カテゴリー「『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』_」の15件の記事

2018年1月28日 (日)

八田発表「市民トライアスリートの社会学」プレゼン資料公開 〜第7回JTUトライアスロン・パラトライアスロン研究会

2018年1月28日(日)、公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU) 主催、第7回JTUトライアスロン・パラトライアスロン研究会にて、「市民トライアスリートの社会学 :大人たちを競技へ向かわせる4つの力」発表しました。

プレゼン資料を公開します。PDF全28ページ、下記ご参照。

発表時間は12分間。ストーリーラインは明確に保ちつつ、その中で盛り込めるギリギリいっぱいを詰め込んでみた。1分でスライド2枚以上のハイピッチ。

冒頭、会場の数十名に聞いてみると、『覚醒〜』お読みの方はざっくり半分くらい。狭くて濃いトライアスロン界だ。お読みの方には要点の強調として、あるいは読み方のガイドとして。お読みでない方には、本のある一面には限られるけど、伝えたかったメッセージの一部を伝えることはできたかな。

質問では、「伸び悩んでるベテランは、どうすればいいのでしょう?」 という動機についてのお悩み質問が。1つの考え方として、最後のページの4方向のうち、上以外の残り3方向に楽しみを見いだすことは考えられるかな、とお答えしておいた。

ただ考えてみると、やはり速くなりたいのが競技というもの。

“トライアスロンのトレーニングとは、こうした身体を舞台とした観察、分析、想像の連続にほかならない。己の身体との絶えざる対話であり、その意味での知的作業だ。" (p123−124)

そんな哲学的過程を楽しみながら、自分の身体の未知の領域を探検してみることが、一番の楽しみ方で、それはどんなベテランでも変わらないこかな、と思う。

終了後、読者の1人から、「このプレゼンで、難しかった部分がよくわかりました」との感想をいただく。もともと公開のアイデアはあったのだけど、それを聞いて、早速こうして資料公開することにしたのでした。

(他の発表については改めて書くかも)

 

・・・<おしらせ>・・・

アマゾン絶賛欠品中の『 覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』サイン入り、今月限り、送料込み2,000円にてタイムセール中です。クレジットカード決済のSPIKE社が2月から値上げされるため、2/1以降は2,200円へ価格変更予定。1/31夕方まで限定で200円オトクです。

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2018年1月10日 (水)

『覚醒せよ〜』初の有料トークショー@幸田駅前書店、開催しました

2018/1/7(日), 900円という参加料を頂いての著者トークショーを、愛知県JR幸田駅前にて開催。

会場の幸田駅前書店は、人口4万人の田舎町に突如出現したトンがったインディーズ書店として地元大手メディア取材幾つか、個性派出版社のミシマ社のウェブ 「ミシマガジン」 にも登場している(2016.05.22)。そして実家の最寄り駅すぐ前という地の利。

同書店さんは、2016夏に『渥美半島の風』創刊号を売っていただいた縁から、今回『覚醒せよ〜』も置いてくれた。帰省直前、12/28木にアイデアおもいつき、メッセージ、12/30の帰省途中に立ち寄って、飛び込みな打ち合わせ。

「こんにちは、メッセージした件」 (両手に大バッグの筆者)

「え〜、すぐ正月休みですし、人集まりますかね・・・」 (不安げな店主)

「まゼロなら二人でビールでも飲みながらお喋りでもしましょうよ」 (ビア樽サーバーが店内にあります)

「それくらいでよければ、やってみますか」

「地元メディア告知もお願いしていいすか」 (あつかましい筆者)

「え〜、きますかね・・・」 (ふたたび不安げな店主)

といったポジティブな議論を経て、告知したらちょうど定員分集まる。小さなお店で、大家族の食卓のような木製テーブル(上に本棚)を10名で囲めばいっぱいになる店内。ちょうどよかった。地域超大手メディアさんも成人式の取材直後に駆けつけていただいた。

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少人数の高密度空間に甘え、構成は練らずに、参加者一人一人の関心を伺い、流れで話を進めてゆく。多彩な参加者は、小中同級生の親戚なのが会場で判明した2名、ビジネスコーチングの師匠が共通な方、中1トライアスリート親子、運動しない人、、などなどライブ×近距離で話し、質問や意見も随時はさんみながら、僕の考えも整理され、深まってゆく。

