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2018年4月15日 (日)

最先端の医学では「白米は体に悪くない」が常識だ 〜東大卒トライアスロン王者が教える「好都合な真実」  …え?

あ、タイトルに1つ補足、王者の前に「元」を追加ください。ハッタリかよ。それ以外はエイジグループ(市民年齢別カテゴリ)だけどもIOC系列の正規競技団体によるナショナル・チャンピオンであります。そんなJTUランキングレースも4/15石垣島にて開幕、みなさんがんばってー!

さてさて、2018年4月刊行の『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が早速ベストセラーに。
著者の津川友介医師はUCLA助教授、良質かつ良心的な本だと思われる。本は今時点では読めておらず(いずれちゃんと読みます)、東洋経済オンラインの著者ご本人による記事→ 最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ~ UCLA医学部助教授が教える「不都合な真実」を、まずは紹介しておこう。
 
糖質の健康への影響を考えるにあたり、加工法によって2種類に分けている。
  • 白い炭水化物=白米・小麦粉など精白されたもの
  • 茶色い炭水化物=玄米など
//// 茶色い炭水化物 ////
  • 欧米、80万人対象の大規模研究によれば、摂取したグループは死亡率が22%低い
  • 動脈硬化、糖尿病のリスクを下げる
  • 体重減少効果
ほうほう素晴らしいですね。
 
1つ注意点は、この手の研究成果は、「医学」だけを見ていることが多い。
見落とされがち(or 意図して切り捨てている)のは、「社会学」的な面。
生々しく言えば、お金持ちか貧乏か、例えばね。
 
この研究についてありうるのはは、欧米社会で全粉粒のパン・パスタや玄米を日常的に食べる人は、そもそも食事に意識が高い人たちであるというストーリーだろう。欧米でこれら食品を日常的に売ってる店とは、僕のイメージでは、たとえば最近Amazonが137億ドルで買収したWhole Foods Marketとか、高級めの食品店。低所得層の多い地域で普通に売っているのだろうか? (日本だとダイエーとか東京のオオゼキとか、庶民向けの店にも普通に置いてあるけど)
 
つまり、「茶色い炭水化物を取るグループ」とは、食への知識があり(学歴高め)、高いお金を払うことができ(経済力高い)、同時にスポーツとかも十分にしているだろう。「茶色い炭水化物を取らないグループ」とは、食事への意識&経済力ともに低いことが多いだろう。アメリカとか低収入ぽい人達には、子供含めて太ってる人たち多い。高そうなカッコしている人達はたいていスリムだ。
 
//// 白い炭水化物 ////
 
日本人を対象にした研究では、男性では1日に白米2杯から、女性では1杯半ぐらいから糖尿病になるリスクが高くなると。なるほど。
 
でも僕のブログ読者には、別世界の話であることだろう。なぜなら、「1日1時間以上の筋肉労働や激しいスポーツをする人に関しては、統計的に有意な関係が見られなかった」から。
統計的な有意差がない、を普通の日本語で書くと、アスリートなら白米で糖尿病リスクは上がらない、ということだ。おそらくは、そもそもの糖尿病の発症率が劇的に低下するから、差が付きようがない。
 
あと、この研究は糖尿病限定。ガンや心臓血管系、足腰が動くことの健康寿命…と他の健康要因には触れられていない。スポーツして、白米を食べ、同時に野菜果物も食べ、しっかり寝れてる人であれば、なおさら白米の害は無効化される。
 
こうゆうことを書くと「スポーツは身体に悪い」説が登場しがちなんだけど、これこそエビデンスが粗悪、もしくは存在しないケースがほとんどだ。
 
つまり、耐久アスリート限定では、最先端の医学では「白米は体に悪くない」が常識だ ということになる。それはこのブログを読む人たちの大多数にあてはまると思われ(今年トライアスロンやらない僕も、米を美味しく食べれる程度には動いとります)、標題の表現でも問題ないはずだ! すくなくとも東洋経済オンラインとかがいつもやってるPV狙いのタイトル操作よりは笑
 
