2018年1月28日 (日)

八田発表「市民トライアスリートの社会学」プレゼン資料公開 〜第7回JTUトライアスロン・パラトライアスロン研究会

2018年1月28日(日)、公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU) 主催、第7回JTUトライアスロン・パラトライアスロン研究会にて、「市民トライアスリートの社会学 :大人たちを競技へ向かわせる4つの力」発表しました。

プレゼン資料を公開します。PDF全28ページ、下記ご参照。

発表時間は12分間。ストーリーラインは明確に保ちつつ、その中で盛り込めるギリギリいっぱいを詰め込んでみた。1分でスライド2枚以上のハイピッチ。

冒頭、会場の数十名に聞いてみると、『覚醒〜』お読みの方はざっくり半分くらい。狭くて濃いトライアスロン界だ。お読みの方には要点の強調として、あるいは読み方のガイドとして。お読みでない方には、本のある一面には限られるけど、伝えたかったメッセージの一部を伝えることはできたかな。

質問では、「伸び悩んでるベテランは、どうすればいいのでしょう?」 という動機についてのお悩み質問が。1つの考え方として、最後のページの4方向のうち、上以外の残り3方向に楽しみを見いだすことは考えられるかな、とお答えしておいた。

ただ考えてみると、やはり速くなりたいのが競技というもの。

“トライアスロンのトレーニングとは、こうした身体を舞台とした観察、分析、想像の連続にほかならない。己の身体との絶えざる対話であり、その意味での知的作業だ。" (p123−124)

そんな哲学的過程を楽しみながら、自分の身体の未知の領域を探検してみることが、一番の楽しみ方で、それはどんなベテランでも変わらないこかな、と思う。

終了後、読者の1人から、「このプレゼンで、難しかった部分がよくわかりました」との感想をいただく。もともと公開のアイデアはあったのだけど、それを聞いて、早速こうして資料公開することにしたのでした。

(他の発表については改めて書くかも)

 

・・・<おしらせ>・・・

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2018年1月10日 (水)

『覚醒せよ〜』初の有料トークショー@幸田駅前書店、開催しました

2018/1/7(日), 900円という参加料を頂いての著者トークショーを、愛知県JR幸田駅前にて開催。

会場の幸田駅前書店は、人口4万人の田舎町に突如出現したトンがったインディーズ書店として地元大手メディア取材幾つか、個性派出版社のミシマ社のウェブ 「ミシマガジン」 にも登場している(2016.05.22)。そして実家の最寄り駅すぐ前という地の利。

同書店さんは、2016夏に『渥美半島の風』創刊号を売っていただいた縁から、今回『覚醒せよ〜』も置いてくれた。帰省直前、12/28木にアイデアおもいつき、メッセージ、12/30の帰省途中に立ち寄って、飛び込みな打ち合わせ。

「こんにちは、メッセージした件」 (両手に大バッグの筆者)

「え〜、すぐ正月休みですし、人集まりますかね・・・」 (不安げな店主)

「まゼロなら二人でビールでも飲みながらお喋りでもしましょうよ」 (ビア樽サーバーが店内にあります)

「それくらいでよければ、やってみますか」

「地元メディア告知もお願いしていいすか」 (あつかましい筆者)

「え〜、きますかね・・・」 (ふたたび不安げな店主)

といったポジティブな議論を経て、告知したらちょうど定員分集まる。小さなお店で、大家族の食卓のような木製テーブル(上に本棚)を10名で囲めばいっぱいになる店内。ちょうどよかった。地域超大手メディアさんも成人式の取材直後に駆けつけていただいた。

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少人数の高密度空間に甘え、構成は練らずに、参加者一人一人の関心を伺い、流れで話を進めてゆく。多彩な参加者は、小中同級生の親戚なのが会場で判明した2名、ビジネスコーチングの師匠が共通な方、中1トライアスリート親子、運動しない人、、などなどライブ×近距離で話し、質問や意見も随時はさんみながら、僕の考えも整理され、深まってゆく。

テーマは、

  • 市民スポーツ流行の、社会学な説明
  • 社会的成功の正体
  • 35過ぎの大人のための、スポーツ・パフォーマンス向上法
  • 高い目標を、的確に実現してゆく手法
  • ランニングとトライアスロンの差
  • エリート&プロ選手が、世界トップレベルで戦うための条件、競技強化のありかた
  • 学校の部活スポーツ
  • 愛知、とくに三河の教育体制と産業発展の関係

といった社会的なのから、

  • 八田がトライアスロンをはじめたきっかけ
  • 出版ビジネスとしての戦略(財務・R&D=執筆、マーケティグ・販売)

と個人的な事情まで、次々と拡がってゆく。

これらは僕の個人的体験ではあるのだけど、同時に、現代社会の縮図でもある。そのつながりを説明する学問が、社会学。そしてその時の僕が感じたままの「熱さ」を、学問的客観性を以て説明する手法が、エスノグラフィー。

さらに個別取材では、

  • 愛知でトライアスロンが盛んな理由
  • 愛知の県民性
  • 昨今のメディアの内容面の傾向と、エスノグラフィーという手法について
  • 哲学の現代的意味

などなど議論が進んで、終わった時には4時間近く経ってた。長!