テーマは、

  • 市民スポーツ流行の、社会学な説明
  • 社会的成功の正体
  • 35過ぎの大人のための、スポーツ・パフォーマンス向上法
  • 高い目標を、的確に実現してゆく手法
  • ランニングとトライアスロンの差
  • エリート&プロ選手が、世界トップレベルで戦うための条件、競技強化のありかた
  • 学校の部活スポーツ
  • 愛知、とくに三河の教育体制と産業発展の関係

といった社会的なのから、

  • 八田がトライアスロンをはじめたきっかけ
  • 出版ビジネスとしての戦略(財務・R&D=執筆、マーケティグ・販売)

と個人的な事情まで、次々と拡がってゆく。

これらは僕の個人的体験ではあるのだけど、同時に、現代社会の縮図でもある。そのつながりを説明する学問が、社会学。そしてその時の僕が感じたままの「熱さ」を、学問的客観性を以て説明する手法が、エスノグラフィー。

さらに個別取材では、

  • 愛知でトライアスロンが盛んな理由
  • 愛知の県民性
  • 昨今のメディアの内容面の傾向と、エスノグラフィーという手法について
  • 哲学の現代的意味

などなど議論が進んで、終わった時には4時間近く経ってた。長!

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参加者さんの感想では

  • 目標を追い過ぎて焦燥感に浸ってしまうよりも、その時その時の自分の身体と向き合い会話する感覚がいい
  • 「決めたことをやり切る」のではなく、体と向き合い会話すれば、けがも防止できて効率よくトレーニングできる
  • 村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』と重なる、いつも感じてきた何気ない感覚を文章でうまく表現してくれていて、読んでいてシンクロしてくる

ホストの書店さんは

  • こういう機会が地域一体となって町の小さい本屋から盛り上げていくことが、何か、わたしのお役目の様に、最近感じております
  • ほんのささいなことが、ある人にとっては、とても意味のある偶然性が潜んでいることを、ある確信を持って、僕は、事に取り組んでいきたいと思います

と殊勝な感想を。「意味のある偶然性」を実現させるのは、このような地域のリアルな場ならではの役割だ。

総じて、有料の初回、とハードルを上げたわりに、なかなかに良い場になったかなと思う。こーゆーのは一期一会、参加者さんとの相互作用でライブに生まれる一回限りなもの。

 

『覚醒せよ〜』の1つのテーマとは

大人が真剣にスポーツすれば、いろいろ課題に突き当たる。

それらを正面から力で押す正攻法(だけ)でなく、発想を転換しながら克服してゆく成長物語

であり、また、

正解のない複雑な世界にあって、(単純化によってその複雑さから逃げるのではなく)、あるがままの温度感を損なわずに、理論性・客観性をもって伝えるという表現的チャレンジ

でもある。

それらを身体感を伴い伝えられるライブイベントはやってて楽しい。

執筆とはバーチャルな情報処理作業。こんなライブとの組み合わせて、はじめて完結するな。またやってみたい。次はきちんと構成して。

 

・・・ 流通状況 ・・・

届いた相手には好評なんだけど、昨今の書籍業界の縮小のあおりで流通が詰まっている『覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』 、Amazonとかはもう忘れよう。(て言っても買われる方おおいので、マーケットプレイスに出品しるけど、あれ手数料を600円くらい抜かれるのです) 

潤沢に在庫あるのは

くらい。  

アマゾンからは、「ほしいものリストに追加する」への登録をお願いいたします〜〜効果不明だけどAIちゃんをツンツンできるかもなので〜〜

2018年1月 8日 (月)

『覚醒せよ〜』グローバル展開? 英語ブログ "An Ethnography of Triathletes" 作りました

“After three months onward, your job-grade and pay will be rated at the lowest. However, if you can show us satisfactory performance by that time, then we will rethink about it.”
 
As a matter of fact, I received a suspended lay-off.
 
