カテゴリー「'14- トレーニング量とグラフ:ほぼ月刊」の13件の記事

2016年1月15日 (金)

勝つためには「強度6割+量4割」で練習する 〜まだ月間走行距離で消耗してるの?

Joe Frielコーチは2016/01/14投稿ブログ "How Should I Train? It Depends..." で、トレーニングでの必要要素をこう説明する。

  • 初心者: 頻度
  • 中級者: 量(=頻度×時間)
  • 上級者: 強度6割+量4割

その理由について、僕なりの理解を補足しておこう。

初心者は技術的にも体力的にも基礎を作る必要がある。そのためには、量も強度も抑えて素早く回復させ、週に何度も練習することが近道。いきなり量と強度を上げると怪我するし、実際、してる人は多いと思う。(僕のブログを読んでから始めればよかったのに)

その時期を過ぎ、量に耐えるだけの基礎ができた後は、やればやるだけ速くなる。

そこから表彰台〜KONAレベルなどを目指すには、強度を上げないと勝てない。(※元トップ選手は除く=身体が高強度動作を覚えているから)

ここで注目は上級者向けの、強度の重視だ。以下原文引用:

too many advanced athletes ・・・ continue to believe that the key to their performance is how many hours, miles, or kilometers they put in during a week. They’re wrong.
how fast (or slow) and advanced athlete trains has a greater impact on performance than how much volume they do in a week. And this holds true across all endurance sports.
determined 60% by the intensity of their recent training and 40% by their recent volume.

つまり、レースパフォーマンスは、直近のトレーニングの強度が6割、量が4割と言う。実感として僕は完全支持する。

それでも、量信仰が生まれる理由を考えると、

  1. 日本人的な(?)勤勉の精神の誤用 (でも欧米にも多いようだし)
  2. 自分の中級者時代の、量によって速くなった成功体験の誤用
  3.   「量を積んで速い人」の練習内容の誤読

だろうか。

最後の点について、正解をいえば、「量を積んで速い人」は、明らかに質の高い内容で量を積んでいる。ネットに上げる個々の練習内容からもわかるし、現実に、同じレースを走って動きを見れば、その練習の質の高さがわかる。ネットに全てを正確に書いているわけでもないだろうけど(=いちいち書いてられないし、こっちだっていちいち読んでられない)、レース中の動作は、嘘をつかない。
 
例えば、毎日1km4:30ペースで10㎞休まず走れば月間走行距離300km。少なくとも4−50代男子ではそれでは勝てないだろう。週に1度25kmを4:30で走れば月間100km。これならチャンスが生まれる。(数字はあくまでも例です)
4:30でそんな走れません、という場合、短時間高強度が足りない可能性が高い。アイアンマンを速く走りたいなら、1km走で十分なスピードを出せるべきだ。それが世界の標準。

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それから、このフリール氏の記事もそうだけど、量の管理は、欧米では「週単位」で行うものだと思う。「今月は何km走った」という表現は、日本語でしか見ない印象がある。

僕はこの差も大事だと思っている。月単位では振り返りとして不十分だから。最低でも週ごとに振り返るべきだ。月まとめはそれと別に、「1月第一週は何時間、第二週は・・・」とやればよい。(ブログに書くのは面倒だし月一でなんの問題もありません、いうまでもないが)

その際に、練習量はあくまでも4割の要素に過ぎない、という視点で振り返ろう、という話だ。

僕の過去の月間トレーニング量グラフでは、振り返りはほぼ毎日行い(3日移動平均グラフを毎日更新するから)、強度も3レベルで管理していた。掲載が月に1度なだけ。ただ、毎日振り返りは頻度が高すぎて気疲れするので、週一くらいがちょうどいい気がする。

なお僕が低負荷での量重視で練習していた「中級者」時代は、2010年始めごろの2-3ヶ月間ともいえる。その3月に自転車レースに初出場し、高負荷のなんたるかを身体で知ったのが、その夏からのトライアスロン・デビューの成功に繋がっているのは間違いない。以降僕は徹底的に高負荷派です。

・・・

ジョー・フリール氏はいわずとしれた「トライアスリート・トレーニング・バイブル」「サイクリスト・トレーニング・バイブル」の著者、この分野の世界最高権威であらせられます→

写真は蒲郡トライアスロンのランコースの先、竹島お正月の夕暮れ。奥には伊良湖がうっすら見える。

2015年4月 9日 (木)

「走り込み」を捨て、「蓄積疲労」を捨てる 〜3月トレーニングふりかえり

まずは「2月トレーニング分析」での反省を再掲:
 
「多すぎるかも」という反省がある。特に、オレンジのラインが「上がりっぱなし」になっている期間の長さだ。・・・もっと「谷」を入れて、その分、山を上げた方が、良かったかもしれない。
 
そこで宮古7〜3週前にあたる3月トレーニングでは、「波」を上げたら下げることにした。つまり、高負荷トレーニング後の休養を重視し、 「蓄積疲労」を残さない。それは、いわゆる「走り込み期」の否定でもある。その結果、3月=152日め以降の グラフ波形は尖っている。
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〈理論的根拠〉
重要な情報源は3つくらい示したいのだけど、まずは最も読みやすいものを。日本人コーチとして最も最先端理論に通じた1人、彦井浩孝コーチの「宮古島完走対策講座」 。3月掲載分より引用:
 
バイクやランに共通して言えるのは、レースペースへの意識は必要ですが、必ずしもレースと同じ距離を走る必要はありません。・・・ ペースを落としてまで155kmの距離を走る必要はなく、ランでも30km以上走るトレーニングは必要ありません。
 
長時間のトレーニングは、身体に蓄積するダメージが大きすぎて、リカバリーが追い付かなくなり、その後のトレーニングに影響が出る場合があります。疲労を抱えた状態ではレースに特化したメニューをこなせないですし、怪我のリスクも大きくなります。
 
まったくその通り。
 
細かいことをいえば、ランで「30km以上は不要」とするのは、「2時間以上は不要」とする時間基準の僕の説明とは異なるわけだけど、どちらを取るかでレースの成否が決まったりはしない。なぜなら、その裏の考え方〜すなわちトレーニング哲学〜が共通するから。
また、「直前編」を読むと、彦井コーチは、ある程度の「蓄積疲労」が残っている前提と思われる。でも僕の考えは「蓄積疲労完全否定」にシフトしている。だから僕は「テーパー」=レース前の練習量減らし=はしない。その前提が存在しないわけだから。ただそれは4月トレーニングの話なので、ここではふれないでおく。
休養重視は世界の常識。Joe Frielの「トライアスリート・トレーニング・バイブル」も常識→ (僕は英語版で、しっかり読めてませんが)
 