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参加者さんの感想では

  • 目標を追い過ぎて焦燥感に浸ってしまうよりも、その時その時の自分の身体と向き合い会話する感覚がいい
  • 「決めたことをやり切る」のではなく、体と向き合い会話すれば、けがも防止できて効率よくトレーニングできる
  • 村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』と重なる、いつも感じてきた何気ない感覚を文章でうまく表現してくれていて、読んでいてシンクロしてくる

ホストの書店さんは

  • こういう機会が地域一体となって町の小さい本屋から盛り上げていくことが、何か、わたしのお役目の様に、最近感じております
  • ほんのささいなことが、ある人にとっては、とても意味のある偶然性が潜んでいることを、ある確信を持って、僕は、事に取り組んでいきたいと思います

と殊勝な感想を。「意味のある偶然性」を実現させるのは、このような地域のリアルな場ならではの役割だ。

総じて、有料の初回、とハードルを上げたわりに、なかなかに良い場になったかなと思う。こーゆーのは一期一会、参加者さんとの相互作用でライブに生まれる一回限りなもの。

 

『覚醒せよ〜』の1つのテーマとは

大人が真剣にスポーツすれば、いろいろ課題に突き当たる。

それらを正面から力で押す正攻法(だけ)でなく、発想を転換しながら克服してゆく成長物語

であり、また、

正解のない複雑な世界にあって、(単純化によってその複雑さから逃げるのではなく)、あるがままの温度感を損なわずに、理論性・客観性をもって伝えるという表現的チャレンジ

でもある。

それらを身体感を伴い伝えられるライブイベントはやってて楽しい。

執筆とはバーチャルな情報処理作業。こんなライブとの組み合わせて、はじめて完結するな。またやってみたい。次はきちんと構成して。

 

・・・ 流通状況 ・・・

届いた相手には好評なんだけど、昨今の書籍業界の縮小のあおりで流通が詰まっている『覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』 、Amazonとかはもう忘れよう。(て言っても買われる方おおいので、マーケットプレイスに出品しるけど、あれ手数料を600円くらい抜かれるのです) 

潤沢に在庫あるのは

くらい。  

アマゾンからは、「ほしいものリストに追加する」への登録をお願いいたします〜〜効果不明だけどAIちゃんをツンツンできるかもなので〜〜

2018年1月 8日 (月)

『覚醒せよ〜』グローバル展開? 英語ブログ "An Ethnography of Triathletes" 作りました

“After three months onward, your job-grade and pay will be rated at the lowest. However, if you can show us satisfactory performance by that time, then we will rethink about it.”
 
As a matter of fact, I received a suspended lay-off.
 
 
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発売から100日、日本で好評続く『覚醒せよ、わが身体。トライアスリートのエスノグラフィー』、英語でもちょっと紹介してみようと、英語ブログ作りました。
関心ありそうな英語圏のお知り合いいましたら、ぜひ告知くださいませ。
 
・・・
 
ちなみにFacebookには「オーディエンスインサイト」という広告出稿用のデータ提供機能で、月間アクティブユーザ数を教えてくれる → https://www.facebook.com/ads/audience-insights
 
Facebook単体ではなく、Instagramなど小会社や提携先含めた数字のようで、幾らか重複はある気はするけど、条件を変えた比較には使える。2017年末での数字は、
総ユーザ数: 
  • 総世界10億+
  • アメリカ1.5〜2億
  • 日本2000〜2500万
  • 台湾1500−2000万
  • 韓国1000−1500万
「トライアスロン」に関心あるユーザ
  • アメリカ100−150万人(うち男47%)
  • UK35-40万人
  • フランス30−35万
  • ドイツ25−30万
  • 台湾10−15万(男62%)
  • 日本9−10万人(男80%)
  • 韓国1−1.5万人
日本国内の他競技
  • 自動車レース: 60−70万
  • マラソン: 45−50万(アメリカは500−600万)
  • 水泳: 30−35万
  • 自転車競技:7−8万
総Fbユーザに占めるトライアスロンの割合は、世界的には1%のところが多いが、日本は0.4%と低い。またFb登録率(=ネット習熟度をある程度表す?)の差もあって、人口2300万の台湾の方が日本より多いという結果になっている。
 
