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2016年1月の6件の記事

2016年1月30日 (土)

「体幹活用」のありがちな誤解 〜Swimローリング編

< "体幹" の一般論>
今年に入り、いろんなニュースを見るたびに「ゲスの極み」と一言つぶやけば判った気になってしまうのは僕だけだと思うけど(ゲスさん言葉選びのセンスも極まっとる)、スポーツの世界では「体幹」が、そんな万能ワードかな。
僕の解釈として:
  1. よく言われるのは、「腹&背筋の連動性を高めながら筋力強化しろ」、いわば、胴体をロックできるようにしろということ
  2. その上で、パワーを体幹側の大きな身体パーツをつかって発生させることが、体幹動作の真価だ
青学駅伝の体幹トレーニングも、「胴体ロック」を前提に、肩甲骨の可動域を増すことで「上体駆動パワー」を増す、と同じ流れで理解できる。
 
このうち、1.胴体ロックのための筋力アップだけなら、出来て当然、という話で、高いほど良いといえる。ただ、このあたりの筋力不足は、ランニングとか単種目アスリートではボトルネックとなりうるだろうけど、トライアスリートなら、適切に動作できている限りは、それほど気にする必要はないと思っている。
 
僕だと、クロスバイク(普通ペダル)で片道1時間を移動した翌日に、腹筋全体に筋肉痛ができたりする。お腹からパワーを出す意識が、腹筋を使わせているのだと思う。逆にいえば、バイクで脚だけ疲れるようではダメ。
 
こうして鍛えた腹筋は、SwimにもRunにも効くはず。この関係は3種目ぶんあるので、専用の体幹トレーニングは必ずしも必要ではないという考えだ。もちろんやればやるだけの効果はあり、特に「意識付け」にはいいだろう。けど、その時間に普通に別種目の練習をした方がいい。(スキマ時間やナガラでできる範囲内なら別)
 
問題は2つめの要素、「駆動力アップのための体幹活用」で、ここに「間違った意識」を持つと、むしろマイナスになりかねないので注意だ。
 
 
<ありがちな誤解 〜Swimローリング編>
その例が、水泳での、「体幹クロールとは腰のローリングを活かすこと」という知識だ。
だ。と断言するのは、僕自身がそうだったから。
 
2つの落とし穴がある。
  • 「ローリングとストロークを一致させる」という意識が、早過ぎる、体重の抜けたストロークに堕してしまう
  • 体幹活用技術とは幾つかが相互連動するものであり、腰ローリングとはその一部に過ぎない
体重が抜ける=載せられない、とはどういうことか。たとえば井上雄彦先生の描く、右手一本での振り下ろしを見よう。
Tumblr_mcr29wkhko1rhrchxo1_500_2(画像はネットから拾ってきましたゴメンナサイ、実物は「バガボンド」でどうぞ)
 
ここで、腰を右に回しながら剣を斜めに流して、この速くて強いストロークが生まれるだろうか。
 
しかしクロールでは、「腰のローリングを活かしたパワフルなフィニッシュ」という情報が(不正確に)刷り込まれることが多く、結果、このハッタリ選手のように体重の抜けたストロークに陥る。
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もしもこの左ストロークが剣ならば、緑の侍にかわされて、カウンターで面を喰らって一刀両断まっぷたつ!
右(or下)のアンディ・ポッツなら、ほぼ同じタイミングで、ストローク側の肩がしっかり沈み、体重を載せている。宮本武蔵状態。詳細はこちらYoutube動画ご参照。
 
(なお剣のイメージでは、陸上なので重力を下方向に受けているという違いはある。ただし、水中でも重力は相手に向かう左方向に受け、かつ、同方向に浮力の反作用も受ける。力の方向性は共通すると思う)
 
では、クロールではどうすればいいかというと、腰ローリングを遅らせて、水を投げ終わってから開始、くらいの意識がいい。
 
これにより呼吸のタイミングも遅れることになる。クロールの呼吸は腰ローリングの勢いを利用するからね。慣れないうちは難しくとも、できるようになれば、吐く=腹圧を高めるタイミングをストローク最高加速地点に合わせるというメリットもある。
 
もどかしくてタイムも落ちる「山」を超えて、始めてビューと速くなる。それが技術向上というものだ。
 
・・・
 

2016年1月15日 (金)

勝つためには「強度6割+量4割」で練習する 〜まだ月間走行距離で消耗してるの?