〈Run〉
ランの詳しい内容は、先日「30km走しなくても、ロングレースで勝てると思う」 に書いた通りなので、詳しくはそちらへ。
月間走距離は258km。11月から234-238-282-306と増やし続けてきたが、3月から距離を落とし、スピードを上げた。1日あたりでは 10.9kmから8.3kmへ2割を超える減少。これにより、高速巡航力は明らかに上がった。でも持続力が下がってる気もしない。
 
Runは既に準備OK、初ロングのKONA2013より明らかに好調。
 
〈Bike〉
問題は、遅れ気味のバイク。月前半は1~2時間の固定ローラーで筋力を戻し、最終週に入ってようやく実走開始。期間は7日間のみ!
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Facebookに書いた通り、苺と桜の中で、初日にパンクし、2日めにリムテープが原因とわかり前後輪のテープチューブタイヤ総とっかえ、3日めにようやくマトモな練習を開始。4日目にステムをひっくり返して上体を5㎝上げるポジション大変更を敢行。6日目に体重を乗せたペダリングが見えた。7日目に83km*という昨年来最長のロングライドを敢行した。(*183kmではない)
 
この7日間の実走での1日練習距離は、長い順に83km-75km-57km-55km-30km-27km-11km。短いように思われる方も多いかと思うけど、僕の基準では、練習ではレース距離の半分を走れば、最低限の準備はできる。もちろん、100kmくらいをもうあと1-2度走れるに越したことはない。この部分は、レース6日前までの直前トレーニングで対応。テーパーしないからガンガンに高負荷かけていく。
 
距離のかわりに重視するのは、1日に何度も微調整を加えるポジション設定だ。Bikeは「ポジションが9割」くらいに捉えている。この話はまたいずれ。
 
〈Swim〉
最も遅れてるスイム。3月は練習11回12時間。昨10月以降で圧倒的におおい。。あと筋トレが9回、あわせれば20回ともいえる? レース100日前の1月下旬から慌てて週2くらい泳ぎ始め、レース7週前から週3超に上げ、約80日間でようやくレースに耐えるレベルに届いてきたかな。
 
でも、技術的には過去最高かもしれない。以前紹介したSheila Taorminaの最新刊「Swim Speed Strokes for Swimmers and Triathletes」 をパラパラ読んで、ストロークの軌跡を変えたら、体力を酷使せずにレースペースを出せるようになった。
世界最先端の指導法は「フラット・1軸・S字ストローク」かなと思う。本にそうは書いてないけど。「2軸ストレート」なんて10年以上前に(たぶん日本だけで)提唱された考え方。その後、北京・ロンドンと2つのオリンピックを経て、世界は進化している。もちろん日本の最先端も。でも、日本語で「公開」される情報だけを追ってるとその変化は見えにくい。最先端の知はまっさきに英語に集約される。それはスポーツに限らない。
 
タイムはまだ例年のピークには届かないが、Swimは短期集中が効くので、あと2週でかなり上げられると思う。
 
これまで泳いで無い割にまあまあな一因に、筋トレの精度が上がり、泳ぎに必要な筋力をプール外で作れるようになってきた面もあるかな。ロンドン五輪代表チームの小泉圭介トレーナーによる「水泳体幹トレーニング」あたりを最近読んだけど、僕のオリジナルも悪くないなと思った。筋トレの極意は、身体の奥で感じるもの、文章で表現するのは難しいor面倒だ。技術とはそうゆうもの。かわりに僕は、考え方、トレーニング哲学を中心に表現していく。
 
〈情報発信〉
当ブログは記事4つでアクセス2.1万=1記事あたり5,000獲得的な?
Facebookでは、3月末に「友達+フォロワー」が千人を超えた。
 
僕はいつもブログを書いた後、一日くらいあちこち直して、マトモな文になってから、Facebookに紹介文を付けて更新告知している。Facebookとブログで一体だ。
日々に感じたヒントや情報源を手軽なFacebookに上げ、考えを纏め、拡げてから、広漠なネット空間に向けて書き放つ、それがこのブログ。その後で、実名空間の一人ひとりに向けて紹介しよう、という時に、一文書きたいわけだ。その時にアラが見えるし、キャッチコピー的な一言を加えることもあるし、見直しのきっかけになっている。
 
「読んでくれてありがとう」と書くブロガーさんは多いけど、僕はその意味で、「そこに居てくれてありがとう」的なとこ。読まれることより、書いてるクオリティーが上がる感じのが、気持ちいい。
 

2015年3月 8日 (日)

練習量は「ゾーン別時間」で「シンプルに」管理する 〜2月トレーニング分析

毎日、その日のトレーニングが終わると、館山2014賞品のSUUNTO Ambit2s をMacにつなぎ、表示される 「心拍ゾーンごとの時間」をExcelに記入する。そして更新されるグラフの「波形を眺める」ことが、僕の「量の管理」のほぼ全てだ。

〈データ管理はシンプルに〉
僕が必要とするデータは、この心拍ゾーン時間と、GPS測定の速さだけ。これはSUUNTOやPOLARでは出来るが、GARMINでは出来ない(別のアプリを用意すればできるらしい)。最新製品ではいろいろなデータが測定されたり推測されたりするようだけど、それは僕が求めるものと逆方向だ。
 
指標とは判断基準であり、それを見ることで何かを変えられるものであるべきだ。そしてそのためには、シンプルな数字に絞ることだ。 なぜなら、速くなるための情報のほとんどは「体感」の中にあるから。複雑な情報を使うほど体感から遠ざかってゆくだろう。僕らは株価を分析しているわけでも重病治療しているわけでもない。世界最先端をゆくコーチ、Matt Dixonも
 
とデータの複雑化を否定する。数字の奴隷になることは「科学的トレーニング」ではない。それは企業経営とかも同じで、本社でアタマの良い人達がよってたかって複雑な管理指標を現場に押し付けてくるような会社は、高確率でダメだと思う。
 
