タテトラ'14 総合優勝 〜41歳の進化は止まらない!
6/29開催のタテトラこと館山わかしおトライアスロン2014、総合優勝。
同年代の馴染みのライバルとゴールまで死闘が続き、そのまま40代男による総合ワンツーフィニッシュとなった。
過酷な体力勝負のイメージを持たれがちなトライアスロンだが、実際には技術要素が強いから、身体を丁寧に扱うことで、進化し続けられるのだ。
僕にとって天草以来二度目の(もしかしたら人生最後の)優勝。そしてSUUNTOの最高級GPS心拍計Ambit2s-HR定価税込4.8万、その他かくとく! JTUレース連続表彰台は17に更新。
タイムは2:00:03(1位), Swim21:15(11位), Bike1:02:20(2位), 通過1:23:35(2位), Run36:28(3位) カテゴリー完走者数:629名
タテトラ史上3人となるべき2時間切りには4秒届かなかったが、トライアスロンは順位を争うものだから。とはいえ3種目とも去年より削ることができ、それぞれ削減分は、Swim2:05(去年20位), Bike1:58(11位), Run0:52(5位), 計5分速い。
実質平均ペースは、Bike39.2-3kmh、Run1km3:38てとこ。コース状況を考慮すれば、3種目ともほぼ自己ベスト水準だろう。(トライアスロンはコース距離がレースごとに変わるし、条件も違うので、「自己ベストタイム」という概念は本来は存在せず、僕はかわりにGPS計測による平均ペースで比較している)
そのレース経過は、動画中継でもしてるとおもしろかったと思う。白熱の好レース、ただし見てる側にとっての話。やってる方は過去最悪(T_T)の死闘。いつもどおり、こってり書いていこう。
<Swim1.5km>
水温21℃、フルウェットスーツだから十分暖かいが、直接触れる手と足には冷たく感じる。コースは2周回、中間地点で浜に上陸し、それが推定100m分くらいあるので、タイムは早くなる。第二ウェーブは40-44歳カテゴリのみ、登録156名。ちなみに第一は39歳以下231名、第三は45歳以上275名。我が40前半の厚みは突出している。
スタート前、MCの白戸太朗さんが「このウェーブから総合優勝が出る可能性も高い」と情熱あふれる解説が聞こえる。てゆうか煽ってる。明らかに僕と"☆さん"(=人名、以下同じ)のことを言っている。ええ、そのつもりで来てますから。テンションあがる!
大外に、私・マツザキさん・☆さん、と集結。泳力を読める者同士で固まってさっと抜け出そう、という同じことをみんな同時に考えると、こうなる。それは他ウェーブに対してわずかでもタイムを稼ぐことにも繋がる。
スタートと同時にダッシュ、入水する頃には1mくらい先行し、調子に乗ってドルフィンスルーで差を付けようとしたら浅過ぎて、飛び込んだ顔の直前に砂底、動きが止まった間に集団に逆転されたかな。はじめ50mくらいは後ろから脚をツンツンされるが、それくらいで動じてはダメ。ほどなく無くなる。ノーバトルでのスタートはいつもどおり。(バトル苦手な方は50m35秒くらいでなら無理なく泳げるようになりましょう)
落ち着いた頃、先頭のマツザキさんに3mほど遅れ、その間に2-3人挟む。彼らの前に出て先頭にブリッジを架けるべき場面だったが、後ろ横につこうか迷ってしまう。失敗。その間に先頭との差が少し開いてしまった。100〜200m地点でのことだ。
第一ブイ(300mあたり?)あたりで、2位に5〜10mほど離された3位。お馴染みの嫌な展開だけど、追いつけると信じて進む。1周おわって浅瀬に戻り、ドルフィンスルーとラン、心拍数は過去最悪の速さ感、キツい。おかげで2位との差が急速に詰まってきた。折り返しで一瞬見た電光掲示板はたしか10:20くらい。
2周めの入水のドルフィンスルーで直後に付く。ドラフティング効果で体力をセーブしながら、仕掛けるタイミングをはかる。
しかし1kmあたりで、冷えた足底筋に痙攣の兆候が表れる。そのまま回復を待つ安全策に切り替えた。1位も2位もペースが落ちてきているようで、無理なく脚をリラックスさせることに成功、痙攣の兆候も収まってくる。本来はここで4キックにギアを入れて1位に上がりたいとこだけど。かわりに、浅瀬に戻ってからのランで先頭に出る。そして初めてウェーブ1位でスイム終了。スイムの進化は確実、そして発展途上。
2周目タイムは実質10:40くらいかな。スパートをかけていれば、ほぼイーブンペースになったかも。あいかわらずスタートは遅すぎるだろう。
トランジションでは、ウェットスーツを履いたままバイクを持って駆け出すというボケをかまし、幾らかの秒数を失った。
<Bike38kmちょっと>
館山のコースは自衛隊基地内、ロードバイクのような繊細な乗り物を想定してないからラフだ。しかも狭いうえに、コース上には初心者も多く、リスク要因が大きい。去年はそれにビビって失敗した。今年は早めの声掛けで右コースをこじ空けて突き進むつもり。
9周もの周回マネジメントも大事だ。試走時に測定すると1周4.25km、事前に地図ソフトで測ったのと同じだ。Garminのオートラップを4.25kmに設定。レース中は4の倍数の距離で周回把握をするが、オートラップを取れば振り返りが便利だ。
