ良いという誤解はラン練習にも多いけど、大事なのはそこじゃない。この分析はのちほど。
Bikeは固定ローラーのみ。あと移動のクロスバイク(普通ペダル)。
Swimは練習回数8回、毎回55分なので計7時間20分。推定距離は22kmかな。泳いだ距離はいちいち覚えたりしない。これも僕にとって無駄な指標の1つ。スイムこそ頻度が全て、プールで泳いだ回数だけで十分。
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ありがとうございました。「練習から体感を研ぎ澄ますべき」なのは分かっているつもりでも
疲れしまって忘れがちです。もっと意識してやってみます。
丁寧なお返事に感謝します。
投稿: あつめし | 2015年3月12日 (木) 07:07
あつめしさん、もちろん体感でOKです。
ラボの計測よりも、体感で求めた方が優れた面もあります。
正確な計測をするメリットとは、
データに強いお勉強好きなコーチが付いてて、客観的数値化により、コーチとの共通の理解のベースができるとか、
多数のレースに完璧な準備で出たデータの蓄積があるとか、
というケースでしょう。
しかし、一人で練習もレースのペース配分も組み立てる場合、数字なんていちいち見てられないわけです。
そもそも体感で勝負するしかないのだから、練習から体感を研ぎ澄ますべきなのです。
「乳酸を貯めずにエネルギー化出来るゾーン」の場合、
1つの方法は、5km10km20km・・・ と一定ペースで走れるデータを把握すればOKです。
同時に、乳酸が発生し始めたが(=筋肉内の血がシュワシュワしてきたが)、発生するやいなやその筋肉内で消費されることで、筋パワーが上がり始めた、的な感触をつかむことです。
まずはラン単独で、そしてブリックで。
投稿: 筆者ハッタリくん | 2015年3月11日 (水) 23:42
いつも大切な情報を分かりやすく提供してくれてありがとうございます。
レベルは違いますがシンプルに管理する方が身体のためには良いと私も思っています。
そこで質問、「乳酸を貯めずにエネルギー化出来るゾーン」もAT値やLT値のようではなく
体感で求めた方が良いのでしょうか?
AT値などを正しく求めるには時間を費用がかかると思い、手を出せませんから私にはあまり関係ないのですが、ふと疑問に思いましたので、教えてください。
投稿: あつめし | 2015年3月10日 (火) 13:43