〈ゾーン別管理の例: もしくは僕がバイクのロング錬を避ける理由〉
たとえば、バイクのロングライド180kmをしたとする。そのうち、「DHポジションでHR140〜145以上で走った時間」はどれだけあるか? それが「真実のトレーニング時間」だ。
首都圏なら、たとえば湘南や多摩なら、真実時間の割合は高く維持できるのだが、僕の住所はそうではないので、練習効率が落ちる。だから固定ローラーに集中している。 その方が「真実時間を最大化できる」からだ。
 
〈僕が要らないデータの例〉
もう一つ、「測定値と推測値」は違う。最新製品の指標には「推測値」が多く、信頼性が低い。たとえばSUUNTOの「リカバリー時間」も僕は見るけど、見るだけで、何の判断基準にしもしない。休養すべきは「体感」で決めるしかないでしょう? ただその際に、下記のグラフをみれば、なぜ休養すべきなのか、理由の一部はわかる。
 
あるいは、最新パワー計のペダリング左右バランスやベクトル分析、Gariminのラン「接地時間」も同じく。これらは「計測ポイントと最終パフォーマンスとの因果関係」が不透明、つまり、その指標を改善することが速さにつながるとは限らない数値だ。(逆は不成立=速い人の数値は良いだろう)
 
しかし数字を見せられると信頼しきってしまう人は多い気がする。それは間違いとまでは言わないが、少なくとも、正しくもないよ。
 
<2月のグラフを振り返る>
そうして出来た、2015年2/1〜3/1までの練習グラフ。
Photo

  • 全て3日移動平均
  • 3本の実線は心拍域で「Bike+Run+筋トレ」合計の積上グラフ、Swim(水色2本線)は別
  • Totalは「HR112以上+Swim」の合計
  • PTE= "Peak Training Effect" はSUUNTO独自データで、心拍域のピークを反映(正確には「EPOC」値(運動後の余剰酸素消費量)により決定される模様=要するに、運動後にどれくらい「はあはあ」してるか)

2月はグラフの124日目、グラフの「谷間」でスイムだけ上がっているところから始まる。

前回の谷は104日目のノロ罹患。その後、おおまかに20日近く上げて、少し落として2月に入っている。そして約3週間にわたって、過去最高の「山」を積み上げ、3週後にどうにも身体が動かない1-2日があって「谷」を形成し、再びクライミングを開始して、3月に入った。

2月グラフの明らかな特徴は、オレンジ=心拍130〜147ゾーンの山の大きさ。その中心は、レースペースを意識したHR143〜147の高めいっぱいが中心なので、質としても悪くない。(一部、移動やウォーミングアップでの130〜135くらい域も含む)

典型的な例として、20km走などの前半は147以下に抑え、そのスピードを維持していると、心拍だけ150あたりに上がってゆく。それはグラフでは、オレンジと赤の比率として表れ、日によって3:1だったり、1:1だったりする。

赤色グラフはその結果として積み上がったものが中心で、初めからこのゾーンを狙ったわけではない。僕はHR152以下が乳酸を貯めずにエネルギー化できるゾーンなので、いずれにしても長距離巡航ペースの範囲内だ。 

<多ければ良い、わけではない>

ここまでの説明とグラフを照らし合わせると、自然に量を積み上げた、良いトレーニングができているという印象を受けるだろう。ただ僕には、「多すぎるかも」という反省がある。特に、オレンジのラインが「上がりっぱなし」になっている期間の長さだ。

3日平均値なので、「2日上げて1日下げる」「1日大きく上げて2日大きく下げる」というパターンがが多く、これが続くとグラフは高めで一定に保たれる。その中でも休養はしっかり入れてはいるつもりだ。 それでも、もっと「谷」を入れて、その分、山を上げた方が、良かったかもしれない。

しっかり休養した後に、レースを想定した高負荷トレーニングをする。その回数は最も重要な指標の一つ。最近しつこく書いている「頻度重視」には、これも含まれる。

「月間走行距離」を重視したトレーニング法だと、疲労を残したまま、心拍130レベルとかで30km走とか繰り返すのが、一番数字を伸ばしやすい。でも僕はこの方法を否定する。

ただ、ここから先はグラフには表れにくいところ。個々に考える必要がある。

<各種目>

2月のRun距離は過去最高を更新し306km。多ければ良いという誤解はラン練習にも多いけど、大事なのはそこじゃない。この分析はのちほど。

Bikeは固定ローラーのみ。あと移動のクロスバイク(普通ペダル)。

Swimは練習回数8回、毎回55分なので計7時間20分。推定距離は22kmかな。泳いだ距離はいちいち覚えたりしない。これも僕にとって無駄な指標の1つ。スイムこそ頻度が全て、プールで泳いだ回数だけで十分。

 

・・・おしらせ・・・
「クエン酸」を運動30~60分前に体重あたり0.05g摂取することで、持久力を向上させる。僕だと3g。量が大事で、5gを超えるくらいの量だと効果が薄れてしまう! トレーニング終了後には適当な量を摂ると回復を早める石橋剛さんの研究成果より)
痙攣防止に効く「マグネシウム=Mg」は、カルシウムとセットの錠剤で買えば激安ですが、マグネシウム=「にがり」、塩として買えばさらにオトクです。

2015年2月15日 (日)

宮古島 10週前からのトレーニング戦略

宮古島トライアスロンまであと9週間。いつもの練習記録Excelに、2013年KONA前のデータも貼り付け、眺めている。
2013年は、5月から月2ペースのJTUランキングレース連戦で身体が仕上がり切っていて、方向性だけロング向けに修正すればよかった。当時3連覇を懸けたランキング争いは熾烈で、普通のロング錬を繰り返すよりよほど大きな効果があったと思う。今年は仕上がり度自体をこれから上げてゆかねばならない。まにあうか?
 
