カテゴリー「★ プロフェッショナルの育て方」の7件の記事

2008年10月 5日 (日)

僕的には何でも「おもしろい」と言ってみよう ~ 『夢をかなえるゾウ』

発行140万部超の「夢をかなえるゾウ」ドラマ版がおもしろい。

古田新太のいいかげんさ、水川あさみのダメダメ感、この組み合わせがはまってる。
(初回の小栗旬はかっこよすぎ、かな?)

本は、いわゆるビジネス本の中で、成功本とか自己啓発本とか呼ばれるタイプ。

過去の成功本の定番メニューを、超いいかげんなコーチが平凡なダメダメちゃんに指導するストーリーに乗せて、タイトルはダジャレ(気付かない人のが多いかもしれないくらいベタな。。)で、140万部だ。また売れ始めたらしいんで200万部くらい行くかも?=総売上30億円!

成功本は普通、超すごい人が、社会貢献(と自己満足とがないまぜな)意識で書く。

超すごい人には、凡人にマネできない超すごい部分があるからこそ成功するわけだから、普通にマジメに読むだけじゃ成功しない。だから、良い本は、そもそもそんなには売れない宿命にある。

信者の如く毎日毎日実行し続ければ別だろうが、そうゆう人は、既にすごい。

こうゆうのは、「超すごい人の視点」から作ってるから、そうなるのだ。

たくさん売るには、世の中の多数派=「ダメダメな人の視点」に立って、作り直せばいい。それに成功した本だと思う。

・・・

ドラマでは、「とりあえず、運が良かった。と言ってみる」という宿題が出てくる。

この元ネタは長者番付No1の斎藤ひとりの看板フレーズ「ついてる」だろう。 http://www.hitorisangayatteru.com/

僕の場合、何でも「おもしろい」と言ってみる、ということが近いかも。

最近気付いた。

ムラっ気があって、好き嫌いがパフォーマンスに表れがちな私なりのモチベーションコントロール法。

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2008年9月21日 (日)

『3人の石井慧』 に学ぶ正しいポジティブシンキング

北京五輪で数々の名言?を残した石井のメンタルコーチ、平本あきお氏のインタビューが日経BPのサイトに。

石井選手の考える「自分らしい柔道」について聞いたことがあります。すると、石井選手は少し考えてから、「いつも自分の中に3人の自分がいる」と答えたんですね。

1人目は、「自分らしい自分」。この状態の自分は、試合にも常に勝てている状態だったそうです。ところが、時々「飼い犬の自分」と「女々しい自分」が出てきてしまうというのです。

この 『3人の石井慧』 を

 「女々しい自分」  → 「したたかな自分」
 「飼い犬の自分」   → 「辛抱強い自分」
 「自分らしい自分」  → 「なりふり構わない自分」

と考え直すことで、「石井ちゃんタイム」をはじめとする「自分らしい柔道」に確信を持つことができた、と。

 

つまり石井は、「ポジティブシンキング」をしたわけだ。
それを、「弱点と真っ直ぐ向き合うこと」から、始めている。

 

人間は弱点をつかれたりすると、脳にネガティブな情報が入り、本能が 『恐怖』 を感じる。恐怖は、ライトを当てられてフリーズする猫の如く、動きを止めさせる。

本当は、ネガティブ情報とは、自分と現実との間にある 『ギャップ』 の存在を教えてくれる、貴重な情報。だから、きちんと向き合った方が、トクをする。

消化できたときに、進化できる。

タテマエで強がってみせる精神論は多い。
ても、ホンネ部分で気がかりがあると、タテマエ部分も崩れる。
だから、ホンネ部分のネガティブなものは、いったん吐き出しておくことが必要。
それが、「正しい精神論」だ。

組織の理念や目標設定も、同じ。

 

もちろん、メンタルだけで勝てはしない。
「世界の強豪に勝てる自分らしい柔道」あってこそ、だ。
それに好奇心旺盛な石井のこと、理屈は何であれ、なんとかしちゃうパワーもあるんだろうな。

とはいえ、何かの精神的な支え抜きに、石井ちゃん柔道を徹底実行することが難しいタフな状況だったことも、確かだろう。

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2008年5月 4日 (日)

