僕らが 「LSDしてもいい」 理由 (えっ?
→ ここで気がつくのは、みなさん「LSD」という言葉の定義をしないままあれこれ論じてるということ。そら収集つかんわ、、 リゼルグ酸ジエチルアミドなつもりの人もいるかもしれん
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→ ここで気がつくのは、みなさん「LSD」という言葉の定義をしないままあれこれ論じてるということ。そら収集つかんわ、、 リゼルグ酸ジエチルアミドなつもりの人もいるかもしれん
TOKYOのストリートで出会ったら覚悟しな。ストリートファイト※ほぼ無敗のハッタリ八兵衛とは俺のことさ。(※トライアスロン3種目に限る
最新ランニングファッションでキメたはずのランナーどもは皆、薄汚れたジーパンによれよれ綿Tのデブの後ろ姿しか見ることができないのさ。それはいつからだったろう、もう思い出せもしないぜ。
だがどうやら、過去形で語らねばならない時が来たようだ。
それは金色の銀杏の落ち葉がTOKYOの空を舞う昨夜のこと。俺の目は黒尽くめで走る男を捉えた。そして背後に回り、仕留めるその時を待つ。いつものようにね。
男は振り返らず、しかし俺の気配に反応する。その背中が俺に挑発のメッセージを送る。
ふ、身の程知らずか、、
・・・ほぼ1kmが過ぎ、奴は50m先に居て、俺の道から逸れてゆく。逃げるのか臆病者、、しかしゲームは終わり、ただ敗者が一人そこに居た。
ふ、、堕ちたものだなハッタリ八兵衛、、
トライアスロンHawaii世界選手権でのハッタリ選手使用バイク、ニールプライドBAYAMOの感想文をTRISPORTSサイトに寄稿した。ニュース欄をご覧あれ。
前書いた、基本的かつ現実的な器材要件、とは一言で、乗りこなせるということ。なぜなら、出力は無論、空力面においても圧倒的に重要なのは、ブレーキでもステムでも収納でもなく、自分自身の身体だから。
横風を考慮したスリムさが重要なのもそう。横風でエアロポジションを維持できるなら何の問題もない。
乗りこなすためには、「自分で分解、組み立て可能」な汎用性は無視できない。だから標準パーツで構成されていることが望ましく、必然的に、メンテナンスを含むトータルコストは下がる。
逆に高価なものほど、より特殊な部品をより特殊に加工してるわけだ。買ったあとにお金がかかるのは当然として、お金で解決できないリスク要因ともなりうる。特に遠征先で。
器材にお金をかけるなら、まずは電動変速、そしてパワーメーターだと思う。
パワーメーターの最大の価値はレース中、長距離単独走でのペース配分のためだ。だから60分で終わるショートレースでは重要度が下がる。練習中の体感を身体に覚えさせやすいし、平均速度を参考にできるコースが多いから。でもロングでそれは難しい。
集団走行のロードレースなら、僕ならどちらも要らない。パワー数値なんて無くたって最高のトレーニングをしてみせるからね。逆にいえば、トライアスロンは何かとお金がかかりがちな競技だ。。
トッププロはそれら全てを極限まで追求した上で、最後の一押しを、特殊な器材に託す。しかも万全のサポート体制に囲まれた上で。
とはいえ、所有欲を刺激され夢を見れるのは、良いことだよね。世界経済にとってもね。
僕が願うのはただ1つ、クールに速くなることさ! 一緒にね!
KONA'13のバイクパート、日本人1位と3位を占めたのが、NeilPrydeのTTバイク "BAYAMO"
KONAは、メーカーにとって年に1度の成績発表のような場でもあり、2000台以上のバイクは、主要パーツごとにメーカー名が確認、集計され、報道される。バイクのフレームは寡占的状況で、TimeやDerosaですら1-2台だ。みんな同じのに乗りがるんだなあ。http://lavamagazine.com/official-2013-kona-bike-count/
NeilPrydeは全体のわずか2台。それで1位と3位。打率10割。
あなたは、みんなが「使ってるだけ」のと、レアで速いの、どっちがいいかな?
なんて言いませんけども、、「あの人気フレーム」とかは、普通の日本人トライアスリートに、本当に向いているのだろうか?
