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100mを1分切る速さを求めるのであればピッチを上げやすい2軸の泳ぎをお勧めします。それより長い距離、あるは遅く泳ぐ場合には、TIの泳ぎをお勧めします http://tiswim.jp/tsm/2005/tsm20051031_7.htm
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トライアスロン/海/長距離の水泳法について先日書いた通り、 https://masujiro.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/lsd-eb17.html クロールの教科書は、的確さ、わかりやすさ、トップ選手育成実績、とにもかくにも中央大の高橋雄介監督に尽きる。
大原則: 「理論の違い」なんて、たいしたことはない
本題: 「TIスイム」との違い
最近トライアスロン情報ばっかりなブログだけど、久しぶりに普通の本のことを書いてみる。
・・・これは読後感で最大のほめ言葉だろう。読み終わって、著者が身近な人に思える。酒を酌みながら、お話をしたい。もっともっと、いろんなことを聞きたい。著者の顔を見てみたい。
こんな気持ちになったのは、久しぶりである。久しぶりに面白い本を読んだ。エッセイ集の、傑作である。
「何しろ文章が良い(というか私の好きなタイプの文章すなわち今は亡き種村季弘さんのような文章ーそしてそういう文章家が最近殆どいなくなってしまった)」
とりわけオススメするのは、例えば「伊良湖トライアスロン」のような、あるいは天草や佐渡のような、独自の風土を感じられる田舎のレースが好きな人。(て結局トライアスロンに戻ってる)
オリンピック出場レベルのプロ選手(トライアスロンではその可能性が高くないとフルタイムのプロ活動はできない、それを目指す若手、元プロの指導者、、、、、と集結するのが、トライアスロンの国内頂上決戦、10月お台場の日本選手権。おそらく東京五輪2020での会場ともなる。
42歳となるハッタリ選手は、初出場を目指すことにした。競技歴5年目にして、おそらく最後の限界チャレンジ。
期限は3か月。
6月都選手権での最低条件は、400m4:40~5:00前後の泳力+Runパート34~35分あたりと予測。
Bikeを余裕をもって展開するには400m4分30秒以内が必要だろう。ありえない。4:40で第二、5:00で第三集団てとこだろうか。Bikeで脚を使って追い付き、Runで逆転の7枠入り、というレースプラン。
ふつうに予測可能な限界を激しく超える大ジャンプ。
挑戦は自由だ、笑
このレベルを6末に達成できれば、あとはバイクのLT域を伸ばすことで、9月エドモントン表彰台の可能性がひろがる。
大前提は、Swim技術の大幅改善。その上での強化日程は、
背景の理論書はこちら
=また紹介します
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Bikeトレーニングを、先週から再開。
Kona以来、5ヶ月の空白を超えて。
それでも、1月後半からベース(=LT)をトレイルやら大雪やらの中で高めてきたお陰で、この2年の今頃の感じまで、一気に戻せてる。急成長をコントロールすべく本日休養日。
パフォーマンスは、やはりLT域トレーニングで決まることを確信する。(3つくらい前の記事参照)
まずは8週後の横浜までにどこまで上がるか、楽しみ。
今季はアイアンマンもKonaも眼中に無く(いずれ表彰台に上がりに行くけど)、51.5kmのJTUランキング4連覇と、9/1のエドモントン世界選手権での好成績とに集中する。
6月の常滑経由で9月のハーフ世界選手権の上位、というシナリオもありえて、エドモントン6日後のモントレブランに国内移動すれば良いので効率的っぽいのではあるけれど、中途半端なことはしない。
そこで残るヤマは、6月の東京都選手権→秋のお台場、日本選手権ルート。
レース結果や記録会の情報から判断するに、いまから3か月で400クロール4:50&ランパート35分あたりまで伸ばせれば、7枠のお台場出場の芽がみえる。
そのレベルを達成できれば、あとはバイクを順当に伸ばすだけで世界選手権表彰台の可能性がひろがる。両取りの誘惑!
ただ、日本の梅雨と夏を考えると、
と二分して強化してくのが現実的だ。
それだと、スイム400m4分前半のギラギラな大学生とか何人も居る東京都選手権には対応できない。ここは現実路線かなあ??