〈宮古島大会の距離〉
宮古の種目別距離を、いつもの51.5kmレースに換算すると、Swim772m−Bike39.9km‐Run10.86km。スイムがほぼ半減する以外は、ほぼいつも通り。Bike終了時点で大枠が決まり、Runで最終決戦とイメージできる。
アイアンマンの比率を51.5kmに換算すると、Swim879m-Bike41km-Run9.6km。Bike最重要のアイアンマンより、宮古はRun寄り。実際の距離でも、KONAでは「マイルド車上拷問」的だったBike最後25kmが、宮古ではまんま無くなるわけで、Bikeはよりスピード化する。 その分フレッシュにRunに入るので、Run勝負の色が強くなるだろう。
 
〈9週前、Runの実戦シフト〉
そこで、まずはRunから完成させることにした。これまで「頻度重視」で土台を作ってきたので、10週前にあたるこの週から実戦的にシフトさせ、20kmレースペース走を5日間、中1日で3回実施。
 
入りは心拍を抑え、10kmまで乳酸を発生させずに脂肪エネルギーを活用する高効率スロー走行、10kmから適度に乳酸を産出しエネルギー化してスピードを上げ、20kmからは脚の負担感を見極めながらその場で決める。前半は効率向上、後半は高負荷を意図したハイブリッド型だ。
ロングレースの教科書なら、この前半のペース維持で30km、的メニューが基本だろう。ここではイイトコ取りを狙った独自手法を取っている。
 
3回の平均は、4'07(HR148→156)、4'09(145→152)、4'14(145-146維持)、とペースも心拍ゾーンも少しづつ落としている。その意図は、疲労が蓄積する中で、より低い負荷でレースペースのフォームを維持する技術を高める点にある。
 
迷ったら追い込まずに切り上げる方針。これは余力を残すことで「トレーニング頻度」を高めるという意図による。
3度めはその良い例で、行ければ25-30kmと思ったけど、途中で補給食の蒸しパンを落としたので、少し早めに23kmで切り上げた。
こうゆうとき「あと2kmで予定の25km」とか考えてはいけない。エネルギー枯渇下で続行すると「糖新生」が起こり、筋肉がエネルギー源にされてしまう。タコが自分の脚を食べるようなものだ。「決めたことを やりきってはいけない」のがトライアスロン。タコに学ぶのは柔軟な姿勢だけでいい。
 
〈技術あっての練習量〉
僕はこの5日間で計75kmを走った。仮にこれが1ヶ月続くと月間450km。僕には無理。これに近いレベルをコンスタントに走るトライアスリートもいるけど、それで故障せずに続けられるのは、その走技術がとても高いからだろう。「もともと高効率で走れる人が、さらに量を積む」から速いわけで、彼らは量を減らしても十分に速いだろうと僕は見ている。
 
技術に問題あって量だけマネするのは、ケガへの近道だ。前回コメントで頂いた質問にも

「最も効率的な走りが出来ていれば、その痛みは出ないはず」

と書いた。僕がこれまでオフロードなどを集中して走ってきたのも、ある面では、こうゆうトレーニングをケガせず積み上げるための「技術」を高めてきたようなものだ。練習量はその結果であって、目的ではない。
 
〈8-9週前からのBike強化〉
ここまでで、Run完成までのスケジュール感は見えてきたかな。
今後、距離を30kmに伸ばす回を混ぜながら、バイク高負荷後でのRun動作を作っていく。5週前あたりから、少しづつスピードも上げていこうか。2km走などでVo2Max強度での最高速を高めれば、LT動作の余裕度も高まるから。
 
そして、これから4週間はBike強化月間。一気にレースレベルに引き上げる。日程的には十分に、ただしギリギリで、間に合うとみている。勝利=総合10位以内を現実化できる最後のチャンスだろう。
はじめ2週は固定ローラー集中、20分間のLTゾーンを複数セット繰り返し、「持続可能な最高速度」を上げてゆく。
 
「長距離の実走」も必要なトレーニングだけど、それは7週前からに位置づけてみる。1日150kmレベルのいわゆる「ロングライド」は、トレーニング密度が薄まりがちだ。室内ローラー錬なら確実に質を高く維持することができる。最も大事な時期こそ、トレーニングの質を落とすリスクだけを避けるべきだ。1日2時間以内、でも「頻度」を上げて。
Img_2765(ローラーは汗が貯まる…)
 
Swimも増やしてゆくけど、今は3日に1度1時間。レース5週前からの集中トレーニングでギリギリ間に合わせる予定。
 
そして、宿と飛行機をいいかげん取らねばならない。。
 
・・・おしらせ・・・
 
最近読んでおもしろかった本。

 
痙攣防止には塩分に加えてマグネシウム(大豆とか)+カリウム(バナナとか)が有効で、錠剤だとマグネシウムとカルシウムはセット販売。クエン酸は脂肪燃焼回路に、BCAAは、まあ牛乳や納豆でもいいんだけど、筋肉ケアに大事ですね。

2015年2月 2日 (月)

2015年1月トレーニングの分析 〜みえてきた「質」の管理法

毎月恒例、1月のトレーニング内容グラフを公開しよう。1月は93-123日部分だ。
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  • グラフは全て3日移動平均
  • 心拍域はBike+Run+筋トレの合計。形式上は実線グラフだが意味的には積上グラフ
  • TotalはHR112以上(=Bike+Run)とSwim時間の計
  • PTE=Peak-Training-EffectはSUUNTO独自データで、心拍域の高さのピークを反映(正確には「EPOC」値により決定される模様=そんな指標知らん…)

<量に依存しないということ>

本題の前に、タイトルが、1月のトレーニング「量」ではない意味を語ってみようか。

僕は 「量に依存したトレーニング」を否定する。「量を積む」ことならば否定も肯定もせず、それをやり通すことが出来るのなら、出来るに越したことはないと思う。「量を積んで勝っている」人たちが目につくかもしれないけど、少なくとも僕が観察する限り、勝てているのは「まず質」を確保した上で、「量も」多い人だ。

では、トレーニングの質とは何か? 3要素あると思う。

公式: 質=強度×高効率動作+ケガを絶対にしないこと

「集中力の高さ」は、3要素に全てに共通する。だから集中を損なう要素は一切排除すべきで、もしも長時間の練習で集中が落ちるようなら、それをする資格に欠けるのかもしれない。集中が落ちれば強度と動作は確実に劣化し、ケガのリスクをハネ上げる。

あるいは、自己信頼感の低さが、低質な長時間練習に走らせているケースもあるかもしれない。ならば、自分の技術向上力をもっと信じてあげよう。

なお僕は、「練習でできていないことは試合でもできない」とか「他人と同じことをしていては勝てない」 とかのかっこいい格言めいたものは、スポ根マンガで楽しむだけでいいと思っている。トップ選手が似たことを語る場合があるけど、実態はアナタの理解とは違うものであるかもしれない。

僕の考えでは、「練習でしてないことまで出来るのが試合」だし「他人と違うことに"逃げる"から勝てない」。

<質の管理>

質の第一要素である「強度」を優先したトレーニング管理のために、「心拍ゾーンごとの時間」のグラフ化は、最低条件だと思っている。(SUUNTO社さん、トレーニングデータ管理サイト「moovescount」では僕のグラフを真似するといいよ!)

