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2015年5月の9件の記事

2015年5月31日 (日)

トライアスロン開始5周年、その変化について

<5年前>

たしか5年前の5/27頃、藤沢市民プール回数券11枚3,000円を買い、20年ぶりにマジメに泳いでみた。全身に覆いかぶさる疲労感の中、1日おき計3回くらい泳いだら、50m45秒巡航くらいかに上がってきた。そして地図ソフトで1kmコースを調べて、ブカブカなNike Air-Maxで4分で走ってみた。OKいける、と7週後の蒲郡大会に申込んだのが5/31。この5日間の行動から、僕のトライアスロンは始まった。

翌日£153のウェットスーツをCRCで注文。ちなみに当時は1ポンド132円(今は190円)、一度でてみるだけに2万円、となる可能性もあったけど、だとしても当時家から10分の江ノ島・片瀬海岸でのボディボードや水泳で使うオモチャとして十分かなとも思って。 JTU登録は直前の6/28。(今では申込前に必要)

7/11、レースでてみたら、けっこう行けた。じゃ表彰台に乗ってみようかと、8/2長良川大会に直前申込したのは7/24。たぶんこの13日間に、僕にはできるんじゃないだろうか、って考えたんだろうな。直前なので、レースNoは3人くらいだけ離れた変な番号、ゼッケンが手書きだったような記憶が。

その時のブログ→「賞を頂きに、長良川トライアスロンへ。

それで本当に表彰台に乗ったら、じゃ年間ランキング獲ってみようかと、その時点でエントリー可能な9月の波崎と村上に申込。いまや当選がラッキーな村上大会に、5年前は、1月前に入れたのであった。それで年間ランキング2位。

あれもこれも、今ならありえない緩さだ。そうして調子にのって今に至る。という話を、

トライアスロン・マガジンで少し喋ったわけです→

あれから5年、最高の瞬間を幾つも得ることができた。(それも喋った)

1610941_825946484157477_25807562229←撮影:石原さん

<YOKOHAMA>

横浜大会には2011年9月から5回出続けた。今回ほどBike+Runで同世代ゼッケンに抜かれたレースは無く、周回遅れ組ふくめ気づいただけで4−5人に抜かれたと思う。

その一人、Bike2周めに抜かれた星さんとの差が少しづつひろがっていった時点で、20大会続いた連続表彰台が途絶えることがわかった。

いつもは、居たとして、1-2名。そして同年代には1人でも抜かれてはいけないのがJTUランキング争いで、2位に落ちたら、もう1レース追加しないといけない。敗戦の罰金5万円だ。よくも今まで、そんな厳しいレースを毎年4つも5つも、僕は続けてたもんだ。

そんな中、レース中にいだいた声援は格段に増えた。それはRunで僕の後ろを走っていた方からも言われたから、空耳ではないようだ。 おかげでレース途中で勝負を捨てても、今までになく楽しめた。

レースへの向き合い方を変えるよと直前に宣言したばかりだけど、そんなの読んでないはずの人達から、思った以上に応えてもらった感じ。 

<変化>

これが5年間の変化、もしくは成果。

横浜はとくにチーム参加者が目立つ中で、単独の僕は長年地元だけどアウウェー戦。表彰式で周りの人達に話しかけて知り合いがちょっとできて、的なのが続いていた。

一方で、単独活動には副産物もあって、一人なので独力でいろいろ調べて、やってみて、という経過をネットに書き続けてきた。それは、大きな精神的エネルギーになってきたように思う。

すると、ブログ読者さんは確実に増え続けて、特にこの1-2年、 レースはその反響を感じる「ライブ」ともなってきた。

自分の勝利を追求する自己目的な閉じたものから、その経験を共有するための開かれた場へと変わってゆく。

速さと表現の両立。速さ=競技成績をきっかけに、表現の方にも注目してくれた方も多いと思う。できれば両立したい。ただ成績は水モノで、今回は宮古後の腰痛で少し練習を落としたら、緩んだままだ。

まあ、それはそれでいいかな、て気分。春までに申込済の6月の3レースで今年のJTUランキングは終了させる。つまり王位は4連覇での終了。オリンピック1個分の期間、よくやったぜオレ。

9月の世界選手権に向けて、すこしづつ上げていくつもり。「年代ほぼ最強」の看板は、まだ降ろさない、笑。

そんな中だからこそ書けるものもあると思う。新たな表現へ向かおう。

 

<おまけ:器材について>

ところで、横浜のバイクは、スプレー式のパンク修理剤「マルニ クイックショット」をフレームに巻き付けた。少なくともショートレースでは、チューブやタイヤを換えてたらレース終了。かといって何も持たずに、小さなキズ1つで途中棄権してしまうのは残念だよねー。これくらいが丁度よいのでは。ロングレースなら大きなキズにも対応できるよう、タイヤ自体を積むメリットもあるだろうけど。

(←ファーストエアのが操作性高そう。値段も)

ちなみに、優勝の疋田さんはアルミリム+カーボン蓋のコスミック・カーボン。巡航性の大事なトライアスロンでは、実はこうゆうのが最強かもしれない。パンクしてもチューブ交換で済むから楽だし、レースと練習とでブレーキパッドを換える必要もない。(※練習からカーボンホイールを使う方も目立ちますが、それはあの値段を「安い」と思える財力が必要な行為ですので、迂闊にマネしないようにしましょう)

構造的にやや重くなるが、プロの自転車レーサーも、むしろ重さのあるこうゆうホイール(というかこのホイール)を好むそうだよ。登りコースなら別だが。

・・・

それから、タイの洪水後高騰していたメモリ価格が、さいきん急降下中。僕のMacも4GBから12GBに3倍増させ、購入直後の軽快感を取り戻した! 2個セット計8GB7600円で買った1−2週後に7080円まで下がってたけど、一時は2-3万したようなので誤差の範囲。作業環境への投資は大事だ。
(購入前に型を調べた上でね。僕だと「1067MHz DDR3 PC3-8500」で検索。「PC型番+メモリ」検索でもわかると思う)

2015年5月17日 (日)

横浜トライアスロン、ハッタリ選手のJTU連続表彰台20で途切れる! でも完走たのしー!