ただいま「1ストロークを大事にする泳ぎ」を改善中。幾つかの世界大会のハイビジョン中継を編集し、専門誌の解説と突き合わせ、、と報われない研究を続けながら。。
その基本は、短距離を1本1本、丁寧に泳ぐこと。それにより、「振り返りの機会」を増やすことができるから。いわゆる「PDCA」だ。
優先順位が丁寧さにある以上は、タイムと心拍数は敢えて抑えるべきだ。これが意外と難しく、つい力を入れてしまう。でも小学生スイマーを観察すればわかるように、水泳とは本来、たいした力が要らないものだ。
そんな動作とは、まさに「LSD=Long Slow Distance」の本質だ。その泳ぎに慣れてきたら、距離を伸ばしてみる。その中で最適バランスを見つけたら、少しづつ力を込めてゆけばいい。
水泳が苦手な方ほど、本来は欠点の修復に注力すべきだ。「得意を伸ばそう」という美しい教育的理念は、ことトライアスリートに関しては敗北の理論でしかない。欠点を潰しまくればかなりのとこまでいけるのがトライアスロンなのだ。
具体的に、多く見受けられるスイム練習の失敗とは、
、、え? がんばっちゃダメなの?ええダメなんです!技術を上げる局面では。
とりわけ、この文章を真剣に読んでるアナタは水泳が下手ですよね?だったら二兎を追える立場にないはずです。身の程を知りましょう。
1500m1本を例えば30分かけて泳ぐなら、かわりに100mを2:30サイクルで12本泳いだ方が絶対速くなると思う。(なので当記事のタイトルも「LSD的な」と、ぼやかしてある)
それを分割すれば、その数だけ「ふりかえり」の回数が増える。休憩で身体をリフレッシュさせることで、一本ごとに技術を高めることができる。休憩時間が短か過ぎると、振り返りが機能しない。
以上のことは、あくまでも技術向上フェーズでの話だ。勝負レース3ヶ月前からはがんばる必要があり、長距離を試し、サークルタイムも縮めて、タイムを短縮してゆくといい。
つまり、ゆっくり練習ができるのは、今のうちなのだ。
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この「ゆっくり泳ぎ」では、パドルも使い、水を掴んで体重を載せる意識を磨くといいと思う。
そして、クロールの教科書は、的確さ、わかりやすさ、トップ選手育成実績、なにをとっても中央大の高橋雄介監督で間違いない。(良書は他にもあります)
(1) 「最先端泳法『フラットスイム』でクロールがきれいに速く泳げる!」 (2012)の1冊でほぼ十分ではないだろうか。掲載情報には非の打ち所が見つからず、さらにDVDまで付いて1,680円とは、これほどコストパフォーマンスの高いものを探すのは難しい。
10年ほど前にイアン・ソープの衝撃で「2軸クロール」てのが流行ったけど、あの真似は難しいでしょう。
「トータル・イマージョン」は初心者のとっかかりには良いが、あの入水はスピード向上時にはブレーキになると思う。(ただし、初心者にはその非効率を遥かに上回るメリットがある。特に姿勢維持効果はすばらしい)
(2) あわせて、「クロールはゆったり泳ぐと速くなる!」(2013)で「考え方」を深めるべきだろう。手軽なイラスト入りの新書だ。
トライアスロン・スイムでは、効率がなにより大事。この考え方は必要不可欠なもの。
書評で疑問が出てるTIとの明確な違いは、『フラットスイム』を読めば一目瞭然であるはず。
(1)(2)
合わせて2,500円で、1.5kmのスイムパートを23分から21分くらいに短縮するくらいの武器になりうるかもしれない。もっと苦手な人なら、5分10分ポンと短縮できるかも、ってプールでトライアスリートらしき人達を観察してると思ったりもする。
水泳の技術習得には、もっとお金を使っていい。自転車には何十万と費やす方が多いのだけど、最先端TTとディスクを合わせても、こうゆう短縮は起こりえないと思う。
今季のスイム錬はまだまだこれからだけど、感触良好。あと8週間でなんとかなるだろう。
※当記事は、2014.03に公開したものを、2015.10に加筆しています。
ちょっと前、TVで 廣戸聡一さんが「4スタンス理論」を実演してた。足の重心位置から4タイプに動作パターンを分類したもので、ランニング、ゴルフなど競技別に応用されてる。
僕には2-3年前、トレーニング関連書を軽く数十冊(+ウェブサイトも多数)読み込んだ過去があって(=なので当ブログはそんなに変なことは書いてないつもり。例外あるけど)、その時2-3冊読み、試したことがある。
ランニングに限れば、鯉川なつえ先生の「【陸上競技版】4スタンス理論」で十分だろう。
タイプ判定すると、僕は踵内側を起点に重力を受け止めるB1タイプらしい。それを踏まえてランニング動作を解析すると、「今の動きの解説」は、ある程度出来る。新たな改善事項はなし。こうゆう場合でも、「自分には合わない余計なノウハウ」に惑わされずに済む効果がある。体系的に理解してみるのは大事だ。
ならば、自転車や水泳にも応用できるのでは? てことも試している。
結論として、応用不能と判断した。
僕は自転車の動作についてはわりと自信を持てていて、その動作には4スタンス的に説明可能な要素はない。また水泳は常に改善の道を探り続けているけど、4スタンス的なヒントは一切活かされてない。
なぜそうなるのか、も考えてみた。
すると、「4スタンス理論」の原理が3つ、みえてきた。
僕の場合、踵内側が第一の『支点』となるから、以降順に、膝は遊点、骨盤は支点、首は遊点、肩は・・・、と順に理解できる。
しかし、自転車は、ホイールで重力を無効化しているから、第一の原理が存在しない。推進力も、全身の筋力で発生させており、「起点」が存在しない。足裏=クリートは、単に集結した力をペダルに伝達する「つなぎ」に過ぎず、力の起点ではないのだ。だから、第二の原理も不適。