Joe Frielコーチは2016/01/14投稿ブログ "How Should I Train? It Depends..." で、トレーニングでの必要要素をこう説明する。

  • 初心者: 頻度
  • 中級者: 量(=頻度×時間)
  • 上級者: 強度6割+量4割

その理由について、僕なりの理解を補足しておこう。

初心者は技術的にも体力的にも基礎を作る必要がある。そのためには、量も強度も抑えて素早く回復させ、週に何度も練習することが近道。いきなり量と強度を上げると怪我するし、実際、してる人は多いと思う。(僕のブログを読んでから始めればよかったのに)

その時期を過ぎ、量に耐えるだけの基礎ができた後は、やればやるだけ速くなる。

そこから表彰台〜KONAレベルなどを目指すには、強度を上げないと勝てない。(※元トップ選手は除く=身体が高強度動作を覚えているから)

ここで注目は上級者向けの、強度の重視だ。以下原文引用:

too many advanced athletes ・・・ continue to believe that the key to their performance is how many hours, miles, or kilometers they put in during a week. They’re wrong.
how fast (or slow) and advanced athlete trains has a greater impact on performance than how much volume they do in a week. And this holds true across all endurance sports.
determined 60% by the intensity of their recent training and 40% by their recent volume.

つまり、レースパフォーマンスは、直近のトレーニングの強度が6割、量が4割と言う。実感として僕は完全支持する。

それでも、量信仰が生まれる理由を考えると、

  1. 日本人的な(?)勤勉の精神の誤用 (でも欧米にも多いようだし)
  2. 自分の中級者時代の、量によって速くなった成功体験の誤用
  3.   「量を積んで速い人」の練習内容の誤読

だろうか。

最後の点について、正解をいえば、「量を積んで速い人」は、明らかに質の高い内容で量を積んでいる。ネットに上げる個々の練習内容からもわかるし、現実に、同じレースを走って動きを見れば、その練習の質の高さがわかる。ネットに全てを正確に書いているわけでもないだろうけど(=いちいち書いてられないし、こっちだっていちいち読んでられない)、レース中の動作は、嘘をつかない。
 
例えば、毎日1km4:30ペースで10㎞休まず走れば月間走行距離300km。少なくとも4−50代男子ではそれでは勝てないだろう。週に1度25kmを4:30で走れば月間100km。これならチャンスが生まれる。(数字はあくまでも例です)
4:30でそんな走れません、という場合、短時間高強度が足りない可能性が高い。アイアンマンを速く走りたいなら、1km走で十分なスピードを出せるべきだ。それが世界の標準。

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それから、このフリール氏の記事もそうだけど、量の管理は、欧米では「週単位」で行うものだと思う。「今月は何km走った」という表現は、日本語でしか見ない印象がある。

僕はこの差も大事だと思っている。月単位では振り返りとして不十分だから。最低でも週ごとに振り返るべきだ。月まとめはそれと別に、「1月第一週は何時間、第二週は・・・」とやればよい。(ブログに書くのは面倒だし月一でなんの問題もありません、いうまでもないが)

その際に、練習量はあくまでも4割の要素に過ぎない、という視点で振り返ろう、という話だ。

僕の過去の月間トレーニング量グラフでは、振り返りはほぼ毎日行い(3日移動平均グラフを毎日更新するから)、強度も3レベルで管理していた。掲載が月に1度なだけ。ただ、毎日振り返りは頻度が高すぎて気疲れするので、週一くらいがちょうどいい気がする。

