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2007年7月の5件の記事

2007年7月30日 (月)

「見える化」 遠藤功氏の講演

週末は10人の部署メンバーで、30分間のロング自己紹介&周囲からの一言。
高級住宅街を少し見下しながら、昼間からビールを空けながら。。
おもしろかった。
 
人を知ること → 信頼 → コミュニケーション。
メンバーの経験の蓄積がイコール組織の財産になるタイプの商売にとって、コミュニケーションは、お互いの経験というを引き出して、掛け算の効果で増やしていく力がある。
いわば、成長エンジンを回転させるガソリンだ。
(ビールもガソリンかな?)
 
・・・
 
前週は、「見える化」シリーズでベストセラーを連発する遠藤功氏の講演を聞く。

要は、「小さなカイゼンの継続」 が強い経営につながる、という話。
ここまでは、あたりまえ。
遠藤氏がすごいのは、「見える化」すればそれを実現できる、とシンプルに言い切ったことだろう。
しかも、豊富な現場経験を踏まえて。
 
日本企業は今、そうゆうシンプルな実行力を求めているわけだ。
このニーズに応えてゆく我々でありたい。そのためのイメージも、少し、持てた。
ちなみに古巣のIT企業のイベントなので、元同僚に何人か会う。
2年の間に肩書きが結構、アップグレードしてる。
僕はそれに負けない経験を積めているかな? などふと思い、背筋が伸びる。


以下、講演のポイントを、僕なりにまとめたものを掲載します。

・・・


経営の3要素: ビジョン→戦略→現場
このうち、現場力の格差が、日本企業で、拡大している。

この差を産むポイントは3つある。


強い現場の条件① カイゼン
現場の全員が、日々、どうでもいいような小さなカイゼンを、継続しているうちに、量の力で、アイデアが磨かれる。
「もっとすごいカイゼンがしたい」 と欲も生まれる。

そしてある日突然、大ジャンプが生まれる。しかも、
ごく平凡な社員の中から。

例)
利益2兆円のトヨタは、年61万件のカイゼン提案。
キヤノンの超ドル箱商品群は、製品化まで2-30年かけている。
小林製薬は、社員2000人ながら、提案数が年3.6万。

小さなカイゼンすらできない組織から、イノベーションは生まれない。
「”イノベーティブな商品を” と空虚な号令をかけるより、地道な改良を続け、その過程から新しい商品を作ることが大切」  (花王 後藤卓也)

しかし、継続できている現場は、300の現場を見てきた氏の経験から、本当に少ない。
できているトヨタ・花王は、「問題大好き人間」 の集まり。
「おお! 私の仕事に問題があった! カイゼンの種だ!嬉しい!」  という文化。

そこで、「見える化」 する。
「見える→ 気づく→ 自ら考える→ 自ら行動する」 
というサイクルが、自然に回る。

見えるべきものは、問題だけでなく、顧客ニーズ、社内の知恵など、全て。
予兆の段階で、組織全員に、見えることが、重要。
トヨタは、そのために、凄いエネルギーをかけている。

「花王の強みは、顧客ニーズが見えていること。技術力は、そのために必要な技術を後からつけていったら、結果的に高まっただけ。」 (花王)

他社だってがんばってはいる。が、見える化が中途半端なので、取り組みが中途半端、続かない。



強い現場の条件② 対話
現場のカイゼンは、そのままではタコツボの中の小さな話。
「つなぐ化」=連鎖を起こすことで、はじめて大きな効果を産む。

組織の壁は、現場力の最大の敵。
「あの人は・・・の専門家だから、口を挟まない」 という空気はダメ。

そこで、対話力。
「伝える」のではなく、「伝わる」ことに、こだわる。
(=例えばメールは、伝えるのに便利だが、伝わったかは、わからない)

「伝わる」ことにカネをかける好例が、セブンイレブン。
毎週、1500人の店舗指導員全員を集める。(年間数十億規模の投資?)

「小売業は教育産業。同じことを繰り返し言い続けて、やっと店舗のレベルが上がる。」 (鈴木敏文)



強い組織の条件③ 思い
いまや来園者日本一、奇跡といわれる旭山動物園は、10年前は閉園寸前。
開き直り、自分たちの理想の動物園をクレヨンで描いて、14枚のスケッチができた。
それを1つづつ、手作りで実現してきた。

その1つが、その動物本来の動きを見てもらうこと。
「アザラシを見たお客さんが "ラッコじゃないんだ、つまんない“ と言った。猛烈に悔しかった。だって、アザラシは面白いんだから。」  (飼育係のお兄さん)