僕のようなバイクが弱い日本人(バイク開始300位でゴールほぼ500位ですよ。弱いよねー!)がまず念頭に置くべきは、自転車ロードTTの世界トップ選手は、平坦区間を時速55km以上で巡航していること。横風でも、それだけ速ければ風はより前方向から受ける。その環境に最適化して設計されるから、ああなるんだろう。
とはいえトライアスロン専門モデルでは時速40kmに最適化してるだろう。そこで次に考えるべきは、強い横風を受けても姿勢保持できるだけのと技術と筋力。動画はオランダの練習風景。50秒あたり、この狭い川が波打ち、自転車が木の葉のようにヒラヒラ舞う横風の中を走っている。オランダ人すげー
そんな自信が無く、風のあるレースを走るのなら、横面積は小さいほうがいいのではないかな。横風を考慮した設計は当然、パイプは細くていいし、エアロ形状の収納ストレージも無い方が安心。
僕がKONAでボトルや収納をフレームに付けなかったのも、横面積を減らすためだ。横から見れば、DHバー間のボトルは腕で隠れ、サドル後ろの2本は1本分の面積で済む。
そして僕は、横風区間をガイジンさんと対等に戦うことができた。痙攣してない間は。
もっと言えば、僕程度のバイク力なら、今のTTバイクの流行の多くは、無視しとけばいいかもしれない。もっと大事な器材要件は、幾つかあるから。基本的かつ現実的なものが。
「クリックの ヒマがあるなら 練習だ」が当ブログの標語、みんなで速くなろう!まーたまには覗いてみるのも人生の無駄にならないかもね?
「やせたい」 「太りたくない」 「脂肪は敵」 って思い込んでる現代ニッポンで、なぜ僕はオリーブ油や胡麻油をじゃぶじゃぶ使い、体重を増やしているのかな?
どうやら僕の過去を語る時が来たようだな。フッ。
それは遡ること20年以上。僕は高2の夏まで水泳部で、400m自由形5分ちょっと。競泳ではまったく勝負にならない遅さだ。見切りを付けた僕は、秋に陸上部に移り、長距離走を始めた。当時の身長は変わらず164-5cm、体重は54-5kg、ランナーは軽くなきゃ、と52kgまで落としたら、冬に激しく風邪をひいて瞬間50kgに。少し増やして、高3の5000m走で17分ちょっと。
そして23年過ぎた今、体重62kg前後。オフの今は65kgあるかな?
ここでみなさんへ提案: スーパーで5kgの米袋を2つ買って、米背負ったまま帰りちょっと寄り道して自転車で箱根まで往復して、そのまま42km走ってみましょうか。
→ どうでしたか?
それが、10kg増えた身体でアイアンマンを走るってことですよ。
さらに17歳と41歳の身体能力の差が加わる(ただ僕はその差はよくわからない)
→ 僕は、どうなったか?
水泳とランは、今でもたぶん同じくらいの速さ(測ってないし、当時の練習タイムも忘れたけど)。
増えた10kg分のうち、2割弱は、増量してもタイムを落とさないために余分に必要になった筋肉、と計算できる。
残りの8kgくらいの増量分により、ハッタリ選手はバイクを今のレベルで走らせていることが推定されるのである。そしてトライアスロンとは、ほぼ半分の時間をバイクに費やす競技だ。
生理学的な説明もしておこう。
筋肉を増やすためには、タンパク質と脂肪、両方が同時に必要。いわば脂肪とは「天然筋肉増強剤」のようなものだと理解すればいいだろう。脂肪=単純な邪魔者、という考え方が刷り込まれている人が多いけれど、強いトライアスリートを目指すなら、忘れたほうがいいかもしれない。
既に十分なスピードがあるのなら構わない。ただ僕は、目指した目標のために、それまでの身体で出せるスピードでは、全く不十分だった
ダルビッシュやマー君にしても、プロになってかなり増量している。身体がデカイので気づきにくいけど、彼ら結構脂を載せている。ハンカチ王子さんはあんまり増えてない気もする (て野球興味ないんであんまり知らないんですけども)ただ、野球は重いほど有利なので(イチローは内野安打が必要なので例外)、増量しっぱなしでOK。
僕らはその後で脂肪を適度に落とせばいい。トライアスロンほど脂が簡単に落ちるスポーツは無いので、簡単だ。
<だから>