第二要素「動作効率」を上げる方法は、「頻度を上げる」ことに近い。これは文の後半で説明しよう。管理には練習回数を記録するとよいだろう。

これらの最終成果は、月に何度かのポイント錬のデータで確認できる。これはある程度、Facebookにメモ=つまり公開しちゃってる。なので僕の仕上がりを確認しながら「このハッタリ野郎に勝てるぜ俺」的なコソ錬も可能です笑。

<グラフの見方 〜高負荷は免疫を落とす>

今月のトレーニングの意図と、その裏事情に触れておこう。

年末年始は実家キャンプ(笑)。9月の村上大会以来3ヶ月ぶりに固定ペダル式の自転車に乗り始めた。合計15〜20kmの山Bikeからの土Run、という基本セットで、心拍152前後の時間が積み上がっているのは、Facebookで書いた通り。

11−12月は心拍130〜147域を中心に量を漸増させてはいたが、高負荷域をあまりにも急に増やしているようにも見えるよね? そう、それが問題なのだ。

104日目、ノロウイルスに我が鉄壁の胃腸を半日ほど破壊され、グラフも墜落。その遠因がそれかもしれん。同様に、67日目の激しい歯痛=治療跡での菌増殖も、その数日前に積み上げた高負荷域が影響しているだろう。(この時は給湯器故障による冷水シャワーのダメージが大きい)

ほんの1日のノロで体重は64kgあたりから61kgにまで急減し、すぐに62kgに戻したものの、急減する体重とはイコール体力の喪失であり、1.5kg相当の体力回復という課題が1月後半に急浮上。そこで、筋力を刺激する短時間トレーニングで筋量を回復させつつ、心拍140前後をターゲットにした負荷低めの持久系で体力回復を目指した。グラフでは黄緑と薄橙が上がってるとこだ。

<Run走行距離>

この11月から距離の記録を始めた。グラフではBikeとRunを合算してるので、せめてRunだけでも総量まで把握したいから。11月234km 12月238km 1月282km、と過去最高量の走り込みを実現。結果的に11月から毎月10%づつ増やした量になり、推移としては理想的かな。

思うに、トライアスリートはRun月間150kmを超えたら、後は質の勝負。それ以上の数字の積み上げは、無意味だとは言わないが、「限界収益逓減の法則」が如実に表れる。その数字を増やすよりは、SwimとBikeを真剣に練習した方がいいかな。

それでも、僕が量を増やしているのは、「頻度重視」の考えによる。頻度を増やすために、今まで自転車移動してた片道5kmのプールに走ってくとかしたら、結果的に量も増えた。その分、低強度のも増えているので、限界収益逓減ゾーンに入ってもいる。
 
<Runの成果>
月末に舗装路21km走。お葬式で急遽実家に移動し、調子はそう良くなかったけど、夜走るためにビールは飲まずに備えて。外は推定気温は0℃くらい? 健康用自転車こぎ機で室内でウォーミングアップした後、半袖Tシャツ1枚で。
 
固まった身体を軽くほぐすつもりで脱力して走り始めたら、1km4:20-22の想定レースペースをHR133で巡航できるようになった。そのペースを保ち13km。HR140-143に無理なく上げていき4:10ペースで2km、さらにHR147で4:00を4km。
 
※心拍トレーニングではこのように心拍を上げてゆくのが基本。ときどき心拍を一定に維持することだと思ってる人がいるけど、それではペースは落ちてゆき、トレーニングの質が劣化してしまう。理論は複数の情報源からきちんと勉強しましょう。ま面倒ならこのブログだけでいいけどねー
 
このデータ、月初にほぼ同じコースの土の部分を走った時と比較して、同じ速さでの心拍数が5〜10ほど低い。土と舗装路の違いはあるけど(舗装路は簡単にスピードも距離も出るから怖いよね)、レースペースでの動作を、より高い効率で、できるようになってきた。
まあ、こうして「最終成果」を時々確認するわけだ。
 
ここで、動作効率とは、単なる技術ではなく、筋力と一体になったもの。それを育てるのが、「頻度=走行回数を重視するラン」なのだ。
 
なぜか? 頻度を上げることで、「負荷‐休養サイクル」をより多く回せる上に、神経回路の集中力が高いうちに何度も刺激することができるからだ。それゆえに「頻度」には限界収益逓減法則はあてはまらない、つまり、練習距離が同じでも、頻度に2倍の差があれば、成果は2倍に近くなる。
だから、「練習回数」は多いほどよく、その把握は大事なのだ。僕はExcelの元データを眺めてざっくり大づかみしている。

<Bike, Swim...>

Bike固定ローラーも1月後半にようやく開始。2-30分間の心拍152×2本、を週2目標で。2月はローラーの量を激増させる予定。遅いといえば遅いけど、既にRunで持久力のベースは作ってあるので、Bike用への転用は、2月中に完了すると見込む。

Swimは4回計2:25。2月はちゃんと泳ぎ始める! Swimこそ「頻度」で決まる種目だ。

・・・

<おしらせ:クエン酸について> 
クエン酸は、「体重×0.05g」=体重60kgなら3gをトレーニング/レース前に摂取することで、脂肪利用を促進できるようだ。(※アスリート限定)1kg780円=1回2円ほどと安さが激しい。カプセルやオブラートを使うか、ポカリとかに混ぜるか。 なおアクエリアスは成分に含まれると書いてあるけど量が圧倒的に不足してそう(以前書いた通り)
BCAAはトレーニング後だけで十分でしょう。 
 

2014年12月31日 (水)

