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2016年4月26日 (火)

トライアスロン・スイムの2タイプ 〜「後半勝負のストローク」Vol2.

←← 前回書いた「ストロークの後半勝負」は、初心者レベルの基本に過ぎないものだけど、そこへの反応に改めて、トライアスリートのキャッチ偏重は根強いなと思った。

プールの競泳では、キャッチも大事な技術だが、結局のところ泳速はフィニッシュで作られることは広く理解されていると思う。3m近い水深と高機能な波消しロープによって人工的に作られた静水環境なので、水面スレスレの繊細な技術が有効な面もある。海の集団でそれはない。それでもプールで超速い人は水の操作術をわかっているので、それくらいの環境変化には即適応できる。

<2タイプ>
海での集団泳では、大きく2つのタイプの状況がある。
  1. 密集と接触の中でポジション争いをする「バトル型」スイム
  2. 落ち着いた集団内で水流に乗る「省エネ」スイム
それぞれ適した泳法も分かれる:
  1. キャッチの瞬発力で高回転させる「乱流×バトル専門スプリント」泳法
  2. 深くて後半勝負の、大きな高効率ストローク
自転車でいえば、1型の技法は鎌倉の切り通しとかベルギーの「ユイの壁」のような短い激坂を勢いで超えるための強いダンシング、2型はDHポジション巡航そのもの。1型で箱根の山は超ることはない。
 
ここで、「1型」のバトル状況が出現するのは、ITUエリートレース(=つまりは五輪予選)での序盤、特にスタート直後とブイ周辺だろう。本来は。 特にITUルールでは、ここでの秒差が最終結果を大きく分ける重要局面。接触プレーに慣れた水球出身者が、プール泳力以上の結果を出せるのもこれだろう。とはいえあくまでも、局面と時間の限定された特殊技術だ。
 
基本は「2型」の省エネスイム。激しいイメージのあるエリートレースでも、1型スイムの投入は最小限に抑えて、2型で体力を温存したほうが有利に決まってる。
 
ちなみに僕が過去2度出たショート日本選手権のブロック予選では、本戦通過者がギリギリ出たレベルのスイム「最終列車」集団にいて、体力レベルのかなり高い密集集団に揉まれた記憶があるけど、例えばリカバリーの腕がぶつかっても、その瞬間に力を抜いてくれたり、推進力を落とすような接触はしない。バトってるように見えても、実は周りと協力して前集団を追うチームプレーの要素が強い。
 
もう1つ、「1型」が出現する場面がありうる。「スイム苦手な市民トライアスリートがかたまる集団」だ。こちらはスイムゴールまでエンドレスに続く可能性がある。ボディコントロール力の問題もあり、潰し合いなリアルバトルも起きたりして?
 
華やかなエリートレースのイメージのせいか、現実に出場してのバトルの記憶のせいか、「1型の特殊泳法」が、浸透し過ぎているのかもしれない。それが先のブログを書いた背景。そして、その反応から改めてそう思った。
 
<結論>
1型泳法の技術が高ければ、スタート直後100mくらいのうちに適切な集団を探し、付いて、2型に移行して楽に巡航しやすい。もしも、有酸素能力が超高くて、ハイレベルな密集内で、しかも十数分間で終わるスイムパートなら、その技術を磨くべきだ。
でもそうゆうのはごく少数で、たいていは2型の泳法だけで十分だと思う。特に、時間が長くて、スタートダッシュだけ決めればよい場合には。結局、トライアスロンのOWSスイムとは、2型の省エネ泳法に尽きる。
 
現実的には、「スイム苦手な密集に囲まれる」という最悪状況から脱出したい場合に、10秒間限定のエネルギー源 「クレアチンリン酸系回路」を利用した1型高回転ダッシュで「壁」を乗り越えてから、2型の短距離モードで適切な集団の後に入り、2型省エネモードに切り替える。
 
その上で、プールとの技法の違いは、
  • 大きな水流に乗っかり、
  • 前泳者の作る乱流の影響を受け流し、
  • 頭を上げて周りを見て、
  • 両側呼吸もできる
ということだと思う。
20160402_338192
 
<どこでもできる練習法>
それら技術を確認するには、自分と「だいたい同じくらい」の泳力の方の少し後ろから、
  1. 高回転×短ストロークのダッシュで追いつき
  2. 直後で、長ストロークの高効率で休憩スイム
という練習なら、結構どこでも出来るはず。
 
相手との泳力差によって、時間差、休憩時間などを調整すればよい。追い越し可で、相手が少し遅ければ、最後に抜いてあげる。もしも相手が競泳時代のアンディ・ポッツに国際レースで勝ったこともあるような元オリンピック選手のような場合には、直後に出て、1mでも長く付けるよう努力してみようか(経験談)。こう言う練習なら、たとえ10mでも、十分すぎる効果がある。
 
水面が荒れていれば、荒れたなりにやり過ぎしながら、水をつかむ必要がある。どうゆう調整をかければいいのか、この練習でシミュレーションする。ある超絶トップスイマーさんに聞いたら、表面部分を避けたストロークをしているといっていた。
 
<おしらせ:練習会>
こんな思考をもとに、技術に集中してやってます。「スイム苦手/遅いんですけど、練習会でれますか?」という問い合わせをたまに頂く。苦手とは改善余地が大きいということ。最下位には自分以外全員を逆転するチャンスがあるので す!その恵まれた立場を活かしましょう笑。Facebookフォローください。
 
 
←熊本地震の後で買った2つ

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