水泳では、浮力で全身を支えることが出発点。また推進力を生むのは「点」ではなく指先から上腕までの「面」だ。さらに、「支点」=たとえば肩甲骨=は、それ自体を動かす「浮動支点」として機能させるので、3原理すべて不適。
前提条件を失っているわけだから、4タイプ別の細かなノウハウも効かないわけだ、と納得した。
あくまでも僕の場合です。どなたか応用に成功されてたら教えてください。
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教えてくれない方はこちらブログランキングでも見といてください。
カキノキ先生の最大の強みは、国内トップ選手たちとの共同作業の中で豊富なデータを解釈し、指導してきたこと。東大自転車部をここまで強くしたことで、そのノウハウは証明されてるだろう。
もともとケミストリーとコンピューター学のバリバリ科学者で、「アスリートが運動生理学も勉強しました」系より、はるかに客観的、論理的、理論的。初の著作だけに、やはり「その人らしさ」全開だ。巻末の参考文献リストには、2000年以降の中心に最新の英語論文が3ページにわたり並ぶ。もう「LSDで毛細血管を・・・」なんて言ってる時代じゃないよね。
エネルギー(=ATP)生産の仕組みからメイン説明が始まる。て、それ知ってすぐ速くはならないけど、ウォーミングアップから徐々に強度を上げていき、レースペースに達するまでに、体内で何が起きるのか理解できるのは楽しい。
そして、トライアスリートにとって決定的に重要な「LT」の仕組みが、強化方法込みで、理解できる。LTトレーニングに対する情熱あがった! またそれは「乳酸に耐える」という昭和な思考をリセットする効果もあるだろう。
疲労回復ダンシングも、栗村さんはトマ・ボクレールを例にちょっとたのしく説明してたところを、ここでは「10秒間でクレアチンリン酸が充填され筋力が回復する」と科学的だ。
トレーニングによって目指す生理学的効果:4章→その手法:5章→種目別考え方:6章→それぞれの構成:7章
と、理路整然と説明されてゆく。(書評みると、ソリアの誤訳がどうのこうの、と明らかに情報価値とは無関係なコメントがあり、参考になったボタンが押されてるけど、一体何を読んでるんだろう?? かれら言語学者なのかな?)
伝統的に1~3月に行われていた長時間の乗り込みにも否定的で、この時期は短時間高強度錬を集中すべきだといってるのも、使える。似た話はシルベスト山崎さんもしてたけど、この点に確信もてるだけで1500円の価値はあるだろう。
柿木さんは日本のパワーメーターの流行の発信源でもあり、使用者なら当然注目してる本でもある。でもむしろ、その数値的裏付けを持たない非使用な僕らこそ知っておくべきだ(それこそ1500円の価値)
<僕的メモ>
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おヒマでしたらばブログランキングも↓覗いてみよ~~
日本で最も自転車ロードレースを熟知し、かつ真摯な行動を続ける一人であろう栗村さんの2冊目。とても楽しく読める。
始めての著作はたいてい「経験全部つめこんだ!」的な著者の「人物像」を知る本になり、あるテーマについての著者の「知見」を突っ込んで知るには、2冊め以降を選ぶと良い。でこの本は、自転車ロードレースに本気で参戦する人のための、プロレベルにも通用する本当の基本を集約した一冊だと思う。
本当の基本、とは、つまりは、考え、行動するための軸。
方法、手法は人それぞれ違うものだけれど、それら全てに共通するもの。
これ抜きに、いくら細かい知識を詰め込んでも、自分の潜在能力を活かしきることはできない、というもの。
中途半端なブログ記事(こうゆうね!)を日々読むより、この1冊を熟読した方が遥かに強くなれるだろう。読後に、雑多な情報も自分なりに解釈したりダメ出ししたりできるような、教科書的な1冊。
というとカタクルシイけれど、そこは天然エンターテイナーの栗村さん、ロードレースっておもしれー、て気になれます。なぜか宇都宮で自転車プロチームが成長してきた歴史の中には、こんな彼のおもしろさが、地域の一般人たちに伝播していった過程があるのだと思う。
「チーム内処世術」なんてページを用意してるのもその一つだ。
そして、レースとは勝利の女神との愛の、、、
一番大事な情報は、最後、「トレーニング理論の正解は結局、レース現場にしかない」ということだと思う。アマゾンの書評で「具体的なトレーニング手法が乏しい」というのがあるけど、その疑問への回答もこれだ。
トレーニングとは、レースの感覚を再現すること。
これに尽きる。
パワートレーニング法などの「フィジカル向上のための理論」に拘るより、「テクニックの知識」の方が有効だよ、というのも全くその通り。フィジカルは「レース感覚」もしくは本能で高めることができるけど、テクニックは、経験だけでは学べない。高価なパワーメーターを活かせてない人はとても多いとも思うし。
トライアスロンのBikeパートも、基本は同じ。バイクラップ上位者はロードレースに出ても良い成績を出してる。僕のようにスプリント力が全く無くてもね。集団を活かす戦術は、そのままドラフティングの悪質さの理解として読めるし、その意味ではトライアスリートこそ必読書ともいえるだろう。
<僕の場合>
以下、確認としてメモしておく。
知ってたかどうかは問題ではない。大事なのは、確認することだ。
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