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2015年4月 1日 (水)

「30kmの壁」を「30km走せずに」超える方法

30km走を否定するからには、対案も示しておこう。当記事では、長距離トライアスロンのランパートにおける主な失敗要因の1つ「動作の崩れ」について、ランニング動作の基本を踏まえながら、その改善への考え方と練習法を記す。
 
〈ランニングの基本〉
ランニングとは、身体と地球さんのパワーとを、喧嘩させず調和させる遊びだ。自分の身体を痛めつけ苦しい思いをしても、それは地球さんには預かり知らぬこと。重力と体重のあいだの関係性の探究こそがランニングの技術だ。
 
じゃあどうすればいいのか、というと、アイアンマン元世界王者、Pete Jacobsがラン技術を語る動画を紹介しよう。
  1. 姿勢を正す: 上方向にすきっと伸ばそう (おしりが後方下側に落ちるとブレーキ化する)
  2. 着地は重心の真下に
  3. ピッチが大事: 腕振りがピッチを作り、それにより速度を上げる (長距離トライアスロンでストライド走法は無理)
  4. 身体、特に末端ほどリラックスさせるが
  5. 体幹のスイッチは入れておく
その通り。いろいろなランニング本があれこれタイプ別とかで解説してるけど、9割がたこれに尽きると思う。(1km3分とかのスピードなら別)
 
「Drills」編はごく普通のことを言ってて、動的ストレッチで身体ほぐしたり、「流し」を強い腕振りでやってたり。まー見ての通り
 
〈動作の乱れ〉
実際、マラソンなりロングトライアスロンなりで聞こえてくる失敗例の多くは、上記5点の1から順番に、動作を乱したケースではないだろうか?
  1. 姿勢・骨盤角度が乱れ
  2. 重心がブレて
  3. 脚のキックに変な力が入ってゆき、その脚の動きを基準にピッチが落ちて
  4. 力が中心軸から周辺へ移ってゆき
  5. 安定が失われ、動きが鈍り、止まる。停滞したコマ回しの原理だ
 
〈対策〉
そこで、「最後まで技術の基本を外さずに走り切ること」が30kmの壁を超えるための、現実的な急所となる。そこで僕の方法は、
  1. 60〜90分などの「短め速め」ランで絶対走力を上げ
  2. 動作は最後まで乱さない
  3. 最後の1kmで最高の技術を発揮して終わる
1.でスピードを高めて、レース本番で抑える=稼働率を下げた走りをする。単純な作戦だが、レース本番と共通する動作でこのトレーニングができれば、効果は大きいはずだ。
なぜなら、高速なほど筋力が鍛えられるから。耐久スポーツにおける技術とは、筋力と表裏一体なもの。筋力の高さは、技術的な安定につながる。
 
2.筋力向上を技術的安定につなげるためには、動作が乱れた練習は一切するべきではないと考えている。これが30km壁対策にもなる。
30km走(=1km6分ペースなら3時間走と書いた方が正しいが)が悪いわけでもなく、ただ、やるとすれば、「乱れない動作を最後まで通すリハーサル」と位置づけるべきだろう。
 
3.の最高とは一番速いってことでなく、耐久的な動作として最高、ということ。
その意味は、2.を担保するための基準であり、またその日の練習距離をどこまで伸ばすか、の判断基準にもなる。日々、距離を伸ばすことにこだわらず、今が最高、という時に止めてしまう。 (クールダウンはその後やります)
 
 
そうゆう練習なら、10kmでも十分効果はある。ただしメインの距離が短い場合、「頻度」を上げることが大事。日常生活の中で、1kmでも走れるなら走って、筋肉を細かく育ててゆく。それで僕は、練習出来てない時には5km離れたプールにランで行くし、500m先のスーパーを素通りして1.5km先の八百屋へと走る。
 
その上で、レース本番では、ペース配分の勝負。オーバーペースなら確実に動作を乱す。ネガティブスプリットで30kmまでを十分に抑えることができれば、この練習法でなんとかなるだろう。(と期待する)
 
 
〈補給の失敗〉
あと、トライアスロンの場合、バイクで飲み食いし過ぎてランでお腹がガボガボになる失敗例も多いようだ。この根本原因はやはり「距離への不安」だろう。これも30km走では解決しない。
補給しなすぎによる脱水・低血糖などもありえるのだけど、意外と少ないのではないだろうか? 駅伝とかのスローダウンでやたらと「脱水」と解説してるのはどうかって気もする。
 
この対策では、エネルギー低めの状態で練習して、脂肪活用力を高めるくらい。
あと、レースではちゃんと計算して食べる。人体が吸収可能な糖分は1時間に体重あたり1gちょっと。水は1時間にボトル1本、どんなに暑くても1Lは超えない。熱中症が怖いなら、水は飲むのではなく、身体にかける。
 
 
〈要素分解〉
これらを「30km走の中で行う」のなら良いことだが(できればレース1ヶ月前までに)、「30km走をすればこれらがカバー出来る」わけではない。課題を要素分解し、1つづつクリアしてゆこう。
その僕の答が、20km(=90分前後)高付加ランの「頻度を上げる」ことだ。蓄積疲労を避け、良質な、すなわち「動作の乱れ」が少ない、純度の高いトレーニングに集中してゆく。
 
さあて、4/19宮古は、これでどこまで走れるか?
 
→ レース後に追記しておくと、バイク時点で脚を終了させてしまい、ランは敗戦処理(もしくは3時間半の修業)になってしまいました〜〜
 
禅的ではあるが修業は嫌!(泣

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