なお僕が低負荷での量重視で練習していた「中級者」時代は、2010年始めごろの2-3ヶ月間ともいえる。その3月に自転車レースに初出場し、高負荷のなんたるかを身体で知ったのが、その夏からのトライアスロン・デビューの成功に繋がっているのは間違いない。以降僕は徹底的に高負荷派です。

・・・

ジョー・フリール氏はいわずとしれた「トライアスリート・トレーニング・バイブル」「サイクリスト・トレーニング・バイブル」の著者、この分野の世界最高権威であらせられます→

写真は蒲郡トライアスロンのランコースの先、竹島お正月の夕暮れ。奥には伊良湖がうっすら見える。

2016年1月13日 (水)

最新理論「クロール長距離はS字ストロークが速い」の解説と留意点

昨2016/1/12、筑波大学と東京工業大学がPopなタイトルのプレスリリースを発表し:

「S 字ストロークか?I 字ストロークか? 最適クロール泳法のメカニズムを解明」

早速今日1/13、朝日新聞に紹介されている:

クロール、速いのはS字?I字? 長年の論争に「答え」

その概略は:
  • 効率重視の中長距離では、S字ストロークにより、より少ないパワーで推進力を得ることができ
  • 効率より速度重視の短距離では、I字ストロークが速い
  • 2つの泳法は推進力発揮メカニズムが異なる
素晴らしい研究成果。ただしそれはあくまでも「理論研究」としてであって、僕のような一般スイマーを速くする「実践研究」ではない。いくら有名大学の研究が朝日新聞に載ってるからといって、「じゃあ長距離はS字で決まり!」的な反応は、短 絡 的 か も よ 、て話だ。その上で1つ結論を言っておくと、両方できるようになるべきだろう。I字で速ければS字でも速いし、その逆もまた真だが、I字で遅いスイマーがS字にかえて速くなることはない。トライアスロン3種目において秘密兵器など存在しないのだ。
 
 
<解説>
まず僕なりのざっくりな理解を書いておこう。(画像は筑波大の発表PDFより)
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上側はS字ストロークで、ストローク軌跡のカーブ部分で、そのカーブの外側に圧力の高い渦=青い丸が出来ている。下のI字では、腕の両側に渦ができる。
 
そもそも水泳とは、「渦の操作スキル」の競技だ。ストロークした腕の周囲に発生した「渦」が、抵抗となり、「杭」のように作用して、 腕をその位置に引きとめようとするから、身体全体が前に滑ってゆくのだ。いわばストロークとは、「水中への杭打ち作業」なのだ。
 
この研究で解明したのは、
  • S字ストロークでは、ストローク軌道のカーブの外側に大きな杭を1つ打っている
  • I字ストロークは、ストローク軌道の両側に、多数の杭を打ち続ける
のであり、そしてS字の方が、スピードとパワーを割り算した時の効率が高い、ということだ。
 
なお、定番教科書の高橋先生は、S字を古い泳法としつつ、「結果的に自然なS字になるだろう」くらいに書いている が、それは、「この原理が効かないタイプのS字」を指していると思われる。教科書には、トップスイマーの繊細な感覚までは書かないものだ。
 
なお、すいませんが英語論文まで読んでませんので。詳細を知りたい方はこちらからどうぞ→ http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02640414.2015.1123284
 
 
<注意点>
まず一般論として、どのレベルのスイマーの話なの? と考えるべきだろう。それ次第では、「トップ層向きの理論を普通レベルがマネする弊害」がありうるから。フォアフット着地とか、幾らでも例はある。1km3分を切る走法であるフォアフットを、1km6分でマネするの?的なね。
 
次に、文章を逆に解釈すれば、この研究の成立条件がみえてくる。
  1. 水をかく向きが変わる瞬間に手首の周りに渦を作れること
  2. その結果、「渦対の発生による非定常揚力」とやらが十分に発生すること
の2ステップだ。
 
具体的には、下手にS字を意識すると、向きを変えた時に水を逃がして、遅くなりかねない。水を逃さずに渦を作らねばならない。でもそれはけっこー高度ではないかな?
 