 
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発売から100日、日本で好評続く『覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』、英語でもちょっと紹介してみようと、英語ブログ作りました。
関心ありそうな英語圏のお知り合いいましたら、ぜひ告知くださいませ。
 
・・・
 
ちなみにFacebookには「オーディエンスインサイト」という広告出稿用のデータ提供機能で、月間アクティブユーザ数を教えてくれる → https://www.facebook.com/ads/audience-insights
 
Facebook単体ではなく、Instagramなど小会社や提携先含めた数字のようで、幾らか重複はある気はするけど、条件を変えた比較には使える。2017年末での数字は、
総ユーザ数: 
  • 総世界10億+
  • アメリカ1.5〜2億
  • 日本2000〜2500万
  • 台湾1500−2000万
  • 韓国1000−1500万
「トライアスロン」に関心あるユーザ
  • アメリカ100−150万人(うち男47%)
  • UK35-40万人
  • フランス30−35万
  • ドイツ25−30万
  • 台湾10−15万(男62%)
  • 日本9−10万人(男80%)
  • 韓国1−1.5万人
日本国内の他競技
  • 自動車レース: 60−70万
  • マラソン: 45−50万(アメリカは500−600万)
  • 水泳: 30−35万
  • 自転車競技:7−8万
総Fbユーザに占めるトライアスロンの割合は、世界的には1%のところが多いが、日本は0.4%と低い。またFb登録率(=ネット習熟度をある程度表す?)の差もあって、人口2300万の台湾の方が日本より多いという結果になっている。
 
他競技との比較では、トライアスロンと自転車競技がほぼ近い。
最近お話したプロ自転車選手によれば、
 
「肌感覚として日本の自転車ロードレース人口はざっくり2-3万人」
 
とのこと、これをあてはめれば、Facebookオーディエンス数は2-3倍の数字が出てくると仮定できる。また僕の超ざっくりな感覚としても、トライアスロンの(まじめな)競技人口は3万人くらい、そして自転車ロード系と大差ないという気がしている。
 
以上総合して見てくるのは、日本の、そして世界のトライアスロンの規模感。
隣接領域にも出かけてみたいなあ。
 

2017年12月28日 (木)

【メジャー媒体ふたたび掲載】 "週刊読書人 2017年回顧 社会学" 日大教授に書評いただきました

週刊読書人(しゅうかんどくしょじん)、といって、ほうほう、と頷く方はちょっと前までの僕も含めてあんまり僕のブログに居ないと思うのだけど、https://ja.wikipedia.org/wiki/週刊読書人 によれば創刊1948年の老舗書評誌、「インテリの読む書評紙として独自の地位を築いている」のだそうです。公称発行部数は10万なのか3万なのかどっちだwまあウェブ無料公開に移行すれば減るのは当然で、ツイッター@Dokushojin_Club はフォロワー4万超、影響力の大きさはまさにメジャー級だ。

その年末恒例「2017年回顧総評」シリーズの社会学部門 で、日大の好井裕明教授に

「トライアスロンがもつ固有の社会性と文化性を自らの身体で解き明かす社会学的物語だ。」

と紹介いただきました。

中央公論2017年12月号書評 に続くメジャー媒体進出。

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といって、紹介部はこの1行だけなのだけど、他の名著たちと扱いも同じ。

9月末発行でAmazon品切れが続くような本が、社会学、という巨大カテゴリーでの年間まとめの21冊の1つに滑り込めたのは、われながら、すごい。

好井先生の書評は、淡々と一冊一行で紹介し続けるシンプルなものだけど、この本は何であるか、という語彙力と認定力が凄い。引用すると、

著者の思いもあふれ出る見事な絵巻物的社会誌

語りから論じるオーソドックスな社会学研究書

広汎な視野をもつ論集

「分厚い」エスノグラフィーの秀作

一人称の社会学

手紙

・・・以下省略。これらの中で、社会学的物語、とはなるほど的確だなあと感心した。

毎年恒例のシリーズで、2016年 では共著者であり指導教官の田中研之輔教授『『都市に刻む軌跡』が

「当事者の人生や社会階層まで切り込んだスケートボーダーのエスノグラフィー。都市下位文化をめぐる秀逸なモノグラフだ。」

と紹介されている。2年連続。

そして出たばかりの『ルポ 不法移民』(岩波新書)

は来年まとめの有力候補になるだろう。

師に恵まれ、今の僕にできる最高のチームで送り出せたのが、『覚醒せよ、わが身体―トライアスリートのエスノグラフィー』(ハーベスト社)です。


こちら ↑ 楽天ショップはアマゾンと違って在庫あった(12/28時点)←翌朝みたらご注文いただけない商品になってしまい再入荷のお知らせメール登録。。

2017年12月23日 (土)

