KONAを戦うヒント2 NBCが映すトライアスロン2つの魅力
NBCのアイアンマンハワイ2013の放送が早速アップされてる。
(権利関係不明ながらそこは天下のユーチューブさんを信用するとしまして)
最初のみどころは、10分あたり、イルカさんの参戦。人間と同じ速さでジャンプするのはかれらに遅過ぎるんじゃ? 「こんなに泳ぐのが下手なのは可哀想だ」と見守ってくれてるんだろうか。哺乳類どうしの友情。イルカすげー
番組は前半でプロ選手の勝利への戦いを、後半では高齢者やハンディキャップたちの完走への戦いを、映している。
Triathlon Ironman Hawaii World Championship kona 2013。世界一をかけたレースだから、プロ中心の映像になるのは当然。女子選手が184kmを移動した後のマラソンを、2時間50分で走る、その見事な動作だけでも見る価値がある。
そしてもう1つ映し出しているのが、完走しきることの価値だ。これがこのスポーツ独特の魅力なんだろう、と改めて気付かされる。
昨冬の幼稚園乱射事件で娘を亡くした父親、78歳のおばあさん、そして、12回くらいか完走しているベテラン女性が交通事故で片脚を失い、義足で挑戦する姿。
「2000人それぞれが物語を背負って走っている。全てを語ることはできないけれど、この姿で、想像できるだろ?」
とNBCのメッセージを纏められるかな。英語が聞き取れなくても問題ではない。映像がほぼ全てを伝えるはずだ。
セレブ枠(?)もあり、アメフトの元スーパーボールMVP選手Hinesとカリスマシェフ。社会的に最も充ち足りているであろう人達が、わざわざ苦手で過酷な挑戦をする。日本のバラエティーと同じだけど、Hinesは計数十億円の契約を得ていた超一流であるのが日本との違い。貴乃花がアイアンマンを走るようなものか。でもそれは前座に過ぎない。
制限時間は17時間。それを通過できるか、が番組の最後数分間の、そして最大のドラマだ。「全ての完走者は勝者である」というこの競技の教義の逆を考えれば、17時間過ぎた時点で「敗者」ということになる。もちろん誰もそうは明言しないけれど。
大観衆がカウントダウンする中、現れたのは、初の義足アイアンマンに挑むその女性。エンディングの演出としては単純でベタベタだけれど、実際最後に現れたのが、まさに彼女だったのだから。ことの本質は単純であるほど表れる。こんなドラマが僕が寝てたほんの1km先で起きていたとは。まったく見逃したよ。。
彼女は「敗者」となるのだろうか? 敗者とはなんだろうか? そしてトライアスロンとは?
もう言葉がない。
« KONAを戦うヒント1 体重落とし過ぎると負けます | トップページ | KONAを戦うヒント3 なぜ僕は冬に「太る」のか »
「◆ *トライアスロンを考える」カテゴリの記事
- 「ビジネスパーソンが最短でトライアスロンデビューする方法」小学館@DIME取材されましたー(2018.09.01)
- 女性アスリートと髪の長さについての国際比較(2018.08.17)
- サッカー評論界の新星、林舞輝コーチ(23)の存在・行動・思考(2018.07.15)
- フォアフット、低酸素、TOKYO2020暑さ対策… JTU研究会'18メモ(2018.03.26)
- 川内優輝のグローバル行動力 〜プロアスリートの世界視野について(2017.12.10)
この記事へのコメントは終了しました。
« KONAを戦うヒント1 体重落とし過ぎると負けます | トップページ | KONAを戦うヒント3 なぜ僕は冬に「太る」のか »
コメント