いわば、ピケティ先生風に表現するならば、
 
本研究が前提とする動作 > あなたの現実の動作 
 
て事態であり、それに気づかないとスイマー格差が不可逆的に拡大的な。。
 
さらに、この実験の手法にも注意だ。
 
上記リリース文では、
 
「ヒトの泳動作を再現 できる水泳ロボットを用い、手部における流体力、圧力分布、流れ場の計測を行った研究成果(Takagi et al., 2014) をもとに検証を行いました。」
 
とある。あくまでも機械効率上の話だ。あなたはロボットのように理想的なS字ストロークができるか? もしできていれば、40代男子なら400m5分以上かかることはありえない。
 
S字プルで短距離の日本記録も出してたハギトモ選手は、そんな機械チックな泳ぎが出来ていたわけだな。天才はどうしたって天才。ハギトモ以外ハギトモじゃないの♪
 
<検証法>
実際どうか? と確かめるには、人体実験で検証するほかない。
S字ストロークで泳ぎながら、感じてみることだ:
  1. 最初アウトスイープからインスイープへの切り返しでは、小指の外側に、
  2. 次のインからアウトでは、親指の外側に、
  3. 渦を感じられるかどうか?
1.のポイントは、速いスイマーさん複数が、「小指の外側に水をひっかける」と表現している。その感覚が、強い渦ができ、身体が引っ張られている状態といえる。
 
 
<対応>
殆どの市民トライアスリートにとって、改善すべきはここではなく、もっと基本的な部分だと思う。まずは共通の基本を徹底すべきだろう。これまでI字で練習してきたのなら、それを改善し、その上で少しだけSも意識してみる、という手順を踏むべきだと思う。
まずは基本の徹底が9割。残り1割の範囲内でいろいろ試してみる、その1つのヒントとしてね。
 
以前にも書いたけど、どんな技法だろうが、速い人は速い。それは、こうした研究成果とされるものを、肌感覚として前から理解し使いこなせているからだ。後付けで理論だけ中途半端にとりいれようとしても、幼少期からの訓練を積んだ天才たちには及ばない。
 
 
<OWSでの応用>
以上ふまえ、どちらも使いこなせるようになるといい。そうすれば、
  • I字ストロークで高回転: 向い潮など高いパワーを要する場合、あるいは密集集団内で細かいボディコントロールが必要な場合
  • S字気味に大きくストローク: 追い潮、落ち着いた集団内など、ゆったりとスピードを出せる場合
という使い分けができるようになるから。
 
・・・
 
以上、突き放し気味な文ですが、、そうはならない正しいアプローチをこれからガンガンに出してゆくのでよろしく〜 (セミナーはFacebookの告知だけで満席が続いているので、気になる方はフォローくださいませ) 

2016年1月 7日 (木)

トライアスリートは「青学駅伝の体幹トレーニング」をどう活かすべきか

青学駅伝チームの体幹トレーニングが1年ぶりに注目されている。
 
ネットでは日経Gooday 「箱根駅伝、青学躍進の陰に“理詰め”の体幹トレーニング」 (2016/1/1)が情報量豊富。2編9ページに細分化されてて面倒なので、要点を抜き出してあげよう。(優しいぞオレ今日は笑)
 
