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2017年11月16日 (木)

光学式=手首計測心拍計の効果と限界

当ブログ2017年9月の「Apple Watch3の発表、そしてスポーツ時計の3条件について」 では、アスリートに必要なスポーツ時計の3条件として
  1. GPS最高精度での連続稼動時間
  2. 胸着用の心拍ストラップ 
  3. 数個の重要指標だけを直感的に見られる操作性
を挙げた。
 
一方で、手首だけで計測できる光学式心拍(HR)計は、2015年4月のApple Watch登場以来いっぱい出てる。トライアスリートにはGarmin935など人気だ。その性能と限界について理解した上でのことなら問題ないのだが、実態は、必ずしもそうではないようだ。
 
まず結論を書く。
 
光学式HR計で、オススメできること:
  • 初心者の心拍入門機
  • 日常生活での計測(起床時心拍など)
  • リカバリー・つなぎ・LSD、など緩め練習専用(まじめ練習は胸ストラップ使用)
  • SwimとRunはタイム基準、Bikeはパワー基準で、HRは参考として緩く見るだけ
無理なこと:
  • 競技能力を(HR基準で)上げること
できることできないことをわかった上で使い分ければ良いわけで、買うなと言ってるわけではないです念のため。
 
 
<手首だけでOKな場合>
オススメできるのは、まとめていえば、不正確でも問題ない場面だ。
 
毎分HR100でも120でも、運動してるという点では共通するわけで、これくらいの精度(不精度?)で把握できれば構わないシーンだということ。
またこのレベルでなら、計測ミス&不能部分があっても、コンピュータ側で補正しやすい。
逆にいえば、補正によって正確っぽく見せている。
 
これは設計上の限界で、光が少しでも入ると機能しないけど、現行のリストバンド形状でそれは無理だから。特に動きが激しくなる屋外での高負荷トレーニングでは。
LSDのような低負荷一定な場合、光の侵入が少なめだし、光が入って測定ミスが起きても、コンピュータ側で補正すれば大差ない。
 
実際、自転車の室内ローラー錬限定なら、比較的正確に出るという実験結果がある(文末参照)。
この性質がもっともハマるのは、起床時心拍とか、高負荷トレーニング直後のリカバリー度合いとか、生活ログをとりたい場合だ。Apple Watchはまさにここがターゲット。
 
 
<胸ストラップ必要な場合>
逆に、動きが大きくなり、HR値も変動してゆくと、光は入るし補正も効かない。
ここで重要なのは、心拍域が上がるほど、数%差が意味を持ってくるということ。165と175とは、かなり違うよね。ここを間違われたら、トレーニングの指針とはできない。
 
 
<メーカーさ〜ん>
光学式だけでトレーニングを完結させるには、少なくとも今の技術では、手首に圧着できるリストバンドを新開発する必要がある。それはまるでスタン・ハンセンのウエスタン・ラリアート用サポーターみたいなゴツいのを手首に巻かせるデザインになることだろう。
Appleは、ターゲットがカジュアルユーザだし、デザイン方針としてもそんなもの絶対出さないだろう。
スポーツ専用のGPS(=Garmin, POLAR, SUUNTO)各社も研究は進めているとは思うけど、それで実際出てるのは、普通の時計のデザインの域を出ない。(Appleへの意識が強すぎるような気がしないでもない)
POLARから9月に出た腕装着の光学式バンド「OH1」 はその発想によるけど、一体型でないなら(しかも充電まめに必要なのは)メリットが激減する気もする。
 
問題は、スポーツ専用メーカーのマーケティング・メッセージだ。これら限界、使い分けが明確であれば、市場の裾野をひろげる良い製品だと思うのだけど、向かないケースにまで、過剰な期待を持たせるような情報が一部で見られるような気がしないでもない。さすがに悪意はなくとも、現実に情報が行き渡っていない状況はある。Appleに対抗したい経営的事情は理解はできるのだけど、その気持ちが、ユーザ向け情報の正確性を鈍らせる結果となってしまってはいけません。改善すすむとよいなと思う。
 
 
<オススメ>
単に、運動量を増やして痩せたい、とかの場合には、Apple Watch3でまずは十分でしょ。もしくは同様の機能の手首計測タイプ。
 
速くなることが目的で、そのトレーニング基準に心拍を使う場合には、胸の計測ストラップは必須だ。ランでは、平坦ロードやトラックだけで練習する場合、自転車でも室内ローラー中心なら、タイムと心拍の関係が安定するのでなくてもまあ良いだろう。トレイルとか外部環境の変動が大きいほど、心拍は正確に把握するに越したことはない。
 
胸ベルトの快適さ(or不快さ?)は、最新の高級製品ではかなり改善されてる。SUUNTOだと2014Ambit2(デュアルベルト)から2017Spartan(スマートセンサー&スマートベルト)
に変えたら、劇的にストレスなくなった。素材の柔らかさも最高級だけど、大きいのは装着がボタンからフックにかわったことで、これ意外とすごく良い。他社も同様の改善あるかなと思う。
 
それでもスレるなら、ワセリンとか塗って保護するしかないだろう。
どうにも厳しいのは、冬に水で濡らしてから胸に巻くこと。(え温水つかえ?部屋温めろ?
 
 
<海外情報>
これら限界は、海外では 常 識 となってると思うけど、言葉の壁がある日本では情報輸入にタイムラグがあって、過剰な期待してたり、実験に無駄な時間を費やしたりってことがあるかなと思う。実験は既にガイジンさんたちが十分やってくれてるのでGoogle翻訳かけて読んでみよう。
 
<指標について>
なお、先の3条件の3つめ
    • 数個の重要指標だけを直感的に見られる操作性

    とは、僕の個人的な考え方として、ランの場合

    • Vo2Max(の推計値)
    • 接地時間(の推計値)
    • ストライドの幅
    • ストライドの垂直移動(の推計値)
    などなどの指標には意味がないと思っている。
    意味がないとは、それを管理しても(僕の場合には)速くはならないということ。
     
    ここでの判断基準は 「原因」 → 「結果」 の枠組みだ。もしくは、「INPUT → OUTPUT」の流れ。
     
    原因側には、ランだと、ピッチやHR。バイクならケイデンスも。
    接地時間やストライドは、動作の結果。そこを操作しても(=原因として扱っても)速くはならない、と僕は考えている。むしろ、それら指標に振り回される弊害を見たりもする。まあ僕の考え方なので、効果あるのなら使ってくださいな。
     
    このあたりのスポーツ科学的な考え方は、書籍 『覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』 の2章で、そのベースの思想を説明してます。一読くださいな。図書館で借りればタダなので笑
     

    2017年9月13日 (水)

    Apple Watch3の発表、そしてスポーツ時計の3条件について

    昨夜発表のApple Watch3、昔のSFみたいな腕時計通話できるのはすごいなあ。同時にスポーツ機能も進んでいて、NIKEブランドのスポーツ対応の筐体&ストラップ も出ている。こうした動きはスポーツGPS各社(Garmin, Polar, Suunto)(+seikoで複数形)も警戒してるようだ。
     
    ただ、僕が思うに、アスリート目線で必要なスポーツ時計の条件とは3つだけだ。
    1. GPS最高精度での連続稼動時間
    2. 胸着用の心拍ストラップ 
    3. 数個の重要指標だけを直感的に見られる操作性(心拍とその分布・速度・距離・ケイデンスorピッチ・トータル疲労度的なもの=SUUNTOだとPTE)
    それ以外ほぼ全て不要だと思う。
    音楽も通信通話も、少なくとも日本の都市部でのトレーニング中には危険でしかないし、着信を気にしているような練習で速くなれるとは、あるいはケガ故障を防げるとは、どうにも思えない。
    まあ、お昼休み1時間をたっぷり使って流行りの皇居ランってものをやってみよう、帰宅時に少し前の駅で降りて走ってみよう、てレベルの初心者さんを楽しませるにはいいと思う。
     