僕は2010年7月から2014年9月まで4年に渡り、「JTUエイジランキング大会での20戦連続表彰台」という記録を持っておったわけですが、本日の横浜大会40-44男部門で6位、ついに終了しましたー。でこんな気分→

11219035_994247323927677_3119997315←撮影:TBRC池水さん
「宮古'15敗戦記4 〜筋肉ダメージの原因、そして対策」 で書いた通り、宮古での第二ラン以降、中殿筋ないしは梨状筋に問題があり、バイク・ランを控えていたところ、素直に筋力が弱っていた。宮古後の初バイクは2日前の金曜。ちょっと足りなかったみたいだ。まったく練習さんは素直です。2週くらいならともかく、4週間あけるのはほぼオフだ。前回書いたのも、それ踏まえてる面もある。
 
宮古4週後の横浜に申し込んだ時点で、こうゆう状況も少しは、想定されてはいる。
 
それでも、出てよかったなあと思うのは、名前で応援してくれる声の多さ。特にランでは、ランコース沿いいっぱいの見物/応援の中から、「ハッタさん」「ハッタリさん」とあちこちで声がかかる。
 
毎回応えるのも大変なので、眩しいけどサングラスを外して頭に載せ、せめて目線だけでも応えていることがわかるようにした。おかげで夜になっても、少し目がチカチカする 
10420068_833502160063084_1322863505←撮影:篠崎友プロ 
そうして楽しく走りながらおもった、完走するってすばらしい!
 
公式記録 ←はこちら。
部門別順位の5年推移は、総合7-8-11-15-29、Swim36-19-44-60-38、Bike13-20-10-19-44、Run9-10-17-17-58。
スイムは過去2年よりは上がっているが、プールではもっと上がってるので、本来は大幅に上がらねばならないところ。海のウェットで泳ぎが乱れた感。というか、レースが始まると昔の泳ぎを身体が思い出してしまうのか。
 
レース詳細は、また書きます(たぶん)。
 
今回の発見の1つは、「バイクのスピード感」について。2013−14年によく感じた、ばびゅーんと踏み込んでかっ飛ぶ感じが、今回、ほとんど感じられなかった。それを逆に考えると、その感覚を持てること/高めることが、バイク全体の強さに影響している気がした。
また、バイクの基礎筋力が落ちていると、ランにははっきり悪影響が出る気がする。あたりまえだが。
 
問題の腰はレース中は痛みなく走れたが、ゴール後歩いている時に再び痛みが出る。
ゆるめるケアで様子をみながら、慎重に、まず筋力から戻してゆきたい。
 
次は20日後の愛南(愛媛の南)だ。
結果がどうあれ、楽しいトライアスロンを追求する。それが本来の楽しみ方、笑。
 
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2015年5月16日 (土)

トライアスロン・マガジン2015ちょっと掲載/今年はレース方針かえます

ベースボールマガジン社から 5/15発売された"トライアスロン・マガジン2015"、「トライスリー卜実態調査」にちょっと載ってます。
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宮古ゴール少し後、日常の中で最もハイな頂点(非日常ともいう)に襲撃を受けたため、「トライアスロンとはあなたにとって?」という質問に、「情報収集と実験と分析と計算です」とは答えずに、まったくもって感傷的な言葉を吐いてしまった。ワタシとしたことが。
 
この本は、良質なスポーツ雑誌を長年刊行してきたベースボールマガジン社の、しかも「ランニング・クリール」誌の編集部によるプロジェクト。それが内容にも反映され、 「競技」としての基本を、既にスポーツには親しんでいる層に向けて、マジメに書こうとしている印象。
先行する月間誌「トライアスロンLUMINAN」はライフスタイルとして捉えた趣味的な色合いを感じるし、また白戸さんなどが書く入門本なども、比較的、まったくの初心者をイメージターゲットにしている印象を受ける。作り手による違いだ。
 
書店には大きめのとこでも少ししか置いてないようで、Amazonが確実です。
 
 ・・・
 
さて明日の横浜から、僕のJTUにほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへランキングシリーズが開幕。
 
この5年間、全てのレースを決戦として、気持ちを入れて取り組んできたけど、今年は変える。全試合ベストコンディションで勝ちにいこうとはしない。 日常の延長として、トレーニングの一環として、いつも通りに走りにゆく。結果は狙うものではなく、トレーニングの結果、ただそれだけ。今年のピーク設定は9月の世界選手権。
 
全てのゲームに勝つべきとは限らない。
 
トライアスロンへ注ぐエネルギーを減らすつもりはなく、5年たった今だからこその、いろいろな進化を試みてゆく。

2015年5月14日 (木)

水泳フォーム分析の限界2つ、そして「力感」について

<トライアスリートは萩野選手をマネしないほうがいい>
イアン・ソープ、フェルプス、萩野、、と男子自由形中距離にはスター選手が多い。競泳の種目設定上、200Frが速ければ、Frリレー2種目、400Fr、さらにバタフライか背泳ぎ、はたまた個人メドレー2種目、とメダル獲得可能な種目が増える。つぶしが効く、ってやつだ。だから最も才能あるスイマーも集まる。
 
しかしトライアスリートにとって、あんな上体パワーを付けるわけにはいかないし、あんな強力6キックなんて打ちようがない。だから僕が「競泳選手」の中で参考にするのは、上体パワーが劣りキックも控え目な女子長距離選手だ。
 
<フォーム分析の限界>
じゃあ女子長距離選手のクロールを分析すればいいのか? というと、実際ダメ。
  1. 陸上でのイメージ通りには、水中では動けない
  2. 仮にできたとしても、「力感」が合わないとダメ
と、それぞれに重た過ぎる理由がある。
 