1太り、2筋力を上げ、3有酸素トレーニングを始めて、4脂肪を落とす。
ここでのポイントは、2と4は両立しないということ。そして2と3は両立が少し難しい。身体はどちらかを優先させるからね。3と4はほぼイコール。(1と4は略)
4で「脂肪だけ落とす」のは不可能で、筋肉も同時に落ちる。それでも、差し引きで筋力は上がっているはず。それに、実戦トレーニングをしながら残った筋肉は、実戦で使える筋肉だ。
<結論>
ハッタリくん、そろそろ何かしないと、ただのデブに・・・
まずは体幹まわり=背中全体から腰まで、いわゆる「腹筋・背筋」よりも広い範囲を、公園の遊具とかで、鍛えてゆく。
あ、発熱体である筋肉と断熱材である脂肪が同時に増えて冬を暖かく過ごせるのも、大きなメリット。服代うくし
NBCのアイアンマンハワイ2013の放送が早速アップされてる。
(権利関係不明ながらそこは天下のユーチューブさんを信用するとしまして)
最初のみどころは、10分あたり、イルカさんの参戦。人間と同じ速さでジャンプするのはかれらに遅過ぎるんじゃ? 「こんなに泳ぐのが下手なのは可哀想だ」と見守ってくれてるんだろうか。哺乳類どうしの友情。イルカすげー
番組は前半でプロ選手の勝利への戦いを、後半では高齢者やハンディキャップたちの完走への戦いを、映している。
Triathlon Ironman Hawaii World Championship kona 2013。世界一をかけたレースだから、プロ中心の映像になるのは当然。女子選手が184kmを移動した後のマラソンを、2時間50分で走る、その見事な動作だけでも見る価値がある。
そしてもう1つ映し出しているのが、完走しきることの価値だ。これがこのスポーツ独特の魅力なんだろう、と改めて気付かされる。
昨冬の幼稚園乱射事件で娘を亡くした父親、78歳のおばあさん、そして、12回くらいか完走しているベテラン女性が交通事故で片脚を失い、義足で挑戦する姿。
「2000人それぞれが物語を背負って走っている。全てを語ることはできないけれど、この姿で、想像できるだろ?」
とNBCのメッセージを纏められるかな。英語が聞き取れなくても問題ではない。映像がほぼ全てを伝えるはずだ。
セレブ枠(?)もあり、アメフトの元スーパーボールMVP選手Hinesとカリスマシェフ。社会的に最も充ち足りているであろう人達が、わざわざ苦手で過酷な挑戦をする。日本のバラエティーと同じだけど、Hinesは計数十億円の契約を得ていた超一流であるのが日本との違い。貴乃花がアイアンマンを走るようなものか。でもそれは前座に過ぎない。
制限時間は17時間。それを通過できるか、が番組の最後数分間の、そして最大のドラマだ。「全ての完走者は勝者である」というこの競技の教義の逆を考えれば、17時間過ぎた時点で「敗者」ということになる。もちろん誰もそうは明言しないけれど。
大観衆がカウントダウンする中、現れたのは、初の義足アイアンマンに挑むその女性。エンディングの演出としては単純でベタベタだけれど、実際最後に現れたのが、まさに彼女だったのだから。ことの本質は単純であるほど表れる。こんなドラマが僕が寝てたほんの1km先で起きていたとは。まったく見逃したよ。。
彼女は「敗者」となるのだろうか? 敗者とはなんだろうか? そしてトライアスロンとは?
もう言葉がない。
レースレポート完結。
この瞬間、僕は特別な何かになっていて、ほんのしばらくの間、そこに立ちつくしていた。
この一行を書くために5週かかった。大袈裟な表現と思われるかもしれないけれど、実感として、僕の3年半がかりのライフワーク第一部は、そのとき終わった。これから第二部に入ってゆくんだろう。
今はトレーニング=勝つための鍛錬=はせず、エクササイズ=健康運動だけしてます。その間、KONAのレース外の話とか書いていこう。みなさんの「考えるトライアスロン」、あるいは「考える健康生活みたいなもの」(?)の、ヒントになるといいなと思う。
・・・
ところで、これ書きながら横浜女子マラソンを見ていて、筋肉がしっかり付いてないと勝てない、と思った。