    心拍の手首計測機能は、現時点では初心者向け玩具、て評価で確定だよね。シリアスアスリートのみなさんならば異論はないですよね。ちょっと前の研究では、安静時は問題ないが、運動はじめると簡単に毎分20−40拍くらいの誤差が出る。トレーニングでこの誤差は、見ないほうがまだマシだ。
     
    で、この3条件をApple Watch3でみると、
    1. GPSを使用した屋外ワークアウトで最大5時間 (GPS精度と更新タイミング不明)
    2. 外部心拍モニターとBluetooth接続はできるらしい
    3. スポーツ分析ウェブサービスのSTRAVAなどが(2向けに)画面アプリを発表している
    と考えると、結局、GPS精度とその持続時間が、ほぼ唯一にして最大の問題ということになる。
     
    フルマラソンだけ、4時間で走れる、というランナーなら、HRストラップを買い、Stravaとかメインで、通話機能なしのを使う、という手はありうるかなと思う。まあいずれ勇気ある人柱さんたちが表れることだろう。
     
    この充電性能とは二律背反で、時間はサイズ&重さに比例する。エリート技術者たちが最先端技術を投入してる電気自動車だって、唯一まともな走行距離を確保できてるのは大きくて高いテスラだけだ。(日産リーフの新型は、真夏にエアコン効かせながら実際どれだけ走れるのだろう?)
    本当に軽量化したいのなら、GPS機能のないシンプルなスポーツ時計にすればいいと思う。
     
    なお、日本のGPS衛星「みちびき」対応については誤解、もっとはっきりいえば過大評価が目立つ。以前のFacebook投稿ご参照:
     
    <結論>
     
    結局のところ、Apple Watch独自の要素は、少なくとも目的がレース成績なのであれば無効てことになり、ただ最新の玩具で遊べるって程度に落ち着くだろう。そのうちポケモンGOの対応アプリとか出てきたりするかもなので、まあ、この要素を否定するものではないが笑
    すると、価格的にも、スポーツ専業メーカーの主要ラインとだいたい同じになってくる。自分に必要な充電時間をどう見るか、がその大きな判断要素だ。
     
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    僕のSUUNTO Ambit2sは2014館山大会での捕獲から3年でダルマ化しており、、
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    修行し過ぎて腕がもげてしまったこの達磨大師さまはまだまだ現役続行なんですが、、いくらなんでもなんなので、僕は"Spartan Sport" を新たに入手したのでした。手首計測なし&最高GPS精度で10時間持つの。この話はまたいずれ。
    SUUNTO最新製品スパルタントレーナーは、手首計測が付きながら、電池が小さいので、3万円台と大幅に安い。この価格差はアップルウォッチ対策もあるだろうが、機能の価値を表すものと見るべきかと思う。電池>>>手首計測、だ。
     
     
    <手首HR計測タイプの場合>
     
    速くなるための心拍トレーニングなら、Apple Watchを含め、手首計測機能はないものと思って、別にBluetooth規格のHRベルトを買った方がいい。SUUNTOの最新「スマートベルト」の装着性はかなり良い。安いのはストレスが残り、避けた方がいい。
     

    2016年9月20日 (火)

    「ケージにテープを巻く」というボトル落下対策

    ITU世界選手権2016, メキシコ・コズメル
    ITU世界選手権、ブラウンリー兄弟の片方ジョナサンがゴール目の前で突如の熱中症、もう片方のアリスターが助けて、伝説的な映像が生まれた。ロンドンとリオを兄弟で連覇した2人にとってGramd Finalもオマケのようなもの、その余裕あっての奇跡的な行動だろう。
     
    この助力についての審判団の判断は、ITUサイトのニュース記事に説明されている。
     
    (※調べ物の鉄則は原典をあたること、トライアスロン関係なら英語は必須です)
    選手間のヘルプはOKという明文を始めて知った。その個々の事例への適用は審判の仕事だ。今回は、大会での順位はOK、ただし年間ポイントには反映させない、とITU審判団の満場一致で決定したそう。これ、「結局はケースバイケースであり、その時々の審判団の判断によって裁定が下されるのでしょう。それがトライアスロンだと。」 との鉄平さんFbコメントで理解すればいい。トライアスロンとはそうゆう競技なのだ。
     
    ともかくも、それが熱中症の恐怖。ショートでも、特に暑い日の濃縮ボトル喪失は危険だ。 コズメルは気温35℃、バイクコースには石畳もあり、ボトルが飛びやすい。リオのロードレースも石畳区間ではボトルが何本も転がっていた。実際、ヒキダさんがこの罠にハマってしまった。残念。
     
    でもそれがトライアスロンという競技。
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    木島さん撮影@伊良湖'16
     
     
    <ボトルを落とさないということ>
    前回の最後「この2本のボトルは、絶対に落とさないこと!!」と書いた。
     
    この話はもともと、せーご選手が2012KONAエイジ表彰台のレースレポート(だったかな?)で、ジェルを濃縮したボトルをスタート直後に落とし、拾いに戻ったのを読んだのが最初。なるほど、ロングでそれくらいのタイムロスより、エネルギー確保が大事なんだなあと学んだ。たしか、自分が行く前にいろいろ調べていて彼の存在を知り、前年10月投稿にいきついて。
    そしてKONA、僕も同じ場所で落としたのだが、慌てもせず迷いもなく、同じように自信を持って戻ることができた(同じようには表彰台に立たなかったが) 。これが情報の力。
     
    ショートでも暑い日ならそう。以後90分間以上をミネラル補給抜きに乗り切ることは難しい。バイクをその場に置いて(コースの逆行はできないので)拾いに走るだけの重要性がある。
     
    リスク管理の発想からは、「落としてもいいように予備を用意する」こと。先に書いた2つの濃縮ボトルも、完全に中身を分けるのではなくて、比率を変えるだけにして、どちらかを無くしてもギリギリ対応できるようにするといいだろう。
     
    もっと大事なのは、そもそもボトルを落とさないこと。そこでボトルが落ちる場合について考えると、以下の諸条件に影響される。
    1. ボトルケージのホールド力
    2. ボトルの相性 (太さ、弾力、ケージ形状との関係など)
    3. その路面における発射エネルギーの大きさ (段差の大きさ×バイクのスピード)
    要因1+2により、現実のホールド力が決まる。それをコース上で最も3発射力が強い箇所に合わせて設定すればよい。ホールド力が強い(高価な)専用ケージを買っても、上記1への対応しかできず、結局はカスタマイズに行き着く場合もありうるだろう。
     
    <手法>
    写真にご注目:20160914_817クリックして拡大すると、ケージにところどころ、黒いテープが巻きつけてあるのがわかるだろうか。
     
    テープを巻く箇所は、ケージのボトルとの接触部。塗装に傷がついている箇所だ。要は、適切な「表面摩擦と圧力」があればよいので、ほどよく摩擦があるテープを、必要な圧力がかかるだけの厚みまで、巻き続ければいい。ホームセンターでてきとーに買ってきたゴムぽいテープを使っているけど、普通のガムテープだって構わない。
     
    これに気づいてから僕は、ボトルを落下させたことが一度も無い。
     
    まずはボトルを繰り返し出し入れしながら、ほどよく引っかかるお好みの圧力になるまで巻く。
     
    最終的には上記3.の要素が重要。高速でコース上にありそうな段差をわざと越えてみて、飛び出るかテストすると良い。石畳のような特殊な路面があれば、そのチェックも必要だ。スタート地点に多いゴムマットは弾みやすく、意外な盲点となりがちだ。(KONAもたしかそのケース)
     