<1.オノレを知れ>
20150512_3090920150512_31305
こちら僕の2014年6月撮影動画より。僕はまーわりと水泳をお勉強してる方だと思うのだが、実際キャッチで水つかまえれてないし、フィニッシュでは上に水押してるし。
 
この問題への対応はシンプル、わかっている人に診てもらうのが一番。可能なら撮影もするといい。見て、わかった気になって、泳ぐとまったく出来てなかったりするもんだが、、
 
なぜ、わかったつもりで、いつまでも出来ないのか?
その大きな原因は、水中では力感が変わるからだろう。
 
<2.力感>
3つ前に書いた、NHK「アスリートの魂」萩野公介選手映像の重要性とは、「力感」まで見える点にある。おなかのあたり、水の塊がぶわっ!と移動していく様子が、細かい泡の移動でわかるし、そうさせる直前の筋肉の動きもわかる。
 
萩野選手の技術がいくら凄いったって、あのムキムキの身体だ。そもそも水泳ってアメリカ人とオーストラリア人が強いスポーツなわけで、細かいコト考えずにパワーでぐわーっ! という競技。日本人は繊細な技術てもんに囚われすぎかもしれない。野球でいえば、イチローがどれだけ凄い選手でも、バッターの最高年俸はパワーでぐわーっ!という強打者が取る。そんなもんかもしれん。
 
この「日本人はフォームを意識し過ぎる仮説」は、1年前にも書いた→ 日本の市民スイマーが「体幹」を活かせない3つの理由前半の話だ。当時はどうかな?とおもったけど、今のがより強く感じる。
 
<対応>
1つめのフォームを整えるということは、「こうなってるよ」と、見たままの状態を「フィードバック」してくれる人がいれば、最低限はOK。この場合、教科書のDVDの映像を「知識レベル」で覚えている人なら、遅くたってOK.
この一冊&一枚→ の知識だけでOK!
問題は2つ目の力感で、「自分より圧倒的に速い」(or かつて速かった)方の「アドバイス」が必要ではないかな。なぜならそれは目に見えないものだから。
 
<フォームと力感の関係>
「力感を間違った正しいフォーム」なんてものは存在しないんじゃないかと思う。どれだけ美しくとも、伝えるべき力が水に伝わっていなければ無意味だから。
だから、ここでは「力感」への意識を高めることを訴えたい。
 
ここで注意すべきは、「腕や胸に力が入ること」が力感なのではない、てこと。
「手から前腕までのパドル」が、水を捕まえた結果、付け根の肩まわりが重くなり、胴体が前にひっぱられる、という状態が力感だ。水感、でもある。これは自転車でいう「トルク」を上げる話。
 
一方で、自転車でいう「ケイデンス」=回転を上げるアプローチもある。ここでも、それ用の正しい力感は必要。
 
これら「力感」は、重要なわりに、意識が低い方が多い気がしている。低いというより、出来ない、といったほうが正しいか。フォームと違い、目に見えないものだから。この先を書けば、またヤヤコシイ話になる、、まずはみなさん、意識し続けることだけでも始めようか。。
 
1つ結論を書いておく。正しい力感で泳げれば、その時のフォームは正しいはず。(禅問答か笑)
 
<おしらせ>
ベースボールマガジン社がにほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへムックを5/15に発売。「トライスリー卜実態調査」のコーナーでは、僕の宮古ゴール後のインタビューが載るかも→
宮古後の強い腰痛はこの本で治した 
ココナッツオイルは大好評!   

2015年5月10日 (日)

萩野/フェルプス/レデッキー泳法比較、4つの視点

このところ抽象的な理論が続いて、みなさんアタマが煮えてる感じですかね(_ _;)書いてる僕もですが。お口直しに、有名選手の、目に見える部分での違い、について説明してみよう。
 
<1.入水時の手の深さ>
マイケル・フェルプス選手(2008年NHKスペシャル)は、水中に腕を沈めてから伸ばす。
 
一方、ケイティ・レデッキー選手は、水面スレスレ位置からキャッチ動作を始める。この特徴はたしかスイミング・マガジンか何かで解説されており、今年の日本選手権で女子長距離では似た動作が目立った印象もある。萩野選手も同じく。
Thum_01_220150506_132500_2向かって右がレデッキー選手
レデッキー選手のキャッチ開始直後の写真をみると、掌側に泡はなく、水圧は高い。下に押しているので、上向きの「抗力」を得ている。(萩野選手も同様だが、NHKの解説はこの点のみ、残念)
手の甲側は渦巻いて、水圧が低い。この圧力差で前腕は低圧=つまり前方向へ吸い寄せられる。それが「揚力」の作用。こちらが主だろうか。
両者が複雑に合体し、すさまじい推進力を作る。それが水泳トップ選手の超絶スゴ技だ。
 
この水深20cmくらいの区間は、フェルプス選手は活用していない。これが2つ前に書いた『水面スレスレから「揚力」を発生することができる高度なキャッチ技術により「有効ストローク長」を伸ばす』技術。
 
なお、僕ら凡人にとって、この技術は絶対解ではない。肩まわりの柔軟性、揚力を使いこなす高度なセンサー、などなどが必要だと思う。これと全く逆のアプローチを取るのが初心者に人気の「TIスイム」だ。このストローク区間をボディバランスを取ることに専念させる。この推進力を犠牲に、全身抵抗の削減によるトータルでの効果を狙う発想は、「うまく浮けない初心者」にとっての最適解となりうる。
 
「ハイエルボー」の角度はみな抑えめかな。
( 2012年頃の女子長距離は、肘角度が大きい選手が目立った気がする、もう一度見なおしてみよう)
 
<2.グライド>
先のNHK映像をみると、荻野選手の上半身は、「フェルプスの写真を腰を起点に時計回りさせ、それ以外はほぼ同じ形」だ。その姿勢のまま少し前に伸びる=グライドするので、その間、飛行機の主翼のように、上への揚力を得ているようにも見える。それが2つ前に書いた、NHKが取り上げない話。
 