イギリスにTamsin Lewisさんという、プロトライアスリート兼お医者さん(兼美女)がいる。2013KONAでは、選手でなく医療担当医として入り、その経験を書いている(英語で) http://www.tri247.com/article_12194.html
「体重落としすぎると負けるよ」、と。去年のMirinda、今年のCaroline。て負けてても速いのだけど。。
それでミランダは増量したらラン2:50の新記録だ。
同様の経験を、Maccaも別のインタビューで語っている。「ショートでは軽いほど速かったが、ロングでは増量したらランパートが速くなった」と。
軽量=速い、という要素は、Runでは確かにある。マラソンでは1kg3分とか言う。ただそれは、バネ=腱の反発力を活かして跳ぶように走ることの可能な、Run単独での話。
トライアスロンでは、Runは全体の3割程度で、Bikeの絶対スピードがなければ勝負にならない。しかもBikeで消耗した後に走るので、純走力よりも総合的な体力が重要になる。ただしエリートレースではBikeで楽でき、Runも1km3分ペースが必要なので、純走力がより重要=軽量の有利さがあるだろう。
つまり、長距離ほど「スピードの絶対値」よりも「総合的な体力」が重要であり、その場合に「体重=体力」という関係性が浮かび上がるのだと思う。それが、ミランダもマッカも、増量してアイアンマンのRunが速くなった仕組みだろう。
実際、2013KONAの日本人エイジで、総合%ラン最速はミサワさん。上半身の筋肉量がすごくて、適度に脂も載せているので、身長比でかなり重い。そしてもっとも軽快に走る。
・・・
僕は、9月は62kg前後、10月始めまでに61kg前後まで絞り、現地では概ね維持して、レース当日は朝食後で62.9kg。185、でなくて165cmです。
今は意図して脂を身体に浸透させていて、2週くらいで63後半まで積み、今は64後半。オフの体重「8%ルール」のほぼ上限なので、これを維持していく。
狭い海岸通りの両側にびっしりの観客と歓声。応援の密度が一気に高まり、歩を進めるごとに濃くなってゆく。
観客たちは、心から楽しんでいる。不思議なくらいに。
僕らを見ることの、何がそんなにおもしろいんだろう?
2,000人のそれぞれが、226kmを一人で移動し終えようとしている、という事実はある。その内側には、ここに来るまでの努力や思いもあるだろう。その全てが、今ここで解き放たれようとしている。そんな解放されてゆく力と心が、伝わるんだろうか。
あるいはそれは、いい大人たちが、つかの間スター(笑)のようなものに変身する瞬間でもあって、そんな非日常が興奮を呼ぶのだろうか。
走る人、見る人、見られる人、個々の動機がなんであれ。それぞれの相互作用が、世界最高の舞台に、熱気を注ぎ続け、溢れさせる。
僕は、スターになったみたいだ。花道を走る僕は、この熱気に少しでも応えたいと思う。帽子を取り、手を振り返し、叫び返す。叫び過ぎて軽い酸欠を起こす。
この3年半の全ては、この瞬間のため。極限まで追い込んだ身体と精神が、僕にそう伝える。
2−30mくらい前に2人見えた。もうビクトリー&パレード・ランでいいかな、とも思ったけど、僕の前に人間が居ることを許さない習性の方が強く、最後50mくらいを最高速に上げてゴール数m前、スロープのあたりで抜く。ガイジンさんお二人、隠してしまい恐縮ですアイムソーリー。まーでも、最後まで「駆け抜ける喜び」ってあってね(BMWか)
このゴールゲートは少し高く設置されていて、周りには観客用のスタンドや、撮影用の大きな台もある(この写真もそこからメイストームさんに撮影いただいた)。
見下ろし、見下ろされる僕は、円形劇場の舞台に居るようだ。
この瞬間、僕は特別な何かになっていて、ほんのしばらくの間、そこに立ちつくしていた。
そして僕は、ショートとロング、国内カテゴリー王者としての「自称Wタイトル」を獲得。ロングのは自称だけど、KONAの1位だし、それに僕はハッタリくんだし!
(了)
日曜「情熱大陸」での新城幸也選手の腹式呼吸が話題だ。風船のようにぷくーーーっとまあるく膨らむ!