     
    <DHバーのボトル装着>
    DHバーにセットしたボトルケージはSpecialized「Zee Cage」プラスチック版、当時1,800円くらい。タイラップ4本で固定している。100本入り400円=1セット16円の超格安ハイドレーションシステムだが、もう少し高額な黒色タイラップにしたほうが美しかったかな。
     
    ここには最も使用頻度の高いボトルをセットする。伊良湖では、薄めの濃度のボトルをDHバーに、高濃度ボトルをダウンチューブに、水ボトルをシートチューブにセットした。
     
    「Zee Cage」の最大のメリットは「横出し式」なことで、小さめのフレームでもスムーズに出し入れできる(ダウンチューブはRight=右出し、シートチューブはLeft=左出しを使用)。DHバー装着時も最小の動作で出すことができる(右出し使用)。
     
    ボトルが飛び出すのは、ケージの空いている方向に衝撃が加わった場合だ。ゆえに縦出し型は縦の段差で飛び出しやすい。サドル後ろのリアマウントは特にそう。Zeeケージは縦方向に出せないので、縦の段差衝撃にも強い。リアならこれのテープ巻きで決まりだ。
    DHポジションなら、両腕でボトルを挟む形になり、強い衝撃でもホールドできる。ただし、ベースバー持ってる時に右方向の衝撃が入ると、飛び出すリスクもあるだろう。ホールド力を十分に調節しておくこと。普通の縦出し方式のケージの方が、DH位置にはいいかもしれないけど、腕を前に突き出す動作がスムーズにできるかどうかは要確認だ。あるいは、DHはエイドでもらう使い捨てボトル装着専用にするか。
     
     
    <直接ストローで飲めるタイプについて>
    僕は、2012−13ごろには、DHにはプロファイルの縦置きストローのを使ってた。しかしTTバイク導入後によりヘッド位置が下がり(ヘッドを下げるためにTT化したので当然)、KONA予選の常滑のレース中にタイヤと干渉してしまい、その場で廃棄した。
     
    その顛末は 「【Kona獲得の記録】 アイアンマン70.3セントレア常滑2013」 ご参照。トラブル続出の超駄目レースであまりにもあっさり通過してしまいスロット獲得の感動という経験が僕には全くないのがいまおもえばざんねん。。
     
    そうして出かけたKONAの会場では、DHバーに横付けする魅惑の最新型ハイドレーション・システムが新登場、当時5,000円ほど。でも勝負レースで新装備を投入するのは完全NGレッドカード、もちろん手は出さない。
     
    あの仕組みは、ストローで直に飲めるのは魅力的ではあるけど、聞くと、段差衝撃による水漏れがあるそう。飲み残しも発生する。水位を落とせば幾らか緩和できそうではあるけど、そうなると頻繁に補充しないといけない。だったらその間に普通にボトルを外して飲めるわけで、実質的なメリットがない気がする。
     
    僕はDHポジションからいったんベースバーに持ち替えてからボトルを取り、飲んでいる。怖いからね。空気抵抗にはなるけど、カーブやターン前の減速区間なら、空気抵抗増を気にする必要がない。せーご選手もこの方法だと聞き、自信を持ってそうしている。
     
    なお、ボトルが怖くて外せません、て方には便利だろうけど(女性が多い)、それ、そもそも技術たりなすぎなので、ちゃんと練習してくださいね。仮にもレースに出るのなら。
     
    一部の最新TTバイクのようにフレームと一体化したのなら、その問題は減るだろう。あとは、その機能のために何万円か(で済むかな?)を追加する気になるかどうか。そこは各自のお財布とご相談だ。
     
    念のため書いておくと、ヘッド位置に専用ボトルを用意しているキャニオンのTTバイクの場合、時速50kmに最適化して設計されている。サーベロP5も明らかにその速度域だ。実際自転車のチームTTでは平均時速が50km以上だったり、KONAでも下りや追い風でそうゆう速度は普通に続くレベルの選手は存在する。その高速域が長いのなら、そうした器材の優位性は大きくなる。アナタはどうですか?
     
     今みたら、黒色が100本138円!送料170円のが高い!
    マジックバンドもあると便利。スペアタイヤとか留めたり。厚さも摩擦も十分なので、ボトルケージにも使えそうだ

    2014年10月20日 (月)

    〈移転&再掲レポート2〉 NEILPRYDEバイヤモ2013 選定の過程と結果

    NEILPRYDEの国内代理店変更に伴って消えた2つのレポートの古い方も掲載。2013年5月の天草大会優勝の後に書いたのだけど、そもそもTTバイクを買ったのは何故か? どう選んで、何故BAYAMOか?というそもそも論が中心です。これを読まれてTTを調達された方には、今年の大会でちょっとだけクルマに同乗させてもらったりで、書き続けてると輪は広がるんだよねー。

    以下、同内容で再掲します。

    ________________________________

    ニールプライドBAYAMO実戦レポート

    29回天草国際トライアスロン大会エイジ部門男子 総合優勝ハッタリくん(??)

    2013年6月

    2013526日(日)、熊本県天草市で約800名が参加した天草国際トライアスロンにて、念願の総合優勝を果たすことができた。トライアスロン歴4年目に入った私にとって初の総合優勝、しかも伝統ある天草大会、喜びひとしおだ。この総合優勝を目指した取り組みの1つが、今年4月から乗り始めたBayamoだった。以下、「なぜTTバイクなのか」「どんな基準で選んだのか」「レースで実際どうたったか」などについて、私の経験をお伝えしたい。

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    1.Bayamo購入に至る経緯

    昨年9月、伝統のトライアスロン伊良湖大会Bタイプ(完走458名)総合2位、村上大会(完走691名)総合2位と、当時の自分にとって最高の成績が続いた。村上では同年代の最強ライバルを20秒差で交わしたことで、JTUエイジランキング年代別二連覇の決定打となった。しかし、達成感と同時に表れたのは「あと一人」という大きな壁だ。

    その時の情景は今でも鮮明に思い浮かぶ。村上ではバイクで2位に上がり、視界の先の先頭を追ったのだが、追い風区間に入って平均時速45kmを超えた途端に先頭のディスクホイールを履いたTTバイクが一気に視界から消えた。優勝者との実力差というものをリアルに感じた。

    では、どうすれば総合優勝できるのか。そのために三種目全てに課題を残すわけにはいかない。その1つが「器材差」だ。ただ、10月に自転車レースで落車に巻き込まれて救急搬送され、ケガが治った年末頃から検討を開始した。

     

    2.なぜTTバイクなのか?

    各メーカーは、フレームの空力性能をこぞってアピールする。しかし私にとってより重要なのはポジション設定だ。エアロフォーム下でさえ空気抵抗の3分の2は人体が作るものと言われる。既にロードバイクで実現可能な最低位置での姿勢で走っていた私にとって、さらなる削減のためには、110mm以下のヘッドチューブ長が必要だ。その上で、ドロップからTTハンドルへ、丸パイプからエアロ形状パイプへ、といった「重要度の低い改善」を積み重ねることができる。それがTTバイクの意味だと考えた。

    もう1つの重要な理由は、変速だ。ワイヤー式ロードバイクでは、DHバーポジションから手を動かさなければならない。煩わしく、空気抵抗も発生させる。直線の高速巡航が続くコースで不利だ。反面、コーナーが連続するコースではブレーキ部の変速の方が有利な場合があるが、今やそれは電動変速により対応できる。

    どちらの理由にしても、「器材だけで速くなる」という効果は、私は信じていなかった。多くのトライアスリートは、新車を買うより、今のバイクでの身体の使い方やポジションを改善し、ローラー練習をきちんとした方が、バイクが速くなるだろう。トータルタイム短縮には、水泳の正しい技術を覚えた方が良い参加者は、全体の9割を超える印象もある。

     

    3.なぜBayamomなのか?