組織も、快楽で、デザインする

前回↓↓↓の続き

会社に限らず、組織をゼロから作っていこうとすれば、

    「理念」
    「価値観」
    「方針」

などなど、を統一させたい。

とはいえ、やりすぎると、ウザい。

かつて理念重視の組織に居たときの、ワタシの1つの実感だ。

頭では理解する。
7割がた共感もする。
しかし、周囲は、残りの3割まで押し付けようとしてくる、ように思えてしまう。

宗教的な情熱に酔う人、一定の距離を置きたい人。
価値観は正しくて、そして共有されているはずなのに、壁ができはじめる。

これじゃあ意味ないよね。

で、どうすればいいか、というと。

自分だけの処世術としていうなら、
「考えの違う相手と、共通の目的を共有して、事を進めてゆく」
という大人チックな柔らかさが必要。

先のケースの自分にとっては、これが足りなかった、ということだろう。

ただ、組織をまとめる場合に、それだけではダメ。
脳科学的にそれは、対話、で解決する。

脳内で神経伝達物質が放出されるケースの1つは、
「自分の力で問題を解決・発見したとき」
だという。
スキャン映像でわかるらしい (ま、カンでわかるわね)

「この方針が正しいから、会社で一番大事な理念に沿ったものだから」
と伝えられても、それだけでは脳は活性化しない。

「君の意見は?」
と1回聞くくらいじゃダメ。

脳が活性化するレベルまで考えている組織、とは、
「お互い、思っていることを伝える、聞く」
というコミュニケーションができていて、適度に感情を発散できている状態。

そのためには、

  • 「その方針について、何度も熱心に語りかける」
  • 「それを自分はどう捉えているのか、自ら考えてもらう」
  • 「互いの考えを、どこまで認め合えるか、確認する」
  • 「認め合う」

という、結構ヘビーなプロセスを要するものだ。

楽しいことでなければ、続かないし、拡がらない。

こうして意識を合わせておいた上で、初めて、
「やってはいけないこと」
「やるべきなのにやらなかったこと」
に対して、厳しくあたることができる。

楽しさと厳しさの両立は必要。
それはまず、楽しさを共有しておいた上でのこと。

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2008年5月 3日 (土)

脳を、快楽で、デザインする。

人の行動は、脳の快楽物質「ドーパミン」に操作されている。

ドーパミンをドーーー!と放出するのは
「やった!」 「うれしい!」 という感情。

こうしてドーパミンを浴びた脳は、「放出の直前の行動」をもう一度やろうとする。

(図)
        【強化】
  ┌──────────┐
  ↓               ↑
 【行動】 → 【感情】 → 【快楽】

この積み重ねで、人の行動はデザインされる。
これが「強化学習」のメカニズム。
そんな話を茂木健一郎がしている。
大原則に沿った話は応用が利くから、いい。

たとえばイチローが小学生時代バッティングセンターに通いつめていたエピソードは有名だけど、彼が凄い努力家だからという御教訓よりは、「誰にも打てない球を自分だけ打てる快楽」 に溺れていた、という方がスッキリする。

勉強ができる子も、授業が快楽になる。(ワタシはずっと寝ていたのですぐに先生にあてられて問答をする過程で脳が集中的に鍛えられてわかってしまう、という珍種であった)

仕事ができると、仕事が快楽になった上に、さらに仕事が回ってくる。

こう考えると、人の間に格差が拡がってゆくのは、自然の道理だ。

そして、その格差への対応も、見えてくる。
必要なのは、「下の方」(ヤな言い方ではあるが・・・)にも
「正しいドーパミン」を与えて、「正しい行動」をさせること。


現実には、職場や家庭や社会の中でそれが得られないから、各種ギャンブルなどで一時のドーパミンを得る人が多い。
それだけ人はロジックで動くことができず、ただ脳への刺激を求めている。

本当に是正すべき格差とは、
「所得の格差」ではない。
「ドーパミン環境の格差」 なのである。


ちなみに諏訪東京理科大学の篠原教授は、パチンコと脳内物質の関係を研究していて、
http://allabout.co.jp/children/ikujinow/closeup/CU20060630B/

超ヒットしたパチンコ「海物語」シリーズは、脳内物質をとてもうまくコントロールしていることも、解明している。

儲かる店や会社は、「ドーパミンを売っている」 わけだ。
そうして客の、「また買う、もっと買う」、という行動をコントロールする。

従業員が「正しいドーパミン」で充たされているほど、そうゆう商売をしやすい。
そんな組織が増えていけば、世の中はよくなってゆく。
この余地は、まだまだ、十分にあるはず。

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2008年3月17日 (月)

