« トレーニング数値は「変化」を分析しよう 〜 脂肪活用ラン錬のケーススタディから | トップページ | 「体重編」カテゴリ最終稿: オフトレを太れ! Maccaの体重増減戦略 »

2014年12月14日 (日)

「天草トライアスロン休止」に見る、30年という時間の重さ

日本初の51.5km型トライアスロンにして30年続いた伝統の天草大会が、来年開催されない模様。

「沿線の応援が少なく盛り上がりに欠ける。市民を巻き込む大会にしなければいけない」

コースの再検討や例年1500万円を支出する補助金の精査、1400人を超すボランティア運営員の見直しなどが必要 (熊本日日新聞2014.21.11より引用)

再開してもコース変更可能性は高いし、JTUエイジ選手権も返上されるのだろうか。この美しいワンウェイ折り返しのバイクコースも、もう最後かもしれない。

140726_144608_2

開催中止撤回を願うトライアスリートの気持ちは自然なもの。僕にとっても2013年大会での人生初の総合優勝を果たした場であり、JTU4連覇の直近2年分を決定付けた大事な大会だ。だけれども、仮に撤回されたとして、それで済む問題ではない。こうゆう機会に、その地域の状況について考えてみるといい。

Img_7248_1Img_7251

<地域の問題>

僕には、天草周辺に老若男女複数の住人や関係者が居る。かつては「宝の島」と呼ばれ、美味珍味をじゃぶじゃぶ算出した天草諸島。その政治経済の中心地として栄えたのが、天草大会の会場だ。初開催の1984年には、まだその活力が残っていたんだろう。

その頃から、若者流出による少子化&高齢化が進んでゆくのは、日本の田舎ほとんどに共通すること。天草五橋により陸続きになったのは1966年、無料化が1975年だそうだけど、それが海産物の乱獲・減少につながってもいるようだ。

かくして、面倒なイベントを開催する体力は、時間の経過と共に低下している。初開催時に30歳なら、もう60歳だ(アタリマエだ)。そんな人達から1,400人ボランティアで動員し続ける負担を、想像しなければいけない。

その理解抜きに、たとえば「市長の個人的判断」のせいにするべきではない。なぜ市長は批判を覚悟でその行動を取らなければならなかったのか、その背景にこそ問題があり、その解決への道筋を示せなければ、少なくとも同じ形で継続することは事実上不可能。

<お金の問題>

補助金1,500万円=参加者一人1.7万円。仮にボランティア数の限界を雇うことで賄えば、計3万円を超えるだろう。つまり、参加費が5万円になるかもしれない。

それが嫌なら、大規模スポンサーを獲得するか、開催コストが低い(=退屈な)会場のレースを選ぶか、あるいは創成期のような完全自己責任スタイルに逆戻りするか(=イマドキ無理)。

できるけどやってない手の一つは、「ふるさと納税」のアピールでは。実は、天草市はその成功例として知られており、納税した使途を選択できたりもする。だけど出場者にはPR不足。「スポーツ観光推進」とかのメニューを受け皿にPRする、納税額に応じた優先エントリー、といった手も可能だ。必要なコストは手数料1,000円のみ、寄付金と違い、どうせ納税する額となる。これなら経済的メリットはより明確にできる。

<都会と田舎>

都会ならば、解決の道に恵まれている。もちろん都市には都市の別の難しさがあるわけで、横浜トライアスロンなんて大変だと思う。でも、少なくとも経済性でいえば育てやすいだろう。田舎が失った若者を集めることで栄えてきたのが、東京〜大阪圏を中心とした都会だ。2020年以降の本格的少子化から先はともかくとして。都市経済の規模も、運営面の活力も違う。

近年のトライアスロンのブームも、恐らく都市部が中心で、その経済効果を受けるメーカーもショップも、もっぱら都市っぽいエリアに集中するだろう。コーチも都市は人口比率以上に多い気もする。

だから、たとえば「さいたまクリテ」も初年度大赤字で問題になったけど、2年目で早くも黒字化に成功したしhttp://cyclist.sanspo.com/163422  、来年はもっと盛り上がるだろう。

こうゆう都会しか知らない人は結構いる。旅行で3日くらい観光地を廻った範囲内でしか知らない、とかね。

もちろん、田舎には田舎の活路があるはず。天草が手を手を尽くしているわけでもないだろう。高齢化がボトルネックなら、周回コース化によるスタッフ縮小(=現実に検討されてる模様)、地域外からのスタッフ募集(=ありうる)、などは可能。

観光など波及効果を広げる取り組みも、まだ余地があるとも思う。ちなみに最近読んだ、日本の経済・金融史に名を残す(多分)デービッド・アトキンソン氏による、お寺など文化財観光の甘さを指摘した良書:日本経済の今後へのヒントにもなるだろう。

<結論>

地域の活力レベルの差、というのはそれだけ大きく、30年にわたって元気な地域であり続ける、というのはそれほどに難しい。それは地域に根ざしたスポーツ大会を直撃する。「会社の寿命は30年」というビジネス格言はここでも同様で、伝統ある人気大会もいつかは衰退してしまう。それはそれなりに、ほどよく力を抜いて無理なく持続してほしいとは思うけれども。

替わりに、新しい大会を育ててゆくことの方が現実的には大事だ。

なんであれ、こんな面倒なイベントをわざわざ開催してくれる地域や団体には、感謝するしかない。そして、地方で30年を超えて継続できている大会では、その裏で、後継者を引き込み育てる努力が続いていることを、意識すべきだろう。地域が痩せてゆく中で。

あるいは僕らは、「鉄人レース」というイメージの特別さに、助けられているのかもしれない。数万人規模を集められるマラソンと違い、トライアスロンはせいぜい1,000人だ。

僕も、二度楽しませて貰えたことに感謝しよう。

 

<参考記事>

1年前、石垣大会の休止にあたって書いたブログ:

2014石垣島トライアスロンの延期に、共感できる理由

この2年のレース:

天草トライアスロン'14、年代1位でJTU4連覇ほぼ決まり! (レースレポート書いてなかった、、書きたいけど余裕ないなあ、、知りたい方はFacebook見てね)

天草トライアスロン2013、初の総合優勝で長嶋茂雄杯を獲得。 (4つ続きます。右側へ)

« トレーニング数値は「変化」を分析しよう 〜 脂肪活用ラン錬のケーススタディから | トップページ | 「体重編」カテゴリ最終稿: オフトレを太れ! Maccaの体重増減戦略 »

◆ *トライアスロンを考える」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« トレーニング数値は「変化」を分析しよう 〜 脂肪活用ラン錬のケーススタディから | トップページ | 「体重編」カテゴリ最終稿: オフトレを太れ! Maccaの体重増減戦略 »

フォト

全て公開設定

Amazonユーザさんへ

  • こちらからお買上げください

スマホでお買物

Blogランキング

無料ブログはココログ