情報の意味は文脈次第。誰が何の目的で使うのか?
Img_0036
↑ こちらは実家のキャバリアくん。甥っ子が大学進学で近所から出ていったら、2週間近く忠犬ハチ公化してしまった。そのキャバリアくんの世界観において、「少年はこの道から出ていった」という事実は、「この道で待っていればはいつか返ってくる」という解釈されたのだろう。

彼はいつかってくる、すくなくとも、まちがってはいない。
//// 耐久アスリートと糖質 ////
 
ケニア発の情報に強いアメリカの巨大ランニングサイト、LetsRun.com(日本版)が、ケニアのエリートランナーたちの食事について、栄養士による解説付きで説明している記事: 「ケニア人の強さの源となっているケニアの食事について」 によれば、「長距離選手であれば、炭水化物の摂取量は、トータルの摂取カロリーの少なくとも55%は摂らなければいけない」
 
またTriathlete.com記事" New Research Is Changing the Game for Female Athletes " によれば、女性アスリートは糖質制限時のパフォーマンス低下が男性より大きい。理由は記事にはないけど、糖質制限とは「筋肉の分解」と表裏一体であるからだと僕は推測する。筋肉量の多い男性は、糖質が枯渇した時に筋肉を分解しケトン体を再生してエネルギーを生み出すことができるが、筋肉量の少ない女性ではエネルギーの総量が減ってしまう。女性に甘いもの好きが多いのも理由があるということだな。
 
ひとつのおすすめは、飴ちゃんを常備して、血糖値が下がった時になめる。これなら血糖値を上げすぎることもなく、素早く血糖値を補充できる。
 
これらパフォーマンス系の話は長くなるので、後で別に書くかもしれない。
 
//// 最新科学 ////
 
このように、数値の裏側をみにいくのが「社会性」の視点。まあ公衆衛生学などなら、これら考慮した研究がなされてることも多く、結局は、元の論文を読んでみないとわからない。そして「収入、運動、等々の何を考慮(統制=Control) しているか」は、論文の冒頭「研究の方法」(Method)などに書かれている。
 
ただ、普通そこまで読む人はいないので、結論だけが「エビデンス」として流通しがちだ。
 
ちなみに、「エビデンスエビデンス」言う方をたまにみる。元論文を読む人なら論文名を知る必要があるので当然な行動なのだけど、結論だけ欲しい人ならそれは論文というものの仕組みを知らないことを自ら示すようなもの、ただ本人は知的だと思いこんでいるという、、ま相手にしなければ問題ない。
 
「最先端の医学研究」とは、さまざまな医療情報から幾つかの数字を抜き出し、統計処理する。ちなみにスポーツ科学との大きな差は、その研究に投じられる資金量で、医療保険、新薬開発と成果が莫大なので、扱う情報量も、分析体制も、ケタがかなり違う。つまり統計データとしての信頼性は高く、得られる成果は大きい。ただ同時に、抜け落ちているものも多い、ということだ。そして往々にして、スポーツ関係は、その脱落部に入っている。

この限界を超えるには、たとえば、インスタグラムとかSNSを使いながら、日々の食事の写真をビッグデータ解析することになるだろう。まず、色が違うことだろう。「茶色い炭水化物をとるグループ」は、食事全体はカラフルなことだろう。色鮮やかな野菜や果物をたくさん食べてるから。合間にトライアスロンとかもしてるだろう笑
「茶色い炭水化物を取らないグループ」では、全体はむしろ茶色ぽいのではないかな。フライドチキンとかフライドポテトとか。

さらにSNS使えば、経済力とか社会性もいろいろ推測できるわけで。ですよねザッカーバーグさん?笑

こう考えると、21世紀なかば以降、圧倒的な質×量の情報にアクセス可能な()新興大国さんの医学研究が世界をリードするかもしれないね! かどうかはともかく、これから「最先端の医学」にも、ビックデータ以前か以後か、という大きな断層が生まれてゆくだろう。
 
最後に念のため、もしあなたが耐久アスリートでなければ、白米は身体に悪い、が常識だそうですからご用心。
 
・・・
 
読書メモ:おもしろかった!→ ←これから

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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