追記:2016.05)
呼吸とは、単なる酸素と二酸化炭素の交換行為ではない。呼吸筋は胴体の中央部に位置し、その動作は隣接する胴体の大きな筋肉群に影響するため、胴体発のパワーの源となる。そこで腹式呼吸とは、力の発生源を胸ではなく腹周辺にシフトさせる効果がある。
僕も、バイクでパワーを出す時には最初に、呼吸とタイミングを合わせて腹圧を入れる。すると、背骨と大腿骨とをつなぐ大腰筋周辺のパワーが増して、次の瞬間にビュンと加速が始まる。バイクで「腹圧」の重要性が言われるのは、つまりは、お腹周辺の大きな筋肉群を使えていますか? ということだ。
スイムも同様で、「ストロークの後半勝負パート」に入る時、お腹の空気をぐっと吐くことで、最も美味しい部分の推進力を最大化することができる。だが実際には、呼吸への義務感or恐怖感から姿勢を乱して抵抗を作り、かつストロークパワーまで失っているケースが本当に多い。
スポーツの技術論を進めていくと、呼吸を避けて通ることはできない。
これで一部で囁かれた私の太鼓腹デブ疑惑も払拭されることだろう。いやむしろ太鼓腹でいいのである。ちなみに私、KONAスタートの朝は138.6ポンド=62.9kg。
あと新城選手は脂肪を食べないそうだけど、これには2つの解釈が可能で
あくまでも一般論だが、僕はB派。ま職業競技者はともかく、社会人や学生なら脂肪は意図的に摂った方が良い。
・・・
さて、前書いた16km激坂での撮影者証言:
「ファインダー越しに見たハッタリくんの笑顔は間違い無く変態に見えましたw」
なるほど、応援のガイジンたちは、「変態が来たぞー」 と騒いでたのか。でも、こんな退屈なものをずーっと見続ける方も十分に変だと思うが。鏡の法則てやつで、「わーあいつ変態だー」と鏡の向こうの自分を指さして楽しむプレイなんだろう。
※ところで前載せたGPの5kmラップは、CSVからExcelに落として計算したら間違いを発見。
訂正がてら、改めて振り返ってみる。
<5km通過 / 5kmラップ21:44> やはり速過ぎた。
<10km通過 / 22:43 / 59秒落ち> 暴走ダメージの反動。
<15km通過 / 23:03 / ほぼ平坦で20秒落ち> まだダメージが滲み出続ける。
<20km通過 / 23:16 / 上り計15mで13秒落ち>
16kmの激坂を含む上りを考慮すると、むしろペースを上げ気味だろう。それまで10kmを落ちてきたのはオーバーペースの証なのに、応援とかで頭が興奮して、身体に無理させてる。不安定なペースだ。
そして22〜3kmあたり、殺風景なQueen-Kに入って5km、僕の走力が「落ちつつある感覚」が、7時間走り続けて鈍った頭にも、届き始めた。
みんな苦しみ始める頃なんだろう。エイドでは、へなへな、と力が抜けたように立ち止まったり、歩いたりするランナーが増えてゆく。1つエイドが過ぎると、タイム差はかなり開く。だから前書いたエイドの技術にも、多少の効果はあると思っている。
<25km通過 / 24:10 / 上り3mで54秒落ち>
前区間の無理の反動が、数字で表れている。一方で、「でも半分過ぎたからいいだろ」という期待/願望が、僕には、まだ、あった。でも実際の感覚として、折り返しっぽいのは30km過ぎてからだったんだけど・・・
26km過ぎ、Queen-Kを西に出て少し下るが、脚が重い。走力が「明らかに落ちた」のが判る。エナジーラボの折り返しは28km過ぎ。おーはたさんがすぐ後ろに、たなかさんも迫っている。同カテゴリのわかはらさんとは数分かのリードがありそう。カテゴリ日本人1位だけは取ろう、と思う。
30kmあたりでおーはたさんに軽快に抜かれる。少しでも付いていきたいけど、脚がまったく反応しない。この頃から、大きなガイジンさんにも抜かれ始める。
<30km通過 / 24: 37 / 下り計26mなのにさらに27秒落ち>
そして32kmあたり、下り区間なのに、スピードが落ち始める。1kmで13m下る区間で1km5:07かかる。その後の上りでさらに落ちる。
この頃たなかさんにも抜かれる。ブレない軸で、軽快なピッチで進まれる。全く速度差が違う。10歳年上なのに。すげー
Queen-Kの緩やかなアップダウンの直線は、片道9km。延々と続き、いつまでも終わらない。僕の脚は重くなる一方だ。
1kmごとに腕のGPSが鳴り、ラップを表示する。5分てなんだよ! とガッカリする暇なく走り続けねばらない。でも次の1kmの音がなかなか鳴らない。聞き逃した?と見るとまだ0.7kmだったり。
<35km通過 / 26:22 / 上り計26mで1分45秒落ち>
いよいよ脚が動かなくなってくる。
「諦めたら試合終了」とか人気漫画の台詞があった。Facebookとかで今だに見るけど、そんなのあたりまえだろ、て思う。空が青いって言ってるようなものだ。そんな精神論でトライアスロンは戦えない。動かないなりに、どう動かすのか。その技術を争っているんだ。そしてそれを実現する事前準備をどこまでしてきたかを。その勝負が、ハッタリくんなのさ!