他競技との比較では、トライアスロンと自転車競技がほぼ近い。
最近お話したプロ自転車選手によれば、
 
「肌感覚として日本の自転車ロードレース人口はざっくり2-3万人」
 
とのこと、これをあてはめれば、Facebookオーディエンス数は2-3倍の数字が出てくると仮定できる。また僕の超ざっくりな感覚としても、トライアスロンの(まじめな)競技人口は3万人くらい、そして自転車ロード系と大差ないという気がしている。
 
以上総合して見てくるのは、日本の、そして世界のトライアスロンの規模感。
隣接領域にも出かけてみたいなあ。
 

2018年1月 3日 (水)

駒大・工藤も"ぬけぬけ病"? 「反復性のトレーニング原則」に潜むリスク

箱根駅伝2018、最も応援するのは大学院の法政でも東大近藤(一区予定がインフルエンザで流れた〜ま来年またチャレンジの方が注目されて美味しいとおもう)でもなく練習パートナー(自称)である駒澤大さんだったのだが、7区でエース工藤選手が「脚が抜ける」という症状に襲われてしまった。この差でシード落ち。残念。

この症状を、箱根駅伝OB俳優さんがツイートしている。

まだ断片的な報道しか出ておらず、工藤選手の本当のところはわからないのだが、ランナーに多い症例であることはわかった。以下、一般論として話を進めよう。

そのツイートで紹介されて突如注目されているのが、福岡の治療院の西山理学療法士による「足が抜ける陸上長距離選手の為のからだドック公式ブログ」の記事

足が抜けたら最初に読むブログ

さっそく翌朝の「めざましテレビ」に電話出演されていた。速!

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それによると、長距離ランナーの足が抜ける症状とは、

カックン病、ローリング病、ランナーズジストニア、足に力が入らない、ふわふわする、棒になる、足を前に持ってこれない、踏ん張れない、ぬけぬけ病…

といった表現をされているようで、過去多くのトップランナー達をひきずりおろしてきたらしい。

この症状の特徴とは、モモを前に出そうとする(=股関節を前側に曲げる)と、土台である骨盤が後ろに下がってしまうこと。それが上記ブログの動画。筋肉の部位でいえば、本来使われるべき腸腰筋に指令が渡らずに、モモ(ハムストリングス)だけで動かそうとしてしまう。無意識に。

腸腰筋にダメージを受けているわけではないので、間違った動作意識が脳に刷り込まれてしまった、ということだ。

西山療法士の見立てによれば、

  • 原因: 繰り返しのトレーニング刺激
  • 対策: 動きのリズムを変える
  • 理想: 症状が出る前に走るのをやめる

とのこと。

やめる、とは、間違った動き(の指令)を脳と神経回路に刷り込まないためだろう。この間もスイムやバイクでクロストレーニングは可能だ。

迷いがあるならサボる、はトレーニングの基本、だと僕は思っている。「迷いがある」とは、つまりなにかが引っかかっていて集中しきれない、という心身の状態をいう。

こんな話、室伏広治さんも新著『ゾーンの入り方』で書いていた。繰り返し練習から脱却しろと。

この本は、体力的にかなわない若いライバル達(=その幾らかはケミカル製)に対して中年がオーガニックに対応するための考え方についてのもの。体力勝負をかければ過労故障は必至。そこで室伏さん、反復的トレーニングをしない、という選択をした。意識を変え、様々な身体部位を活用しながら、潜在能力を引き出すのだ。

その中で、トレーニングの大原則である

  • 反復性の原則=同じ動作を繰り返せ
  • 斬新性の原則=負荷を上げ続けろ

にツッコミを入れる。

これら伸び盛りの若者ならまだよいのだが、あるところから生理的限界にぶちあたる。とくに30過ぎてこの勝負にこだわると、過労故障は必至なのだ。

そこで彼は、単純反復の動作から離れて、不規則な動きに即興的対応をする、という動作感覚を磨いてゆく。「感覚が常に内在する動き」という表現をしている。感じ続けなければ成立しないようなヤヤコシイ動きにより、体を慣れさせる、ということをしない。

筋力のない赤ちゃんが、生まれてから立ち上がれるようになる1年間の動きをマネして、そこに人間本来の動作がある、なんてこともしている。筋肉ムキムキの大男がハイハイの実践研究。