レデッキー選手では、あまりグライドせずに、早めにキャッチに入るため、荻野ほどの上浮力は得ていないようにも見える。いわゆる「フロント・クワドラント」の姿勢は取らず、常時どちらかがストローク中、というイメージだ。
 
これは、グライドしないことにより、加減速を抑えて、慣性力を活かしていると考えられる。前回の連続写真のサンディエゴ州立大学サイト"How Champions Do It" でも解説されていた。
 
荻野やフェルプス選手が長めのグライドをする(orできる)のは、強力な6キックにより、常に推進力を得て、グライド中の減速が少ないせいかな。
 
ただし、弱い2キックの場合でも、グライド姿勢の抵抗が少なければ、グライド減速の悪影響は減る。また、トライアスロンの集団泳についてゆく場合にも、悪影響は減るかな。
この結論としては、「グライドし過ぎによる減速感」があるかどうかで判断すれば良いだろう。プールより海のほうがグライドは不利になるので、海錬で確認しよう。
 
<3.S字ストローク>
女のレデッキーと、男の萩野&フェルプスを比べると、男の方が筋力が高いせいか、ストロークの横動作=いわゆるS字カーブが大きいように見える。
レデッキーは男子より筋力は低く、距離も長いので、筋力を後方に動かす動作に集中させている。ただし横動作が少ないだけで、「ゆるやかな曲線」を描いている点は共通する。
 
昔はやった「I字ストローク」理論は、結局、絶対解ではなかった。2008年時点でフェルプスは片腕だけI字のハイブリッド。それを両腕化すると言ってたけど、それで速くはなってないよね。萩野は今もハイブリッド。
 
<4.ストロークの力感>
みな共通に、お腹下あたり、真後ろに水を押す部分で、最大パワーがかかっている感じだ。パワーの絶対量では、やはり「抗力」が大きい。これが有効な区間に限っては「I字ストローク」理論は有効。
それ以外の区間も高速化するために、揚力を活かす曲線的ストロークも併せる流れなのだろう。
 
とはいえそれらはすべて天才のなせるワザ。
凡人な僕らは、実際どうすればいいのか? を次回書いてみよう。
<おしらせ>
プールの練習では、ウェット素材水着で浮く感覚を近づける事が出来る。  ←フランス・ゼロディ社の水着もかっこいい! 
 
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    2015年5月 7日 (木)

    ソープとレデッキーの比較から「ハイエルボー」の最新形を考える

    ただいまソウル五輪でリレー5位などの活躍をされたバタフライの名選手、三浦広司さんとお会いして劇的進化中っす。 いいでしょー! そこでの学びを書くわけには参りません笑。まー僕は誰にも入手可能でわりと知られてない、でもアナタが知っとくといい情報をざくざく隠し持っとりますよ。てわけでクロールの話を続けるよー
     
    クロールの教科書では、「水を後ろに押せ」と言われる。人気の良書、高橋雄介先生の「最先端泳法『フラットスイム』でクロールがきれいに速く泳げる! (DVD付) 」(2012)もそう。NHKの萩野選手のは、これ読みながら音を消して(笑)見るといい。
     
    初心者にはそれで良いのだけど、あるレベルから伸びようとする時、修正を加えるとよいかもしれない。それが「揚力」だ。なぜなら、その理解によって「ハイエルボー」の捉え方が変わるから。(以下、いただいたコメントなどをもと少し修正してます)
     
    <抗力>
    後ろに押せ、という理論的根拠は、前回書いた「抗力」理論だ。押すから進む、という道理、わかりやすい。しかし現実には、水は後ろに押せない。より正確には、押された水の一部は後ろへ移動し、その限りでは「反作用」が手に返されて、推進力となる。それが「抗力」だ。でもそれは一部のみ。
     
    残りの多くの水は、大小幾つかの「渦」として、手の周囲から後方へと逃げてしまう。これが抗力の1つめの罠。
    これには対策があり、「加速し続けるストローク」ができれば、「水が逃げる前に押し続ける」ような状態を維持できる。ただし、けっこうなパワーが必要な気がする。
     
    もう1つは、人間の関節の構造上、真っ直ぐには押し続けれない。
    この点について、今回取り上げるソープとレデッキーとで、異なる対応がされている。
     
    <揚力>
    下記コメントの通り、いかにも揚力とは、圧力差を原因として、物体が動いていく方向と「垂直」に作用する力だ。その結果、手を斜めに動かした時、押した方向には抗力が発生しつつ、揚力が90°方向へ発生。両者が合成された力が、推進力となる。
    ただしそれは単純な二元ベクトル分解をした場合の話。それだけでは済まないのが水泳で、現実には、発生する「渦」の影響を大きく受ける。
     
    <渦の抵抗>
    ストロークする手が通り過ぎていった跡(=つまり前方向)に、渦ができると、その部分の水圧が低いので、吸い寄せられるかのように、手をそちら側=前方向にもっていこうとする、のではないかな? (それが揚力そのもの?)
    また抗力動作でも揚力動作でも、渦の存在は、力を不安定化させるだろう。
    (流体力学にお詳しい方々、ご教授いただきたく)
     
    これら影響は、十分な科学的解明がされていないのではないかな。船など工業製品なら、スクリューや船体の形状も動作も常に一定なので、コンピューターでも正確にシミュレートできる。しかし、人体の形状と関節の動作による水泳では、不確定要素が大きく、推進力の正体からして明らかにされていない。土台がないから、理論も定まらない。
     
    複雑なものはまずは単純化して理解するのが基本。だから高橋先生も書かない。そんなヤヤコシイことを書いてたら初心者がイヤになっちゃうからかな。でも僕は、アナタが逃げないことを知っているのさ!
     