残りは7kmほど、30分ちょっとだろう。ショートレースのRunのようなものだ。
いつもの自分の力、を信じよう。
腕を肩から大きく振り、その反動を腰骨に伝えて、モモを前にブン投げる。すると振り子運動の如く、脚には後ろ方向の力が発生する。腕振りの分、エネルギー消耗するけど、幾らかの推進力を加えることができる。かっこいい走りではないけれど、タイム損失を最小限に抑えるはずだ。
そして平坦で1km4:56。上り12mで5:12。持ち直した。諦めたら試合終了だからね(あれれ?
<40km通過 / 26:05 / 上り計12mで17秒上げた>
・・・
振り返って、スタートからおーはたさんの後に付いてペースメークしてもらえれば、もう少し効率よく走れたのかもしれないなあとは思う。でも、自分をちょっと過剰に信じでぶっとばし、そして潰れるのも、気持ちがいいもんだ。ちょっとキツいのを我慢すればいいだけ。
<エイド>
Runのエイドステーション=補給所は、およそ1マイルごとに設置されているという。もっと遠かったと思うけども。
日本のようなテーブル置き方式ではなく、テーブルの前にボランティアさんが並び、手渡ししてくれる。ボードに「Water」とか「ICE」とか書いて示し、それを声にも出して、何を手渡しているのかを伝えてくれる。とても手厚い。十分な長さもあり、一箇所で何個か取ることができる。
表で手渡す役は、子供が多い。あと女性も多めかな。大人、特に男は後ろで地味な仕事で支えてることが多い。子供に一番エキサイティングなことをやらせてあげよう、という気持ちは、世界共通だ。
現地の観光業などの方々は、シフトが入って仕事してない限り、「事実上の義務」として総動員されたりするようだ。この点は(だけは)日本の●●●●企業的?
裏事情はなんであれ笑、5,000人ものボランティアさんに支えられる大会、どこまでも支え続けられている気がする。
<エネルギー調達の戦略>
当日は曇で、そう暑くはなく、喉も乾かない。バイクから胃はなんでも受け付けてくれて、お腹もすかず、身体にエネルギーは常に充ちていた。バイク中の脚攣りもRunでは治った。脱水よりも、ポジションの無理が原因だったんだろうか。
いわば、エイドにおけるエネルギー調達の重要度は、第二次大戦直前の大日本帝国が東南アジアでそれを迫られていたがためにパールハーバー奇襲に出た状況のようには、高くはない。
<エネルギー獲得の技術1.キャッチボールの準備>
エイドに近づいた時、まずするのは、前回エイドでもらったジェルの空き袋やスポンジを捨てる準備をすること。エイド以外で捨てるとペナルティーだ。日本の大会では、こうゆう明文化を、していないところも目立つけど、すべきだと思う。実際みんな早く捨てたいようで、10m前くらいからゴミがコース隅に積み上がることが多い。そうゆうもの、とみんな割り切ってる感じで、大人ボランティアが整理している。
そしてエイド5mくらい前では、「こいつは立ち止まりそうだな」という予測をする。でないと、ぶつかってしまうし、急によけると今後は自分が衝突ターゲットになるし、取りたいのも取れない。だから、立ち止まりで塞がれた場合のラインを読み、外側から回り込み、目当てのブツをゲットする。
僕はいつも、エイドでは立ち止まらないし、減速すらしない。今回は一度だけ、急坂の途中で歩いたけど。なにか、止まったら本当に止まってしまう気がする。スピードを落とすのもリズムが崩れる気がする。まあ本当は、減速くらいしてもいいのかもしれないけど。
目当てのブツを目にすると、その相手を見て、「ウォーター」「アイス」「わーわーわー」とか何か叫び、キャッチボールの準備に入る。僕はサングラスをしないから、アイコンタクトもしやすい。でないと向こうの準備が間に合わず、貰えないことも多い。子供も多いし、ハワイの人達のんびりしてるし。。
走りながらの受け渡しは、僕にとってはいつものことだけど、相手には達成感があるようで、「スゲー」とか背中から聞こえてきたりする。僕も、さんきゅー、とか言ってみたり。余裕があれば。
エイドで最優先すべきは水分。まず水を取って身体にかけ、紙コップのクラッシュ氷をウェアに流し込み、スポーツドリンクを少し飲む。ごくたまにコーラ。そしてジェルをウェアに挟み、バナナはすぐ皮をむいて捨て、口に収める。<エネルギー獲得の技術2.ブツをゲット>
最後にスポンジを取り、ジェルなどでドロドロの手や顔をさっぱりさせる。これだけで快適度かなり上がる。
氷はお腹で留まって冷えてしまうと嫌なので、ウェアを引っ張り脚のあたりまで落として貯め、過熱を防ぐ。筋肉痛が始まった前モモに心地よい。
余裕がなくなってくると、水やスポンジに体当たりする悪くクセがでてくる。。
最後5kmくらいからは、水を掛けるだけ、何も飲まない。吸収されるのはゴール後だから。
<成果>
こうした潤沢なエネルギー供給により、脚が終わったあとも、腕振りで進む、という無駄にエネルギーを消費する走りに切り替え、10km以上を粘り切ることができたんだろう。9時間以上、何のストレスも無く走りながら食べ続けられるのも、運動能力に含まれるのが長距離レース。
早め早めに水で冷やすことで喉も渇かず、氷で脚を冷やしたことでおそらく前モモ筋肉痛も最小限に抑えられた。
結論:アイアンマンは胃腸が大事。て鍛えれるもんだろうか?