    では、どのようにTTバイクを選ぶべきか。私の基準は、①余計な機能がない合理性(つまり手頃な価格)、②低い姿勢が取れるヘッドチューブの短さ、③サドルを後退させ、ステムを伸ばせるトップチューブの短さ(を選べるサイズ展開)、④重すぎない、といったことだ。

    ①合理性とは、例えば内蔵型ブレーキやフレーム一体型ステムを「持たない」ということだ。これらは、ツール・ド・フランスの優勝を争うトップ選手には有効なのだろうとは思う。しかしトライアスロンでは、例えばDHバーにボトルを取り付けるため、ヘッド周辺の空気抵抗の影響は少ない。しかも明らかに製造コストが高い。つまり過剰機能だ。それらの無いBayamoには、レースで必要な性能を、より安く手に入れられる合理性があると判断した。

    ②ヘッドチューブの短さについて。従来のロードバイクでは、最低位置に−17°ステムを、DHバーはハンドル下部に、肘受けをハンドルと同じ高さに設定し、最低の姿勢を取っていた。そこから数cm下げられることが条件だ。それをBayamoSサイズは大きな調整幅をもって実現できた。他のメーカーは、身長の高い欧米人を基準に設計する場合が多いのだろうか。

    ③トップチューブの短さとは、つまり「操作性」の追求だ。サドルを後退させることによりコーナリングを安定させ、ステムを伸ばすことにより直進安定性を高める、という2つの目的がある。横浜・館山・蒲郡などテクニカルな周回の多いレースではサドル後退が、天草・村上・伊良湖など直線のスピードで決まるレースでは長めのステムが効くだろうと考えた。この点でも、Bayamo Sサイズは他社比較でトップクラスだ。

    ④テクニカル系コースでは、重すぎないことが有利だ。私のBayamoのレース車重は8.2kg、軽量化余地は500g程度あると思う。十分な軽さだと思う。

     

    4.勝つための必要十分な装備について

    基本は、駆動系はDURA ACE、変速はULTEGRA、だと思っている。

    コーナーの多い日本のトライアスロンで、2箇所での電動変速は非常に重要だ。20133月、ULTEGRA Di2DURA ACETTブレーキ一体シフトスイッチを接続できるようになった。変速性能はULTEGRAで十分。少々重く大きいが、その追求は過剰だと思う。

    他にDURA ACEを使用するのは、クランク(167.5mm長はDURAのみ)、スプロケ(105でも明らかに変速性能が上がる)、チェーン(ULTEGRAではカタカタ音鳴りがした)の駆動系。パワー伝達は限りなく効率化したい。

    なお歯数は、従来は53-39Tだったが、今回は55-42Tに変更。これにより、去年の村上の追い風区間を50kmh90rpm前後で単独巡航していたところを、86rpmで余裕を持たせることができる。

    他に、ホイールBora-one、チューブラータイヤCorsa-CxGP4000、サドルISMだ。

     

    5.納車からレースまでの調整

    3月新発売のTTブレーキ用Dura-Aceシフトスイッチの発売を待つことになり、その不具合対応もあって、納車は4月半ば。初戦の横浜大会まで4週前だ。初のTTバイクでもあり、調整には相当な時間と手間を要した。比較的安全な場所で、実走しては調整し、再び実走して調整、の繰り返し。振り返れば、最低限慣れた後は、固定ローラーでポジションを固めた方が効率的だったかもしれない。

    これから初めてTTバイクを購入する皆さんは、勝負レースに十分な余裕を持っての準備をお薦めする。

    3週間ほどで、いつものノンストップ周回コースで、従来より2-3kmh早い平均速度を実現した。トータル車重は従来より200g程度軽くなっただけだが、剛性の高さのせいか、立ち上がりが速い。高速での直進も安定する。コーナーもほぼロードバイク同様に操作できる。上述した購入目的は、全て達成された。また強い横風の下では、行きも帰りも追い風に感じるような感覚があった。

    私の購入後、メディアに発表されたインプレでは、五輪経験者を含む計5名の著名ライダーが、操作性の良さなどを好評価しているのを読んだ。私も同感だ。

     

    6.初戦の横浜大会

    2013512日、8ヶ月ぶりの横浜大会(完走808名)はSwimで失敗し、過去最悪の総合11位。ただし過去苦手としていたテクニカルなBikeでは過去最高の10位。40歳以上は、それ以下の年代より約1時間スタートが速く、コース上には高齢者や女性が多い。平均速度が低い上、コーナーで攻めれない、という事情がある。同じ条件の同年代以上ではトップと4秒差の2位なので、そう悪くないのかもしれないが。

    実戦で1時間走ると、ポジションの無理がはっきり出てくる。最低位置の肘パッドをハンドル上に設定するなど、天草までの2週間で再調整した。「調整レース」は「勝負レース」の前に不可欠だ。

      

    7.二戦目の天草大会

    日本で最初の51.5kmタイプである天草大会は、長嶋茂雄さんも第一回から関わられているようで、エリート部門・エイジ部門の男女総合優勝者に「長嶋茂雄杯」が贈られる特別な大会だ。またJTU(日本トライアスロン連合)全日本男子エイジ別選手権として、年間ランキングの最高ポイントが設定されるため、各年代トップクラスの市民トライアスリートが集まるハイレベルな大会でもある。

    コースは、Swimは静かな海を1.5kmBikeは有明海に面し雲仙岳を望む海沿いの一本道20kmを折り返す40kmRun78割が傾斜があり、高低差25mの急な下り2箇所も含む一本道の10km。国内には珍しい周回の無い贅沢なコース設定が魅力。

    レース結果は参加545名で、2:03:17、総合優勝。ラップはSwim22:15(8) Bike1:03:32(7) T2通過1:25:47(2) Run37:30(2)

    3種目を続けるトライアスロンの競技特性を活かせた勝ち方ができた。総合2-3位にBike+Runの合計で負け、4位にBike5位にSwim+Bike(=T2通過)で負けている。

    Bikeだけ速くても意味がない。私にとって総合優勝のためのレースとは、Swimで離され過ぎないこと、競技時間の過半数を占めるBikeで先頭に出て単独で走り切ること(もしもドラフティングで付いてくる相手がいても振り切ること・・・幸い今回は全て単独走行できたが)、RunではBikeで残した脚後方の筋肉と腱を活かして逃げ切ること。これら全て実現できた。

    Bikeパートでは、35kmまで平均39.4kmh36km地点でセンサー停止)。5km平均速度は

    往路)39.2-38.8-41.2-41.6(風は2〜4m 0-10km斜め前、10-15km斜め後、15-20km真後ろ)

    復路)35.9-39.9-39.0   (風は往路の逆)

    ポジションはまだ調整不十分で、走り始めは、510mmくらいサドルを前に出したい感じ。ただこの程度であれば、姿勢の工夫で対応できる。

    2025kmの正面の向かい風ではさすがに減速したが、25kmあたりからリズムが出てきた。風は斜め前からの向かい風のはず、しかし、とても楽。全身がよく動く。このまま何十kmも走り続けられそうだ。

    DHバーは「引く」「押す」と2つの動きを使いわけ、それぞれ体幹の使い方も違う。Bikeは脚だけで進んではダメ、如何に脚以外の筋肉を活かすかが大事だ。柔軟性を確保できるポジション設定に成功したと感じた。

