« 【水泳理論】 「フラットスイム」と「TI」の違い 〜例えばキャッチについて | トップページ | 【水泳とかの理論3】 日本の市民スイマーが「体幹」を活かせない3つの理由 »

2014年3月28日 (金)

【水泳理論2】「フラットスイム」と「2軸クロール」の違い 〜それは体幹活用度?

1つ前回のに書き加えておくと、「100m1:40より速ければフラット・スイムに限る、1:45以上ならTIスイムでも可」というのが、僕の感触です。
この点、TIの竹内慎司コーチは、2005年、こんな説明をしている。
 
100mを1分切る速さを求めるのであればピッチを上げやすい2軸の泳ぎをお勧めします。それより長い距離、あるは遅く泳ぐ場合には、TIの泳ぎをお勧めします http://tiswim.jp/tsm/2005/tsm20051031_7.htm
 
9年前の話だ。 この間に、「TI優位な領域は、60秒以上域から105秒以上域へと、境界線が75%後退した」とも考えられる。
なんてインチキ統計学(笑)はさておき、それだけ、2軸クロール→その進化系としてのフラットスイムは、進化している。
 
<クロール泳法の歴史>
人間が100m1分の壁を破ったのは1924年頃、映画の「ターザン」で知られるワイズミューラー。まっすぐの腕をグルグルぶん回す「大車輪クロール」、ワイルドだぜ〜〜まさにターザン!
ほぼ半世紀を経た1970年頃にマーク・スピッツが「1軸S字ストローク」で100m51秒まで短縮。1980年代にローディー・ゲインズがS字泳法を完成させて50秒の壁を破る。
ポポフの「カヤック泳法」(1992)を密かな変革の芽生えとして挟み、2000年、イアン・ソープ(鬱病なう)やグラント・ハケット(薬物中毒なう…ナンデソ-ナルノ??)などオージー勢が「2軸I字ストローク」で衝撃的な記録を連発して、今に至る。
「フラット・スイム」もその傍系、進化系だ。
 
ソープやハケットは90年代から2軸で泳いでいたわけで、結局、ポポフの革新性が絶大な気もする。彼の泳法はカヤックの操船法と共通していて、手をパドルの如く前方に垂直に突き刺し、そこを支点に身体をスライドさせる。数年後に表れた「2軸I字」とは、その動作原理を活かすために後から磨かれた動作かとも思う。
日本の水泳界でも「2軸」は、2004年までには市民スイマーまで浸透していたようだ。
 
このように、現在主流の泳法には15〜20年ほどの歴史があって、少しづつ進化してきたわけだ。
 
<教科書>
ほぼ完成された2冊を紹介しよう。
昔の「S字」に慣れた水泳経験者のおじさん&お姉さんなら、まずは日体大水泳部の藤森善弘コーチの「2軸クロール完全マスターBOOK 」(2007)を一読し、考え方の違いを理解すると良いだろう。
誰にでも薦められるのは、早稲田水泳部の奥野景介監督の「水泳レベルアップシリーズ クロール  DVD付き」(2010)。
特に、奥野さんのの付属DVDの映像はよく出来ている。本の解説と照らして、さらには高橋さんのと比べて見ると、より深い理解ができると思う。
同じものを、複数の視点から見ることは、とても大事だ。
 
<違い>
かくして洗練されていった「2軸」と、最新「フラット」とは、実際の動作はおおむね同じ。むしろ選手ごとの個性の違いのが大きいだろう。特にトップ選手の技術は、本に書ける程度のメソッドに分類できるものではないだろう。(前回の「大原則」の通り)
 
だから、「説明の仕方が違う」と割りきってしまっていい。
この点でのフラットスイムの特徴とは、「体幹の使い方」を一番はっきり説明できている、ということだと思う。
 
2軸と、その進化系としてのフラットスイムは、体幹で進むのだ。
2005年頃のTI系の複数記事から推測すると、当時「2軸クロール」とは、上腕の強い筋力ではじめて実現される高難度なものと、誤解されていたようだけど。
 
とくにそれは、「ローリング」の方法論に明確に表れている。
それを実行できると、入水直後に、新種の推進力が出現する。(=本にはそこまで書いてないけど)
TIではこれを犠牲にするから、初心者向けの域を脱せず、上達してもスピードが伸びない、という仮説を僕は持っている。
 
なんにせよ、「フラット・スイム」の本の一語、一行には、ときどき、ものすごく深い意味が込められてたりするので、優先順位の一番目にオススメします。
質問はお気軽に。

・・・

Rankingも覗いてね→→にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ僕のは「注目記事」にたまに出てくるよ〜

« 【水泳理論】 「フラットスイム」と「TI」の違い 〜例えばキャッチについて | トップページ | 【水泳とかの理論3】 日本の市民スイマーが「体幹」を活かせない3つの理由 »

◆* クロール/OWSの技術」カテゴリの記事

コメント

僕も中学1年の水泳部は、平泳ぎで始めたのですが、途中でクロールに転向した経験があるです。
一番速く泳げるから、Yabyさんもみんなも練習して上手くなってほしいですよ〜〜
(プールの幅もとらないし!)

ブレストを今年からクロールにSwitch。
ハッタリさまのBLOGによりSwim研究中です!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188339/59371545

この記事へのトラックバック一覧です: 【水泳理論2】「フラットスイム」と「2軸クロール」の違い 〜それは体幹活用度?:

« 【水泳理論】 「フラットスイム」と「TI」の違い 〜例えばキャッチについて | トップページ | 【水泳とかの理論3】 日本の市民スイマーが「体幹」を活かせない3つの理由 »

フォト

『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

フォローください

Blogランキング

無料ブログはココログ