    と冗談はさておき、単純な(=デフォルメされた)抗力理論には、15年前のソープ選手の強烈なイメージがあるかな。そして、そこから進歩したほうが良いと、レデッキー選手のキャッチ動作を見て思う。
     
    <イアン・ソープ200m自由形(2000年)>
    It170200(画像:サンディエゴ州立大学"How Champions Do It"より)
     
    6-7-8コマの連続部分、右ヒジを前方に固定したまま、前腕部だけを90°にカクンと曲げてから、直線的に 後ろに押す=抗力で進む。長距離の孫楊選手も同様のストロークを見せる。抗力で進む水泳のお手本としては完璧。
     
    <ケイティ・レデッキー800m自由形(2012年)>
    次に、ロンドン五輪を圧勝したレデッキー選手。(男と女、200mと800m、という違いには留意の上で)
    Kl475800_2(画像:サンディエゴ州立大学"How Champions Do It"より)
     
    「ハイエルボー」の角度が緩いのが、一目で明らかだ。特に10−11コマ目。その結果、ソープと比べ、ストローク全体の軌跡がより曲線的だと思う。
     
    <ハイエルボーを「揚力」で分析する>
    ハイエルボーとは、キャッチ時(上の9〜12)に肘が高い=水面に近いことで、「手→肘→肩」の順に高く=浅くなる状態。
     
    抗力で進むのなら、ソープのような極端なハイエルボーが最強なはずだが、進化の過程 (もしくは流行の方向)は逆のように見える。とくに、僕が主に参考にする女子長距離ではその変化があるように見える。
     
    その変化を理解するためのヒントが、「揚力」の作用だ。
     
    ソープは、少し手を沈めた状態からストロークに入る。その間(10〜15cmくらい?)、推進力は無い。そこから、肘を90°に曲げるまでの間は、ある程度の揚力も発揮しているだろうが、より小さな部分なので、得られる力は小さそうだ。つまり、抗力を最大化するために、揚力を犠牲にしている。
     
    一方、レデッキーも萩野も、入水時の手の位置が水面に近い。そこから手を斜めに下ろす際に、揚力により、前への推進力を得ることができる。(=これがNHKが無視した点)
    水面スレスレから「揚力」を発生することができる高度なキャッチ技術により、 「有効ストローク長」を伸ばしていると理解できるだろう。
     
    <仕組みから理解するということ>
    コメントいただいたように、この差が関節など身体的特徴による可能性もあり、本当のところは、わからない。わかるのは、かれらの突出した才能くらい。
     
    その上で、「揚力」という補助線をひくことで、最新の泳ぎの意味が幾らか見えてくる。(それなくしてはむしろ、後退してるようにさえ見えてしまう)
    だから、世界の最新の本では、きちんとその仕組みを説明している。(僕の主情報源はShielaコーチの最新刊"Swim Speed Strokes"、このブログよりはるかに説明してるけど、僕は熟読してないので、この程度です)
    基本→ 発展→ 
    まあでも、このブログが理解できればOK、その視点を加えて教科書を読み直してみよう。そこで実際、どう修正すれば有効か? についての僕の考察も、少し書いていこうと思う。
     
    質問はFacebookとコメント欄でお気軽に。保障しんけど。
     
    まだまだ僕は情報隠し持ってますよーーもっと知りたいアナタはブログランキングをクリック→にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ なお今日の投票数は5人。。(あれランキングどうでもいいんじゃあ???

    2015年5月 5日 (火)

    「アスリートの魂・萩野公介選手」の解説の欠陥と、より正しい理解

    NHK「アスリートの魂」で競泳の萩野公介選手が特集されていた。番組サイトによると:
     
     
    前文はまったくその通り。彼以前には、「船長は長いほど抵抗が少ない」という造船工学の理論がまことしやかに説かれていた。スポーツ科学なんてその程度のもんだ。水泳は技術、という真理に注目させたという点で、競泳史におけるインパクトは北島康介選手を上回ると僕は思っている。
     
    でも後段はハッタリだな。
     
    <高解像度映像は貴重!>
    まず良いところを書くと、個々の筋肉まで見える高解像度での泳ぎの動画は、この番組にしかない。Youtubeでも、世界選手権の中継でも、ここまで映せない。だから「力感」や泡の流れまでわかる。
     
    僕にはこれで十分で、泳ぎだけ3分間に編集し、音を消して繰り返し見ている。これだけでNHK受信料の今月分くらいの価値はある。それ以外は見るべきものがなかったけど。(だから音を消してる)
     
    <わかりやすい物語、の限界>
    ある意味それは当然で、スポーツ番組に求められるのは、「誰が見てもわかりやすい物語」だから。僕などはそもそも想定ターゲットではないわけで、そこに文句を言うべき立場にはない。
     
    なんだけど、マジメな方々は信じちゃうかもしれない。それは逆効果ともなりうるので、僕がかわって、「より正しい解説」 をしておこう。

    ※ 念のため、「正しい」ではなく「より正しい」という表現を見落とさないよう(笑
    ※※識者の方へ:補足・訂正・反論などいっぱいあると思うので、お気軽にバシバシどうぞ(苦笑 

    <番組での解説の欠陥> 
    まず、現実的な問題点から。「キャッチで下向きの力をかけて上半身を浮かしている」と解説されていたが、上半身が浮けば、下半身は沈むのが道理だ。
     
    実際、初心者は、ストロークを下に押して、下半身を沈めて、大きなブレーキをかけている。
    (その初心者向けの解決法を示すのが、TI=トータル・イマージョン)
    つまり、この番組をマトモに信じると、初心者の罠に陥ってしまう。
     
    この点への答をいうと、彼はキックがすさまじく強い。このレベルの選手は、100m1分を切ったりするようだ。キックで下半身を浮かすから、上半身を浮かすことが許される。
     
    だとすれば、「キックは同じくらい超速い選手」が、「下向きのストローク」に変えれば、もっと速くなるのか? それくらいの比較をして始めて「徹底解析」といえるだろう。しかし残念ながらその答はノーだろー。でも理由はややこしいので、本日の本菜を先に:
    20150505_154009
     