「安定した人工的状態でしかトレーニングしてないから、体性感覚を失い、怪我をする」という室伏さんの仮説は、長距離ランナーにもあてはまるのかもしれない。

自分を成長させるために、あるレベルを超えた先に必要なのは、変化し続けること。 地道な繰り返しは、成功体験を得やすいし、努力という社会全体の価値観にかなうものでもあるけど、どこかで手放してみるべきなのだろう。

・・・

<おしらせ:愛知・三河な方へ>

本屋さん少人数トークショーやります。

日時: 2018/1/7 (日) 14:00-15:30ごろ

会場: 幸田駅前書店(愛知県JR幸田駅前)

料金: 900円、ワンドリンク付き(ビール、コーヒーなどなど)

定員: 10名程度(先着順)

詳しくはこちら: https://www.facebook.com/events/1495205834114131/

(フェイスブック見れない方は http://morrisseyhonwatomo.wixsite.com/kotabooks からお問い合わせを)

 

<ついでのおねがい>

在庫あれば売れるのに蘇生気配ない(から仕方なく私が割高なマーケットプレイス販売してる)Amazonページ→  ←よろしければ「ほしいものリストに追加する」に登録くださいませ(注文不要ですモチロン)、世界最級高性能であろうはずのAIちゃん気付いてほしい〜〜orz

2017年12月31日 (日)

【図解】 「腕振り」とは「慣性力」の制御 〜新刊『ランニング・サイエンス』をふまえて

最近出た『ランニングサイエンス』、普通のランナーにとっては、(人によっては)決定版ともなりうる良書だと思う。

長所を挙げると:

  • 「普通のランナーにとっての基本」がまとまっている
  • それらの多くが、良質なイラストで説明されており、インパクト強い
  • 値段は高いが、その分、所有欲が充たさる (←ここに魅力感じないなら向きません)
  • その高級感が、壁に飾る系インテリアにGood! (←そこかよ)

逆に向かないのは:

  • 情報へのコスパにシビアな方
  • 知識豊富で最先端を求める方

<ランナー・コーチ・研究者、視点の違い>

Amazonレビューは1つだけ最低点がついてるけど、その方の他のレビューを読むと理由がよくわかる。このレビュアーさんは、おそらく大学など高等研究機関のスポーツ科学の専門家のような立場にあるのだろう。いいかえれば、「自分が速くなりたい&速くなれさえすれば満足するランナー」ではない。

プレイヤー(とくに凡才ランナー)、コーチ(元エリートアスリートが多い)、研究者(学界の内部で評価されたい学者の先生がた)、それぞれの立場、目的、視点、は必ずしも一致しないものだ。

今回このブログ記事は、「ランナー」の視点から、「腕振り」について解説するものだ。

 

<腕振りの物理学>

腕振りとは、ニュートン第3法則=作用・反作用の法則に従ったもの。
 
以前書いた

の画像より、マラソン転向するジョーゲンセン女王で説明しよう。

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出発点の「作用」は、両脚が作る角運動量(回転運動)。
後方への、一見、直線的な動きだが、背骨という回転軸が存在するので、時計回りの回転運動力ともいえる。(みやすのんき「大転子ランニング」もこの発想)
 
さらに振り脚(左)も、前への直線的動きであると同時に、やはり時計回りの回転力の発生源だ。
 
このままでは、ニュートン第1法則=慣性の法則により、 ジョーゲンセンの身体はコマの如くスピンし続けることになる。フィギュアスケートなら、それで構わない。
 
でもジョーゲンセンは回らず前に進んでいる。それは、逆回転の「反作用」が存在することを示している。
 
その力は上半身側で働いており、その発生源が腕振りだ。
 
こうして、上半身+下半身トータルでの「総角運動量」はゼロリセットされている。
 
この仕組みの理解が基本。
その上で、それぞれの脚と腕の働きを、 もう少し細かくみてみよう。
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右脚の最大パワーに対抗するのが、対角線の反対側(左腕)の腕引きだ。
 
上下左右なXの軸(点線)をイメージするとわかりやすい。
これにより、上下左右での物理的パワーをバランスさせることができる。
 
運動生理学的にも、腕引きは背筋側を使うので、未活用の筋力となる。
腕を押す側(右)だと腹筋側を使い、これは脚を振り戻すための動きと重なるので、そのために温存しておきたい。
 
(おそらくこれが、コーチの多くが「腕を引け」と指導する理由だ)
 
さらに下の画像。
振り戻し脚(左)の膝を曲げることで、重心を回転軸=股関節に近づけ、回転力を弱める。
この左ふりあげ脚に対抗する右腕も、やはりヒジを曲げて腕の重心を回転軸=「鎖骨&肩甲骨」の中央に近づけて、回転力を弱める。
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ランニングとは、ようするに、体重の操作スキルを競うもの。だから「基本」としてまず理解すべきは、 ニュートン物理学の基本概念だと思っている。
 