考え方)
  • 成績が上がらない。それは目標を設定しないで、同じトレーニングを繰り返しているから
  • 精神性ばかりに頼り、選手の個性や弱点をわきまえることなく画一的なトレーニングをしてしまうから故障を招き、練習ができない期間を作ってしまう
  • 体幹の筋肉を鍛えるには、まず重要度が高い体の奥深くにある筋肉から鍛え始めて、順に付帯する外側の部位を強化
  • 筋肉について考えさせることです。トレーニングメニューは一切出しませんでした
3種類)
  • 練習前に行う、肩甲骨や股関節の動きをよくする「動的ストレッチ」
  • 練習後に行う筋肉ケアのための「静的ストレッチ」
  • 就寝前やレース前に行う筋肉と精神をリラックスさせるための「筋弛緩法」
効果)
  • 体幹が固定されて、肩甲骨が自由に動くと、腕振りがスムーズになって推進力が生まれる
  • 特に腕振りに明らかな変化が出てきました
練習法)
  • 体幹と肩甲骨を有効に使う走り方を身につけるには、走る練習に入る前の準備運動(動的ストレッチ)と補強運動(体幹の筋力トレーニング)
  • 長距離を走る上ではコア、すなわち体幹の深層部にある筋肉で体を安定させて、肩甲骨を使った腕振りで生まれたパワーを、効率的に下肢へ伝えて推進力に変換する
  • 接触プレーがあるサッカーでは、インナーユニットに加えて、外腹斜筋や大殿筋などのアウターユニットも鍛えることが欠かせない
以上、独自分類まじえ引用。
 
コンパクトにまとまってるのがスポーツナビ 「箱根V2最有力、青学大はなぜ強い?トレーナー中野氏が重視する基礎の徹底」  (2015/12/11)
 
「頭と胴体を動かさず、肩甲骨を大きく動かす。
 腕は引くだけでなく、ひねりを加え、さらに可動域を伸ばした。」
 
だと。これら、基本(もしくは本質)の徹底だ。「腕振りは、引け」的な局所的・限定的な指導法はよく目にする。わかりやすく実行しやすいので初心者には良いのだけど、レベルが上がるほど遠回りになるものだ。
 
前回書いた通り、腕振りの本質は、上体側からのパワー発動にある。そしてパワーの起点はより体幹中心部に位置すべきだ。だから本来振るべきは腕ではなく肩甲骨(+しいていえば鎖骨もか)とも考えられる。
 
詳しく知るには、担当フィジカルトレーナー、中野ジェームズ修一氏のDVD付き著書を→ 
 

<では、トライアスリートはどう活かすべきか?>

ただ、あくまでも純ランナー向けの方法論なので、トライアスリートにはアレンジが必要だ。
指摘しておくと、
  1. 「肩甲骨の柔軟性」は、トライアスリートなら、そもそもスイムで実現しているはず(だよね??)
  2. 念のため、肩甲骨の柔軟活用は、バイクでも活かしてるよね??(DHポジションでもノーマルでも)
  3. 鍛えるべき体幹筋力につき、「インナーユニット」をブラさず固定させる、としているけど、長距離走に限った話だよ
  4. スイムでは、むしろサッカー選手向きのような、アウター側の体幹筋力が推進力の主体だよ(インナーユニットも使うけど)
  5. 「インナーユニット」は、バイクとスイムでも十分鍛えれると思うよ
  6. 「筋弛緩法」は、スイムが一番だと思うよ(時間を使うけど)
  7. 「インナーユニット」を鍛えるのは、「呼吸法」を変えるだけも効果あるよ
なんだか不要論みたいになってきた、、なことはなくて、
正しい方法を理解しながら、3種目の基本に沿ったトレーニングができている限りは、特別な「体幹トレーニング」と呼ばれるものをしなくとも、自ずと鍛えられる、と思う。
 
<僕がやってること>
まずは「意識」が大事で、それ次第ではママチャリをクルクル回してるだけでも十分に腹筋(というか「インナーユニット」周辺) に筋肉痛を入れることができる。
意識ってなんだ? という方は、本とDVDを試しながら、考えてみるといいだろう。
 
インナーユニットを鍛える呼吸の要点は、「腹圧」をかけるということ。スイムとバイクでは重要な技術として知られているもので、トライアスリートなら基本の一つだ。
 
その上で、オフロード、できれば(整った芝生とかよりも)路面が荒れて起伏のあるトレイル系のランを重視している。一歩ごとに身体が揺さぶられるので、自ずとコア制御力も高まる。これは何度も書いてきたとおりだ。
 
