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2013年12月 5日 (木)

【LSD錬の基礎知識】 〜週40時間? Bike遅すぎ&Run速すぎ?

「LSD論争」=ゆっくり長く走るトレーニングは不要なのか、という伝統の議論に再び火を付けたのは、THE BIKE JOURNAL 2013/11/29のMTB世界王者ホセ・へミルダ選手インタビュー → http://bikejournal.jp/main/?p=7475
 
あくまでも世界王者の話。これを以って「だから不要」と言うのはおかしい。マイク・タイソンの真似をして歌舞伎町の怪しいガイジンにストリートファイトを挑む馬鹿はいない。
 
しかし「LSD完全否定」とFacebookでいっぱいシェアされ、その日のうちにネット界に拡散。僕のもその一つだ。おかげで良質な情報が集まった。 よい機会だから、LSD理論の基本を、自転車とランニングとに分けて、理解するとしよう。
 
1. 自転車のLSDトレーニング
その基本は、「じてトレ」がほぼ完璧にまとめている。
競技レベルごとに明確に分けてるのが良い。(ただ参考サイトは読む必要ないかな。問題あるのもあるし。でも以下紹介するのは重要)
これに照らして、日本の実態を考えると、初心者を除けば、練習強度を落としすぎなケースが多い気がしている。
 
問題は、「自分はどう使いこなすか」、だ。
 
ここで市民アスリート目線での指針を示すのが、大阪のシルベスト山﨑店長。
引用)
  • LSDが悪いなんて思っていません・・・・でもそれは冬のシーズンに週3~40時間くらい以上コンスタントに乗れればのこと
  • 強度を落とすところだけが「LSDのまね」では、貴重な冬場の時間の無駄遣い
  • 夏の暑さが半端で無い日本の大阪の自転車乗りにとって冬こそが唯一追い込んだ練習が出来る季節
  • 陸上競技なら2時間でもLSDになるんですが自転車じゃそうは行かない
  • 私は
  1日に7時間乗れるなら(明日も効率よく走れるために)LSD
  4時間チームメンバーと走れるなら・・・インターバル練
  2時間ならローラーでパワトレ
  1時間なら潔く筋トレ
 
これら、所要時間の長さ、強度の落としすぎ、冬の重要性、競技の違い、が「自転車のLSD」の4つの落とし穴。
 
「その練習ナンボすんねん」
 
と時間数を示されるのがさすが。アマチュアにとって、練習時間とは、ある意味では「練習の値段」のようなものだから。彼は「幻のモスクワ五輪代表」の元トップ選手であり、今は市民レースを熟知されている。最も信頼できる1人で、僕は彼のネットのコラムは最近まで分は全部読んでいる。100号くらいあったっけ?
その中で、世界の最新理論にくわしい柿木コーチの言葉:
 
「最近の理論では冬場のLSDはごく初心者を除いては無意味で効率が悪い、というのは一般的になりつつある」
 
ただ、お二人とも、「心拍ゾーン」は定義されてないのだが・・・(練習量から推測すると、低負荷を想定されてるのだろうけど)
 
2. ランニングのLSDトレーニング
ランニング界には別の事情があるようだ。その基本と、落とし穴は、こちらで:
基本的に、「浅井式のランニングLSD」を前提として書かれた記事だと思う。この考えに沿うと、速く走り過ぎるランナーが多いそうだ。僕が前書いたのも割と合ってるかな。
1つ注目は、最後の
 
考え事をするにちょうどいい
 
あたってる!
だから、頭や心を酷使する仕事で、目的が速さより健康な方には、LSDは明確にオススメできる。
またこれが、LSDファンが多い一因なんだろう。変なものが見えるお薬は禁止されたが(・・・発明した製薬会社の研究者さんは自らハードな人体実験を繰り返しつつ102歳まで生きられたらしい・・・)、こっちのは、もっとマトモなものを見せてくれる。
 
なお、より新しくより速い、有森→Qちゃんの小出監督は、笑いながらこう語った。
 
「LSDのSはSpeedのS」
 
定義がちょっと、違うね。。
 
 
3. まとめ
ここまで見てわかるのは、自転車もランニングも、LSD錬は知られた方法論であるにもかかわらず、それぞれ限界があり、誤解・誤用も多い、ということ。自転車でのLSDは遅すぎ、ランでは速すぎる(浅井タイプの場合)、という逆の傾向があるようだ。
そしてトライアスロンには、これらが混ざって流れ込み、混乱に拍車をかける。
これでは、「LSDは必要か/不要か」という議論が成立しようがない。
僕が決着させたいのは、そうゆう状況です。
 
でも、その効果、限界、時間対効果を正しく理解すれば、自分の使用目的に応じた1つの道具として使いこなせるようになる。
そうすると、「速くなりたいなら気をつけてね」と言わざるをえない。でも向き不向きや好き嫌いがあるから、これは自分で決めてね。
 
と状況を整理して、なお残るのは、「じゃあ、トライアスロンではどうなの?」って論点だ。これが核心なんだけど、、後日でいいよね?
   

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コメント

ランではLSD=休養なので、その用語を、自転車乗りが勘違いしてる面もあるかもしれません。
吉岡さんのクロストレーニング法では、LSD部分をバイクで代用し、その分強度を上げてる、と理解してます。

結局、自分に必要な負荷がかかったかどうか、ですね。

こんにちは。読ませて頂きまして、概ね同感です。

私の記事は不要論に偏っていますが、やはり時間と強度の
兼ね合いだとは思っています。

いずれにせよ、練習がキツくないからLSDしておくというのは
避けた方がよさそうですね。

http://yamapota.net/training/about-long-slow-distance.html

初稿は、リンク間違い以外にも論理的不整合が複数あり(バレてます?)、金曜に改訂、ついでにタイトルも変えとります。

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