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2006年10月の6件の記事

2006年10月29日 (日)

教育Ⅰ 日本の教育システム

私塾経営&教育研究者の古山明男さんのお話を聴く

教育というテーマは大きくて
A. 落ちこぼれなど弱者・マイノリティー対応
B. 教師の質
C. 受験競争の弊害
D. 国の競争力強化
・・・ など、いろんな視点がある

古山さんの考えは著書↓ の通り。


私は経営参謀として、『顧客ニーズ』を起点に、学校の問題について考えてみる。
論点を順にあげると
1.ニーズ=卒業後の社会での活躍
2.そんな生徒を育てる教師
3.そんな教師を育てる学校組織
4.学校組織を統率すべき政治
かな?

本質は、234の部分だと思う。
が、まず1.生徒のニーズは何か?から考える。

ここでは
『社会の中で自分なりに納得できるような、そこそこの居場所を確保できること』
としておく。

納得のレベルは人により全然違う。周りに流されて自分が見えてないまま不安におののく人、過小評価な人(=平和な人?)、いろいろなわけだが、
全体的には、競争が生じ、選抜が行われ、その結果、役割分担ができあがる。

つまり、生徒にとって必要なのは
『競争を含んだ社会の中でそこそこしのげる基礎体力と基本技術』
だろう。

また、教育制度を設計する側から、制度の国際比較をする場合、各国の社会での選抜・役割分担の仕組みについて考える必要がある。
22歳までの教育だけに限って考えるべきではないだろう。

日本社会の役割分担の特徴は、全員を活かすという点にある。
そのため、全員にそこそこのチャンスがあり、学歴が悪くたって差はそんなにつかないのだ(誤解されていると思うのだが)

ただ、平均すればちょっとづつ差が出る。

そのちょっとした差を目指して、みんなががんばる。
がんばったなりの成果も、そこそこ、個人に還元される。

全員がムラなく少しづつがんばり、なおかつ、協力し合えていることは、すごいこと。
世界史上でもユニークな高度成長期はまさにその成果。
そのための小さな副産物の1つが、10代の受験競争だと思う。

そして大企業でも、長い時間をかけてゆっくりと選抜を進める。35才までに第一選抜、その後20-30年かけてトップを育てていく。敗者復活もゆるやかにあるし、学歴が劣ってもそれなりのバスに乗れる。

欧米大企業の第一選抜は20代後半、MA, MBAを取った大学と成績で決まる。この時点で大きな収入格差がつく。その後の選抜の時間も短い。このバスに乗れない人のチャンスは非常に限られる。努力が報われないから、競争しない。(ただし組織の枠外には、起業などの大逆転のチャンスは比較的ある)

つまり、日本は『競争に乗れるという権利を持つ人』の割合が多く、その成果を享受してきた。
競争に弊害があるなら、どうカバーするかを別のテーマとして対応すべきことだ。

・・・

もう少し考えて見る。
この欧米の差はどう生まれたのか?

日本では明治の文明開化以来、エリートが先進事例の骨組みを粒ぞろいな大多数の非エリートに教えてきた。未成熟ゆえ、非エリート層にも、現場で肉をつけ血を通し、改善してゆくという重要な役割を担っていた。結果、あたかも『全員がエリート』であるかのような超効率的なビジネスを実現してきた。

欧米は、産業革命以来、フロンティアを拓かなければ成長できない。だから、そんなリーダーを選抜し、権限を集中させる。そして完成されたシステムの中では、開拓者とエリート以外の役割は歯車のようなもんだ。よって、非エリートには、生活の質、というモチベーションを与える。結果、豊かな生活しやすい社会ができあがる(移民などは除く)

そして、進化の道は、そのどちらでもない第三の道であるのが世の常。
欧米では日本の良さを80年代に必死に研究してきたわけだが、コーチングもその1つなのではないか、という気がする。