3種目以外にいいと思うのは、「ノルディック・ポール」を使ったオフロードでのランだ。
上体パワーを直接に推進力として走ることになるので、スイム錬にもなる優れものだ。
全身の筋力を活かして走ってみる経験は、遠回りだが、走技術を上げる、と思う。
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僕は2012秋のバイクレース負傷時に、松葉杖のかわりに購入したのだが、治癒後、トレーニングに使えるのを発見した。そして2013年にランのパフォーマンスが大きく上がっている。
僕のはLEKI最安モデルの「SPIN」だが、今だけ上級モデルが安くてオトクだ ↓↓↓
あと、バランスボール的なもの ↑↑↑  を日常づかいするとかね。椅子を撤去して替えてもいいが、なかなかそうもいかないだろうから平べったいのとかで。「呼吸法」と合わせればさらに効果的。デスクワーク中に鍛えられる? 運転中だと危険か笑
 
それから、「古典的儀式的」といわれるタイプの腹筋もたまにやってます。少々のアレンジはあり、「意識」を正しくもてていれば、説明不要な範囲内だと思う。バランスディスクがあればやりやすそう。
 
・・・
 
<考える、ということ>
ついでに、記事でおもしろいと思ったのは、流行りのグループワーク形式でガイコツ人形で遊びながら、学生に考えさせる指導法がイマドキだ。こうゆうのは、21世紀に入り教育界で急速に普及した手法だが、トップスポーツ界にも入ってきたんだなあ。
 
この重要な(正の)副作用は、自信だと思う。練習量が自信につながる、とはよく聞く話だけど、「考えた量」だって十分に自信につながる。しかもこちらは、波及効果が大きい。

2016年1月 3日 (日)

箱根駅伝にみる「腕振り技術」、2×2=4パターン

トライアスロンのバイク直後のランをエリートランナーと比べた特徴は:

  1. バイク走力にラン走力も影響されること
  2. 腕振りによる上体パワー活用の重要性

2.につき、「パワーの起点としての腕振り」が使えるようになると、レースペースを上げ、後半にありうる大崩れを防ぐこともできる。

僕は腕振り重視だ。その原点はたしか、1-2年目かのどこかのレース中、終盤でギリギリ粘るために編み出した苦肉の策にある。オーバーペースで終盤にヤバくなってきた時に腕振りで強引に運んだことも何度か。ロングデビューのKONA2013も最後15kmを腕振りで強引に運んだ。

これら経験から、ランパート後半の持久力は、走り込みよりも、まず腕振り技術を磨いたほうが上がるとさえ思っている。その技術は、細かな起伏のあるオフロード中心にラン練習するようになってから、さらに上がった。これら踏まえ、腕振り技術について、箱根駅伝を見ながら書いてみよう。

まず腕振りの役割を確認しておくと、脚の回転は骨盤を通じて体幹に伝わり、暴れてしまうので、腕振りの逆動作を返すことで、姿勢を制御する。脚のピッチ=回転数を上げたい時には、まず腕振りを高回転化する。

分類すると、2×2=4パターンがある。

パターンの1つめは主従で、

  • A) 普通エリートランナーの腕振りは、脚の縦回転を制御する「従」なものだが、
  • B) 1.まず体幹上部でパワーを発生させ、2.骨盤を横回転させ、3.脚に伝える「主」としの腕振りもある。
また、どの位置から腕振りパワーを発生させるかで、2タイプ:
  • X) 中心=背骨に近い位置から、求心的な力を発生させるか
  • Y) 末端=手先から、遠心力的な力か

箱根ランナーは高校時代のトラックのエリート揃い、平坦20kmという規格もあり、みな同じような走りをする。体型もで、170cm56kg的な細身の身体は、一緒に走ると(たまに駒澤さんあたりと一緒になるので)、僕の胴体に肩まで収まりそうな感じ。そこで、基本はAパターン。

ただ、規格外のケニア系、と5−6区ランナーは、腕振りをよく活用していることが多い。

この"B × X"型イメージを、まず日本人トライアスリートは試してみるといいと思う。(欧米の長身トライアスリートはY型=腕は動くが胴体が安定している場合が目立つ)

