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2014年4月22日 (火)

量に頼らない練習法2つの極意〜「やりきらない」ことも大事

昨日書いたのは大事なことなので、少し書き足しておく。
 
長距離向けトレーニングで一番大事なのは、練習の量や距離、と思われている。
それは違う、と僕は思っている。
 
1つの大前提を忘れてはいけない。「非効率動作によるタイムロス」は、距離が長くなるほど「複利計算」で増加する。フォームの崩れを筋力でごまかせなくなるからね。
 
それでも練習すればアスリート体型になり、完走の感動も得られるだろう。平均ちょい上くらいまでタイムも上がるかもしれない。でも、競技成績をもっと上げたいのなら、崩れたフォームでいくら頑張っても、それは報われない努力となるだろう。
 
理屈では判っているだろう。でも現実に、そこで決定的な差がついてる。どうすればいいのか?
 
そこで、まず練習距離を延ばしてから技術を磨く、というアプローチも考えられる。しかしそこには、「非効率動作を身体に刻みこんでしまう」というリスクがある。「正しい動作が身につくまで、長距離を走るな」くらい言っていいかもしれない。目的が速くなることにあるのなら。
 
僕が考える近道の一つは、短距離、スピード重視、だ。まず高効率動作を「スピードという基準」に照らすことで修得する。その後で、その動作を継続可能な距離を伸ばしてゆけばいい。
 
実際、ロングディスタンス上位選手には51.5kmの元トップ選手が多い(とくにSwim苦手なタイプかな)。人間は4倍くらいの距離なら対応できるものだ。陸上1万mとマラソン、水泳自由形400mと1500m。ならばトライアスロン51.5kmも226kmも、本質的には同じもの。僕も昨秋それを理解できた。初心者ならスーパースプリント12kmから51kmへと延ばしてもいい。
 
むろん非効率動作の問題は、短距離スピード型でも同様に起こりうる。
しかし、距離が短いほうが、身体をフレッシュに保てるので技術レベルを保ちやすい。そして、練習中により早いタイミングで修正しやすい。1km走るだけで、3分30秒と40秒との動作の違いがわかるだろう。その違いが何か、その都度考えてゆけばいい。
 
動作効率を上げるためのもう一つの近道とは、「やりきること」を目標にしないことだ。かわりに追求するのは、良質な動作。そのために、動きをふりかえり、考え続ける。その集中力を維持できないような長時間の練習はしない。そして、動きの質が落ちた時点で止めればいい。たとえ長距離練習だとしても、だ。(たまのイベントとしてのロングライドは別=イベントだから)
 
「やりきる」ことにより、達成感を得ることはできる。その内容を問わずにね。相手が子供とかなら、その教育効果はあるだろう。
考えることには、ゴールがない。それを、達成感が無いととるか、無限に進化する余地があるととるか。自分をより目標へと近づけてくれるものは、何だろうか。
 
トップスポーツ選手は、よくインタビューとかで「やりきることが大事」だと言う。しかしその言葉にはいろいろな背景がある。身体的素質も技術レベルも練習環境も社会的立場も違う僕らが、額面通り受け取るべきではない。最大の違いは、彼らは既に「高効率動作を習得済み」ということだ。
 
「量」を積むのは、その後で十分だ。
 
今日の一言: トレーニングとは良質な動作の修得
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コメント

TUNOさんどうも、強調したいのは「順序」の話で(強調しすぎたかww)、動作のできた人なら「量×質」で決まる。
西内選手も動作ができてる人だけど、時間が極端に足りない中で最低限確保するために、自分ルールが必要だったて解釈です。
(コーチとしての立場上、忙しい人たちを勇気づけるのも仕事なので、そうゆう表現を選ばれるだろうとも思う)

同様に、忙しい人が、練習の枠を確保する目的で、量・時間を基準とすることには、合理性あると思ってます。

まぁ、確かに多く目にするブログは何キロ走りました、何時間やりました・だからね。
頭使えてないなーって感じるのも無理はない。
しかし、ロングで結果を出すのに重要なマラソンでは理屈でなく精神面のウエイトが大きいから、現実距離を踏んでる人の方が強いのも事実。
西内選手も毎日の続きの努力が結果2位への大きな要因だったということだと思うが。

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