その工夫を10年続けたら、
「動物ではなく、その行動を展示する」 というコンセプトが斬新だと注目され、大ブレイク。

しかし、始めからコンセプトがあったわけではなく、10年の泥臭い努力に、時代が追いついただけのこと。

いわば、「”思い”の見える化」 をした結果だ。

結局、思いの強さで決まる。

・・・

2007年7月22日 (日)

続報、社員旅行 ~ ベンチャー組織の一体感の高め方

社員旅行は、意外と、若い会社で人気なのだ。
前の会社でも、無いお金を絞り出して、何度か合宿をしていた。
大企業では不人気なようだが、彼らもかつてはそうやって高度成長を達成してきたというのが、日本の歴史だ。

当日はというと、このブログのアクセス履歴が04:30に・・・
明らかに準備に失敗してる。。。
なんとか仙台にたどり着く。

仙台市街に近い秋保温泉は、宴会旅行向きに繁盛しているようで、よくできた大型温泉が多い。

大宴会場の畳の上で、過去の歴史を振り返る発表。
詳細な年表と共に、ボツ商品企画の数々が明かされてゆく。
笑える(売れない)企画の数々の中から、ヒット商品を探り当て、そこから短期間に一気に成長軌道に乗せた経過が、イメージできる。

歴史の共有は大事。

次に、社内ワークショップ。
テーマは、
「半年間の成功体験を洗い出す → その原因・誰のおかげか、を考える」
という、シンプルなもの。

チームごと、 各人にポストイットなどを渡して先に記入し、貼り出してから、議論をはじめる。
こうすれば確実にアイデアをたくさん集められるし、参加全員を巻き込める。

逆に、普通の会議だと、参加者の多くにとって 
「答を上司から教わる場」 になりがちだ。
それは、ダメだ。
「自分なりに見つけた答」 でなければ、人は本当に動かない。
会社の方針を現場の隅々まで徹底させることができない。

で、最後に、チームごとに発表する。
こうゆうワークは、前の会社でもよくやっていたのは、興味深いところ。

会社全体の一体感を作るのに、この参加型のコミュニケーションが、効くのだ。

社員旅行とか会議がマンネリ化している組織、一方的なことばかりしてませんか?

・・・

夜、大宴会場の舞台には、
「歓迎、●●●御一行様」
の吊り看板。
おお、社員旅行だ!

事前アンケートの社員ランキング。
「道で外人に話しかけられそうな人」
「何かの職人ぽい人」
「モンゴルの大草原を馬で疾走してそうな人」
「土星に支社ができたときの初代支社長」

入社2ヶ月足らずの私が、次々とランクインするのは何故だ?
何故、その理由が、「(土星は)地元だから」 なのか?
そして、転職3社目の私が、3社とも、宇宙人扱いされるのは、何故だ?

総合ランクで1位になってしまった。。

2次会のカラオケで3時間踊り狂って(夏祭りだ)エネルギーを使い果たし、夜はちゃんと寝る。
ダラダラしないのが良い。

・・・

翌日、寂れた地元体育館でスポーツ大会。
私は日々通勤で鍛え上げた強靭な足腰、そして作戦力を発揮する。
昼は隣で炭火を起こしてバーベキュー。

松島へ。

松島は、本当に、松の島が多い。
つまり、「松島」は1つではなく、たくさんあるのだ。
そこで、俳句コンテストで詠んだのが、この一句。

「松島は たくさんアルよ ああ●●●」

社名を巧みに取り込み、好評を博して、解散。

・・・

人の気持ちは、連鎖する。
数十人ものエネルギーを活かし切るために、何が効くか?
この2年、それを体感できる出来事が多くて、楽しい。

2007年7月13日 (金)

速報、社員旅行で仙台へ。

いろいろあった(本当に!)
面白すぎるこの会社!

行き先は秋保温泉、松島。
終わって、作並温泉へ一人旅。
(本当は鳴子に行きたかったけど、時間不足と計画不足と3連休と台風の接近から、近場で済ます)
温泉目的で出かけるならもっと北とか、九州とかのが良い感じかな・・・
でもトータルでOK!

入社2ヶ月、スイッチが入る。
何かが弾けようとしてるかな?

2007年7月 9日 (月)

「IDEA HACKS!」著者 小山龍介さんのIDEAワークショップに出る①

最近の私には、明白な過ちがあると思う。
ポイントは3つある。

1.早起きできていない。
(だいたい、こんな時間にパソコンをいじっている・・・)

2.休日が非効率。
(だいたい、こんな時間にブログ更新がずれ込んでいる・・・)

3.たぶん、何かある。
(3つある、っていうとかっこよくない?)