好例は、2区山梨学院ニャイロ選手。他と比べて動作の起点がより背骨=体軸側。後ろからの映像では肩甲骨がよく動いてるのがわかる。クロールでいえば、肩を回すのではなく、鎖骨と肩甲骨から起動している感じ。1km入り2:40=100m16秒!はやりすぎで、終盤に落ちたが、この攻めの姿勢がケニアンの真髄かもしれん。世界で戦えるのはああゆう超高速レースを仕掛けられる選手だろう。

上りはパワーが必要なので(軽いだけではダメ)、みな腕振りをよく使うから、トライアスリートは注目しがいある。「山の神」系で卒業後伸び悩む選手は、デュアスロンに適性高いだろう。実業団を引退する前に一度チャレンジしないかなあ。さらに泳げればKONAで優勝してほしい笑

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写真はITU世界戦シカゴ'15のU23、順天堂駅伝出身トライアスリートの小林大哲選手と、奥はたぶん先頭集団。彼も体軸駆動のみごとなフォームで、バイク走力向上によりさらにランが伸びることだろう。

"B ×  Y" の末端駆動(もしくは遠心力の利用)では、2区でたまたま目に入った駒澤工藤選手は中間スパート、上りへの入りなどで、手先を大きく振って加速していた。箱根ランナーとしては身体が大きく、トライアスリートが参考になる動きだと思った。

遠心力活用タイプの代表は青山5区神野。彼は体重45㎏、パワーの絶対量の不足を遠心力で補っているのかな? ただこの場合でも、パワー発生は体軸に近い位置から=Xタイプのほうがいい気もする。その上で、腕が体軸から遠い距離を移動している、という差かな。

上り下りの走り方は、弘山勉コーチが最近考察している→ http://athlete.evolu.co.jp/wp/9137 全部理解する必要はなく、「腰の活用」という1点に集中すればとりあえずはOKかと思う。 それよりは、起伏のあるオフロードをたくさん走ることが効く。(舗装路の起伏は故障リスクが高い)

・・・

箱根駅伝の観戦は、実家居間のエアロバイク(エアロなTTバイクではなくてTV通販アルインコ)回しながら、駒澤の大八木監督が去年出した本をパラパラ読みながら。これを読んで速くなる系の本ではないだろうけど、こうゆう当事者の生々しい語りは、観戦を楽しむのにいい。青学の原監督の本はこれから。

箱根スペシャリストのライター酒井さんはこの業界の激しい競争をよく取材している。日本中の高校の5,000m記録上位ランナーは関東の30大学がごそーーーっとかき集めている。過当競争な面もあるだろう。

僕の理想をいえば、距離のバリエーションを増やして、より多彩な選手に活躍の場が与えられると、日本のエリート陸上のレベルが上がると思う。5kmくらいの区間があれば1500−5000mのレベルも上がるだろう。長距離も、まずはスピードだと思う。

2016年1月 1日 (金)

2016三大構想その1: 40代から世界で戦う方法論

2015年のブログ閲覧数は記事更新あたり5,000を超えた。記事別ベストテンはこちら。16あるのは、1位がトップページ、2014年記事4、2013年1が混ざるから。

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2年前のKONAシリーズは10月に入り検索経由のが急増した。過去記事を平均4-5分かけて丁寧に読んでくれるのは嬉しい一方で、どんなんだっけ?と読み返して昔の文章のだめさ加減にあきれる。特に4-5-8位の水泳記事は全削除して書き直したいくらいだ(=消さずに猛烈に書き直しまくるが)。て今のも3年後には笑って読むことになるだろうけど。

実質1位は7月の「水分補給と熱中症対策の新常識」、2位は10月の稲田弘さん(83)。瞬間最大風速は稲田さんが圧倒的だったが、熱中症シリーズの総合力で上回った。トップページやカテゴリ別でも読まれているのと思うので、実際に届いた数はもっと多い。

2014年まではもっぱら「自分のレース」を軸に調べ考えたことを書いていたのだが、2015宮古準備から、「普通のアスリート」目線で俯瞰して書くようになった。去年のアクセス急増はその結果。競技者と理論家とは両立しないとわかった笑。

2016年はこの3種目でトライし、2つ以上での国内王者を目指す。

  1. 40代過ぎで速さを保つ方法論 (プロトタイプ制作中)
  2. 体幹パワーを活かしたクロール技術 (量産化準備中)
  3. トライアスリートの経営+キャリア+社会学 (研究開発中)

宮古島にはハイキングにいきます!