    軽い登りはダンシングでギアは極力落とさず、坂の上でDHバーに戻す。こうした操作に違和感は全くない。サドル位置の違和感も消えていた。

    Bikeラップの1位とは130秒差が付いた。彼はドラフティング集団を引き連れて独走したようで、実力が明らかに上ではある。ただ私のトランジションのもたつき(30秒程度?)と、6週間のTTバイク歴、(そして当然だがドラフティング抜きに独走したこと)を考えれば、全体でも十分なタイムだと評価できるだろう。

    1つ付け加えたい。今回、残念ながら上位にもドラフティング集団がいたようだ。しかし、そうゆうレースをそしている限り、Bikeは速くならないと思う、自力で風と立ち向かい、強い相手に離されることで、初めて得られるものがある。そこからが本当のトライアスロンのBikeトレーニングが始まる 

    Runでは、走り始めから脚に無理が無い。ここでマークしていた相手は、プロのトップトライアスリートをも上回る走力を持つ。約130秒差、背中を見せない距離を確保してスタートし、そのリードを保つことができた。Runラップでは1位の彼と同タイムでの2位。過去最高順位だ。

    BayamoがどれだけRunタイムに影響したのか、と考えることもできるかもしれない。どれだけ効果があったか、というと正直難しいのだが、直進安定性の良さにより無駄な体力消耗を避け、また脚以外の全身を使ったペダリングを可能にするポジション設定の柔軟性により脚を残す、という視点は重要だ。

     

    8.まとめ

    総合優勝には、「今ここにいる545人」で一番前を走り、そして一番速くゴールに到達した、という圧倒的なリアリティーを感じる。この最高の結果のために、出来ることを尽そうと努力できたと思う。Bayamoは、その1つの手段に過ぎないが、そのために十分な働きをしてくれた。そして私は、もっと強くなろうと思う。今シーズンの先が楽しみだ。

     

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    〈移転&再掲レポート1〉 ニールプライドBAYAMO2013 「本気でKONAを目指す方へ」 

    NEIPPRYDEの国内代理店が今秋、トライスポーツから変更され、僕が去年寄稿した文も消えてしまった。この週末も以前読まれた方から質問いただいたばかりで、1年経ってもそれほど考えは変わってないので、ここに復活させておく。横風に対するスリムなフレームの優位性はより確信してもいるし。(たとえばCANNONDALEの最新SLICEやDimondのブーメランみたいなのは良さそうだけど、人気TTフレームの幾つかはどうかと思う。最新の機材流行の一部は、ちょっと行き過ぎているような気さえするよ)

    以下、同内容で再掲します。

    ________________________________

    ニールプライドBAYAMOレポート 「本気でKONAを目指す方へ」

    アイアンマン世界選手権2013日本人総合4/Bike3位 ハッタリくん(??)

    Dsc_2259

    こんな熱気を、私は今まで経験した記憶がない。IRONMAN World Championship/アイアンマン世界選手権。競技としてのトライアスロンの実質的な起源であり、今も最高峰であり続けている「聖地」だ。20131012日、ハワイ島西岸KONA。延べ約6万人が参加したという予選を勝ち抜いた約2,000名と共に走った。自身初のアイアンマンレースだ。ハワイ島の美しく荒々しい大自然の中で、世界中から集まったトライアスリートに囲まれ、自分の力の弱さを圧倒的に突き付けられる。同時に、ささやかながらも自分の強さを感じることもできた。私は今まで、このために走ってきたのだと思った。

    まずはKONA出場を目標としている方々に言いたい。それだけの価値があると。そして、私が感じた、アイアンマンレースを戦う条件、とりわけKONAで求められる要素とは何か、参加者は何を準備すべきか、その中で器材はどうあるべきか、説明しようと思う。

     

    結論の1つを先に書くと、BAYAMOは、KONAに向いている。事実、この2013年大会バイクパートの日本人1位と3位とがBAYAMOだった。その空力、ポジション設定の幅広さ、さらにメンテナンス性が、力強く私を助けてくれた。

     

    <レ−ス結果>

    • Total226km 9:35:33 総合311(参加2134)/ 40-44男子カテゴリ39(305)/日本人総合4位(59名)
    • Swim 3.9km 1:00:19  総合300/部門41位(日本人7位)
    • Bike 180km  5:07:23 通過順位総合493/部門89位(日本人3位)
    •  Run 42km   3:21:57(日本人7位)

    初アイアンマンで、このタイム、カテゴリ順位もほぼ上位1割という成績は、今の私にできるほぼ最高のものだと思う。

     

    <使用器材>

    • フレーム;ニールプライドBAYAMO2013Sサイズ なお私は身長165cm股下忘れた)
    • コンポ: アルテグラ主体のDi2。スイッチ付ブレーキ・167.5mmクランク・スプロケはDura
    • ホイール:BORA-One(ハブをセラミック化) 
    • 歯数: 前55/44、後11-27(たぶん)
    • タイヤ; ビットリアCORSA+コンチネンタルGP
    • サドル: ISM(種類忘れた)
    • TTハンドル: TNI
    • バーテープ: スペシャライズド厚型・ジェルパッド付き(廃版商品)
    • ボトルケージ: スペシャライズドZケージ(横入れ式)DHバーの間にタイラップ留めで右入れボトル1、サドル後ろにXLABアルミ製マウントで左右1つづつ
    • パンク修理:チューブラータイヤとCO2ボンベ2本、サドル下にテープで巻き付け(ただし、エイドやメカニック車でも修理可能なため、応急処置用のシーラント剤で十分。飛行機輸送できる。ちなみにCO2ボンベは空輸できないので現地購入。レース後、購入店で買い物をする際に同額分の値引きをしてくれるので、損はしない)

    ちなみにホイールを除く合計金額は、他社ハイエンドTTフレーム単体価格程度だ。

     

    <補給>

    前の主ボトルには現地で多数タダでもらったジェルから10本を選んで、水に溶かす。1,000Kcalと珈琲12杯分のカフェインを含むエネルギーの塊で、バイク後半にガツンと投入予定。結果的には、もう5本余分に入れておけばよかったと思う。ジェルはエイドでも貰えるが、ドリンクと水を走りながら取ると他のものを取る余裕はない。

    後ろ2つはエイドのボトル保管用。ペットボトルだがケージに合わせた太さなのでそのまま入れられる(少し緩く段差では落ちる)。よって自前のボトルに入替える必要はない。スタート時は現地でもらったペットボトルを入れておいた。

    フレームに何も付けないのは、横風を考慮してのこと。

    つまり合計3本のボトルケージで十分で、それ以外にストレージケースの類いは不要。(ただし固形物がどうしても食べたい方は別だろうが)

     

    <バイクの輸送と組み立て>

    初の海外輪行のため、事前にネットや店舗で入念に情報収集した結果、「ママチャリ用段ボール」が最強、という結論に達した。近所の自転車屋で2つ貰い、1つを衝撃吸収専用として布製テープでベタベタに加工し、さらに衝撃吸収ビニール(もちろん貰い物)で巻いて、無傷で輸送できた。段ボールは途中で穴が空いたりするので、トランジットごとに補強してゆく手間を惜しんではいけない。カートの使えない場所ではズルズルと押すこともあるので、底の補強も重要だ。

    なお現地でこの方式は私だけで、皆専用ケースを使っていた。やはりKONAではみなさん飛行機慣れしているというか、お金を掛けているというか。

    梱包時、バイクは分解箇所を事前にマーキングしておく。ただ実際には、組み立て時に微妙なズレは発生する。また現地でコースを走って修正したくなる場合もあるだろう。できる限り、そのコースを想定したポジション設定を事前にしておくこと、なにより現地での試走・調整の時間を十分に確保することがキモだ。