日本も、欧米型の強みを取り入れることは必要。それが90年代後半以降のビジネス界であり、21世紀の小泉改革だった。

だが、全員参加、という本質を見失ってはいけない。

(続く)
(今週いっぱい忙しい。。)

2006年10月26日 (木)

政治家のパーティー

奇妙なことに、突然、パーティー券なるものが回って来た。まあ突撃しとけ。

でもジャケットはよれよれの古着、ネクタイなし。参加者の年齢、服装、目的、何もかも違う世界。。私が一言もしゃべらずに帰ってきたのは珍しい。ま食べるだけは食べまくってきた。

教訓:よそいきジャケットの1枚くらい会社に置いといたほうがいい。(でも多分しない。。)

【追記】
「政治家のパーティーの服装」を気にされる方、時々いらっしゃるようですが(男女比どうなんだろ?)・・・

大原則: 服って「負い目を感じた方が負け」である。

  • 仮に、「お客さま気分だけ」 で参加できるなら、ジーパンでもいいでしょ! Tシャツで堂々と振舞ってたら、カッコいいと思う。(その会にはイマセンデシタけども)
  • まあ、何らかオトナの目的があるなら「目的相応の服装」で行くよね、オトナなら、黙ってても

政治資金報告から推定すれば、パーティー推定チケット売上500枚1000万円、実参加100名くらい?(数えてないけど)、うち半分くらいが仲良し同士の集まり、って感じかな? 名刺交換もそれほど無い。

主催者は、どうせ資金集め目的なのだから、私のようなアウトサイダーには構わずに内輪ウケに徹するのは正しい。ただ、チャレンジャーな立場にある政党なのだから、たとえば事務所スタッフが歩き回って雑談をしながら意見をキキダスとか、手がないわけでもないはず。

・・・と思って調べてみたら、政治家サイドもさすがに考えているようで、早朝の勉強会形式など、本気な参加者だけが集まるようなスタイルなど、新しい動きもあるようだ。

政治の世界は共感型マーケティングの好例なので、多少、参考になる。

2006年10月24日 (火)

相手の行動を変えるコミュニケーション術

今朝ラジオで11月中旬の寒さだと言われて、慌てて薄手のコートを出す。なかったらヤバかった。でも気づけば10月下旬、寒いわけだ。

・・・

先週のコーチング講座での気づきを記します。

今回テーマは『フィードバック』
相手の行動を修正するために、情報を伝えること。

他人の行動を修正、というと普通、「こうするといいよ」 「こうしろ」 などなど、アドバイスをする。
でも、アドバイスは当たることもあれば外れることもある。
外れた場合、信頼をなくす。
当たった場合でも、相手との信頼関係が不十分な場合、「やらされ感」が残りかねない。
信頼関係が十分な場合でも、相手が「アドバイザーがいないとダメな人」になりかねない。

つまり、良かれと思って自分の意見を言っても、逆効果になりかねない。
もったいない話だ。

・・・
でどうするか?
発想を逆転させ、相手に自分から気付かせればいい。

そこでコーチング技法の出番。

「まず事実を伝える」

すると、相手はその状況の中でどう行動すべきか、自分で考える。
その行動の自由も、相手にある。
つまり、相手自身が主役になる。
人は自分が主役だと、モチベーションが上がり、判断も、行動も、のってくる。
失敗しても、自分でなんとかしようとする。

・・・
たとえば社長と話していて、むかついたとする。
「おまえむかつくよ!」
でOKなキャラもいるでしょうけど・・・

1) まず客観的事実を指摘してみる。
 「社長とは30分お話しています。腕を組んでのけぞった姿勢です。私と1度も目を合わせていただいていません」

2) 主観的というか主「感」的な事実もくっつける
「私は緊張しています。ものがいいにくい雰囲気でと感じています。」

3) 最後に評価基準」という視点を入れてみる。
「あなたそんな行動を私の評価基準で判断すると、むかつきます」

こんな階段を、まずイメージしてみる。
どれがいちばん効くか、どこまでOKか、考える。

意外なほど多くの場合で、事実だけ指摘すれば、相手は気づくものだ。
かんたんな演習で、それがわかる。
コトバを尽くして説明なんかしなくてもいい。
1つの事実で、相手は勝手に気づき、行動するのだ。