天皇誕生日48h限定セール!『 覚醒せよ、わが身体。』サイン入り2,000円(込)

キリスト教徒の方はX'masセール!を兼ねますね🎄アマゾン絶賛欠品中の『 覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』サイン入り、12/25(月)昼頃まで送料込み2,000円にてタイムセール中です。

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写真は代官山の蔦屋書店。
スポーツ書ランニングコーナーが『覚醒』済み。
先日訪問した際の店員さんとの会話:

8 「ども著者です」
つ 「あー担当がヨソ行ってましてー。売れてますか?」
8 「はい、でもアマゾンが欠品補充してくれなくて、リアル書店が頼りなんですー。かれらもう紙の本は興味ないすねー」
つ 「そーなんですよ、自らそう発表されてますし」
8 「でもみなさん変わらずそこで買いたがりますよね・・・」

そうなんです、アマゾンさんは総合小売業であって(紙の)書籍販売事業にはもう意欲ありません。「ロングテール理論」なんて大昔の話です。お求めの方はそれ以外をあたってくださいね。丸善&ジュンク堂、紀伊国屋、ツタヤに在庫あります。
なお、上記SPIKEショップは来月いっぱいで一旦休止予定、今のうちに!

2017年11月10日 (金)

初の書評掲載は超メジャー 『中央公論』 !@@!

「読んでいるだけで興奮必至だ。」

(『中央公論』12月号より)

と書く僕の方が興奮する、声に出して読みたい日本語。

とかいって、原稿執筆段階から心拍数を上げながら書いてきた本だから、読み手にもその興奮の一部が伝播したとしても、まあおかしくもないんだけど、興奮するのは、載った先だ。

読売新聞の論壇誌『中央公論』12月号書評掲載。

クチコミ急拡大し発刊3週で重版出来、トライアスリートのあいだではバカウケ中の『 覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー 』、そろそろ書評にと思ってたら、いきなり来たのが超メジャー誌だとはね。
 
5年にわたるこの出版プロジェクトの大きな目標は、その内容を、アスリートを越えて、日本のインテリ層に届けることにある。つまり、空から降ってきた幸運てわけでもなくて、狙ったシナリオに沿ってはいる。
ただそれが、読売系メジャー論壇誌の隅っこに滑り込めたのは、シナリオの最上級なものがいきなり実現した形でもある。
あくまでも最終目標は、届くこと。これをきっかけに、より広く、そうなるといいな。わーいわーい。
 
日本全国たいていの書店にあるだろうから、中身は、お手にとって確認いただこう。そっとp197を開いて、そっと書棚に返しておけば許されるだろう。そのままレジにお運びいただいても構わない。
 
「ブッククリップ」という1ページ4冊紹介する短いコーナーだけど、その紹介文は簡潔にして的確。それ以上を知りたいのなら、実物を読んでいただくのがいい。
 
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同時に紹介されてるのは、大きく扱われる方で香港警察の2013-1967年を舞台にした中国の翻訳小説『13・67』、超ベストセラーの『ハーバード日本史教室』、5千円近いマニアな『数学はなぜ哲学の問題になるのか』、小さい方で、やはりベストセラーの 『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』池谷裕二、あと哲学者による風景論など。
 
 
メジャーな中に、マニアックで新しいのが混ざってる構成。「清宮幸太郎選手のドラ1抽選で盛り上げるなかでこっそり育成選手枠で」的にのっかった『覚醒〜』です。まあ待遇とかは違っても笑、グラウンドに上がって、ゲームが始まれば、平等なんで。育ってみるとしよう!
 