かように、時間管理というか、忙しさの管理は、大変だ。
だから、忙しい人は、その忙しさの中でわざわざ時間管理術とかの本を読み、工夫を進める。
(だから、差は広がるばかりだ・・・)

そんな一人に薦められた、「HACKS!」シリーズ。
「HACK」とは、僕流に言い換えれば「裏技」かな?
仕事のコツがたくさん書いてある。

その著者、小山龍介さんのミニワークショップに平日の夜、行ってきた。

彼は高校の後輩で、同窓会が年に何度か、OB向けに勉強会を開いている。
その次回講師は大学の頃知っているのだが、大学のとき起業して、いまや年商2-30億。
そんな年頃である。

ワークショップのテーマは、「アイデア体質になる!」

何をするかというと・・・

「あなたが今持っているものをできるだけたくさん挙げてください」
「その持ち物の1つを、別の言葉で、できるだけたくさん言い換えてください」
「じゃあ、あなたが今持っていないものは何ですか?

という、シンプルな質問を投げかけてゆくのだ。

ホンモノはシンプルだ。
その中に「アイデア体質」へ頭脳改造するための大きなヒントが隠されているわけだ。

詳しくは。
教えない。

わけでもなくて、もうこんな時間なので、寝ます。
また次回!

2007年7月 1日 (日)

カリスマコーチ谷口貴彦さんに見る、独立起業成功のための4つのステージ

出帆から1ヵ月半経過。
1週間で、会社飲み会×3+社外ではセミナー懇親会×2。
ハイテンションな日々が続く。。

先週は、見込み顧客=誰に売るか、というリスト作りに集中。

一見地味な事務作業のようだが。
誰に売る、という目標を明確にすることが、商売を成長させるために、どれだけ重要か。

例をあげよう。

昔いた外資IT企業は、日本上陸から数年間、
「Top企業をとれるか?」
「業界Top20社を何社とれるか?」
に集中して営業していた。
凄腕の営業が集まって、斬新な商品を手に、絞り込まれたターゲットへと、そのスキルとエネルギーを集中させるわけだ。この影響力は大きく、「IT業界の黒船」から、「日本企業の普通のインフラ」へと、存在感はわずか数年で、大きく変わっていった。

無名の個人の場合でも、例えばベンチャー起業や独立でも、そうだ。

カリスマコーチ谷口貴彦さんは、私のキャリア歴でも最高レベルの影響を受けたプロフェッショナルの一人。
先週末、彼のセミナーに出て、売れるまでの過程を聞いた。

そうして見えたのが、わずか3年で、この4つのステージを駆け上がってきた彼の姿だ!

・・・・・・・・・・・・・・・・
1.経験量を積む。
2.実績を作る。
3.ハイレベルな顧客をつかまえる。
4.大きくひろげる。
・・・・・・・・・・・・・・・・

少し一般化して説明すると・・・

1.量。
谷口貴彦はまず、目標に完全に集中できる環境を作っている。
サラリーマンにとってそれは、辞める、ということだ。
日本はとても恵まれていて、失業保険や生活保護というものがあるので、安心してリスクをとることができる。
そして、友人知人に頼み込み、ひたすら無料コーチをさせてもらい、経験の量を積み上げる。

そして(周囲の話から推測すると)、実力を飛躍的に伸ばしている。
ただし、当時それはカネにはつながっていない。

2.実績。
起業すると、「売りやすい客」をとってしまうものだ。
よくある 「安いから買う人」。
コーチなら 「他人に頼りたい弱い人」。
しかし、それだけでは、いつまでも貧乏ヒマ無し。
「自分の実績、にできる客」 を育てられるかどうかが、最初の分かれ道になる。

いいかえれば、
「自分が手伝えは、人がうらやむようなワンダフルな成果を挙げられそうな相手」
を選んでゆくこと。

これは、昔の「安いイージーな客」をどこかで切って、「強くてタフな客」に切り替えていく、ということでもある。

水面下の地味なプロセスだが、ここでの蓄積の効果は、足し算ではなく、掛け算で効いて来るところかもしれない。
つまり、成果は何割増し、ではなく何倍、何十倍、で帰ってくる。

3.大物狙い撃ち。
実績を手に、「人がうらやむようなワンダフルな人」に、自信満々に語る。
「私のクライアントさんで、こんなワンダフルな実例があります、凄いでしょ?」

4.人もうらやむハイレベルな1人をうならせるノウハウは、1万人をうならせたりする。

・・・
という感じ。
(※あくまでも一般化したもので、谷口さん本人の軌跡では必ずしもありません)

わが社は、ちょうど、3から4にさしかかるタイミングかな?

マーケティング、というと、とかく4のイメージがあるのだが、
まず3.に集中した方が、次の爆発的成長を呼び込める場合もある。

どうしようかな?

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