BikeとRunの「動作特性」から考える、トライアスリートへのBikeレース効果
2つ前に書いた「トライアスリートは、フルマラソンしないほうがいい」 は過去最高量の反響。ページ閲覧数が2日続けて2,400を超えた。そこでの視点は「過労」だ。レースは極限まで追い込むものだけど、だからといって普段から追い込み続けてはいけない。かわりに僕が重視しているのは、フレッシュな状態で良質な動作を保ち、素早く回復させて、トレーニング頻度を上げること。この状態に対して、身体は確実に「適応」を進めてくれる。
マラソンを走る/走らない、という結論は個人の自由というもので、どっちだって良いのだ。僕が書きたかったのは、その奥にある考え方のほうだ。
さて今回の視点は、トライアスリートとしての「成長戦略」。ここで戦略とは、選択と集中であると定義する。すると、「平均的な日本人トライアスリート」にとって、Bikeレース出場が最も戦略的ではないだろうか。このことを、それぞれの競技動作の特性を踏まえて、考えてみよう。
<1.トライアスロンRunは「ゆっくり効率」を競う>
長距離トライアスロンのRunは、世界トップでも1km4分のスロー走行。最小限の体力でギリギリ維持可能な「ゆっくりラン」の勝負だ。マラソンが1km2:50に突入する時代に、4割も遅い。
そのブレーキ要素の多くはBikeに由来する。Bikeの筋疲労によりRun動作が変わる。エネルギー生産力も落ちてるので、走行速度はさらに落ちる。速度が変われば荷重も変わり、動作がさらに変わる。それが「トライアスロンRunは、Runとは別競技」と言われる所以。
ブレーキ4割増し分に占める上記バイク要素を7割と仮定するならば計28%相当(乱暴な計算だ…)、すなわち、「トライアスロンRunの2-3割は、Bike力である」くらいかもね?
だから、Runを戦略的に強化するのなら、レースならデュアスロン、練習なら連続させるブリック錬が、第一の手段となる。Run単独レースは、その戦略手段を補完する程度の位置づけではないだろうか。
<2.Bikeは「高速」が基本>
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