いい例を、知人が書いていた:http://blog.drecom.jp/taka-soc/archive/64

・・・
このことは、前に書いた調査プロジェクトにとって、すごく大きなヒントになった。
ただ、自分の周りでは、まだ実行できてないな。

2006年10月21日 (土)

販促に成功したら、次は「入口商品」を作る。

1年ぶり&1月がかりの、顧客+社員意識調査プロジェクト中間報告が終わる。
初め、難しい割に値段も安いしあまり乗り気ではなかったのに、ひとたび手をつけるとのめりこむのは私の悪いクセ?

顧客調査を入れることには、不安もあった。
そもそも、会社としての専門性のない分野(ないようで、実はあることに気づいたのは、後の話)
だからだ。

だけど、あえて入れてよかった。
しかも徹底的にやってよかった。
駅から歩き、商店街や住宅街を通って、店舗に入る。駐車場の台数、客数を見る。スタッフが挨拶をする。店内でお客さんと直接話す。競合店を覗き見る。
この中で、始めて見えてくるイメージがある。

例えば、セブンイレブンのドミナント出店戦略(=ナワバリ戦略。ある地域に集中出店して制圧しちゃう)
の成功イメージが重なる。

表向き低業績店でも、商圏全体の中で、それなりの役割を担っている場合がある。
無理のないキャラ設定ができれば、商圏内の複数店舗で役割分担することができ、トータルで商圏をおさえるわけだ。
その結果、「顧客の生活圏に密着した営業展開」が実現できることが、会社としての強みになる。

この業界では、業績で店舗を区分けして営業戦略を立てるケースが多い。
おおむねそれが正しいからこそ、なのだが、
こうゆう違う視点は、ウケることも多い。

店舗展開型の商売は、一面で装置産業で、成長のためには店舗を増やしていく必要がある。
「ドミナント商圏型」の会社の場合、出店先がナワバリの内か外かで、大きく結果が違う、ということになる。
現実に、ナワバリ内で絶好調、強気に外に出てヤケドするケースは、多い。
市場が伸びている間は、「アチチチ」で済むが、縮んでるときだと、致命傷になる。

「自分の強み」をわかっていることは、それだけ重要だ。

もちろん、既存商圏も育てないといけない。
(拡大戦略をとる会社は、手薄になりがちなのだが。。)
地場の老舗店のような顧客密着営業をするためには、現場スタッフ個人のアイデア・工夫を組織として活かすことが必要になる。

これは、人と組織の要素が強い問題。

・・・

このように「組織の課題」を明らかにしたあとで、従業員意識調査の結果を見てゆく。
こうすることで、人と組織の問題を、経営戦略に直結させて、とらえることができる。

・・・

自社にとって、このようなアプローチ手法を、商品として持つ効果は大きいと思う。

新しいクライアント向けの入口商品として使える。
できるコンサルの手をかけすぎずに、システマティックに課題を見抜く。
「店舗の実際のお客様の声」が証拠になるので、向かうべき方向性を説得力を持って顧客と共有できる。

実作業の外注先も幾つか探しておいたので、案件数も増やせそう。
今、コンサル不足のため営業を抑え気味にしているけど、そのボトルネックも解消できるかも?

その分析結果を貯めていけば、それ自体が情報としての価値も生まれてくる。

・・・

僕個人の成長、という視点からいえば

  • 入社直後は、何もわからない状態ながら最低レベルをクリアし、リピート受注につなげた
  • 2回目で、理想に近い商品イメージを見出すこともできた
  • この調査結果を、顧客が経営に活用してゆくプロセスをおっかけていくことで、調査力をさらに高めることができそう
  • この商品を、さらに、他の顧客に売る
  • ・・・ この全体の流れを回すことで、自社の事業力も高まってゆく。この流れ全体を経験できることが、それ自体、大きな経験になるだろう

と、いい流れだ。

「集大成」の形が1つ具体的になってきた。

2006年10月16日 (月)

店頭アンケートを成功させるには?

