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2013年11月14日 (木)

アイアンマン世界戦(終) ゴールで僕は特別な何かになっていた

そして40km地点で高速を抜け、Planiの下りへ。この坂の途中のスーパーマーケットには毎日のように通っていた。「ただいま」って気持ち。もう脚なんて壊れちゃえ、と重力に全体重を委ね、脚を地球に叩きつけて加速し、何人かを一気に抜いた。
 
サカモトさんによる連続写真はその後、ゴール手前1kmあたり。 奇数ショットで笑い、偶数で苦しみ、まるで呼吸するかのように表情が入れ替わってる。
その少し先、僕のコンドミニアムほぼ手前の坂を降りる。すると、世界が変わった。

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狭い海岸通りの両側にびっしりの観客と歓声。応援の密度が一気に高まり、歩を進めるごとに濃くなってゆく。

観客たちは、心から楽しんでいる。不思議なくらいに。

僕らを見ることの、何がそんなにおもしろいんだろう? 

2,000人のそれぞれが、226kmを一人で移動し終えようとしている、という事実はある。その内側には、ここに来るまでの努力や思いもあるだろう。その全てが、今ここで解き放たれようとしている。そんな解放されてゆく力と心が、伝わるんだろうか。

あるいはそれは、いい大人たちが、つかの間スター(笑)のようなものに変身する瞬間でもあって、そんな非日常が興奮を呼ぶのだろうか。

走る人、見る人、見られる人、個々の動機がなんであれ。それぞれの相互作用が、世界最高の舞台に、熱気を注ぎ続け、溢れさせる。

僕は、スターになったみたいだ。花道を走る僕は、この熱気に少しでも応えたいと思う。帽子を取り、手を振り返し、叫び返す。叫び過ぎて軽い酸欠を起こす。

この3年半の全ては、この瞬間のため。極限まで追い込んだ身体と精神が、僕にそう伝える。

 

2−30mくらい前に2人見えた。もうビクトリー&パレード・ランでいいかな、とも思ったけど、僕の前に人間が居ることを許さない習性の方が強く、最後50mくらいを最高速に上げてゴール数m前、スロープのあたりで抜く。ガイジンさんお二人、隠してしまい恐縮ですアイムソーリー。まーでも、最後まで「駆け抜ける喜び」ってあってね(BMWか)

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このゴールゲートは少し高く設置されていて、周りには観客用のスタンドや、撮影用の大きな台もある(この写真もそこからメイストームさんに撮影いただいた)。

見下ろし、見下ろされる僕は、円形劇場の舞台に居るようだ。

この瞬間、僕は特別な何かになっていて、ほんのしばらくの間、そこに立ちつくしていた。

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そして僕は、ショートとロング、国内カテゴリー王者としての「自称Wタイトル」を獲得。ロングのは自称だけど、KONAの1位だし、それに僕はハッタリくんだし!

(了)

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