«  「痛み」を活かして「技術」を高める方法 | トップページ | 「マラソン30kmの壁」を超えさせるのは、技術だ »

2015年2月15日 (日)

宮古島 10週前からのトレーニング戦略

宮古島トライアスロンまであと9週間。いつもの練習記録Excelに、2013年KONA前のデータも貼り付け、眺めている。
2013年は、5月から月2ペースのJTUランキングレース連戦で身体が仕上がり切っていて、方向性だけロング向けに修正すればよかった。当時3連覇を懸けたランキング争いは熾烈で、普通のロング錬を繰り返すよりよほど大きな効果があったと思う。今年は仕上がり度自体をこれから上げてゆかねばならない。まにあうか?
 
〈宮古島大会の距離〉
宮古の種目別距離を、いつもの51.5kmレースに換算すると、Swim772m−Bike39.9km‐Run10.86km。スイムがほぼ半減する以外は、ほぼいつも通り。Bike終了時点で大枠が決まり、Runで最終決戦とイメージできる。
アイアンマンの比率を51.5kmに換算すると、Swim879m-Bike41km-Run9.6km。Bike最重要のアイアンマンより、宮古はRun寄り。実際の距離でも、KONAでは「マイルド車上拷問」的だったBike最後25kmが、宮古ではまんま無くなるわけで、Bikeはよりスピード化する。 その分フレッシュにRunに入るので、Run勝負の色が強くなるだろう。
 
〈9週前、Runの実戦シフト〉
そこで、まずはRunから完成させることにした。これまで「頻度重視」で土台を作ってきたので、10週前にあたるこの週から実戦的にシフトさせ、20kmレースペース走を5日間、中1日で3回実施。
 
入りは心拍を抑え、10kmまで乳酸を発生させずに脂肪エネルギーを活用する高効率スロー走行、10kmから適度に乳酸を産出しエネルギー化してスピードを上げ、20kmからは脚の負担感を見極めながらその場で決める。前半は効率向上、後半は高負荷を意図したハイブリッド型だ。
ロングレースの教科書なら、この前半のペース維持で30km、的メニューが基本だろう。ここではイイトコ取りを狙った独自手法を取っている。
 
3回の平均は、4'07(HR148→156)、4'09(145→152)、4'14(145-146維持)、とペースも心拍ゾーンも少しづつ落としている。その意図は、疲労が蓄積する中で、より低い負荷でレースペースのフォームを維持する技術を高める点にある。
 
迷ったら追い込まずに切り上げる方針。これは余力を残すことで「トレーニング頻度」を高めるという意図による。
3度めはその良い例で、行ければ25-30kmと思ったけど、途中で補給食の蒸しパンを落としたので、少し早めに23kmで切り上げた。
こうゆうとき「あと2kmで予定の25km」とか考えてはいけない。エネルギー枯渇下で続行すると「糖新生」が起こり、筋肉がエネルギー源にされてしまう。タコが自分の脚を食べるようなものだ。「決めたことを やりきってはいけない」のがトライアスロン。タコに学ぶのは柔軟な姿勢だけでいい。
 
〈技術あっての練習量〉
僕はこの5日間で計75kmを走った。仮にこれが1ヶ月続くと月間450km。僕には無理。これに近いレベルをコンスタントに走るトライアスリートもいるけど、それで故障せずに続けられるのは、その走技術がとても高いからだろう。「もともと高効率で走れる人が、さらに量を積む」から速いわけで、彼らは量を減らしても十分に速いだろうと僕は見ている。
 
技術に問題あって量だけマネするのは、ケガへの近道だ。前回コメントで頂いた質問にも

「最も効率的な走りが出来ていれば、その痛みは出ないはず」

と書いた。僕がこれまでオフロードなどを集中して走ってきたのも、ある面では、こうゆうトレーニングをケガせず積み上げるための「技術」を高めてきたようなものだ。練習量はその結果であって、目的ではない。
 
〈8-9週前からのBike強化〉
ここまでで、Run完成までのスケジュール感は見えてきたかな。
今後、距離を30kmに伸ばす回を混ぜながら、バイク高負荷後でのRun動作を作っていく。5週前あたりから、少しづつスピードも上げていこうか。2km走などでVo2Max強度での最高速を高めれば、LT動作の余裕度も高まるから。
 
そして、これから4週間はBike強化月間。一気にレースレベルに引き上げる。日程的には十分に、ただしギリギリで、間に合うとみている。勝利=総合10位以内を現実化できる最後のチャンスだろう。
はじめ2週は固定ローラー集中、20分間のLTゾーンを複数セット繰り返し、「持続可能な最高速度」を上げてゆく。
 
「長距離の実走」も必要なトレーニングだけど、それは7週前からに位置づけてみる。1日150kmレベルのいわゆる「ロングライド」は、トレーニング密度が薄まりがちだ。室内ローラー錬なら確実に質を高く維持することができる。最も大事な時期こそ、トレーニングの質を落とすリスクだけを避けるべきだ。1日2時間以内、でも「頻度」を上げて。
Img_2765(ローラーは汗が貯まる…)
 
Swimも増やしてゆくけど、今は3日に1度1時間。レース5週前からの集中トレーニングでギリギリ間に合わせる予定。
 
そして、宿と飛行機をいいかげん取らねばならない。。
 
・・・おしらせ・・・
 
最近読んでおもしろかった本。

 
痙攣防止には塩分に加えてマグネシウム(大豆とか)+カリウム(バナナとか)が有効で、錠剤だとマグネシウムとカルシウムはセット販売。クエン酸は脂肪燃焼回路に、BCAAは、まあ牛乳や納豆でもいいんだけど、筋肉ケアに大事ですね。

«  「痛み」を活かして「技術」を高める方法 | トップページ | 「マラソン30kmの壁」を超えさせるのは、技術だ »

'14- トレーニング量とグラフ:ほぼ月刊」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

フォト

『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

Blogランキング

無料ブログはココログ

Google Analytics