12月のトレーニング量 〜「頻度」が一番大事です 

毎月恒例の月間トレーニング量グラフを公開。

<読み方> 10月スタートの新デザインでは、グラフは3日移動平均、心拍域はBike+Run合計、TotalはHR110以上+Swim、PTE=Peak-Training-EffectはSUUNTO独自データです。12月は61-91日あたり。

12月始めに高負荷トレイルランをガンガンにキメまくったが、その夜にお湯が出なくなって冷水シャワーを浴びたりしてたら激しい歯痛に見舞われたりで、中旬は通勤のクロスバイクとたまの通勤ランくらいでHR130-147域をなんとか維持し、年末に上げ直した。あと、前半に2ヶ月ちょっとぶりに少し泳いで(また止めて)、月末に3ヶ月ぶりに固定ペダルの自転車を再開。

Tt201412_2

51.5kmレースで最重要視している「HR148以上+167以上」域は、ここまで控えめ。かわりに、パワー系(HR110〜に含まれる)が多め。この考え方は、前回かいたMaccaの方法論に沿っている。

Run走行距離はたぶん過去最高を更新して238kmかな。でもタイトルに書いたように、距離ではなく、「頻度」だと思う。この考え方は、強豪エイジ(といってもエリート系レースを主戦場とされる)松丸さんがSCOTTのページに寄稿されている。なにより、「少しづつでも練習すること」、つまり、頻度が大事なのだと僕も思う。

頻度の表現に、このグラフは最適だと思っている。月間の合計積算距離では、週末だけどーんと稼いで平日はエレベーターと電車とタクシー、みたいな生活でも増えてしまう。何度も書いてるように、大事なのは、「波」の設計。良い波形に頻度は不可欠。

まあBikeとRunを別々に把握してもよいのだけど、管理が面倒だし、そもそもトライアスロンは「Bike+Run」で1種目ともいえるので、これでいいのだ。

松丸さんのでもう一つ大事なのは、「向上させる練習、維持させる練習、回復」という3つの区分けだ。「向上の練習」はまーせいぜい週2-3回もできれば十分、4回やってしまうと「回復」が大変だし、2週くらいならできなくてもなんとななったりもする。かわりに「維持の練習」により、身体の記憶を失わせなようにする。それが、「頻度」重視のトレーニング。

この3分類は、学生時代などにしっかりした耐久スポーツ歴がある人なら、身体感覚の中に刻み込まれていることだと思う。僕も、書くまでもない常識て感じですっ飛ばしてブログ書きがちだ。例えば時々書いてる「時間内で最大限使い切る」とは向上の練習についてのこと。通勤ランで朝から使い切ったりはしない。

でも、耐久スポーツの経験が無い方は、そうゆう身体感覚の抜けた単なる情報として受け取るわけだ。「体感」を持たない人に、それを持つ人の言葉は伝わりにくい。この壁の存在はお互いにとって見えづらい。せめて僕は意識して、間を繋ぐ文を書いていこうと思う。

・・・話を戻すと、頻度重視のトレーニングとは、「理想のトレーニングを求めないでいい」ということでもある。今できることだけやり続けることは、妥協ではない。あるいは、そんな妥協こそが市民アスリートの本質。

(価格にも妥協しない、ベース作りも妥協しない)
 

2014年12月 6日 (土)

トレーニング数値は「変化」を分析しよう 〜 脂肪活用ラン錬のケーススタディから

12月だというのに給湯器が壊れ、水シャワー浴びて寝たりする今週。トライアスリート化して以来、年々僕の寒さ耐性が高まっている。特に今冬は背中を意識した体幹の筋トレを続けているせいか、「肩から冷える」現象がなく、寒くならないし、なっても動けばすぐ暖まる。いわゆるガイジン状態。来秋のシカゴ世界選手権の寒さにも耐えられるかもしれん。

さて今回は、トレーニングデータの見方を説明してみよう。
館山大会総合優勝で獲得したGPS心拍計"SUUNTO Ambit2s"は、トレーニング終了後、データが専用サイトに上がり、そこからマウスで選んだ任意区間の平均値を出してくれる。それが前に上げたグラフ。
こうゆう平均値は、15kmを4:13/kmペース、というような「結果指標」を見るには最適だ。ただし、心拍数のような「プロセス評価の指標」を見るのには不適だと思う。それがこの記事のテーマだ。
 
だから、たとえば自転車で「ケイデンスと心拍数の関係」を、平均値から探る試みは(よくブログで見かけるけど)核心を外していると思っている。まあ実験する本人にとっては、その過程でいろいろな気付きもあるだろう。ただ、そうゆう文章を読んで、その「データ部分」に正解を探しても、レースで強くなりはしないと思う。
 
では、どういう見方、考え方をすれば、レースで強くなれるのか?「変化」を探るのだ。
 
<ケーススタディ1>
先週のトレイル走のグラフ。落ち葉の積もった林(狭いけど)中心に、根や落枝やらに足を取られながら計15km。
その意図は2つあり、1つはいつもと同じ「レースペース状態を積み上げる」こと、もう1つは「低エネルギー状態で走ることでにより脂肪活用力を高める」ことだ。朝食に柿1+バナナ1+コーヒー+牛乳だけをとって走る。
20141204_182453
グラフでは11km分の区間を選び、そのペースは平均4:21(オレンジの線:ギザギザしてるのは起伏に対応している)
 
心拍数(HR)は白い線で、全体平均153。
前半の変動が大きいのは、登りでがんばって心拍が一度上がるが、降りで力を抜いた時に心拍を下げている、これは余裕があることを意味する。
半ば過ぎ、49分頃に急に白い線が跳ね上がり、165のラインに届きそうになっている。この上昇の後からは心拍が下がらなくなる。それぞれ平均値は、前半6kmが4’21/kでHR150、後半5kmが4’23/kでHR157。2秒落ち、7拍上がっている。
 
その変化とは、脂肪活用の割合が増えることで心拍数が上がった、と捉える(=石橋剛さんの研究成果をもとにしてます)。それまでの約50分間で消費される数百Kcal(僕はこうゆう数字はテキトーです)は、朝食の糖分と体内グリコーゲンで賄われる。消費し尽くし血糖値が低下し始め、かわりに脂肪燃焼へと切り替わったポイントが、その変化点だと考える。
 
