ビジョンを持つということ ~ NHKドラマ「ハゲタカ」編
ひき続き・・・
ビジョンを持つ、とは、どうゆうことか?
ビジョン=視界、現実のものとして想像できるもの。そのように、実現したい世界。
世界のあちこちで賞とりまくって、また再放送してるNHKドラマ「ハゲタカ」で考えてみた。
このドラマ、前半3回と後半3回とで、原作が違う。
特に後半は、前半の伏線をひっぱりながら、かなりオリジナルに創っている。
こっから一気に熱が篭ってくるのは、菅原文太が出てくるだけではない。
登場人物の 『実現したいビジョン』 が、ぶつかりあってくるからだ、と思う。
ドラマ前半でやっていることは、過去の清算、だ。
その過程で生じた「ゆがみ」(投売りされた会社や土地や・・・)を見抜き、安く買って高く売る。スポーツのようなもんだ。
主人公は、過去に対して復讐するために、ゲームに勝つ。
守る側は、ただ転落を恐れ、守るだけだ。
(言い過ぎかな?)
後半は一転、それぞれに、実現したいビジョンがくっきり表れてくる。
過去への清算を、形に変えようとする主人公。
日本の良き経営を守ろうとする巨大電機の創業者。
復讐のためにゲームに勝とうとする者、必死に保身を図る者、という前半メインの構図は、別の登場人物に引き継がれて、一貫性は保っている。
しかし、このビジョンの複雑な衝突、そして昇華が、このハゲタカにしか出せない熱を発しているのだと思う。
(善vs悪、新vs旧、という単純な衝突でしかないのが、かつて同時期に高視聴率を取っていたもんだ)
・・・
もうちょっと飛躍する。
ニホンを代表する
ホウドウとヒョウゲンを生業とする巨大組織が、
カイカクを巡って揺れている。
改革ってなんだろう?
(こうゆう耳障りのいい言葉は、往々にして、なんにも意味してないから、ちゃんと考えないといけない)
不祥事はダメだが、起きてしまったら、然るべく対処してもらうほかない。巨大組織で不祥事ゼロ、ということは、まあありえない。1万人の組織なら、日本人の1万人に1人、なのだから、確率的には国内の犯罪の1万分の1がそこで起きるわけだ。そうならないように、対応してくれれば、それで良い。一過性の話、だと言い切ろう。
現場が元気ならそれでいいじゃん、って話もあるだろう。
では、ビジョンは?
と僕は問う。
たとえば3年後、どうなっていたいのか、
ハゲタカ制作チームは、ちょうど2年前に打ち合わせを始めたそうだ。企画そのものはもっと前だろう。
http://www.nhk.or.jp/hagetaka-blog/
3年前に遡った時の、今の状態。それは理想的なビジョンの1つだろう。
そんなビジョンを、組織の中の一人一人が描けること。
それを、組織として実現できること。
経営とは、そうゆうもの。
改革とは、かつてのビジョンがもはや有効ではなくなった時の、新たなビジョンを探すための旅だ。
・・・
再び、ハゲタカ。
ゲームに敗れたIT社長は、ゲームオーバーを選択するほか無かった(そうならなかったけど)
ビジョンを持っているから、ゲームは終わらない。
あなたが実現したいビジョンは何ですか?
それは、いつまでに?
冬休みにオススメします。
原作前半 後半
DVD 。
最近のコメント