ランニングのコーチ達は、それぞれの指導経験に即して、理想の腕振り方法をそれぞれに説明する。それは多数のランナーを指導する彼らの立場から得られた知識であって、プレイヤーの立場だけなら、もっとシンプルでいいとも思う。
その上で、個々人の走りに合うコーチの方法論を幸運にも見つけることができたのなら、それを参考にすればいい。この順序が大事。
 
 
<メンタル>
心理学も、ごくごくシンプルに説明されている。
不安を含めた「感情」とは、状況への反応として必ず生じるものだ、と説明される。
東洋系、禅的思想がいうような「無」ではありえない。
 
ある状況があり、そこに不安を感じる(「認知的不安」という)までは良い。
問題は、その不安に対する解釈。それをプラスに転じるか、マイナスに転じるかに、アスリートの力が現れる。
 
このレベルの大原則を知っておくことで、さらに詳しく知りたいなら、それ用の具体的な方法論を探ればいい。
 
・・・
 
このように、辞書的に、また第一歩めの道案内に、使えるのがこの本だ。
 
独特の高級っぽい質感は、書店で手にとってもらえればわかるだろう。こうゆうのはデジタル書籍にないもの。ゆえに、情報に対するコスパを求めてゆくと、いくらか落ちるであろう要素ともえいる。(欠品の多い『覚醒〜』のデジタル化も、そこは微妙に難がある)
 
昨今、スポーツに限らず情報過多な時代なんだけど、そんな時こそ、軸となるシンプルな知識体系の価値は逆に高いはずだ。
 
←ついでの読んだのが室伏広治さん『ゾーンの入り方』。すごい人だ。。

2017年12月28日 (木)

【メジャー媒体ふたたび掲載】 "週刊読書人 2017年回顧 社会学" 日大教授に書評いただきました

週刊読書人(しゅうかんどくしょじん)、といって、ほうほう、と頷く方はちょっと前までの僕も含めてあんまり僕のブログに居ないと思うのだけど、https://ja.wikipedia.org/wiki/週刊読書人 によれば創刊1948年の老舗書評誌、「インテリの読む書評紙として独自の地位を築いている」のだそうです。公称発行部数は10万なのか3万なのかどっちだwまあウェブ無料公開に移行すれば減るのは当然で、ツイッター@Dokushojin_Club はフォロワー4万超、影響力の大きさはまさにメジャー級だ。

その年末恒例「2017年回顧総評」シリーズの社会学部門 で、日大の好井裕明教授に

「トライアスロンがもつ固有の社会性と文化性を自らの身体で解き明かす社会学的物語だ。」

と紹介いただきました。

中央公論2017年12月号書評 に続くメジャー媒体進出。

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といって、紹介部はこの1行だけなのだけど、他の名著たちと扱いも同じ。

9月末発行でAmazon品切れが続くような本が、社会学、という巨大カテゴリーでの年間まとめの21冊の1つに滑り込めたのは、われながら、すごい。

好井先生の書評は、淡々と一冊一行で紹介し続けるシンプルなものだけど、この本は何であるか、という語彙力と認定力が凄い。引用すると、

著者の思いもあふれ出る見事な絵巻物的社会誌

語りから論じるオーソドックスな社会学研究書

広汎な視野をもつ論集

「分厚い」エスノグラフィーの秀作

一人称の社会学

手紙

・・・以下省略。これらの中で、社会学的物語、とはなるほど的確だなあと感心した。

毎年恒例のシリーズで、2016年 では共著者であり指導教官の田中研之輔教授『『都市に刻む軌跡』が

「当事者の人生や社会階層まで切り込んだスケートボーダーのエスノグラフィー。都市下位文化をめぐる秀逸なモノグラフだ。」

と紹介されている。2年連続。

そして出たばかりの『ルポ 不法移民』(岩波新書)

は来年まとめの有力候補になるだろう。

師に恵まれ、今の僕にできる最高のチームで送り出せたのが、『覚醒せよ、わが身体―トライアスリートのエスノグラフィー』(ハーベスト社)です。


こちら ↑ 楽天ショップはアマゾンと違って在庫あった(12/28時点)←翌朝みたらご注文いただけない商品になってしまい再入荷のお知らせメール登録。。

«【図解物理学】 ランニングの上下動はパワー源 〜大迫傑ver.

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『覚醒せよ、わが身体。〜トライアスリートのエスノグラフィー』

  • 初著作 2017年9月発売

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