つまり、意図した「低エネルギー状態」でのトレーニングが、ようやくそこで始まったわけだ。その距離が5km22分間、プラスその後の筋トレとダウン、となる。
目的に沿っていえば、「5kmの練習」であり、 「15km」ではないわけだ。
 
なお、純粋にその意図でなら、何も食べずに走ればよい。ただしそれだと低負荷or短時間でしか走れず、全体のトレーニング効果が落ちるので、僕は一切しない。1つの練習に複数の意図を込めるのが僕の原則。低負荷練習もしない。なぜなら、レース時の感覚は常にそうゆうものだから。(※初心者は逆、1練習1目的でもいいかも)
 
そして、本当に重要なのは、その「変化の後の、動作感覚」を探ること。それが、この記事のテーマにたいする最終回答だ。
帰宅後、27インチMac画面のデータをみながら、「この変化の頃から、たしかにキツくなってきたな」という感覚を思い出す。そして、そこからの動作に非効率が混ざっていなかったか、思い起こす。
 
この振り返りをしておくと、次のトレーニング時の質を上げることができる。GPS心拍計でデータをリアルタイムで確認し、変化に気づき、その際の反省を思い出せる。それにより、動作分析の感度を高めることができる。
 
そうゆう分析は質的なもので、データで表されるものではない。そして、レースで活きるのは、そうゆう感覚の積み重ねでしかない。
 
先に挙げた自転車の「ケイデンスと心拍数の関係」でいえば、まず「最適な動作」があり、その結果として「その時のケイデンスと心拍数」がある。主従関係だ。
 
ちなみにAmbit2sは定価4.8万が今3万円で買えて、円安の今にしてはかなりオトクだ(僕がGarmin310を3万で買った時は1ドル80円台)。円高時に仕入れた型落ちならではだろう。最新の"3"だと4.8万から。そして今後は平均1.5倍レベルにまで(かそれ以上に)値上がりしてゆくだろう。
  
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* 冬といえば新米ですね。僕は農家から直接30kg買いしてますが。

2014年12月 4日 (木)

限界を攻めた先に見えるものをどう受け止めるかにより、どこまで進歩できるかが決まる

12月に入った夜、砧公園へ軽く走りに行くと、見たことのない世界が広がっていた。

公園を囲む林を抜けると、深い霧が突然表れる。あちこちの夜間照明が枝にかかり、隙間から溢れて、霧を照らしだす。その中を走る。1周すると、霧は窪みに溜まっていることがわかる。高めの平坦部分では普通の霧なのに、樹々を隔てた斜面を下ると一気に濃くなる。こんな夜霧は映画でならよく見るかな。CGの中を走るかのような幻想的な現実。

走っていると、時々そんな、いつもと違う世界に入ることがある。それは風景であり、感覚であり。

翌夕、まずは脱力して芝生と落ち葉の起伏を10km、1km4:22ペースで。AT=持久運動可能な範囲内に抑えながら。だんだんと調子に乗ってくる。するとエリートランナー(推定)がジョグで(=息を切らさずに)追っかけてきた。

後ろに付かれるというシチュエーションは萌えるよね。ペースを作るのはあくまでも自分だから、無理な動きをする必要はない。推定エリートランナーさんに見られてるので、乱れたフォームだとカッコ悪いなとかも思う。結果、自然に脱力したままで加速してゆく。

結果、後半5km区間は1km3:59ペース、最後1km3:40、平均心拍169、最高182。

トータルで連続15kmを1km4:13ペース、心拍160。

20141204_183701<SUUNTOデータ>

緩い下り区間は、脚の回転の滑らかさで決まる。最も「効率性についての感覚」が研ぎ澄まされる局面だ。背中のエリートランナーを意識しながらスピードを上げるほどに、肩の力が抜け、ヒジはよく動く。おそらくは結果として肩甲骨もよく動いていただろう。そして脚、というかモモは自然に前に、ほどよい高さで出て、自然に着地し、かつ自然に蹴り出せている。

一転、急で短い登りに入ると、「パワーについての感覚」が研ぎ澄まされる局面となる。腕全体を強く振ることで、体幹全体の「板バネ」を作動させる(←前回書いた通りに)。それにより、脚筋へのアクセルは最小限に留めながら、全身でのパワーを上げる。

平坦では、その両方の要素をバランスさせる。

本当にレースで使える動作感覚とは、そんなレース同様の極限状態の中で、ぼんやりと見え始めるものの中にある。それは見えたつもりで、すぐに消えてしまう。公園の深い夜霧のように。

長距離トレーニングの基本に則れば、1km4:17に乗せてからは淡々と維持して距離を伸ばしていけばいい。しかしそれは所詮、基本に過ぎない。

限界を攻めた先に見えるものをどう受け止めるかにより、どこまで進歩できるかが決まる。限界を攻めること自体に価値はないと思う。そこから始まるのだ。

 

でその夜に給湯器が壊れて水シャワーして寝た。

2014年12月 1日 (月)

宮古島2015「総合10位表彰台」に向けた11月のトレーニング量

宮古島トライアスロン2015、まずはエントリーしてみた。出るからには総合10位表彰台に上がってみせるのさ。それが40代最強トライアスリートを追求するハッタリくんだ。そしてそれは僕のトロフィー・コレクションの「ほぼ最後」になるだろう。
 
宮古は、国内外のプロ選手も10人くらいは出る。ただ国内ロングのプロ選手はほぼ皆フルタイムではなくコーチやスクール経営との兼業だし(もしかしたらそのせいもあって)不調乱調で落ちることも多い。そうして空いた枠を争うのが、アマチュアにとっての宮古の総合表彰台だ。つまりアマ1-2位を狙うってことだ。
 
僕の初ロングであるアイアンマン世界選手権KONA2013 http://masujiro.cocolog-nifty.com/blog/13_kona/index.html
のペースは、Swim100m1:33-4, Bike35.2kmh, Run1km4:47。そのまま宮古の距離なら、Swim0:47+Bike4:22+Run3:22、Transit3分とみて計8:34となる計算だ。
そこを出発点に、17分削れば前回10位圏だが、激戦必至、さらに5〜10分削るべきだろう。Run1km4:25ペース(3:06)で16分削り、Bikeは-2kmhで12分削ると8:06、前回46歳で6位の谷コーチを抜く。そこを最高到達点に、どこまで迫れるか。
 