・・・

てわけで早速2.からガンガンいこう。アイアンマン世界選手権KONA2015男子の優勝と入賞(Pro10, Age5)タイムをグラフ化している。

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年齢カテゴリ上昇によるパフォーマンス低下がよくわかる。加齢によって30代以降の生理的ベースは落ちてゆくのだろうが、30代以降から参加者が激増するのは世界共通なようで、層が厚く激戦となっていることが、1位と5位の差が接近していることに見て取れる。当然、5位と6位との差も近い。

その結果、50代前半まではタイムがあまり落ちてないようにみえる。これが世界のロングレース高速化だ。

実際には、50前半の1位だけが突出しており、入賞ラインは緩やかに落ちている。この異常値はデンマークのBent Andersen の仕業→  http://www.endlesssport.dk/profil/bent-andersen Google翻訳で英訳すると過去の凄まじい戦果がよくわかる。

彼は「故障でプロ活動を断念した元エリート選手が、大手企業で管理職をしながら、週12時間くらいの練習で、KONAのエイジ記録を30代あたりから塗り替えつづけている」という人っぽい(情報源は忘れた=暇ができれば調べなおそ)。本当の技術とはこうゆうものだ、という例だと思っている。

で、こうゆう人が一人いると、後に続くエイジのレベルはそこに迫ってゆくものだよね。人類には不可能と言われた1マイル走4分の壁も、一人が超えたら次々越えていったように。だから今後、グラフの水平に近い部分が、右にスライドしてゆくことも予想できる。

だとすれば、30年後にはM80カテゴリにまで高速化はある程度は及ぶことになる。いわゆる「80まで続ければKONA」説は、少なくとも今40代以下ならば、無理だろう。80歳でKONAに行きたいのなら、今から技術を磨き、スピードを上げておくべきだ。

この中で普通の日本人が世界で戦えるとすれば、どのような方法論がありうるのかを、お見せしたい。その名にふさわしい成果と共に。 (実験モルモットさんは僕とは限らない)
 
まずは概要だけお伝えしておこう。
 
複数の60代の著名強豪選手に伺うと、加齢と共に故障しやすくなるという。またタイムの落ちは、重力の影響が大きい順に大きい、つまり、ラン>バイク>スイム、の順に落ちるそうだ。
 
この問題への一つの対策は、「高強度トレーニング」にあると思っている。たとえば、
  • 高負荷練習は週2日
  • 短時間高強度の活用(筋力、心肺の両面で)
  • 技術改善と筋力アップは一体
  • 栄養休養もトレーニングの一部
  • などなど・・・
技術については、加齢とともに筋力は落ちてえゆくので、
  1. 高強度トレーニングにより筋力低下を防ぎながら、
  2. 低下した筋力を前提とした技術を見出す、
という二段構えが必要になるだろう。
 
Facebookでちょこちょこと書いてきたのを、しっかり書いてゆこう。別サイトたちあげようかな。
 
・・・
 
おまけ:最近読んで面白かった本。
表現方法についての2作は、毎週連載の少年マンガ=常に興味を維持するビジュアル勝負と、大人向け単行本=読後の口コミ勝負と、対象的な創作手法がわかっておもしろい。
岡田斗司夫のはネット時代の発信方法について。この人さすがだわ。
 
そしてJINSのPC用ブルーライト38%カット眼鏡、27インチMac作業での眼の疲労が明らかに減った。もう少しフレームが大きいといいんだけど、安いからOK。スポーツ用のもJINSにしようかな。

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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