    <萩野選手の、より正しい分析>
    まず推進力については、以下の5つのステップで理解できる 
    1. 入水時の一瞬の静止姿勢(上の写真)により、指先から腰までの広い面積で、上方向への揚力を発生させる (その上への力をストロークにより維持)
    2. 水面ギリギリの位置から、下方向へのストロークを開始し、揚力による前方向の推進力を発生させる (手を沈める選手よりも、推進力を発揮する時間を長く取れる)
    3. 同時に、抗力による上方向への力を得て、上記1.での浮力を一定に維持する
    4. 上体を浮かすことで、下半身には「後&下」方向への力が働く。そこに超強力6キックで後方からも「前&上」の力を得る
    5. 上記4.とは、腰のあたりで力がぶつかるということ。その両者を、強力な体幹で繋ぐ。相互作用により、キックも、ストロークも、強くなるイメージ(物理学的な反作用としではなく、力感として)
    ここで「揚力と抗力」については、後述の説明参照。上記5.のポイントは難しいと思うから、わからなければ無視してOK。ただ僕はそれを少し理解できたことで少し速くなれた。
     
    左右バランスについては、
    1. 呼吸する右側は、「S字ストローク」による長い軌跡で、呼吸時間を確保
    2. 左はI字ストロークでピッチを上げる
    3. その結果、左右での「フロントクワドラント」の位置が違う。左ストロークのが溜めを効かせ、右は早めにストローク開始
    体幹の利用法については、
    1. ローリングを効かせてる=つまり「1軸」泳法
    2. ストロークは身体のやや外側
    3. つまり、まず体幹を振り、その先(の腕)を揺さぶって、ストロークしてる感じ
    あのキックは、世界トップのスイム力のある6キックのトライアスリート(たとえば南アフリカのスクーマン選手)でも打たないor打てないレベルだろう。
     
    結論:よい子はマネしてはいけません。。
     
    喧嘩に巻き込まれても、けしてメイウェザーの真似をしてはいけないのだ。
    僕ら平凡なスイマーは、とにかく基本を徹底理解すべきだ。高橋雄介コーチなどの良書で学びながら。
      
     
    <「抗力」は10年前の理論>
    理論的な問題点についても説明しておこう。興味ない方には興味ないと思うけど、ある意味、番組のインチキさは、こちらにより強く表れているとも言える。
     
    番組での解説は、東工大の中島求先生。彼が開発した水泳シミュレーション・ソフトによる。そのサイトを読むと、水平×垂直という二元ベクトル分解だけで解析している。その前提は、「抗力」のみを推進力とする理論であるはず。
     
    でもそれは’00年代のイアン・ソープ選手を素材にした10年遅れの理論だろう。
    ソープの泳法とは、典型的ハイエルボーでヒジ先を垂直に立てて、真後ろに水を押す。押すから進む。それが「抗力」による推進力だ。
    ソープは速い、真後ろに押す泳ぎだ、じゃあ抗力、という単純な理屈にみえる。その後、「スッポンも抗力で進む」という研究が注目されもした。じゃあカジキとかマグロは?? というツッコミはされない。スポーツ科学なんてその程度のもんだ。(ちなみに「二軸I字ストローク」もその頃に提唱された。まだ最新だと信じてる人いない?)
     
    そしておそらくは中島先生も、その流れの中、抗力理論に依拠したソフトウェアを開発し、約10年後、この番組に登場した。番組スタッフにとって「わかりやすい物語を語ってくれる専門家」としてちょうどよかったのだろう。
     
    「抗力」の考えは、一見、わかりやすそうだ。 
    ランニングなら実際わかりやすく、地面を押すだけで、抗力を確実に得ることができる。地面という物体は安定しているので、加えた力と同等の反作用を、同じ方向に返してくれる。
     
    しかし、水泳における実態は、そうではない。
     
    <「揚力」との「合力」が最先端>
    泳ぎの理論は、オリンピックのたびにマイナーチェンジが入り、結果、2大会ちょっと=10年すればメジャーチェンジとなる。
     
    ソープから10年後の今、水泳の推進力は「揚力」と「抗力」とが合成された「合力」(ごうりょく) だとされている。
    • 「揚力」とは、飛行機の翼と同じで、横方向の力から縦の推進力を生むもの
    • 「水中の抗力」とは、「水を腕で押すと、渦が幾つも発生して、抵抗となり、腕を押し戻す」ことによって、始めて腕が前に進もうとする
    どちらも、とてもわかりにくい。
    そのわかりにくいもの同士がくっついた「合力」なのだから、よけいにわかりにくい。
    「水という物体」とは、実は押すことができないのだ。
    僕らにできるのは、「渦を発生させること」だけ。強い抗力とは、「より大きく、より多く、より速い渦の、集合体」によって生まれる。極めて不安定。
    だから、一見、進まなそうな揚力とも、実は大差ないのだろう。
     
    これら力の発生メカニズムは「流体力学」であり、むちゃくちゃ複雑だ。船や飛行機なら、プロペラやスクリューも、またボディも、一定の形状なので、まだ予測できるのだろうが、水泳なら、いずれもぐにゃぐにゃしている。その動作を正確に解析できる機械やコンピューターなど存在しないのでは。
    少なくとも、番組でやっていたような映像からの単純な分析は、無意味だ。
     
    女子長距離で圧倒的なスピードを見せるレデッキー選手などのストロークは、そう考えないと説明がつかない。萩野選手も同じだ。
    詳しくは、以前紹介したSheila Taorminaの最新刊「Swim Speed Strokes for Swimmers and Triathletes」 などお読み頂きたい。
     
    つまり、萩野選手キャッチ初期の下向きの動作は、揚力による推進力を生む。その発生タイミングが早いことが、映像を見ればわかるはずだ。まずここに注目すべきだと思う。同時にその動作は抗力による浮力も発生させる。その点に限れば、番組の説明は間違いではない。
     
    <フェルプス選手との違い>
    ところで、2008年NHKスペシャルも見なおして、フェルプス選手との違いもわかった。けど、書くの面倒だなあ。。
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    2015年5月 3日 (日)