著者であり、出版社営業部であり、ネット書店業であり=「出版トライアスロン」を競う僕です。これまでネット依存な販売をしてきたこともあり、来週から書店営業に本格着手しよう。といって、自転車とスニーカーで都心部を走りながら手製ポップを手にダイビングを繰り返すだけなんだけど! (手製POPほしい書店さんいたらお届けします)
 
覚醒せよ、日本の知識人よ。
 

2017年11月 1日 (水)

21世紀の教養としての「身体論」 〜無限な社会と有限な身体

<本の読み方>
二刷も好調な 『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』クチコミ経由と思われる動きが根強いようで、また読み終えても中古本で売りに出す方がほとんどいないのは嬉しい限り。いろんな読み方ができる本だけど、トレーニング本として読むなら、途中に挟まれてる社会学とか哲学とかささっと読み飛ばしてしまおう。
 
まじめな方は、本はあたまから一字一句すべて理解しようとしがち。高校までの国語教育ではそんな読み方が指導される。文学作品など過程を楽しむならそれでもいい。
ただ現実の世界は忙しいので、何かの目的のために、知り、考えるのが目的なら、それでは効率が悪い。パラパラめくりながら、目に飛び込んできたとこだけ読むくらいがちょうどいい。この本でも、後から気になった時に読み返すくらいでいいかな、という箇所は幾つかある。
 
てわけで第一の結論: 気軽に読むなら、まず2章からパラめくりをしてくださいな。
 
・・・
さて、ここから書くのは、そのややこしい社会学とか哲学とかの話だ。
2017年の秋、『覚醒〜』が世に出て、朝日新聞の一面広告にも載る(10/27-28)一方で、
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世間ではトラブルメーク国家やら衆議院選挙やらで騒がしい。ややこしい状況を読み解くにはスマホとかで無料で読める軽い文では限界あって、月刊誌くらいの重さとタイミングの考察はちょうどいい。てわけで読売新聞 『中央公論』11月号 など読んでみた。 安倍首相の権力の強さを理解するのに、竹中治堅(はるたか)先生の論考は一貫されている。とかいって当ブログで政治とかどーでもよくて、、
注目するのはサブ特集「21世紀の勉強論 なぜいま教養ブームなのか?」での対談、「レスラー哲学者と注目の認知科学者が教える 身体から考える本物の「学び方」 入不二基義×今井むつみ」。
 
 
<大人スポーツは、なぜ流行る?
昨今ランニングなど大人スポーツの流行は、世の中のIT化の反動か?と編集部が問う。
認知科学者、今井むつみ氏は、周りの仲間との関係や、自分自身の達成感が動機で、社会の変化とは関係ないとの立場。これは僕の『覚醒〜』の1章前半の考えに近い。
レスラー哲学者、入不二基義氏は、共に不老不死への願望だとみる。さすが哲学教授ユニークだ。不死=完全性の追求、と翻訳すると、なるほどと思う。そのうえで、IT化する社会での「情報過多」に対して、「身体性」がブレーキをかける役割を果たしているとの意見。
 
このあたり、僕の『覚醒〜』では、無限か有限か、という枠組みで説明している。
 
ITに代表される現代社会とは、機能性、合理性を無限に追求してゆく世界だ。これを「無限性の世界」と呼ぼう。
たとえば、年収1500万のエリート会社員を目指して、実現したとする。その達成の瞬間は、そりゃまあ嬉しいだろう。ただ慣れてくると、その上には数千万とかのスター役員がいて、満たされない自分てものに気づいてしまう。さらにがんばって、達成したとしても、その上には成功した起業家がいて、その世界に入ったとしてさらに上がいて、、、とキリがない。「インスタ映え」の果ての「偽装キラキラ女子」とかSNS上の「承認」を巡る努力過剰もそう。
欲望が暴走し、無限ループする。それが「後期近代」といわれる現代社会の、1つの側面だ。
 
一方で、スポーツに代表される身体の世界とは、本質的に有限なもの。ボルト選手でも100m9秒4では走れなかったし、数年のピークを過ぎれば引退する。速さを目指す欲望が暴走しかけるAddictへの誘惑はあっても、根本的に自分の身体という有限性の枠内でしかできないものだ。だからこそ、「自分自身を世の中につなぎとめるなにか」となりうる。
それが、1章の後半に書いた話だ。
 
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(僕の講義資料より)
 
逆に、自分の身体という有限性の枠内であれば、そして競技ルールの枠内であれば、いくらでも暴走できる。それが社会の閉塞性に対する反動であり、それによって自分てもののバランスを保つ機能。冒頭の中央公論編集部の問いは、この面ではその通りだ。
 
「合理性」が無限に追求される社会で、学びとは、「それ知ってなんの役に立つのか?」とばかりを考えがちで、それはそれで大事なことだけど、それだけでは、おもしろくない。だからスポーツで暴走したい。この点も入不二先生に同意。僕が『覚醒〜』冒頭で、一問一答のような発想をここではやめようね、と書いたのも、その考えによる。
 