理屈は後から、まず強みを活かす ~ NHK「マイケル・フェルプス 世界最強のスイマー」

NHKスペシャル ミラクルボディー第2回は 「マイケル・フェルプス 世界最強のスイマー」

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水泳部キャプテンであった中学の頃、月刊スイミングマガジンの小さな連続写真を、目を凝らして研究していた私。最強だったはずのイアン・ソープよりも強いフェルプスを、NHKスペシャルで、ハイスピードカメラの高画質で解説してくれるとあらば、そりゃ超チェックです。

Nスペらしく、泳法を科学で解説しながら、普通の一流選手と丁寧に対比させて、凄さを浮き彫りにしてくれる。

ソープの記録といえども、4年も経てば何人かが迫ってくるのが、スポーツの面白いところ。目標が明確なら、人間、結構達成してしまうのだ。とはいえソープ、抜くのは難しい。

フェルプスが勝てたのは、通常1割ほどのスタート&ターンの潜水距離を、ドルフィンキックを使って2割以上に伸ばす、という仕掛けの勝利なのだ。

潜水は、理屈上、水の抵抗が少なく効率的。でも苦しいし足だけじゃ速くないでしょ、と誰も注目してこなかった。
例外は鈴木大地の100m背泳ぎだが、スピードの遅い背泳ぎで100mだけだから、と思われていた。(ちなみに制限されたのは日本人差別じゃなくて、安全のためです。本当に、危険なんです。背泳ぎは口から上に息が出て行くから。多分200mの選手は何度か練習中に失神しかけてると思う。。)

スピードのある自由形の、しかも200mという距離で成功させたのは、キック自体の強さと全身耐久力、2つのブレイクスルーを要する。(鈴木大地も自由形も速かった記憶があるけど、たしか潜水してないし)


彼にだけできたのは、なぜか?

思うに、単にバタフライ出身だったから、というだけの気がする。

このままでは、ソープに勝てない。
勝ってるのは、いつも鍛えていて、他の自由形選手が練習しないドルフィンキックくらい。。

勝てるとすれば、この強みを活かすしかない。

そんな方針を、コーチのボブ・ボーマンはまず決めたのではないか、と思うのだ。

逆に、そうでもしないと、負けてしまう。ライバルは体が柔らかくて器用な「2m、100kg」の大巨人ぞろい。ダイエットした岩木山や水戸泉のようなもんか?
(ちなみに・・・ 今回の番組でも、対比させていた選手は、個人では決勝に多分出れない「1.x流」や、そもそもフォームの違う1500mの選手と強引に比べていた。前回は、スタイルの違うトップ同士をぶつけていたから、実は苦しい構成である)

こうして目指すものが明確になれば、次に、「どうすれば試合で使えるようになるか?」 という、手段についての問いが生まれる。

そうして考え出された手段の1つが、オモリを巻いた立ち泳ぎや水中ジャンプ、というユニークな練習。
持久力や心肺を強化するためのキツい練習にも、なぜそこまでやる必要があるのか?という、明確な動機付けになる。

問題が明確になれば、なんとか、対応できる。
そのためには、まず強みを活かすこと、理屈は後から、だ。

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2008年3月15日 (土)

役割は絞らない、一貫させる

先日書いた、世界卓球に見る、プロフェッショナルの育て方
で、試合間の平野早矢香選手がやっているのは、「自分に対するコーチ」といえる。

コーチする側、される側、というのは1対の完結した関係だ。
プレイヤーは本来、される側、であるわけだが、その役割を超えて、まずコーチになってみる。
その全体を見て、本物が登場し、コーチするわけだ。

逆のパターンを、早稲田ラグビー部の中竹監督がやっている。
日経ビジネスオンラインの連載 によると、「選手の立場になりきる」イメージングを、専門家と一緒に徹底的にやっている。
(監督は、三菱総研のコンサルから転じた30過ぎの、まさに若手ビジネスマンだ)


プレイヤーにとって、一度コーチになってみて、「なぜ勝てたか」を自分自身で語ってみることには、「勝ちパターンに気づく」 という効果がある。

一度意識したことは、日々、さらに実践しようとするので、経験値も貯まり、勝ちパターンはより強くなっていく。

そして、「なぜ勝てたか」、という勝因分析は、「なぜ負けたか、次はどうすれば勝てるか」、という、失敗を成功に転換する道筋にもつながる。

敗因分析は、辛いし、後ろ向きのようでもあり、なかなか徹底できないものだ。
しかし、「1勝9敗」の厳しいビジネスの中では、9敗の中から得られる経験は大切。
自分の勝ちパターンをプレイヤーが明確に意識できていれば、思わず真剣にできるのではないだろうか?