    宮古'15敗戦記4 〜筋肉ダメージの原因、そして対策

    宮古のバイク終了時点で痛みを自覚した腰外側は、日常生活レベルでは5日間で軽快したが、昨日、2週ぶりの高負荷ラン終了後に再発。この2週間のケアを少し油断したか。。

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    撮影:丹羽健介(マルニデザイン)「トライアスロン宮古島2015 東平安名崎DH特集」 より

    部位はおそらく中殿筋、もしかしたら小殿筋か梨状筋。筋肉名を覚える必要は全くないが、治療法を検索するのには必要なので、都度ネットで画像検索して調べる。これらはモモを左右に動かす筋肉なので、それだけバイクで無駄な動作が多かったことを示唆する。

    <Bikeの分岐点>

    先に書いた伊良部島25km過ぎまでは、かぼす君と一緒にビュンビュンとばす。かぼすととばす。飛ばし過ぎたかな? と思い始めた頃、直角コーナーからの軽い登りで、立ち上がりが遅れ、あっというまに2−30mの差が付く。

    伊良部島の直角コーナーはなにげに危険で、当時雨も降り続き、ツルツルの路面で、転倒も幾つかあったと思う。ただしツルツルで濡れた路面ではアイススケートの如く綺麗に滑るので、子供が転んで擦りむく程度で済んだりもする。

    初参加の僕としては、そこは慎重に入るのが正解。経験者との差はコーナーの度に出るが、それは必要なコストだ。ただ、登りのたびに差が付くことが多く、対策が必要だ。

    ここで逃したのは、7−8名ほどが7m間隔で緩やかに連なる集団。30km地点での計測では、彼らと4秒差が付いている。その後、向かい風区間へ。平坦や緩い下りでは向かい風の影響は当然に強く、7名集団と単騎とでは、スピードが決定的に違う。

    一般化していえば、これが、スイムを上位パックで終えるのと、下位から上がるのとの、大きな差だ。デュアスロンでは密集度が高まるため、それがより濃くなる。というか、展開が乱れる、というか。

    この時、「Bプラン」に切り替えて脚を緩めるべきだったのだが、ショートレース的に追おうとして、力を使い過ぎてしまった。グリコーゲンを大きく消費する強度で、筋繊維も緊張させながら。

    その数km区間、「追いつくか、さもなくば緩めるか」の判断が出来なかったという戦術ミスが、 バイク全体、さらにランを含めた全体での、勝負の分岐点になったように思う。

    157km、4時間以上の長いバイク。横風や追い風、登りでは、「7m間隔走」の効果は薄れ、結局は個々の実力でバラけてゆく。無理をして展開を追うと、結局はどこかでブレーキが入る。レース展開とペースとのバランス感を学ぶのに、今回の20位台のバイク位置は、良かった。

    11159913_683256465153457_8165398864撮影:秦英幸さん

    <筋肉ダメージの4段階>

    そんなこんなで痛いわけだが、、でも外科的損傷ではなく、単に筋繊維が緊張/ロックしてるだけと見る。

    レース中に発生する筋肉のダメージとは、たぶん順に:

    1. 飽和 〜疲労物質(最近では乳酸ではなくリン酸か何かだといわれるがどうでもいい話)でいっぱいになり、減ってくれない状態
    2. 不足 〜グリコーゲン枯渇により、利用可能なエネルギー量が制限される場合=少量で不安定な血中糖に依存してしまう
    3. 緊張 〜疲れきった筋繊維さんの心がポキッと折れて、繊維どうしがロックして動かず、痛み信号を発する
    4. 損傷 〜筋繊維が壊れた

    くらいのレベル感だと思う。

    長距離に必要な「少しづつ削り取ってゆく動作」により正しくペース配分できていれば、上記123は避けることができる。当然、最も避けたい4=損傷のリスクも遠ざかる。

    (念のため: 4を避けるためには、レース中の鎮痛薬=ロキソニンとか使っちゃダメです。身体からのサインを麻痺させないと完走できないなんて、そもそも的にフォーム・バイクポジション・練習の仕方・・・等々がおかしい。根本から見直すべきです)

    <対応法>

    損傷でなく緊張なら、今からでも遅くない。その対処法は「筋繊維のロックを解除させる」こと。

    中殿筋だとすると、その方法は、人気の整体院「代官山いぎあステーション」の鮎川しおんさんのブログ お尻が硬いランナーさんにおすすめ。中殿筋のセルフ整体「ランナーさんの為のセルフ整体」  に解説されている。梨状筋なら、お尻の筋肉(梨状筋)のセルフ整体「ランナーさんの為のセルフ整体」

    その根本的な原理は、「体の痛み」の9割は自分で治せる たった90秒! 超簡単セルフ整体術 (2013)に説明されてます。この2年近く売れ続けて、現在8刷だと。

    僕のJTUランキング王者の1年目は、この治療法なくして実現していない。たしか3万円以上かをこの施術に使ったけど、3万円でにほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ王者になれるのなら悪くない投資かな。少なくともそんなコスパの器材は存在しない。

    それほどの技法がネットでタダで公開され、その詳細も600円で買える→

    僕が使ったお金の2%

    2015年5月 1日 (金)

    宮古'15敗戦記3 〜長距離バイクの「エネルギー戦略」

    先に書いたバイクの「ペースの乱れ」を分解すればこうなる:
    1. 「技術」の乱れ
    2. 高すぎる「強度」による「筋グリコーゲン」の枯渇
    3. 同、「筋繊維」の疲労ないし緊張過多

    <技術>

    大きく深い話なので、ここでは手短に。僕はポジション設定やフォームについて柔軟で、練習のたびに何度も微調整することが多い。そうして感覚を磨きながらベストを探ってゆくので、このスタイルを変えるつもりはない。ただ今回は、その途中、半熟ぐにゅぐにゅなままレースに入ってしまった。そらアカン。

    第一ランの27分間をプラスすれば、バイク25km=伊良部島の途中あたり?で「いつものバイク40km相当分」か。そこまでは持った。それがショートレース実戦経験の蓄積がなせるワザ。しかしその後で、筋肉の酷使が表面化した。ショートならそれで良いわけで、これも染み付いた感覚がゆえだろう。