轟音と煙の中、5日間連続で毎日100近いアンケートを取るのはタフではあったが、何かのスポーツか冒険かと思えば結構楽しいもんだ(二度やる気は・・・)

この業界の特徴として、もともとお客さんには、お店スタッフとコミュニケーションを取る気のない人が多い。
本質的に、お店と店舗との間に信頼関係を構築することが、不可能ではないが、難易度は間違いなく高いのだ。

よって店頭アンケートも、かなり怪しいらしく、協力率低い。
最初2-3割だったかな?
5分で500円もらえるバイトなんでそうそうないのだけど、それでも、だ。

工夫を始める・・・
「個人情報をいただかない匿名のアンケートなので安心です」
と真っ先に言うようにしたら、打率5割に迫る。

さらに、
「お店を良くするためにぜひあなたの意見をいただきたいのです!」
というポジティブ語で迫ることで、さらに打率アップした感じ。

これには意外な効果があり、
「協力してください」 という仕事モードのお願いよりも、やってる自分の気持ちが楽しくなる。
なぜなら、そう口に出してお願いしていると、本当に自分が世の中のために良いことをしているような気持ちになってくるためだ。
この境地に達した時、店内の轟音や煙が、心地良い刺激に感じられてきたのであった。

インタビュー内容の工夫・・・
よくいく他店と比較してもらうと、結構、それを切り口に、向こうからいろいろな情報をしゃべってくれることが多い。

このような、「相手が気持ちよく語ることのできる切り口」を1つだけ、最初に示すことが効果的なのだ。最初のおもろい設問で、つかむ。その流れの中で、幾つか、ポイントになることを聞いてゆく。
あれやこれや設問をたくさん用意して書いてもらうより、よっぽどためになる情報を取ることができる。

早速、中間レポートに取り掛かり、クライアントの頼まれてもいないマーケティング戦略にも絡んでいけるかな?

2006年10月 7日 (土)

やっと一息・・・ で店頭アンケートを振り返る

3週間休みなしの日々が続き、今週末やっと一息・・・
途中、会社のスポーツ合宿(私MVP受賞)でも少し仕事してたし。
中身的にも濃くて、何から書こう?

あるアミューズメント施設の店頭アンケートの話をしましょう。
一週間かけて、東京近郊を1日数箇所移動しながら、数百の回答を回収。
いろいろな問題はあり、企画もほとんど考えるゆとりがなく、始まったあともドタバタ続き。

1日目には人手不足が判明。
2日目の昼、人手確保の目処をつけてから調査に出かける。調査中に必要人数確保!の電話があり、ほっと一安心。。
最終日は強い雨風にびっくりしてネクタイを忘れて調査先のデパートで買う(これがこの冬のお気に入り)・・・

調査中は、話し声も聞き取れないような音の中を1店2時間前後。
それとタバコの匂い。まあ、1年に5日間くらいならタバコも体にいいかもしれない?

アンケートの相手は、会社にとっては「顧客の顧客」にあたる。
なので、アンケート実施を通じ、顧客の現場スタッフを本当に理解することもできる。
現場から離れがちな企画スタッフにとって、貴重な機会だ。

過酷な調査の中、考えた。

この環境で、彼らを支えるモチベーションは何だろう? 
このことは、アンケートのバイトを急遽持ちかけた(で断られた)学生からも聞かれた。

いまのところの答えは、
「スポーツチームのモチベーション」
と同じなのではないか?ということ。

振り返ればこの2-3週間、一貫して考えていたのは、こうゆう、モチベーションとか理念とかについてだった。
また後日書いていきます。

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

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