今日の結論その2: 大人が真剣に取り組むスポーツとは、「承認」の対象を「自分の身体」という有限なものへと設定することで、「無限性」が高く流動的も高まってゆく世の中に対して、自分をつなぎとめ、流されない作用を果たしている。(八田仮説)
 
 
身体論>
正しいかどうかは、まずは問題ではない。「身体論は21世紀の教養」ということを、まずは考えてみることに意味がある。社会の暴力的なまでの無限な進化は、還り着くよりどころとしての身体の重要性を高めてゆくのは間違いないと思うから。
『覚醒〜』も、そこへのとっかかりとして位置づけてもらえると嬉しい。
 
ちなみに、身体論=しんたいろん、と読みます。本も、かくせいせよわがしんたい、が本来の発音です。
 
(←共著者田中先生の)

2017年10月14日 (土)

2週で増刷\@@/サイン本「 2 2 6 価 格 」10/22(日)まで!

9/14(木)に印刷所から本が届き、その日から先行直送を開始。Amazonは9/19(火)取扱開始、当初は9/23から到着予告していたけど、実際にはゼロ在庫でのカラ受注で、入庫&発送開始は9/30(土)。一般書店ではその数日前から届いたようで、紀伊國屋新宿での平積み開始は9/29頃のようだ。

てわけで、公式刊行日9/30は実質その通りといっていいだろう。その12日後に増刷決定、このスピードはまさに「 ほ ぼ 最 速 」。第二刷は10/15付。実際の出荷は、台風が過ぎた週明けになる見込みです。
・・・
 
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・・・
今年のハワイ・アイアンマン世界選手権226kmの開催日 (日本時間、現地では14日)。
4年前のこの日のゴールラインが、僕の執筆へのスタートライン。
当時Facebook投稿に書いたのは 
 
ゴールは少し高くに特設され、観客席も作られて、ステージに立っている気分。
映像でみた印象よりも、ずっと狭い場所に詰め込んでいると感じた。その分、密集感も凄い。
 
なんてだけの二行だ。
ブログでは、当時の僕なりにがんばって書き始めて、当ブログ読者数が急増するきっかけになった。
 
 
4年かけて、p226-227の記述、続く最終節へと、膨らみ、深まった。読み比べると、情報としてはほぼ同じようで、まったく違うものへと進化していることがわかると思う。(と評価いただいてます)
 
この本は、市民トライアスロンの世界を論理と感覚で表現したものだけど、ストーリー的な核は僕の2013KONAレース、そのクライマックスはP226の見開き。アイアンマン226kmとの一致は偶然。最終ゲラになって、出版社さん判断で画像サイズ調整など行われた結果そうなった。僕がリクエストしたわけではなくて。なんて偶然だ。
 
だから重版記念価格は 2 2 6 !
0いれてサイン入り本、送料込2,026円。10/22(日)までの期間限定です。下記Googleフォームからお申込みください。クレジットカード決済ならSPIKE社のリンクへ。
 
 https://goo.gl/gX1u4F
 
差額は82円。直送サインはけっこー好評なんですね。しかも今なら国内残り100部ちょっとしかない希少な初刷が入手できます!笑
追記:終了後、2,100円としてます。
 
ちなににAmazon扱い開始9/19以降、在庫があったのはおそらく12日間だけだ。初刷在庫は既に完売した模様で、次回入庫は重版出来&配送後の、まあ最速でも10/26以降かな。ざっくり40日間として、AMAZON欠品率は7割ツカエネー...
 
そのツカエネーAmazonですが、レビューは6個に増えて全部5点。でも数字は数字でしかなくて、いただいた言葉、その裏側にあるであろういろいろなものの1つ1つが、嬉しいです。レビュー頂いた方ありがとうございます。

2017年10月10日 (火)

レビュー回答 「僕の幼少期からの3種目スキルレベル」

 
こうも書いていただくと、いえいえいえっ、てなるんですが、とはいえまあ僕は、既存トレーニング理論を超えた自分だけの哲学 〜正解のない世界で、より自分に合ったものに近づくための指針〜 を探ってきたのも確かだ。その動機の一端は、本ではp84, p92あたりに書いた通りだ。そして最終部にも。
 