    <筋グリコーゲンの維持>

    スポーツ科学に詳しい強豪エイジIidaさんが長距離トライアスロンの急所についてFacebookでこう書く:

    「ランに入った時点で、マラソンを走りきる分のグリコーゲンが脚に残っているか否か」

    そのためのスキルとして挙げるのが:

    「各筋群から均等に少しずつグリコーゲンを削り取るような回し方」

    これ完全同意。

    ただ今回宮古の僕は、さらに筋繊維自体が相当に疲弊し、両モモが攣ったり、バイク終了時点で腰のモモ付け根あたりが過緊張により激しく痛かったり、グリコ不足以上のダメージがあったと思う。

    今回はどうやってもグリコーゲンが消費されてしまうようなショートレース的な上げ下げをしてしまい、その過程で筋肉酷使した形。安定した技術(=ポジション・フォーム・ペダリング・・・)とペースで走れていれば、バイクトレーニング不足の中でも、少々順位を落としこそすれ、問題は起きなかっただろう。

    では、どう対策すべきか?

    長時間レースほど「脂肪活用」が基本となる。「筋肉ダメージ」の回避については、次回改めて書こう。

    <脂肪活用>

    ヒトが吸収できる糖は1時間にせいぜい300Kcalほど、グリコーゲン貯蔵量はせいぜい千数百Kcal、8時間にもなるレースでは明らかに不足する。そこで、脂肪活用によりエネルギー問題を解決する必要がある。アブラを制するものは戦いを制す。世界史か。

    そのために新たに採用した理論が、以前も紹介した石橋剛さんによる「クエン酸を通じた脂肪活用」研究だ。LUMINA2015-6月号にも掲載されている。記事はこちら→

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    <クエン酸の利用法>

    同理論とは、「脂質をエネルギー利用する回路」のスイッチを入れる方法を説明する。クエン酸そのものが脂肪を燃やすわけではなく、「スイッチの入れ方」が重要だ。

    そのルールは、

    1. 最適量を守る 〜体重1kgあたり0.05g=僕なら3g (2倍でも効果は上がらず、4倍では効果が下がる=上のグラフ参照)
    2. タイミングを守る 〜レース1時間前に摂り、以後「脂肪活用回路」が回り始めるまでの間は、糖質摂取(スポーツドリンクやジェルなど)による血糖値上昇を避ける
    3. レース開始1時間程度後には脂肪活用回路が回っており、体内の糖も減ってゆくので、糖質の補給OK (長距離のバイクパート中はOK)

    当日の朝食では、吸収の早い糖分は避け、脂質多め、糖質は血糖値変動のマイルドな炭水化物(=米)で、スタート3時間前までに摂っておく。

    粉のままではキツく、摂取量の管理も必要なので、カプセルに入れて飲む。00号サイズ(充填量0.57~1.14g)で3個。クエン酸3g3円を18円の容器に入れるのは本末転倒な気もするが、世の中そんなもんだw とにかく1レース分で20円、破壊的コスパ。

    詳しくはこちらの→石橋さんFacebook記事 などご参照。

    で実際それがレースで効いたかどうか、というと、グリコーゲン大量消費型の走りをしてしまったために、それどころではなかった、笑。

    「グリコーゲンを少しづづ削り取る走り」が出来た時に始めて、「脂肪活用度による差」が生まれる。それは、1gのグリコーゲンを焚き付けとして、最大何gの脂肪を燃やせるか、という勝負だ。

    なお、ショートレースなら2時間で済むので、体内グリコーゲンと普通のスポーツドリンクで十分、脂質利用を考慮する必要性は薄い。

    <ココナッツオイル>

    石橋研究は、おそらくは「体脂肪」の燃焼の話。(どこの脂肪が消費されたか、まで調査するのはかなり難しいのでは?) 体脂肪とは、動物にとって最後の生命の源なので、簡単には消費させてくれないものだ。

    しかし、食べて血液に吸収された脂肪は、より早く容易にエネルギー化される。だから、最近の補給食には脂肪含有量を増やしたものが目立つ。もはや「最適な糖の配合」の時代ではないと思う。

    しかもココナッツオイルの過半を占める「中鎖脂肪酸」は、食べてから血液中に吸収される時間が通常の4倍速、さらに吸収後にはそのままエネルギーに変換される。これは体脂肪とは大きく違う点だ。だから、ココナッツオイルをレース前・中に摂ることで、エネルギー問題は大幅に改善されるであろう。

    今回は、ジェル8本=800Kcal分に軽く足してボトルに入れたわけだが、ジェル1.5倍、ココナッツオイル3倍、くらいでもよかった。

    健康食品のくせに美味しくて、東南アジア系スイーツの香り、サラサラな食感です。

    比較サイトがあり→http://www.syufeel.com/research/review02/ 「有機栽培」のを 「コールドプレス製法」で製造してることが大事で、フィリピン産なら一定レベルが保障されてるとのこと。まあ中身の細かい差は気にしないのが僕流。(なお、今ではブラウンシュガーファーストは量が減って定価が上がってたり、変化はある)

    問題は転売屋。定価設定の相場は1gあたり5円あたりまで。今時点でブラウンシュガーファーストの425gのを転売屋が3400円で出しているけど、こうゆうの相手にしないように。そこまでの差はないはず。

     

    <今回>

    今回のグリコーゲン不足とは、個々の筋肉レベルでの局所的問題で、ハンガーノック的な全身症状は一切ない。全体的にエネルギー「補給」は成功、ただし「使い方」に失敗した。

    なおエイドでは、スポーツドリンク(でも人工甘味料使用)やコーラ(こっちは天然の砂糖とかだからOK)をボトルでくれるけど、これらは単なる水分補給の域に留まるので、濃縮液を詰めたボトルは必要だ。なお固形食は僕はそんなに要らないけど、そこは好みだろう。

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