Runで1km22秒上げるのは大変なことだが、初フルマラソンでもあったKONAでの前半の暴走を抑えて5秒、今季の51.5kmでの走力向上分が5秒、さらに長距離錬を積んで5秒、コース特性(獲得標高はKONAのが少し多く、Swim+Bikeの距離が短いから力も残る)で5秒、経験と気合で1秒づつ。
もう少し現実的な計算をしよう。ヤン・フロデノ選手はロンドン五輪2012のRun10kmが30分06秒、僕は36分台、4倍すれば差は26分。フロデノのKONA2014は2時間47分、足すと3:13が僕の(KONAでの)推定ポテンシャル記録となる。むむむ。 KONA2:42のマッカ選手ではショート時代の29:32という記録が見つかった。これだと3時間10分あたり。それでも合計8時間10分、十分に勝機はあるだろう。3:06実現のためにはショートも35分台に伸ばす必要がある。
 
エントリーしたのは11月末の締切当日で、それまではそんな方向性だけを意識していた。そんな11月のトレーニング量グラフを載せる。(3日間移動平均、30〜59日まで)
201411
初月の10月より、心拍数130〜147域を増やす意図で、結果として148〜166の高負荷域まで明らかに増えている。
Run走行距離を(この5年間で初めて)算出してみると、緩い移動ジョグ含めて234km、過去最高の走りこみだ。
 
ちなみに、代表的な走り込み月間であったKONA前の2013年9月は、移動ジョグをしないレースペース錬中心で、アップとダウンを除いて合計107km。管理外の含めると2〜3割くらい多いかも。
アイアンマン226kmを9時間半で走る程度なら、そんなもんで十分です。ただし、ほぼ全てBikeに続けての実戦型レースペース走。週1での良質なトレーニングを中心に組み立てれば、現実的に100kmもできれば十分だし、目一杯でも5割増し、てとこではないかな。
なお、ここで「良質」とは、Bikeローラー1.5〜2hを心拍150前後でこなしてからの(室温30°超えで冷却は家庭用扇風機のみ、普通の人はもう少し冷やしたほうがいいかな)
というレベルです。(当時Facebookに書いた通り)
 
11月もバイクはクロスバイクでの片道10kmの通勤のみ、スイム錬は筋トレのみ。
12月はそろそろ固定ペダルの自転車に乗り始めたい。まだ9月のレースで送り返した時のバラバラなままなんで、まず組まないと。

 

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*寒くなってきたし、、
*円安値上げが相次いでるし、、

2014年11月 3日 (月)

OFF初月、10月のトレーニングを公開しよう

9末に最終戦の村上を終え、中2日で動き始めた。過去最早のオフシーズントレーニングの開始だけど、その3週前の伊良湖後からオフ気味だったがために身体的疲弊感があまりなかったせいであって、ヤル気なわけでもない、笑
 
オフトレ初月の基本方針は、3kgまでの増量と、パワー&スピードの基礎作り。てゆうか、3kg以上は太らない程度に動く、といった方が正確か。
 
メニューは
  • Swim: ゼロ。かわりに公園の遊具を使い、肩〜肩甲骨中心に、1セット30〜50程度の軽い筋トレ
  • Bike: 片道10kmの通勤クロスバイク(普通ペダル)で、変速を重く入れて推定60回転/分くらいの体重を乗せたペダリングで、平均心拍130前後。最初と最後の数分間は軽ギアで高回転ドリル
  • Run: 公園のトレイルや芝生で、休みをこまめに、スピード重視で、30−45分くらい。距離未測定
でほぼ全部。その量が以下グラフだ。(10/1-11/1)
T2014_10
 
グラフ作成法は過去3年から変えた。(以前の→ http://masujiro.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/2013-8ab5.html) 変更点は:
  1. 元データは、以前はオフ日を除外していたのを、毎日を対象に、
  2. 3日分の平均を日単位でグラフ化する、3日移動平均線として表す。
結果、今年の方が低めに表示されるが、大事なのは過去との比較ではなく、「今の自分を知ること」だから、経年データの継続性が失われることは問題ではない。
 

3日平均を使うのは、リカバリーの基本サイクルを72時間とみるから。「高負荷1日+リカバリー2日」も、「中負荷3日」も、3日サイクルの中での積算負荷が同じなら、グラフ上では同じに見える。それが目的だ。

休養という視点から言えば、高負荷トレーニングの回復に72時間かかる場合、中2日の休養ならば、休んでいる間にも成長が続くため、その休養日の正体はトレーニング日であるともいえる。しかし、中3日では丸1日の完全休養が発生する。このとき、このグラフも落ちる。それが目で見えることに、このグラフの意味がある。

代替案の1つは、人間は1/4を休む必要があるという仮説(提唱者は多分ハッタリくん)に沿って、4日サイクル=4日平均値を使うこと。
ヒトは1日6時間寝て、週7日の29%にあたる2日を休んで(=余分の4%相当の2時間は仕事に当てていいとも言える)、女性なら月の1週は落とす(男性も目に見えないだけだろう)。この場合、4日1サイクルなので、4日移動平均線を使うことになる。
 
週平均だと、フルタイムワーカー目線で生活管理するのには最適だろう。今週がんばった!とかわかりやすい。ただ、サイクルが長過ぎてしまう。
 
グラフの通り、はじめ1週(5日まで)は負荷をかけず、身体の感触を確かめることだけを意識。2週目に少し動かす日を入れる。すると3週目には、自然と動く日が週2くらい入るようになる。
動いた日の後は、休養モードに入るので、結果、波が出来上がる。その波が少しづつ上がってゆく。
この関係は、週平均データでは見えてこないけれど、トレーニングの本質だと僕は思っている。
 
大事なのは、量ではなく、量の変化に対する感触。数学でいえば積分ではなく微分だ。(結果的には、積分によってレース結果は決まるけれど)
 
身体は、ある時に、自然と動き始めようとする。
その「波」を邪魔しなければ、自ずと身体は動いてくれる。
 
意思によって「動く時間を確保する」ことは大事だけど、意思の力で無理に波を上げようとはしない。身体の中の本能的な意思を信頼すればいい。そんな時にアタマは、動きすぎてはいけない、のだ。
 
11月も、基本この方針を続ける予定。強度だけ少し上げ、後半は少し変化を混ぜるかな。
 
 

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