    今回、私はレース7日前に日本人一番乗りで現地入りできたのだが、主戦場Queen-Kの試走が3日前にずれ込んだ。初の海外で高速道路に出るのは怖かった。実際には、一度仕組みがわかれば、1車線分以上の広さのある路側帯があり、日本よりずっと安心・安全だ。

    下り直線の高速巡航下では、強烈な横風は噂通りの恐怖を感じた。重心を低く、後ろに変えようとしたのだが、十分に対応するには、1日以上足りなかった。

    走行中の写真をみれば、サドルが高すぎるのがわかるだろう。

     

    TTバイクのメンテナンス性>

    こんな時、「自分で分解、組み立て可能な、汎用性の高いバイク」であることにメリットがある。最近流行の特殊なブレーキやステムを組み込んだものは、基本的な分解・組立すら自分で作業できない場合があって、隠れたリスク要因なのだ。現地のショップに十分な余裕を持って依頼できればよいのだが、そこに不安を持つのならば、汎用部品のみで構成されるBAYAMOは現実的な選択肢となる。

    ちなみに私が組立時にペダルを左右逆に付けようとして1時間費やしたのは、基本知識が足りないせいで、器材のせいではない。

    Dsc03745

    <当日朝の準備>

    午前2時半(日本の夜9時半)過ぎに自然起床し、パンをトースターで焼いていると、コンドミニアムの火災報知機が誤作動して凄まじい音が響く。リセットボタンを押すが、しつこく、電池も外す。これで完全覚醒。ボトルを用意して冷蔵庫に入れ、4:40家を出て、約1km先の受付へ。ゴール時の安全確認用の計量があり、62.9kg、重さ十分。しかしマーキングのシールを触って剥がしてしまい20分余計にかかり余裕をなくす。6:20に再び会場へ向かう際にボトルを冷蔵庫に忘れ、10分ちょっと走って往復するが、会場手前は観衆の人波で前へ進めない!「アスリート!」と叫びながら柵を超えて無人のコース内を走り、18:42トランジットへ。ボトルをはめながら叫んでボランティアさんにポンプを持ってきてもらい空気を入れる。スタート13分前、無事スイムスタートへ。

    このように、当日のウォーミングアップは非常に充実していた。

     

    <レース開始>

    スイムは2列目からバトル無くスタートし、ゴールまで良い位置を保つことができた。KONAのスイムはさすがに皆レベルが高い。実力相応〜ちょっと上の集団に付くことで、実力以上のタイムを出せる。またスイムのタイム差は総合タイムにはそれほど影響せず、カテゴリ入賞者は私より3分くらい遅い人が目立つ。

    バイクスタートでは、乗車時にサドル後ろのボトルを蹴飛ばして拾ったり、フラついて後ろから怒られたり、うまくシューズを履けなかったり、いつも通りのトラブルに見舞われた。でもショートレースと違い、この程度のロスは全く問題ではないので、落ち着いてケガなく走りだせばよい。といって、どうしても結構殺気立ってしまうものだが。僕の初KONAかつ初アイアンマン、周囲を慎重に観察しながら走る。

     

    <上り:パワーの差>

    いきなりパレード区間の上りで、欧米人との力の差を突き付けられる。デカいが登れるのは、つまり圧倒的にパワーが高いからだ。

    前半は追い風なので、空力の要素はより少なく、パワー要素はより大きい。その後も、緩やかな上りの中で、次々と抜かれてゆく。速度差が大きいから「20秒以内にドラフティングゾーンから離れる」なんて心配する必要もないくらいだ。とはいえ、この最高峰の厳しさが、一度出た者の心を掴んで離さない魅力なのだと思う。 

    起伏が+ーゼロに近い45マイル地点では総合277位に順位を上げたものの、上り基調の60マイル地点では、394位まで落ちる。この数字が、上りで露呈する僕のパワー不足を示す。

    国内エイジレースではバイクで抜かれること自体が珍しい私だが、まったくレベルが違う。KONAで日本人が戦うには、国内バイクパートでは圧勝できるレベルのバイク力が必要だと体感した。

     

    <下り:空力の勝負>

    しかし私は下りに強いらしいことが、わかってきた。起伏が続く中で、上りでの遅れを、下りで取り戻し続ける。後半は下り基調で、54×11の最重ギアが数十分間か活躍する。向かい風も吹いてきた。空気抵抗が低いほど有利だ。僕は徐々に前に出てゆく。

    僕のバイクの特徴は、高い空力と、まあまあのパワーとを両立させていることだと思う。周囲の欧米人より、頭1つ以上の低さで走り続けることができる。窮屈そうな低い姿勢の割に、背中のバネなど全身をそれなりに使えているつもり。そのフォームを獲得するために、トレーニング時から微妙なポジション調整を繰り返してきた。

    ここでは、BAYAMOのヘッドの低さや幅広いサイズ展開が効いている。先述のメンテナンス性も、トレーニング時からの柔軟なポジション調整を妨げない要素として挙げられるだろう。エアロ性能に関して、最も重要なのはこうした人的・技術的要素だと思う。

    正直なところ、BAYAMOが謳うフレームの空力性能は、また他社ハイエンド車の特殊ブレーキやステムの空力性能も、私が判断できる範囲を超える。自分が実際に感じ考えたわけではないことを「・・・だろう」と語るのは無責任というものだ。結局のところ私が伝えられるのは、「下りで私は最新ハイエンドTTバイクに乗る欧米選手より速かった」、という事実だけかもしれない。

    ただ残念なことに、後半は電解質不足とポジションの無理のため、モモが痙攣寸前な状態が長く続き、そこで力を出し切れなかった。まあ結果を見ると、上手く乗り切ることができたと言えそうだけれど。

     

    <横風:空力+姿勢保持の力>

    KONAでは、横風でDHポジションを取り続けられるか、が大きな空力の差を生む。その影響度は小さなエアロパーツよりも遥かに大きいことは、風を受ける面積の違いから容易に理解できるだろう。

    そのために、横面積が小さいこと自体に、大きな空力効果があるはずだ。これは、とりわけ筋力が欧米人より劣る日本人アマチュアが意識すべきように思う。ツール・ド・フランスやTT世界選手権で優勝を争うトッププロは平坦を時速55km以上で巡航する。空気抵抗は合成の法則により前方向から受けるため、細長いチューブが有利だろう。強い横風を受けても姿勢保持できるだけの強い筋力と乗車技術(私には片手ウイリーなんて絶対無理)もあるだろう。私のような普通の日本人とは前提条件が違う。

    私がボトルケージをフレームに付けないのも、ストレージ類を付けないのも、横面積を減らすためだ。横から見れば、DHバー間のボトルは腕で隠れ、サドル後ろの2本は1本分の面積で済む。

    Bayamoのスリムなフレームの意味が見えてくるのではないだろうか。

     

    <パワー管理の差>

    パワーメーターは今年のエイジ参加者の34%もが使用していたという。その割合は上位ほど高いはずで、僕の周りでは、3人いれば1人以上が使っていた計算だ。トップ選手はパワー値を見ながらレース全体での出力の変動幅を3%以内に抑えるという。私は初アイアンマンであることもあるが、ペース配分を掴むのに苦労した。起伏と風の影響を受けるKONAで、欧米選手がただでさえ高いパワーを出力を数値化し、均質に発揮し続けられたら、私などが戦えるわけがない。上位を争うならばパワーメーターは必須になりつつあると思う。

     

    <快適性>

    ロングレースでは快適性がとても重要だ。今回はじめてバーテープを薄手から厚手に変え、底に衝撃吸収ジェルも貼ることで、DHポジションの維持も、ブラケットポジションも、格段に楽になった。またISMサドルは180kmを最後まで一切のストレス無く座り続けることができた。