ただそれらは僕の特殊事例でもなくて、大人になってスポーツを真剣に始めた人達にならば、なにかしら共通する要素だとも思う。だから、セルフ・エスノグラフィーとして本に書いている。
 
一方で、僕なりのスタートラインがあってのことでもある。上記レビューでの質問「幼少期からの3種目スキルレベル」にお答えしておこう。
 
<Swim>
「夏だけ泳ぐ田舎の水泳部に所属し 〜 県大会にも遠く及ばない」(p69) 程度だったけど、アマチュアトライアスロンではこの程度でも武器になった。
 
はじまりはたしか小3-4くらい、家から500mの近さにスイミングスクールができて、通い始めたこと。6年になって町大会で50m平泳ぎ2位に。人口3万に満たない幸田町でのこと、タイムは50秒くらいだと思う。でもずーと運動苦手な僕には十分に嬉しかった。100万人くらいいる世田谷区とかならそうはいかない。
 
僕が唯一マトモにできる運動、というわけで、中学では水泳部に。運動部にあらざれば幸中生にあらず、的な暗黙のカルチャーの中だ。顧問は泳げず、競泳インターハイ経験の先生はバレー部の顧問をしていた。
泳げない顧問は、1時間あたり3,000mの練習量ノルマだけを課して居眠り、でサボると殴る蹴る笑。ノルマに男女も種目も関係ない。そこで僕は最も楽にこなせるクロールに転向した。楽といっても、6月とか日没が遅いと平日でも朝練50分込みで3時間近い練習時間があり、毎日8,000mとか泳ぎ続けることになる。この経験がトライアスロンで活きることになる。ド素人スパルタ顧問のおかげだ笑
 
高校でも2年の夏まで水泳部にいたのだが、中学時代の量に依存した練習習慣は抜けず、かなり遅くなった。この頃のタイムは記憶から抜けている。
 
<Bike>
本に書いた通り、10年前、片道10kmの自転車通勤から今に至るのだけど、おおもとは高校時代に遡る。やはり片道10km、30分かけて自転車通学してた。ブリジストンの通学用スポーツ車的な6段変速。
途中信号で1-2分止まるとして(田舎なので)、平均時速20kmちょい、今からすればとても遅い。今なら同じ自転車でよっぽど速く走れるはずだ。当時は完全に脚だけでペダルを踏もうとしてた気がする。
 
<Run>
100m走の生涯ベストは四捨五入して15秒、高校2年の秋に陸上部に転部し、3年のインターハイ予選の予選の予選の地区大会で5000m17分30秒くらい。体育の1500m走では4分50秒台。(p87-88)
この程度には走れた、という過去はある。たぶんそれは、中学の水泳部で、泳げない秋から春までひたすら走っていたから。土日は標高450m、片道5kmのトボネ山まで往復。この経験も後に活きた。
 
岡崎高校の陸上部は、ハイジャンプ高校大学王者の内田年一先生が熱心に指導されていて、長距離走も駅伝で愛知県Top10入りを狙うレベルだったような記憶がある。そこで8−9ヶ月かちゃんと練習して、それで17分30秒というのは、陸上競技の世界の中でいえば、まったく遅い方ではある。ただ、練習の仕方、考え方の基礎を身につけることができたのは、大きかった気がする。あ、この話は書き忘れたな。
 
それでも、17分30秒というスタートラインが十分に高い、と思われる方もいるだろう。ただ、1ついえるのは、40前後のトライアスロンで競っていたのは、14分台レベルの人達だということだ。
 
<覚醒>
それぞれ、一通りやってはいたわけだが、当時のレベルに近づけることでナントカなってるのは、スイムだけだ。当時から中途半端なレベルのスイム。
37歳になって始めてからの結果は、同世代でトップレベルの運動能力を持つ、10代の頃には想像もつかなかったような相手に対してのもの。そこからの大きな成長なくしては、ありえない。
 
なぜできたのか? この本には、そのために何を考えてきたのか、これまでブログには書いていない完成度で、書いてます。
 
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9/29法政セッションより。「スイミングスクールできたで行きん」とすすめてくれたひとたち!
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2017年10月 8日 (日)

書評へのコメント: ルミオカン※第二章限定w "書評評"