ちなみに試走後にサドル高さを3mm上げている。ベテランは普通こんなことしないけど、僕はよくやる。
レースでは、2周回目に入ってすぐの道路のウネリで、手付かずのスポーツドリンクを入れたボトルを弾き飛ばされた。全く同じことを去年もやらかしている。予備ボトルには、宿のパートさん(推定)が薦めてくれた日本茶。普段は水だけど、お茶の方がミネラル分があって、こうゆう非常時に助かる。
全9周、前半2周半までAvg.40.0kmh。直線で47kmh前後まで上げ、コーナーも安全な範囲内で落とし過ぎないように。走りながら、ニールプライドBAYAMOでのコーナリングが少しわかってきた気がする。
その後で中だるみし、38kmh台でまったり走っていると、6周目に☆さんに抜かれる。2kmほど様子を見た後、再点火して抜き返す。相手は追い付いてきた分、無理してる可能性はあるから、揺さぶりは早めに掛けたほうがいいと判断。それに、第一ウェーブの2-30代の若者との総合優勝争いもあるし。この時の1周平均40.3kmh、最高49.1kmh。
しかし降車ラインからトランジットまでバイクを持って走る間に、すぐ後ろに付かれた。ゲームは振り出し、完全ラン勝負。
実質的な平均走行速度は、たしか39.2-3kmhだったと思う(ラップ押す余裕なかったので)。去年の天草の直線とほぼ同じ、上出来。去年のゴーイチさんには遠く及ばないが。
<Run10km>
少し湿った靴下を履くのに少し手間取っている間に、7秒先行された。その背中を見ながらランコースへ。私より少し走力の高い相手だが、1週前の渡良瀬で、僕は都選手権でランを流してセーブし、☆さんは全力勝負して総合2位。その疲労分のアドバンテージは僕の側にあるはず。
上半身の動きから、☆さんは前半から飛ばして勝負をかけていると判断。距離を保ったまま、まずは自分の身体を落ち着かせることを選択。1kmの入りは過去最速の3:20、速い! さすがに全身に疲労物質が急速に拡がってゆく。
しかし僕のラン技術は、この春頃から明らかに向上している。CEPのカーフスリーブでふくらはぎをサポートしながら丁寧に練習してきた成果かな。おかげで、オーバーペース気味に入っても崩れない安定した足運びを維持できている。
2kmあたりで自然と追いつき、そのまま前に出る。☆さんも付いてくる。
背中に激しい息遣いが聞こえる。私の方が呼吸数は多いが、そのリズムの安定度では上回っていると判断した。レースでは心拍計は付けないのだが、僕は体感的に「ATペース」の天井スレスレに抑えることができているだろう(※心拍数上はおそらく最大レベルに近いが)。一方で相手の息遣いは激しく、「Vo2Max」域に達している可能性がより高い。残りはまだ8kmあり、そして自分の方が楽なのだから、揺さぶり続ければ勝てる。
そして勝負が動いたのは4km手前の混みあった給水。多くのランナーは立ち止まって水を飲むため、2人以上いれば、給水所が塞がれてしまうのだ。僕は給水では一切減速しないし、水も身体にかけて冷やすのが主目的。タテトラでは子供ボランティアがヒシャクで冷水をかけてくれるから、手前から目と手でメッセージを送り、タイミングよく水をブツケてもらう。たいていの子供はこれが結構上手。だから自分でコップを取る必要性はそんなに高くない。
その給水所、ここで取れば減速して逆転を食らいかねないと判断し、スルーして加速。すると、背後の息づかいが完全に消えた。実際レース後、☆さんも、そこで勝負が決まったと言っていた。一度距離が離れると、気持ちも切れてしまうと。
でも相手の強さはよく知っている。1.25kmごとの折り返しでも安全リードではないことがわかる。そこから6km、極限ゾーンの中、じりじりとペースは落ち続ける。技術も効かない、ただ落ち込みの度合いを気持ちで抑えるだけ。最後の折り返しで約350m差を確認して、ようやく(気持ちの上だけではなくて)リアルに勝てる気がしてきた。でも、安心してしまうと身体が止まってしまいそうだ。
ゴールして、安心し、なにか大きな声を出して、湧き上がったのは、これだけの好レースを一緒に作り上げた☆さんスゲーて気持ち。とりあえずゴールを出迎えた。勝つのは嬉しいけど、良質なレースができるのは、もっと気持ちいい。(だからバイクのドラフティングは自分のためにならないんだよ)
表彰式は、タテトラ51.5km総合表彰台だけの名物、シャンパンファイト。そのつもりで服を準備していた。動画もある!
今回、JTUランキングポイントを落としていたら「王手」をかけられていた。この負けてはいけない局面を、最もタフなレースを経て、取り切ったことは大きい。勝負はこれで実質振り出し。
今年の40-44歳男子のカテゴリは、このカテゴリ史上最強だろう。もはや「おじさん同士の組」ではない。今年から年齢関係ない総合ランキング制度は無くなったけど、個別レースでは、まだまだそれぞれが総合に食い込んでゆくことだろう。
僕の次戦は、7月末の天草。レベルは確実に上がるけど、狙うは総合1位、二連覇だ。
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