     

    <器材要件のまとめ>

    「限られた予算内で、KONAで戦う」ことを目指す場合のバランスが、これで見えてくるのではないだろうか。

    「横風を考慮したスリムな標準パーツ使用フレーム+パワーメーター」だ。他の最高価格帯フレームとの差額で、パワーメータを買ってお釣りが来るのがBayamoだ。

    なお変速は、直線が続くKONAでは手動変速でも問題ないだろう。ただし予選突破のためには電動変速のメリットは大きいだろう。

     

    <最後に>

    2013シーズンの年初の目標は、JTUエイジランキングのカテゴリ3連覇と、アイアンマン世界選手権出場だった。第一の目標は、最高ポイントが与えられる526日の天草大会での総合優勝が決定打となって達成できた。第二の目標は天草の2週後、自身初のハーフアイアンマンであった6月セントレア常滑予選で出場権を獲得し、達成できた。そして辿り着いたKONAのゴールラインの上で、ほんのしばらくの間、立ちつくし、この3年半の全ては、この瞬間のためにあったのだと確信した。

    子供の頃から運動が苦手だった私が、この競技の魅力にとりつかれて以来、思いもしなかった成績に恵まれてきた。正直それは、いつまで続くか、続けられるか、わからない。それが社会人にとってのトライアスロンというものだ。だからこそ、やれるときに全力でやりきりたい。だからこそ面白い「大人の遊び」なのだと思う。

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    2014年5月 9日 (金)

    CEP製品のレポート出したら、Google翻訳の精度に驚いた

    今朝は疲労が残ってて、リカバリー目的でトレイル走5km、ペースは4:20から4:00へ微妙にビルドアップさせTraining-Effect3.2に到達。日中に都内を計30kmちょいクロスバイクで往復。
    すると帰路、意味不明な強風が舞い始める。サングラスの隙間からホコリが入ったりもする。「ソフト竜巻」て感じ。不測の事態を避けるために歩道に移動するが、こんな時は歩行者やママチャリが予測も付かない挙動をしてくるので(傘に頭を沈めて周りも見ずに突進してきたりね)、中学の部活みたいに声を出し続けながら移動する。
     
    そんな時、派手な発色のCEP(http://www.cepsports.jp)のカーフスリーブが、少し心強い。
    後ろのクルマに、足の動きで明確なサインを発することができる。
    交通がヤヤコシイ都心とかでは、ハンドルから手を離すハンドサインは、しない方がいい場合が多い。僕はかわりに足動かしたり(シューズ固定してれば膝を開いたり)、ハンドルに手を置いたまま指だけ動かしたりしてる。だから脚は派手なほどいいんだ。
    (ここでCM入ります→)
    帰宅後「東京アメッシュ」のレーダーを見ると、東京を横断した爆弾低気圧をギリギリ避けることができていたようだ。なんと都心で8mmのひょうも降ったと。。ラッキーではあったけど、神経をすり減らしたよ。
    少し横になって、脚は心臓より高く上げた状態で、うたた寝して回復。明朝はレース域で暴走しよう。
     
    さて、そのCEPさんへのレポートを、公式Facebookに寄せとります。
    (公開ページだけど、Facebook会員でなくても見れてます?)
     
    そしたらその記事がオーストリアの(=ドイツの隣のカンガルーの居ない国です)CEP販売会社にもシェアされた。こんなコメントとともに:
     「Wir können zwar nicht übersetzen, aber die sleeves schauen gut aus…」
     
    そこでFacebook付属のBing翻訳をクリックすると:
    「我々 は翻訳しないでくださいしかし、袖はよく見るが.」
    …かれらのネット事業の現状がよくわかるという点だけにおいては素晴らしい回答が返ってきた。
     
    面倒だがGoogle翻訳へ:
    「While we can not translate, but the sleeves look good …」
    英訳はさすがに見事。もとのドイツ語がわからんとはいえ、文として全くスキがない
     
    ま日本語翻訳はダメだろ、とやってみたら:
    「我々は翻訳することはできませんが、一方で袖が似合う…」
    おお、この精度はなかなか。難点をいえば、sleeveは商品名的に使われてるからそのまま「スリーブ」と書けばいい、というくらいだ。むしろ、服だから「似合う」という文脈を読んだ訳語が見事。
     
    Bingの「look good=よく見る」て直訳は、ギャグとしても成立してるくらいのレベルなんだけど、そもそも日本語へのコンピュータ翻訳なんてそんなもんだろう。Googleさんの改善の速さは凄まじい。
    彼らは、「アルゴリズム」=文法変換ルールの改良という従来の方法ではなくて、「似た英文をネットから探して、その翻訳文もネットから探して、くっつける」という、検索技術を活かした手法をとっているらしい。発想がまったく違う。Googleさんは本当にすごい社員を集めてるんだと見せつけられる。
     
    言葉の壁が、急激に下がっている。特に欧州系言語は、英語への自動翻訳の精度が高いから、 「言語の統一」が達成されたようなものだ。とはいえ、下がっただけで無くなりはしない。そして、その状況を活かせる人たちが世界中でだーーーと前へ進んでゆく、そんな時代なんだろう。

    今日の一言: とりあえず歩行者さんも安全第一でお願いします。そして1日1票→ にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ 

    2014年4月26日 (土)

    「太く重たい脚で速く走る」ための僕の方法

    僕の脚は、太くて重い。フクラハギも重い。
    TANITAで四肢ごとの筋肉量を計測すると、体重61kg中、足は各11-2kgあると出る。この数値自体はテキトーなものだけど、比較的重い方ではないかな。比較データはないけど。 Img_2516c
    自転車には好都合な脚で、JCRCなど単体レースでも結果を出せてるわけだが、ランでは不利だろう。練習タイムもそう速くないと思う。(だからラン単体のレースには始めから出ない)
    しかしレースの種目別順位では、バイクもランもほぼ同じくらい。つまり、「トライアスロンのRun」という種目に限れば、向いている脚なんだろう。
     
    この事実は、僕が、とりわけトライアスリートの軽量化に否定的な理由の1つでもある。
     
    <特徴>
    筋肉量が多いとは、大規模なエネルギー生産工場  を所有してるということ。同じパワーを出すのに、より低い稼働率で済むわけだ。
    また、競輪選手とかと全く違うのは、「遅筋」の占める割合が、おそらく限りなく高いこと。だから力を入れてもゆっくりにしか動かず、酷使されることがない、というか、できない。
     
    <バイクでの活用法>
    それらの結果、バイクでは、「高めトルク×低ケイデンス」の動作が、自然に実現される。
    大容量の遅筋なので、ゆっくり動かすことで最も無理なく発生パワーを高めることができるのだろう。遅筋が多いとケイデンスが低めになる傾向は指摘されているし(柿木, 2012)。
    結果としてエネルギー消費が抑えられるのではないかな。
    回転数を上げるということは、それだけ、脚を移動させる動作自体に位置エネルギーを要するわけだ。脚が重いほど、下に落とす場面ではプラスに働くのだけれど、トータルでのエネルギー消費は増えると思う。これは、僕が回転数を変えて走った上での実感だ。しかし世の教科書ではこの点が指摘されていない気がする。僕にとっては不思議な話だ。
     
    <ランでの活用法>
    軽量ランナーによくある腱を活かしたとぶような走りは、ありえない。
    かわりに、重量を活かした大きめの振り子運動をさせている。
    僕はお腹も太いので大きな動きに耐えやすいのと、腕振りも多用することで振り子運動をサポートしている。
    「振り子走法では腹斜筋を酷使するのでは?」という質問を頂いたが、おそらくそれは「1軸クロス型」の走りでの現象だろう。僕は「2軸パラレル型」が主体だから関連が薄いのだろう。
    <製造方法>
    大容量なこの脚は、バイクは高強度・距離短め(毎回50km以内)で、ランではパワーを要するトレイル中心(毎回10km以内)、で、製造・加工しております。
    筋トレは一切しない。
     