同じことは、ビジネスでも、また教える/教えられる関係以外でも、いえる。
例えば・・・

  • 営業なら、何かを買う立場を経験する。もしくは、その立場の人の話を聞く。特に、自分のお客さんに、「なぜ自分から買ってくれたのですか?」と聞いてみる。
  • 商品やサービスの開発者なら、宣伝・営業・アフターフォロー・・・等々の一貫したプロセス全体まで、企画させてみる。普通は宣伝の主担当は宣伝部で開発者がアドバイザーだが、開発者に宣伝主担当を勤めさせて、宣伝部がアドバイザー兼こまかいことの実行を受け持つ。営業には自分から行ってみる。
  • 新入社員なら、会社の改善提案をさせてみる。社長や事業部長が相手だ。もちろん、机上の空論にならないような準備立てはしておく。
  • ・・・

行き詰まり感のある時、何かサプライズが欲しいとき、有効な手だ。

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2008年3月 9日 (日)

世界卓球に見る、プロフェッショナルの育て方

ちょっと前の世界卓球。

世界No2コーチこと谷口貴彦さんが、おもしろい状況を発見している。
メルマガ 『部下のやる気に火をつける!経営者の為の7つの秘伝書』 3/3の記事を引用。

世界卓球で日本女子チームが活躍しました。

それで、その試合を見ていて気づいたことは、準決勝まで9戦全勝の平野早矢香選手のゲームとゲームの間の監督やコーチとのやり取りです。

ゲームが終わるなり、平野選手は監督とコーチの下に駆け寄り、今のゲームで上手くいったこと、どう攻めようとして、その結果どうだったかかと云うこと、何をもっと続けて、何をどう修正したらいいかと云うこと、相手をどう感じているかと云うこと、など、直前での体験を、まだ体が記憶しているうちに一気に話していました。

監督やコーチは、平野選手が話し終わるのを待って、客観的視点でアドバイスをしていました。

選手のアウトプットが先で、外部からのインプットはその次なんです。

平野選手がわーっと話したのは、彼女なりの『勝利へのストーリー』だ。
それを、試合中という極限状態で、語らせる。

これがトッププレイヤーへの指導術の最先端だ。

レベルの低い争いなら、『先に結果を出した人のやりかた』をそのまま、練習量をこなしてコピーさせれば、勝てる。

例えば東京オリンピックの頃のような、まだ世界のスポーツが純粋なアマチュアリズムで動いている中で、日本だけ企業チームというほぼプロ環境で立ち向かえた頃は、そうかもしれない。

それはたぶん、当時支援していた企業にとっても、好都合だったのだろう。欧米の先行例をコピーして、より早く、たくさんの仕事をこなせば成長できた高度成長期。社員達をノセるために、『スポ根で勝てる』 といことには大きな価値があったんだろう。

いまや、人気競技のトッププレイヤーは個人でもスポンサーをつけられるので、練習環境では差がつかない。

そのプレイヤーならではの才能をどれだけ活かせるか、の勝負。
指導法も、『プレイヤー自身が感じたもの』 を起点に組み立てるわけだ。

指導者のやり方だけでは、そうゆうクリエイティブな成長に枠をはめてしまう。
決して指導者を越えられない。

・・・

ビジネス的にいえば。

平野選手がわーっと話したのは、
『先に立てた仮説の検証結果、成功と失敗の分析、新しい発見、次の仮説』
である。

そして、普通の商売でライバルは、少なくとも同じくらいには、強い。まともな会社なら、管理職もトップ営業マンも、経営戦略、マーケティング理論などなど勉強しているから、打ち手もそんなに変わらない。(戦略が、戦略的ではなくなってしまうわけだ)

こんなビジネス環境では、スポーツのトッププレイヤーのやり方は参考になる。

・・・

もちろん、例外もある。
例えばライバル不在のケース。

  1. 本当にライバルがいない。一時のケータイ販売とか、ネット系とか、競合の消えた有線放送とか。→ これは、量とスピードだけで勝敗が決まる。
  2. 「負け癖」がついてしまった、もともとやる気のない人たち → そもそも勝てるとも、勝ちたいとも思っていないから、指導する側が空回りしかねない。(ただし、指導者が彼らのレベルまで目線を下げていないだけのケース、実はやる気はあるのに空回りしてるだけのケースもある。見間違い注意)
  3. 公務員さんとか・・・

このあたりは、別の機会に。

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