写真は、事前にブースとかでタダで貰ったジェルその他栄養補給品。その数40個くらい? バイクボトルには、手前のCLIF3種類10本を詰めたちょ〜ゲテモノを。でもレース中はちょ〜美味しかった! そしてもう口にしたくない!!
あらかじめ断っておきますが、石垣はおろか沖縄自体いったことがない僕です。以下、一般論として語る限界をふまえつつお読み頂ければ。一番いいたいのは最後の一行。
311、を逆転させると、113。マーくんが神の如く降臨した昨日11月3日は、東北復興の日、として記憶されることになるだろうか? (日本語の「神」とは、並外れた力を持つ存在を表現する言葉。若者言葉ではなく古事記以来の伝統です)
・・・
今さらコースの紹介をしておこう。ハワイ島は四国の半分の広さ、と言われてもよくわからないが、東京神奈川千葉埼玉の平野部分がすっぽり収まる感じらしい(てゆうかそれで四国の大きさもわかる気する)。日本人いっぱいのワイキキは、お台場や江ノ島近辺を大きくしたようなところだが(てゆうか真似して作ってるから当然だが)、ハワイ島の雰囲気は全然違い、沖縄の離島の海に阿蘇山浅間山、といった感じ。
そんな大きな島で、アイアンマン世界選手権はどこを走るのかというと:
Runは、左端の緑のA点からB点まで約21km。スタートは中間のカイルア・コナ、ハワイ島一の繁華街らしいが、とても落ち着くシアワセな雰囲気。そしてレース中は応援が凄い。前半はビーチリゾートのケアウホウ手前まで南下して戻る約16km。後半はQueen-Kに出て、コナ空港手前まで北上して戻る26km。
Bikeは、同様に南下した後で、島のほぼ北端まで行って戻って180km。
合わせると、東京から静岡の掛川まで行ける感じ。違いは茶畑か珈琲畑か。よくもまーこんなにも自力で移動したもんだ。
・・・
レースレポートはようやくRunスタート。なんてしつこいブログだ!
前半のアリードライブは華やかだ。応援が多く、日本人も何組か居る。海と溶岩に6時間閉じ込められていた身に、「普通の人間」がいっぱい居るのは新鮮、気分が上がる!
しかあし前にも書いたか、気分を上げてはいけない、のがアイアンマンレースだ!!