↑ とルミオカンブログで紹介いただいた。第二章限定で。紹介箇所の選び方、さすが読みが的確ですわ。

少々、解説しとこう。(斜体部が同ブログからの引用)

驚いたのが、ずっと一人で練習しているイメージだった八田さんも実は集団に属していた期間があり、その期間こそが八田さんをのめり込ませる動機となったこと。

これ全くその通りで、当時の湘南ワタナベレーシングのおかげだ。その価値とは、速くなるための練習というよりも、レース会場にまで足を踏み入らせたこと。その経験は "Zero to One" なきっかけだったとさえいえる。
 
データなんて不要、感覚を磨けと唱えている(と、私は思っている)八田さんも、最初はデータを指標にしていたこと。
 
や、そこまでは言ってないつもりなんだけど、、ま受け手が認識した世界が受け手にとっての世界であるわけで、つまり僕はそんなキャラだってことだろう。。
 
僕は数値は一貫して大事に見てるんですが、その役割は滑走路であって、離陸した後は感覚、という位置づけ。離陸する感覚は僕は大事にしてて、本の別のとこで書いてます。
 
さらに補足すると、滑走路は長く取れるほど、離陸はスムーズだ。データ活用でいえば、データで済む範囲ならばデータで済ませとけばよく、その範囲内ではアタマを無駄に使わずに済む。アタマとは貴重な武器なので、使わずに済むのならば使わずに済ませたい。
さらにいえば、データが多すぎるとアタマがその処理に追われて、本当に考えるべきことを考えられなくなる。だから、同時に見れるのは多くて2つくらい=心拍と速度とか=かなと。
 
これら踏まえつつも、最近のデータの進化は、データへの依存を誘発している印象もある。気をつけようね、というのが僕の立場です。
 
最初にやっていることが、図書館での専門誌の一気読み
 
トレーニングバイブルのような一冊で完結している書籍では、その一貫性がゆえに、自分のアタマで考えなくなる。雑多で矛盾する情報が散在してるのを読み解いていくと、このギャップとはなんだ?と考え始めるので、その過程で理解が深まるのです。一見して論理不整合と思われるものの中には、たまに、より深い真理が潜んでいるのだ。
 
ただし読み解き切れた場合に限る、のだが、僕そーゆーの好きなんで。
 
基本的な動きを把握したらもう、「表彰台を基準にした」目標と練習ペースの設定をしている。
 
ここは本に書いた通り、事前準備的な要因が幾つかある。トレーニング開始時点で、あと必要なパズルのピースがそこだけだった、て感じ。1つだけ挙げれば、4月始め修善寺のバイクレース出場経験が大きい。
 
この時点でもう化け物なのだけど、「もともとの運動能力が、、、」と思うのは早い。
そこに至っておかしくない内容が、その後の部分に惜しげもなく書き記されている。
情報、データ、自己の感覚、身体の反応、、、それら全てを客観的に判断、コントロールすることにより恐ろしいスピードで進化を遂げたのである。
 
いかにも、このことは、効いたと思う。
 
とはいえ、これは僕の特殊事例ではなくて、多くの市民トライアスリートが実践していることの、その特徴をより鮮明にした、象徴的な事例であるとも思う。もしもそうでなければエスノグラフィーとして成立しない。
その証拠に、僕のこういった手法を参考にしようと熱心に読んでくれる読者さんはたくさんいるわけだ。だから本も口コミだけで売れてるわけで。特殊事例なら、こうはいかないはずだ。

ここの内容は是非じっくり読んで頂きたいところなので細かい紹介は避けます。

てゆうか、手短に紹介するの難しいと思う。なぜなら、この箇所の文章は、これ以上削る余地がないくらいに磨ききったスーパー大吟醸だから。読むしかないでしょうね、もしも理解されたいのならば。
 
20170925_701〜日体大図書館からのお礼状
 
おまけ:本の在庫情報
  • Amazon: 9/30頃に初入庫して(本の第一刷の日付通りだ)、どうやら5日間で○○○部が完売してしまった
  • 紀伊国屋: 新宿店は哲学コーナーに平積! ネットストアは116部だと(2017年10月08日 19時23分現在)
  • 丸善&ジュンク堂:  あちこちに。トライアスリートとしての僕のふるさと?藤沢にもビックカメラ店にありますな
フォト

『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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