    <原材料>
    トレーニング直後に、最低でも牛乳/豆乳1杯分相当以上のエネルギー補給をするルールは、かなり徹底させている。主食として米をしっかり食べることを重視し、夜は肉魚をしっかり食べる。しっかり食べ過ぎているかもしれない。
    米はタンパク質など栄養成分の割合が高いし、おそらく日本人の体質にも合っている。僕にとって活用しない理由がない。
    プロテイン/BCAAの類は一切使わない。自然の栄養で十分。
     
    <結論>
    こうして生まれ持った体型を、科学的知識と照らし合わせて、自分なりの最適解を探っているわけだ。
    そんな大きなエネルギー生産工場を、安全に、かつ美しく、包み込むための新たな道具がこちらCEPのコンプレッション製品というわけだ→
     
    今日の一言: 生まれ持った体型を活かす
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    2014年4月25日 (金)

    初スポンサー! 「CEP」コンプレッション製品提供いただきました〜

    ドイツ製高級スポーツソックス/コンプレッション「CEP」より1年間製品供給を戴きます。ハッタリ選手の初スポンサーさんであります。

    僕の脚はお肉がタプタプしとりまして、運動中に無駄なブレが発生している可能性が疑われる。スイム中に攣ることも多いのもそのせいかもしれない。だから、ブレを抑えるコンプレッション効果が有効かもしれないと思っている。

    早速、都内のクロスバイク移動時に使ってみた。都心移動では強度は出せないので、外見的な効果だけ速報しておこう。

    有名メーカーに多い「ツルツルのナイロン」系ではなくて、糸を編み上げている。ゆえに付け心地は自然。やや小さめなサイズ選択だけど、意外とゆったりした第一印象だ。生地が厚いので、ギューギューではなく、「ゆるやかに力強く包む」といった感触。途中4時間くらい動いて無い間も、普通のソックス感覚で付け続けてた。

    写真のオレンジは鮮烈に鮮やかで、遠くから発見してもらえるメリットがありそうだ。

    都心の移動にも、バイク公道走行での本気トレーニングでも、クルマに対する視認性が高いはず。フクラハギは最もパカパカ動く箇所、目立つ色ほどドライバーの注意をひくだろう。

    もちろん夜の移動はLEDをバチバチとフラッシュさせてるけど、昼間は意外と埋もれる事が多いと思う。毎回、派手な服を着るわけにもいかないし。

    安全にトレーニングできるのは、全てに優先する。

    ということは、レースでも同様。知人に見逃されることって、特にバイクでけっこーある。またレースウェアのデザインはみな似てるので、動きの大きな箇所でインパクトを出せるのは、デザイン的差別化の大きな要素になりそうだ。

    本気トレーニングでの詳しいレポートは、おいおい。そこはハッタリ君ブランドで発信する情報、スポンサーといえども容赦せず。

    こちらで買えます→

     

    今日の一言: 安全第一、第二も安全。目立つのもわりと大事。

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    2013年11月26日 (火)

    KONA'13日本人最強Bike, NeilPryde"BAYAMO"感想文を寄稿したよー

    トライアスロンHawaii世界選手権でのハッタリ選手使用バイク、ニールプライドBAYAMOの感想文をTRISPORTSサイトに寄稿した。ニュース欄をご覧あれ。

    http://www.trisports.jp/

    前書いた、基本的かつ現実的な器材要件、とは一言で、乗りこなせるということ。なぜなら、出力は無論、空力面においても圧倒的に重要なのは、ブレーキでもステムでも収納でもなく、自分自身の身体だから。

    横風を考慮したスリムさが重要なのもそう。横風でエアロポジションを維持できるなら何の問題もない。

    乗りこなすためには、「自分で分解、組み立て可能」な汎用性は無視できない。だから標準パーツで構成されていることが望ましく、必然的に、メンテナンスを含むトータルコストは下がる。

    逆に高価なものほど、より特殊な部品をより特殊に加工してるわけだ。買ったあとにお金がかかるのは当然として、お金で解決できないリスク要因ともなりうる。特に遠征先で。

    器材にお金をかけるなら、まずは電動変速、そしてパワーメーターだと思う。

    パワーメーターの最大の価値はレース中、長距離単独走でのペース配分のためだ。だから60分で終わるショートレースでは重要度が下がる。練習中の体感を身体に覚えさせやすいし、平均速度を参考にできるコースが多いから。でもロングでそれは難しい。

    集団走行のロードレースなら、僕ならどちらも要らない。パワー数値なんて無くたって最高のトレーニングをしてみせるからね。逆にいえば、トライアスロンは何かとお金がかかりがちな競技だ。。

    トッププロはそれら全てを極限まで追求した上で、最後の一押しを、特殊な器材に託す。しかも万全のサポート体制に囲まれた上で。

    とはいえ、所有欲を刺激され夢を見れるのは、良いことだよね。世界経済にとってもね。

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    僕が願うのはただ1つ、クールに速くなることさ! 一緒にね!

    2013年11月24日 (日)

    KONAでの圧倒的な"速さ"=ニールプライド「バイヤモ」

    KONA'13のバイクパート、日本人1位と3位を占めたのが、NeilPrydeのTTバイク "BAYAMO"

    KONAは、メーカーにとって年に1度の成績発表のような場でもあり、2000台以上のバイクは、主要パーツごとにメーカー名が確認、集計され、報道される。バイクのフレームは寡占的状況で、TimeやDerosaですら1-2台だ。みんな同じのに乗りがるんだなあ。http://lavamagazine.com/official-2013-kona-bike-count/

    NeilPrydeは全体のわずか2台。それで1位と3位。打率10割。

    あなたは、みんなが「使ってるだけ」のと、レアで速いの、どっちがいいかな?

    なんて言いませんけども、、「あの人気フレーム」とかは、普通の日本人トライアスリートに、本当に向いているのだろうか?

    僕のようなバイクが弱い日本人(バイク開始300位でゴールほぼ500位ですよ。弱いよねー!)がまず念頭に置くべきは、自転車ロードTTの世界トップ選手は、平坦区間を時速55km以上で巡航していること。横風でも、それだけ速ければ風はより前方向から受ける。その環境に最適化して設計されるから、ああなるんだろう。

    とはいえトライアスロン専門モデルでは時速40kmに最適化してるだろう。そこで次に考えるべきは、強い横風を受けても姿勢保持できるだけのと技術と筋力。動画はオランダの練習風景。50秒あたり、この狭い川が波打ち、自転車が木の葉のようにヒラヒラ舞う横風の中を走っている。オランダ人すげー

    そんな自信が無く、風のあるレースを走るのなら、横面積は小さいほうがいいのではないかな。横風を考慮した設計は当然、パイプは細くていいし、エアロ形状の収納ストレージも無い方が安心。

    僕がKONAでボトルや収納をフレームに付けなかったのも、横面積を減らすためだ。横から見れば、DHバー間のボトルは腕で隠れ、サドル後ろの2本は1本分の面積で済む。

    そして僕は、横風区間をガイジンさんと対等に戦うことができた。痙攣してない間は。

    もっと言えば、僕程度のバイク力なら、今のTTバイクの流行の多くは、無視しとけばいいかもしれない。もっと大事な器材要件は、幾つかあるから。基本的かつ現実的なものが。

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    『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

    • 初著作 2017年9月発売

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