その罰は、データに端的に表れた。1kmあたりペース(青グラフ)は、高度の影響もありわかりにくいが、5kmラップは
21:44-22:43-23:03-23:16-24:10-24:37-26:22-26:05-(2km8:52)
と、35kmまで 綺麗に増え続けている。こーゆーのポジティブスプリットというのか? (11/10記録訂正)
心拍データ(赤グラフ)は、この間の変化を、より細かく表す。
はじめ3kmの平均ペースは4’16”/km。て3時間切るための入り方、プロでも入賞できるぞ。ブリック30km走では楽にこなせたペースだが、負荷感は、それより確実に高かったと思う。しかしその身体の状態を、興奮した脳は、感知できなかった。もしくは、気付いてはいたが、認めたくなかったのか。いつものショート(=51.5km)レースの感覚は身体に染み付いていて、つい飛ばし過ぎてしまう。
<証言> http://teamtrion.blog.fc2.com/blog-entry-224.html
約2㌔で八田選手に抜かれる。すごいポテンシャルだ。初ロングの選手がこのバイクコースをもう終えているなんて。それにすごいペースで抜かれた。自分はそのとき4’30”/kmで走っていたので恐らく4’/kmくらいだろうか。
実際2kmあたりは平均4’10”/km、もう少し速い時もあるから、りょーちん選手の証言は的確だろう。ただし、この八田選手とやらはポテンシャルがすごいのではなく、暴走してるだけである。
そして3〜15kmあたりまで延々と続く、十数mのごく緩い起伏。ペース設定が難しく、4:30ペースのつもりが、緩い上りでつい無理して4:35とかで維持してしまう。下りでは更にスピードが上がり、縦方向の余計な衝撃で筋肉疲労を招く。
周りのガイジンさん達は大きな、重そうな身体で、同じくらいのペースで走ってゆく。負けられないとも思ったし、ぶち抜いてゆくのが楽しくもあったし。
前回載せた2枚の写真はその間のもの。10kmあたり? こんな速くに、あんな追い込まれた表情してちゃあダメだ。 (つづく)
前回書いた、「無理なポジションや痙攣も、たいして影響なかった」て話、あるいは精神論と思われるかもしれないけど、それを裏付けるトレーニングはしてきたと思うわけだ。
さてレースレポート。
終わらないレースレポート。。
Queen-Kを抜け、KONA市街地に入ると、あっというまにトランジションへ。バイクに固定したシューズのマジックテープを外して足を抜き、左ペダルに身体を乗せ、降車ラインへ。そして5時間7分ぶりに、地上へと降り立つ。
この間ずっと機械に固定されていた脚は、自分のものでないよう、何かのロボットのようだ。そして踏んづけているのは地面ではなく、重力が強くてぐにゃぐにゃした地球外の何かのよう。
すぐにボランティアさんが駆け寄ってくる。バイクを渡し、青絨毯を走りながら、ヘルメットを脱ぎ、グローブを外す。50mくらいか走るうちに、だんだんと、地球上を自分の脚で移動してる感覚が戻ってきた。 ラックから自分のバッグを取って、テントでAdidas-Senを履き、帽子とゼッケンベルトを手に取って、走り出す。ショートレースでは苦手なトランジションだけど、アイアンマンでは速いようで、10人くらいは抜いた気がする。
かくして午後1時10分、初のフルマラソンへと走り出した。
僕は冬は太る主義なので、冬のランニングレースには参加しない。165cm65kgでマラソン出るのは、出場料の無駄ってもんだ笑。それに42km走りたければ、一人で多摩川10km周回を4周してGPSで計る。1万円浮く。
練習についても触れよう。
ショートレース専門の僕は、1日のRun錬はほぼ全て10km以内だ。6月の常滑前に練習距離を13kmくらいまで延ばし、レースで初めて21kmを走ってみた。案の定、8km過ぎから大失速したが、なんとか誤魔化しれた。その後はショート用の練習に戻したが、9月に「せっかくハワイまで行くんだから」とヤル気になって、15km走、20km走、30km走、20km走、と週1-2ペースで長めの距離走をやってみた程度。
「アイアンマンだから、距離を積まなければ戦えない」とは、僕は思っていない。トレーニングの成果を決める最大要素は、質だから。質とはつまり、レースで勝てる動きが維持できている、ということだと思う。そんなに長時間は維持できないはずだ。
おそらくロングにはロングなりの「勝てる動き」が存在し、それに集中できればベストではある。でも未経験の僕はそれを知らない。そこで中途半端に距離を伸ばすのではなく、あくまでも51.5kmでの「勝てる動き」を基準に、組み立てる。
必然的に、Run錬の基本はBikeから繋げるブリック。9月の距離走も全て、固定ローラーで2-3時間、平均心拍150を保った後、30分以内に開始している。
そうして、2時間半ローラーからの30km走のブリック、という最大のポイント錬をしたあと感じたのは、「距離を走る練習って、わりと楽」ということ。1km走6本だけの方が、よっぽど負荷が残る。そして、距離の積み上げを一切意識せず(だから月間走行距離はわからない)、「負荷の質」にこだわってきた僕の方法は正しかったと。そのメリットの1つは「今月○○○kmも走った」という自分への言い訳ができないこと。もう少し説明が必要だと思うので、後ほど。
けれども、ちょっと、1日10kmでは短か過ぎるんでわ。。
そんなんでどれだけ戦えるかな?
そんな不安は、走り始めたら、ぶっ飛んで・・・(つづく)
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